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2014年09月05日

思い出のクルマをカタログで振り返る19(20カムリ)

思い出のクルマをカタログで振り返る19(20カムリ)  思い出のクルマ第19回です。

今回は私の大好きなクルマ。自分で買うことこそありませんでしたが、新車登場当時から中古車市場でも見られなくなる間際まで、いろいろ身近に感じたクルマでもありました。

登場は1986年(昭和61年)8月。
先代もどちらかというと情感優先のマークII3兄弟とは正反対の理論的な成り立ちが好ましいと思っていました。もっとも、その合理的な性格ゆえに、モデル末期になるとライバル車の一新が続く中で相対的に貧弱になっていった部分があって、私自身は1985年に登場したアコード/ビガーに心を奪われていきます。この時のモデルチェンジは、そんな気分を再度引き戻させるものがあったのです。

今の目線で見ると、旧型よりもだいぶマークII3兄弟に近づいたクルマであって、アコード/ビガーとは趣味性がだいぶ違うのですが、当時は3兄弟よりも知的に見えていたのですから、作り手が実に巧みだったとも言えます。


開発者(主査 宮川昭一氏)へのインタビュー記事(月刊自家用車誌、車種別総合研究)には、
-------------------------------------------------------------
 ○初代のコンセプトである、室内の広さあるいは燃費、走りという基本性能を守ったうえに、余裕というか遊びというみたいなものを加えた
 ○前のものに比べれば、製品という面でも、商品という面でも十分に満足していただけるものに仕上ったとは思います

-------------------------------------------------------------
とあります。

トヨタのFF化が一巡した後の登場のため、この辺りからFF第二世代に分類されるようですね。
この世代の特徴としては、実用性より豪華さや作り込みが重視されるようになります。新機構の目玉は「ハイメカツインカム」と大々的に謳われた狭角ヘッドを持つツインカムエンジンでした。兄弟車のビスタは、先代のハッチバックに替わって設定された4ドアHTが、先にHTからセダンへの変更を受けたクレスタの穴を埋めるということで、より注目を集めていましたが、私はセダンのスタイルの方が好ましいと思っていました。

お気に入りは、このハイメカツインカムを搭載した2.0ZXでした。一方6気筒命の父は、翌年に追加されたV6プロミネントが気になっていたようでした。
私的にはプロミネントは、輸出用から流用した5マイルバンパーが全長が伸びた(+105mm)だけであまり格好良くない印象でしたし、肝心のV6エンジンがフロントが重くなるばかりで実利がないと思っていました。事実、輸出は2.5Lでしたので、国内に設定された2.0Lは5ナンバー枠の制約を優先させたものだったのです。

この世代を商売としてみると、国内でも先代よりは成功となりましたが、むしろ北米で成功したのが大きかったのではないでしょうか。海の向こうでの成功が、次世代以降のワイド・ナロー2本立てを決断させることとなって、後にワイドに統合、大型化を進めながら車名変更をされることなく現在に至ることとなります。

当時の国内では、どちらかといえば傍流でしたから、本流車種が次々車種統合や車名変更をされる中でこれが残ったのは意外な結果という思いでいます。

この代は、その後の拡大路線前夜のモデルですね。


前置きはこのくらいで、前期最終となる1987年(昭和62年)11月のカタログから紹介。
2015/5/19 画像を全て更新すると共に一部追加をしました。




最初の見開きでは、当時のCMでも使われた「新しきセダンの肖像。」というコピーが掲げられています。

追加グレードが相次いだ車種のため、「新登場」というフレーズが重複することに。





最上級のプロミネントG(スーパーホワイトII(040))
前述のとおり、追加車種となります。追加に際して、手を入れられた部分は濃厚感を強調するものですが、基本はスマートかつ細身な印象。空力フォルムで当時一世を風靡したアウディ100に範を求めているのでしょう。後に登場する170コロナ以降は、リヤデッキ部分を上げてきますが、こちらはそれ以前の所謂「八頭身フォルム」。





プロミネントGの室内
室内色は、モデルチェンジにより新設定となったマルーン
当時流の豪華さの表現ですが、マークII3兄弟のボタン引きルースクッションよりは、シート縫製等、若干抑制されています。
先代はマイナーチェンジの際に、後席3点式シートベルトの設定が外されて、批判されましたが、モデルチェンジに伴いZX以上に再設定されます。(ただし前期はセダンのみ。)





プロミネントGのインパネ
先代は開放感優先でインパネとセンターコンソールを分離していましたが、この代では連続させることで、開放感よりも豪華さを演出。この造形のために、インパネのセフティーパッドにはパウダー・スラッシュ製法を採用。

