
思い出のクルマ第14回その2です。
当初は予定になかったのですが、
こちらのみん友さんのコメントにヒントをいただきまして、急遽追加が決定したカタログになります。
まぁ、そもそもクラウン自体がその歴史上からタクシー用途は切り離せませんし、ましてや当時のセダンともなると営業車を紹介しないのは、片手落ちの感がありますかね。
営業車に関しては、実は
この回のPVが地味に上昇を続けていまして、ファンが多いんじゃないかとも思っております。
ちなみにハード面・ソフト面共に識者にはとても敵いませんので、今回もお手柔らかにお願いいたします・・・などと事前に予防線(笑)。
今回のカタログの発行年月は1991年(平成3年)10月となります。
大幅改良の当初版ですね。
2015/5/12 画像を全て更新しました。
最初の見開き頁には、改良前までの最上級グレードだった2台のスーパーデラックス。個人タクシー用途が主でした。
手前が上級のQパッケージ、奥がパッケージ無のため、細部が異なっています。
「Super Deluxe」のグレードエンブレム隣には、昔日の栄光の(?)「TWINCAM24」エンブレム。LPG仕様は、1G-GEをベースとしたハイメカではないツインカムということで貼られたエンブレムですが、自家用はハイメカツインカムの1G-FEのため、同エンブレムは無。
従って同エンブレムがあれば、LPG決定・・・のはずなのですが、そこを裏手にとって1G-FEにあえて貼った事例もあったようです。
左側には、前頁で紹介したスーパーデラックスの上級パッケージを2つ掲載。
一つは、ロイヤルサルーンに近くなるQパッケージ、もう一つはスーパーサルーンに近くなるGパッケージ。
共に車両形式でグレードを示すアルファベットからの命名となります。
ただし、あくまでも”近い”であって、完全に同等とはなりません。
続いてはデラックス。こちらは都内の大手法人が多かった印象でした。
都内もバブル前夜はスタンダードが主でしたが、バブル期にATの導入とほぼ時を同じくしてこちらへ移行し始めます。今で言う”ハイグレードタクシー”の走りですね。
画像は、自家用デラックスでは選択できないカラードバンパーが装着されているため、一見するとスーパーデラックスに見えます。ただしインパネはタクシーメーターの装着を考慮した、フォーマルインパネ(Aタイプ)となります。
続いては、大幅改良と同時に新規で追加されたロイヤルサルーン。都内の個人タクシーは、相当の台数がこちらに移行することとなります。
それまでは、前述のスーパーデラックス及び上級パッケージまでで販売していたのですが、ライバル車であるセドリック・グロリアが先手を打ってSGL、ブロアムの順に発売。クラウンは、守勢に回っていたのです。
そんな状況の中から販売店や事業者要望により生まれたグレードのため、自家用ロイヤルサルーンとは、仕様がかなり異なります。(例:足回りは4リンク&リヤドラム、シートはスーパーサルーン同等)
当時は、営業ロイヤルやタクシーロイヤルと呼ばれていました。
実は140クラウンの販売がY32セドリック・グロリアに劣勢だった時の東京地区の稼ぎ頭だったりします。(私がJZX81を購入した東京トヨペットでは、週末に個人タクシー事業主向けの展示会を開いていたほど)
私が購入したセールス氏も、この営業ロイヤルをY30セドリックブロアムの営業車の代替で売ったと話していました。曰く「買ってもらった事業者の方は、クラウンのロイヤルサルーンの営業車を待っていたんですよね。」とのこと。きっと同じような声が多かったのでしょう。

左頁は、タクシー架装を最上段で紹介しつつ装備類の紹介
タクシー装備は、機器が増えた現代よりも若干シンプルでした。
右頁は、装備を紹介しつつ、後席パッケージや前席シートの改良が紹介されています。
左頁は、上段にその昔は自家用にもグレード設定のあったデラックスA
デラックスとは、シート材質や細かい装備が異なります。
下段には、最も熱いファンの多い(?)スタンダード
規格品の丸目4灯ヘッドライトとスチールバンパーは意図的にメッキモールの廃された外観と並んで、クラウンスタンダードならではのもの。
スタンダードの室内は、これまた自家用には設定のないセパレートシート&コラムシフトが掲載されています。
右頁はエンジンの紹介です。
上段は、ロイヤルサルーンとスーパーデラックスに搭載される6気筒の1G-GP。こそまで搭載されてきたM-Pに替わって、1989年(平成元年)に登場。
下段は、デラックス系とスタンダードに搭載される4気筒の3Y-PE。3Yは、それまでの5Rに替わって1983年(昭和58年)に登場しました。

左頁は主要装備一覧表
興味のある方は前回の自家用との違いを比べてくださいませ。
全般的に、ロイヤルサルーンの装備が自家用ほど充実しない一方で、下級グレードはオプション装着可能品が増えています。
右頁は主要諸元表
これまた自家用との違いを比べるのも一興かと。
営業車の性質上、走行距離が多くなるために、どうしても寿命が短くなってしまいます。そんな中でも、このモデルは最後のフレームボディということもあってか、2000年代の初期頃までは見受けられましたが、今では地方事業者も含めて緑ナンバーの現役車両はほぼ引退しています。
極一部の幸運な車両は、熱いファンが確保しているんじゃないかなと想像するところです。
同年代のセドリックは、つい最近までほぼ同じモデルが販売されていた(生産中止には落涙)ため、この年式でもあまり懐かしさは感じませんが、すっかりクラウンの名が付いたコンフォート系へと置き換わったこのモデルは、懐かしく思わずにはいられません。思い返せば、20年以上前になるんですよね。