
ネタ枯渇中につき、カタログシリーズを進めます。
とはいっても、81の話が続くだけですが(笑)。
今回は
このクルマの話です。
その8で紹介したこのクルマは、平日が私、休日が妹の使用ということで、走行距離こそそれほど伸びませんでしたが、使用頻度は高いものがありました。ところが20世紀も終わりが近づいた頃、急遽代替車が必要になります。
その頃は、私事情で何かと物入りがあり追加予算の捻出が難しかったため、手元に残った車両保険の代金が総予算。事故の後処理でお世話になった関係もあり、ターセルの購入ディーラーに「保証なしの現状渡しでいいから、小型車クラスで車検付いてて安いのない?」と尋ねるところから車選びが始まります。
当時、V20やV30ビスタは代車で数回借りていて、その出来に感心していたため、こちらが来ても決めていたはずですが、出てきたのは何の因果か81(笑)。
曰く、ワンオーナーの中古車として一度販売したが、2代目オーナーが4ヶ月で放出したタマだとか。
経験上、(セダン以外は特に)テレスコピックステアリングが必須装備のため、ハイメカだったら逡巡したのですが、後期では珍しいツインカム24のパールツートン、ということで気持ちは舞い上がり、
程度下にも関わらず、実車を軽く見て近場を一回り試乗しただけで決めてしまいます。
それでは、1990年(平成2年)8月のカタログから紹介。
2015/4/21 画像を全て更新すると共に一部追加をしました。
このカタログについても、既に解説されている方がいると思うので、有名どころのネタ装備は簡略。3兄弟の違いを中心に解説していきます。
先ずは最初の見開き頁から。
マークII同様に、導入は泣かせる(?)文句から。
2.5スーパールーセントG(049:ホワイトパールマイカ)
後期より3ナンバー専用の前後大型バンパーを採用しています。フロントのみ、前期同様にクレスタ専用品となります。
トヨタの4ドアとしてはセルシオに先駆けて、プレスドアを初採用。おかげでドアパネルはセダンとも異なる専用部品になります(71では下半分のパネルは、ほぼ共通)。
2.5スーパールーセント(27N:パールクリアトーニング)
この色は前期の途中から、それまでのパールフレーバートーニングと入れ替わりで設定されたものですが、他兄弟のパールツートンよりも販売比率は低かったようです。
前期のフォグランプはターンシグナルと一体でバンパーに組み込まれていましたが、後期はプロジェクター式になると共にヘッドランプ一体式に変更されます。
51・61、71、81の3世代のグリルデザインは、前期同士と後期同士で共通イメージを持てるようにデザインされていますね。

スーパールーセント(050:スーパーホワイトIV)
通称”ハイメカルーセント”と呼ばれたこの仕様が最多量販になります。前期のスーパーホワイトはG仕様と特別仕様のエクシードのみカラードモールでしたが、後期からはスーパールーセントとGTもカラードモールになります。
テールランプは前期のスモークタイプからクリアタイプに変更。
リヤバンパーはマークII同様、リヤクォーターも含めて変更すると共に大型バンパーが追加されますが、バンパー自体はチェイサーと共用。
個人的心象ですが、この角度からの眺めが一番好きでした。
2.5GTツインターボ(24S:エクセレントトーニング)
初代以来、スーパーホワイトが売れ続けていましたが、前期の特別仕様ブラッククレスタに続いて、後期から黒ツートンを3ナンバー仕様のみ新規に設定。新たな人気色となります。
リヤスポイラーは、クレスタのみのベタ付けタイプ。
ムーンルーフは、71の時にも設定が検討されましたが、セダン以外は頭上高の確保が困難との理由で見送られていました。しかしユーザーからの要望が強かったため、さらに屋根を低くしたにも関わらず、81ではセダン以外にも設定拡大。頭上高確保の苦肉の策として(?)、フロントシート座面のスプリングをムーンルーフの有無で仕様変更するという手法を用いていますが、物理的な限界は如何ともし難く。
2.5スーパールーセントG
この画像は流用されることが多かったですね。
今見ると地上高が高く、タイヤとホイールハウスの隙間も大きく見えますが、前者はサイドシルを黒塗装していること、後者は他車よりホイールアーチを大きくしていることが要因。何れもボディを薄く(低く)見せるためで、当時流のデザイン処理です。
スーパールーセントGのインパネ
この角度からだと、後期から追加されたエアバッグにあるエンボス以外、兄弟車と変わることはありません。
一見すると前期と殆ど変わっていないように見えますが、サテライトスイッチの意匠変更のために下のパネルの形状やコネクタの配列も変更、スピードメーターもケーブル式→電気式に変更等、実はそこそこ手が入っています。
スーパールーセントGの室内
シート自体は、90以降と異なり、最多量販のハイメカルーセント以外は兄弟車のHTと共通。ラグAとラグBでシート表皮の材質は共通ですが、共通部品にできそうなヘッドレストが、実は異なる(前者は縁付)というのは後年知ったトリビア。
ドアトリムはプレスドアを唯一採用するため、セダンとも異なるクレスタの専用部品となります。
3枚上の画像と同印象の風景をバックとした2.5スーパールーセントG
搭載エンジンの紹介
他の兄弟同様、新たに追加された新開発の2.5L、1JZシリーズが大きく紹介されています。
足回りの解説
ホイールも各車専用デザインとなった90以降と異なり、樹脂ホイールキャップとアルミホイールのセンターキャップのみ専用品となります。
後期の安全装備の目玉は、SRSエアバッグの追加。
後年はセンターパッドのエンボスが○Tマークに統一されますが、この頃は車名表記でした。
ハイマウントストップランプもLEDを採用することで、インテグレーテッドスピーカーグリルとの両立が可能となって、新たに設定されました。
クレスタは、マークIIセダンと共にオーディオメーカーが最近復活した”Technics”となります。その関係で、両車のみCDオートチェンジャーは12連装となります。
上から、
3.0スーパールーセントG
2.5スーパールーセントG
2.5GTツインターボ
実はセダンを買う以前に、ルーセントGの(049)or(183)は購入候補に考えた時期がありました。
上から
2.5スーパールーセント
スーパールーセントツインカム24
スーパールーセント
先述のハイメカルーセントのシート表皮の件は、この画像で確認できますね。このシートのサイド部分は実は本皮革のため、兄弟車よりコストが高かったらしく、このグレードのみ兄弟車間の価格差が異なります。

