
タイトル画像を見て、「まさか」と思われたかもしれませんが、もちろん、この話もやります(笑)。
購入した最終セダン、走行距離が少ないこともあり、クレスタの時とは違って補修が続くということは、ありませんでした。というか、通常メンテのみで、まるで手が掛からないのです。
だからといって、何もしないでいられないのは悪い癖(笑)。1台はノーマルがあるので、もう1台は手を加えていくのにも、若干お気楽。かと言って、如何にも改造しました、というのは趣味ではなく。
そんな状況下で、たまたま(?)、前オーナーの手により、エンブレム交換されていたこともあって、”輸出仕様「クレシーダ」への道”という新たな地平が開けます。当時は、USDMなんて言葉もありませんでしたので、輸出仕様の情報は限られていました。それだけに知れば知るほど新鮮でしたね。
その後、Web環境の進展に伴い、輸出用のパーツカタログを入手するまでに至ります。もっとも、その頃には製廃が進んでいて、品番が判明しても入手不可の場合が殆どになっていましたが。
さてここで、クレシーダについて若干解説。
X80系3兄弟は、セダンのみ海外に輸出されています。
海外では通用しない国内特化のくだらない車ではないのですよ。
当然の如く(?)、輸出先により仕様が異なります。
パーツカタログで類別すると、
1.北米・カナダ向け(通称「USA・CND」仕様)
2.オーストラリア向け(通称「ARL」仕様)
3.その他一般輸出(通称「GEN」仕様)
の3種類に分けられます。この内、3については、中東湾岸地域向け(通称「GULF」仕様)と分けてもいいと思います。
「CRESSIDA=7M-Gに5マイルバンパーの左ハンドル」だけではないのですよ。
各類別を書き出すと話が脱線したまま戻ってこられないので、今回は略。
それでは、後期GEN仕様のカタログを紹介。
2015/4/16 画像を全て更新しました。
最上級であるGLXのフロントマスク
後期型よりラジエターグリルのデザインが国内仕様と異なるものとされたのが最大の特徴。何故かライト類は、国内仕様とは異なり前期のまま変更されず。フロントグリル以外の国内仕様との差異は、フォグ無しのヘッドランプ及び前期と同じクリアランスランプ。
GLXのフロントからの画像
先ず目に付く、リヤスポイラーはHT等との共用では無く、クレシーダ専用部品になります。前期にはフロントスポイラーも設定がありましたが、後期には国内仕様と同様に無。ホイールは国内仕様とほぼ同じですが、センターキャップのみTマークに変更されています。サイドモールは横幅の広い3ナンバー用(諸元表は5ナンバーサイズなので修正モレの可能性も)。
GLXのリヤからの画像
テールランプの違いが目に付きますが、これは横長のナンバーになる国向け。実は、このためにテールだけではなく、バックパネル・リヤバンパー(ライセンスランプの位置違い)も専用部品を起こしています。
ちなみに、国内仕様と共通のリヤ周りで輸出されている国が存在していることも、品番カタログから確認済み。
バンパー自体は、5ナンバーサイズの物のため、3ナンバー用サイドモールだと段差がついてしまいます。リヤアンテナは、感度を重視してか格納式を採用。
なお、この画像ではフロントバンパーが前期のままですが、単なる画像の修正モレに過ぎません(笑)。

エンジンの解説
仕向け地により、1G-FE、22R、2Lを搭載。
日本では馴染みの少ない(コースターくらい?)22Rは、直4・2400ccで、その昔存在した、直4・2000ccの21Rをスケールアップしたもの。
以上の他、GULF仕様のみ93年まで、直6・2800ccの5M-Eを搭載されたモデルが存在しますが、GEN仕様は90年の時点で廃止されています。
実はガソリンエンジンも全て触媒レス、ストレートのため、逆輸入は困難。

