
自車は、時折グローブボックスのランプが不点灯になるくらいで、他は絶好調。順調に距離を伸ばしています。パーツ装着も一段落のため、当分の間は、話題がなさそうな気配です。
そんな最中、今回も棚から出てきた古のカタログの話題をします。
好評だったカーオーディオに続いて今度は1985年のタイヤのカタログです。タイヤは、クルマ本体やカーオーディオと違って賞味期限があるため、純粋に当時を懐かしむくらいなのが大きな違いですね。
最初に当時の時代背景を少々記載。
80年代初頭のミシュラン(特にXVS)の大流行が一段楽した後、巷では高価格にも関わらずピレリが流行していました。60扁平の”P6”、55・50扁平の”P7”と書くと懐かしく思い出す方が多いかと。
一方で海外勢の攻勢に刺激を受けて、国内のタイヤメーカーも大幅な性能向上を果たしていくこととなります。
法令的には、1982年(昭和57年)暮に60扁平がようやく解禁。55扁平以下は純正設定のあった外国車のみで、日本車ではまだ禁止でした。「扁平タイヤは暴走族を助長する」という論理が真面目に掲げられていた頃ですね。
後年一般的となる65扁平は、このカタログの発行直後に初登場します。
当時の時代背景等の詳細は
こちらをご参照くださいませ。
それでは、1985年(昭和60年)年初頭のブリジストンのカタログを抜粋してご紹介。
2015/5/13 画像を全て更新すると共に一部追加をしました。
当時のブリジストンの商品ブランドは、大別すると、
1.POTENZA
2.EAGER & ALEPH
3.REGNO
4.SF SERIES
の4つになっていて、さらに扁平サイズ別に分かれていました。こうして見ると、今に続く「POTENZA」と「REGNO」は看板ブランドとして大事に育てられてきたことが判りますね。
右頁は、前述のとおり、少し前に解禁となった60扁平の勧め。もっとも当時の日本車では、60扁平を履きこなせる車は僅かだったのですが。後年一般的となったインチアップだけではなくセイムリムなんていう履き方も書かれています。
POTENZAの紹介
RE91は、唯一の50&55扁平。ただし法令の関係で、あくまでもポルシェ用としての取扱。フロント用に205/55R16、リヤ用に225/50R16。このサイズは”ポルシェサイズ”なんて言われ方をしていましたね。
RE71Mは、86Mと比較すると乗り心地やライフとの引換えに操縦性を重視したタイヤ。それでもOEM用として市場で大歓迎されて、だんだんとPOTENZA=RE71になっていきます。この少し後、日本初のポルシェ認定タイヤにもなりますね。当時、走りを楽しんだ方ならトレッドデザインと共に懐かしいのではないでしょうか。
RE86Mは、60扁平第一弾のため、純正タイヤとして設定されていることが多かったですね。
EAGER & ALEPH の紹介
EAGERは、廉価版POTENZAとして登場。後年はGRIDシリーズに発展しますが、現在は低扁平タイヤの一般化に伴ってブランド統合されてしまい、直系としては消滅。
この少し前に発表された”RCOT”技術が書かれています。
REGNO の紹介
GR-01・GR-02は、最初のREGNOになります。
新製品はもうしばらく後ですから、息の長い商品だったのですね。
GR-03は、60扁平解禁時に登場。これを純正採用している車多数でした。
SFシリーズの紹介
SFは、スチールラジアルの初期に開発に成功した、
スーパーフィラーの頭文字から引用。現在の”ECOPIa”や”NEXTRY”に続くシリーズです。
比較的タイヤに拘らない層向けなのですが、この中でもEUROADは、上級設定ということで宣伝に力を入れて一般需要の掘り起こしを狙っていましたね。
RV専用のオールシーズンと4×4用です。
今では消滅してしまった乗用車用バイアスタイヤも極一部残っています。
バイアスは、新車でも軽や大衆車の廉価グレードに一部残っていたくらいでした。
一方でタクシー専用では、バイアスがまだまだ主流。ラジアルも掲載されていますが、法人タクシーがラジアルに切り替わり始めるのは80年代末期以降でした。
新車装着ラジアルと外国乗用車用ラジアルの一覧です。
60扁平タイヤは、新車装着タイヤとしてはまだまだ珍しかったため一覧表として掲載されています。スポーティ系が殆どの中でシャルマンの名もあります。
こうして振り返ると、30年間の歴史があったような、なかったような。
この間、タイヤに関してはサイズのインフレが進みましたね。今では、当時禁じられていた55扁平以下の車の方が多いくらいではないかと思います。現在視点で当時の車を見ると、どうしても足元のサイズの違いが気になります。
タイヤの外径は大きく変わっていませんので、変わったのはホイールサイズと横幅。タイヤの高性能化が進んでいく中で、車体側も対応していくという形で車が進化してきたのは間違いないところでしょう。
自車も昨年の代替により、ついに55扁平となりました。これでも日本版としてはもっとも高扁平だったりですが(笑)。
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カタログ話(用品編) | クルマ
Posted at
2014/05/25 22:55:15