上から
スーパーデラックス
スーパーカスタムエクストラ
スーパーカスタム
マークIIGL・チェイサーXLに相当するグレードを持たないクレスタは、唯一ノンターボディーゼルでも一グレード上が選択可能でした。
右頁は、安全装備各種

主要装備一覧表

左頁は主要諸元表、
右頁は販売店オプションからの抜粋
トヨタビスタ西埼玉(現:ネッツトヨタWEST埼玉)の価格表
後年、関係者間で装着が相次いだシャイニングエンブレムが、店頭付属品に含まれていることに注目。
自分が購入した車は、店頭付属品込みの新車購入だったようで、再販時に廃棄されたハーフカバー以外の一式が揃っていました。
このカタログもまた、マイナーチェンジ発表の翌日に入手した、思い入れの強いモノのため、いくらでも解説可能ですが、この辺で。
【概要データ】
型式:E-GX81-CEPQF(F)
グレード:スーパールーセントツインカム24
外装色:(27N)パールクリアトーニング、内装色:セーブル
登録年月:1991年(平成3年)7月
購入年月:2000年(平成12年)11月
譲渡年月:2001年(平成13年)6月
廃車年月:2004年(平成16年)7月(?)
購入時の純正MOP
デジパネ&パワーシート装着車、ABS(!)
購入時の純正DOP
フロアマット(サキソニー)サイドバイザー、ナンバーフレーム、クリーンボックスEX、シャイニングエンブレム、オートエアピュリファイヤー、電動式コーナーポール
仕様からして、初代オーナーは車に特に詳しいわけではなく吊るしの在庫車を買ったと推定したため、ABSを装着しているのに気が付いたのは、納車がしばらく経ってからでした。
以下、軽くインプレ
○ATでも我先にと急がなければ、及第点の動力性能。明確に中回転以上を好む特性。
○4速は約70km/hでロックアップのため、高速以外は殆どロックアップレス状態。ECT-Sは、ロックアップ解除とシフトダウンの共に、ショック少なく回数多くの作動のため、何となく忙しない印象にはなるが、動力性能の一助となっている。
○2500とギヤ比共通で、最終減速比のみ速められている(1JZ-GE:4.300、1G-GE:4.556)のも、上記印象を強める結果。100km/hでは約2700回転。
○フロントが軽いためか、驚異的な軽さのハンドル。(詳細は次回記載しますが)結構な重さのタイヤ&ホイールを組んでいたにも関わらず、これ以上の軽さは、未だ経験が無く。
○同じく若干軽いため、14インチ径のブレーキでも問題は感じず。ABSは通勤使用時に効果を実感。
○フロントノーズはセダンより長く感じる。コーナーポールは付いていたが、フェンダーマーカーと長年の慣れ(笑)のため殆ど使わず。
○テレスコピックステアリングで何とかポジションが取れる。ただし、セダンより若干リクライニングさせても、髪の毛が屋根に触れる。ギリギリのスペースなので微妙な調整が出来るパワーシートは有効な装備。
○後席は大人の長時間使用には厳しい。(ただし使用頻度は低いので問題はなし)
○同じデジタルメーターでも、1JZ-GE用とは製造元が違うため、明度に差があり。
○1G-GEの音はシリーズ最良。
○燃費は1JZ-GEより1G-FEに近い。レギュラー仕様なのも有利。
○ツインカム24がシリーズベストバランス
この車、所有期間から推測できるとおり、実は痛恨の車歴。
次回はその辺の話をお届けします。別名「間違いだらけの中古車選びorz」