ドアミラースイッチはドアトリム上段のちょっと珍しい位置に配置されていますが、これは操作性が不評でマイナーチェンジにより設置位置が変更されることとなります。





当初のイメージリーダーだった2.0ZX(スーパーホワイトII)
プロミネントに比べると引き締まったイメージが好ましいと思っていました。スタイルは、前年のセリカ・カリーナED辺りの流れを汲む曲線基調。ディテール部分はマークII3兄弟やクラウンを彷彿させる部分もあります。





プロミネント登場後に追加となった フルタイム4WD ZE(グレーメタリック)
4WD化にあたって、車高を上げてはいないのですが、撮影の際に車高を下げる細工をしなかったのか、他の画像より上がっているように見えますね。





中間グレードのZTをベースに追加された1.8ルミエール(スーパーホワイトII)
後にカムリの代名詞ともなる、”ルミエール”のグレード名は先代にも特別仕様として設定がありました。ただし今回は特別仕様ではなく、追加グレードとしての設定。
この角度だと、先代よりAピラー・Cピラーを共に6度寝かせているのが解り易いかと。前者は下端部の位置の変更なしのため、5mm下げられた車高&室内高と共に純粋に室内空間の減となっています。後者は下端部の後ろ出しですが、リヤオーバーハングを100mm延長してリヤデッキが短くなるのを防いでいます。
以上のとおり、純粋なパッケージングとしては、理想主義的な先代よりも後退。製品性と商品性の鬩ぎ合いですね。





エンジン及びミッションの紹介
このシリーズで初登場した「ハイメカツインカム」シリーズが大きく掲げられています。
ハイメカシリーズでは、3S-FEのようにTWINCAMを使わずVALVE数を使うことが殆どだったのですが、1VZ-FEは例外で、FOURCAM24がエンブレム等に使われています。

後期では1.8Lもハイメカツインカム化されることとなります。





足回り等の紹介
サスペンションは基本的に先代からの踏襲ですが、TEMS、PPS、ESC(後のABS)の採用等、電子制御技術が入り込み始めています。

2.0Lについては、先代よりタイヤ径を大きくして重量増に対応しています。





追加となったフルタイム4WDの紹介
先行したセリカGT-FOURの技術の流用なのですが、セダンのフルタイム4WDの登場は、寒冷地方面には福音でした。
同時期に登場したカローラ/スプリンター4WDでは、リヤサスを5リンクリジッドとしましたが、こちらはストラットのまま成立させています。

ただし、この時点ではATはなくMTのみでした。





ボディ関係の紹介
V6化にあたりライト・グリル・バンパー等が変更されていますが、これで全く違うイメージとなるのがデザインの面白いところです。
フォグランプ一体ハロゲンヘッドランプは、後期では4気筒系にも拡大採用されることとなります。

室内は(特に頭上空間が)先代よりも狭くなりましたが、リヤオーバーハングの延長が効いて、トランク容量は先代よりも増えています。





室内装備の紹介です
プッシュオープン式アッシュトレイやカップホルダーは、商品力向上のための採用でしたが、予想以上にユーザーから好評だったため、他車種にも拡大されていくことになります。





室内装備の続きです。
6:4分割可倒式リヤシートは、先代にあったビスタ5ドアの廃止に伴い、ユーティリティは継続させようということで新たに採用されています。

オーディオは、音質の変えられるアコースティックフレーバーの採用等、特に上級グレードは力が入っています。ボリュームが左にある機種は、輸出仕様とのボディ共用のためだったようです。





左頁はプロミネントシリーズ
右頁は2.0ZXと2.0GT
当時は、GTのボディカラーのパールツートン、プロミネントのボディカラーのダークブルーマイカの順で好きでした。





左頁は上から、ZE・ルミエール・ZT
前期の最終となるカタログのため、フルタイム4WDが追加されています。
白の最盛期は過ぎていましたが、スーパーホワイトの画像が多いですね。
グレーM(167)は、当初ダークベージュの内装色でしたが、この時期にマルーンへ切り替えられているというのは、トリビア的視点。

右頁は上から、XTサルーン・XT・LT





左頁は主要装備一覧表
右頁は主要諸元表
ボディサイズは2.0ZXで、全長4,520mm×全幅1,690mm×全高1,395mm。現行比では、およそ300mm短く、130mm狭くなります。



カタログの紹介はこのくらいで、いつもの思い出話など。

知り合い関係では、第15回で紹介したライトエースの代替が、これの前期1.8ルミエールでした。この購入は、最初モデルチェンジ寸前だった初代FFカリーナ1.8マイロードで商談が進んでいたところに、このクルマを見せたら20万円近い差額を超えて購入車種が逆転したという推移あり。

そこから一年後、我が家でコロナ購入する時にも、あこがれたクルマですから検討はしました。予算的に2.0ZXは無理で、購入できそうなのは1.8ルミエール、あるいはその特別仕様くらい。当時は4-ESC(ABS)優先でしたので、2.0ZX以上のみに設定されていたカムリは対象外という結果に。