サスペンションの解説
国内同様、エンジン・仕向け地によりIRSと固定軸を使い分け。
1G-FEと5M-EはIRSのみ。2Lは固定軸のみ。22Rは両方。
国によっては、ヘビューデューティサスと銘打って、車高短ならぬ車高長仕様もあります。
GLX左ハンドル仕様のインパネ
同じ左ハンドルでありながら、USA・CND仕様よりも若干(?)簡素な仕様になっています。スライドオープン空調スイッチやプッシュオープン灰皿が無い一方で、6スピーカーだったりと、国内同等が存在しない微妙な仕様違い具合。
GLXの内装の画像
シートは一見、チェイサーのハイメカアバンテ&ラフィーネと同仕様に見えますが、縫製が同じだけ。(もっともリヤシートはHTとセダン系で別部品) さらにシート表皮は、ツインカム24以上のラグジェアリー系と共通。

インパネ中央部の拡大頁
空調パネルは、国内LG&GR系と共通の、プッシュボタン&レバー併用式。オーディオは、国内のカセットレシーバーを反転させたようですが、アコースティックフレーバー付&ポジション無の独自仕様
左ハンドル仕様のみ、グローブボックス部にクールボックスを備えます。

左頁は、他グレードの紹介。
上段は、中級グレードのGL(日本仕様のLG・GR相当)
下段は、下級グレードのXL(日本仕様のGL相当)
道路状況が悪いことを考慮したのか、全車マッドガードを標準装備。
XLの黒バンパーは、日本の営業仕様とも異なるもので新鮮です。また同グレードのホイールキャップは一見グランデ用に見えますが、よく見るとセンター部のマークはTマークに変更されています。
右頁は、主要諸元表(ちょっと見辛いですが)
確認できるとおり、GLX:1G-FEのみ、GL:22Rと2L、XL:22Rのみとなります。
画像こそありませんが、22Rを搭載した70ワゴンの諸元表も掲載されています。
カタログ紹介はここまで
自車に話を戻すと・・・
せっかくの1G-FEですから、前オーナーの意思を継いで、GEN仕様のGLXを目指したのです。これなら、せっかくの上物ボディを切った貼ったしなくても済みます。さらには、誰もやらないであろうという目算もあり(笑)。
【輸出仕様に関する改造内容】
1.前オーナーからの引継
○トランクリッドエンブレム「TOYOTA」「CRESSIDA」「GLX」
○ステアリングセンターエンブレム「CRESSIDA」
2.自分で手を加えた部分
○後期クレシーダ用フロントグリル
○前期用ヘッドランプ
フォグを失うのが惜しくて、国内仕様の前期ヘッドランプで代用
○トランクリッドエンブレム「TWINCAM24」
本来は設定がありませんが、現地のドレスアップ手法を再現(笑)
○後期USA・CND・GULFクレシーダ用テールランプASSY
GEN仕様とは異なりますが、サイドマーカーを付けたかったため
ハーネスも含めた入替により、無加工で目的達成
実は日本仕様とはレンズ部の処理も異なっています
○クレシーダ用ドアカーテシランプレンズ(白→赤)
○USA・CNDクレシーダ用チルトステアリングコーションプレート
○CNDクレシーダ用ヘッドランプクリーナースイッチ
改造が進化するに連れ、ボディカラーも相まって国籍不明車風情に(笑)。ディーラーで査定してもらって、??にさせたり、AMLUXでの入出庫の際、係員にひそひそ話しされたり等、いろいろ面白い経験もありました。晩年は世代が替わったためか、車名で呼ばれずナンバーで呼ばれる等、車名不明で扱われることが多くなりましたね。
この改造に関しては、目の色変えて現地仕様を再現するのではなくて、一見ノーマル車でありながら、同好の諸氏を、”驚かせるor笑わせるor呆れさせる”のが主眼でありました。この方向性は、今でも間違っていなかったと思いますし、充分目的を達することが出来ましたので満足しています。
気付きを与えてくれた、前オーナー氏には今でも感謝しているのです。
現車では同じようなことをやれそうもないのが、少し残念。