普通はここで縁が切れのですが、さにあらず。
ビスタ店に整備等で入庫させる際には代車を借りていたのですが、90年代半ばから末期にかけては、兄弟車のビスタが出てくることがよくありました。セダン・HT共に1.8ばかりを数台借りたと記憶しています。

借りた当時の印象は、シングルカムだった前期こそ、パワー不足の感があったものの、2.0に続いてハイメカツインカムに改良された後期は、全体バランスのいいクルマでありました。自分の乗っていたコロナとの比較では、次世代となる30カムリ・190コロナとの比較と同様にこちらの方がおおらかな感じでしたね。
当時は、20代半ばも過ぎていたこともあって、こちらならもう少し長く乗れたかなぁなどと思ったりもしたものです。30との比較でも、一回り小さくて4隅の把握が容易なこちらの方が好きでした。気になったのはハンドル角が不足していて、小回りが効かない点くらいだったかと。

このクルマも90年代末期から2000年代初頭にかけて輸出に回されたこと、数少ない生き残りも近年のエコカー補助金の影響を受けていて、取り上げた前期は本当に残っていません。
それでも、長くに渡って好意をもって見続けてきたクルマですから、忘れられない一台なのです。
ブログ一覧 | カタログ話(思い出のクルマ編) | クルマ
Posted at 2014/09/05 19:20:09

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この記事へのコメント

2014年9月5日 20:04
こんばんは、ご無沙汰しています。

ビガーやCAアコード等はベルトラインを低く採っていて安定感に満ちたスタイリングがかなり好きですね。

20カムリ/ビスタも71に近い雰囲気や質感で堪らないです(笑)

エコカー補助金…あれの影響で本当に80年代半ばのセダンは生き残りが少ない様です…

こんな事ばかりしていると、日本のクルマ文化は捨ててる様な物ですね…(泣)お役人達は「名車」なんて言葉も全然気にしてないのでしょうけども…
コメントへの返答
2014年9月5日 20:49
ぽんともさん、こんばんは
コメント、ありがとうございます。

セダンでも全高1,400mm以下じゃないと格好悪いと言われていた時代ですね。そんな中でも、当時のホンダは低い車が多かったです。

新型車解説書を見ると、20は10の骨格ベースで71に近づけたかったのだなというのが解ります(笑)。

クルマ文化も「ちょっと目を離すと、きれいさっぱり消えちまってる。それにどんな意味があるのか考えるよりも速くだ。ここじゃ過去なんてものには一文の値打ちもないのかもしれんな。」で来てしまいましたね。
制度の是非は、既に各所で論がされているので、ここでは触れませんが、本来の姿を歪めてしまう制度というのは、不自然な仕組みではあります。
2014年9月6日 8:49
広くてまとまり良くていいクルマでした。

オヤジがビスタの4HTの方に乗っていました、ディーゼルターボの。
コメントへの返答
2014年9月6日 9:13
P.N.「32乗り」さん、おはようございます

当時のトヨタの序列の中では、4ドアの2000ディーゼルターボはこの兄弟だけに与えられていましたね。

地味なため、あまり注目を集めることもありませんでしたが、仰るとおり広くて快適なイイクルマでしたね。
2014年9月6日 9:03
V20系の登場ですか・・・まぁ~個人的には思い出がぎっしり詰まった1台ですね。
我が家の「マツダ地獄」から抜け出せたのもこいつのおかげだし、初めて自腹でフル装備&サンルーフ付を購入し、今に続く「ローン・レンジャー」になったのもこのクルマからだし・・・自腹の後期2.0VXセダン(ブラキッシュブルーマイカ)より、イエグルマたる前期2.0VX・HT(グレーメタリック)のほうが、免許取得と同時に納車(高3のときだわ)だったモノだから、黙って学校に乗ってたり、ST163乗りの先生からアルミを譲ってもらったり、そういや南武線・南多摩駅で、白タクもやったっけ・・・一つ残念なのは、輸出専用のワゴンの国内投入が無かったことかな。
コメントへの返答
2014年9月6日 9:21
営業部長さん、おはようございます

個人的に大好きなんで、特集にしてもよかったのですが、一先ず前期を掲載してみました。
後期セダンのブラッキッシュブルーマイカは、当時一番欲しかったクルマです(笑)。一方、前期HTのグレーはイメージカラーですね。

このクルマ、ビガーの時と同様に、書いている内にどんどん内容が追加される悪循環(?)になりました(笑)。力作だし、思い出もあるしなんですよね。

ワゴン、時期尚早ということで国内導入は見送られましたが、格好良かったです。導入されていたら、レガシィの市場を先取りできたんじゃないかと思っています。
2014年9月9日 22:13
ウチの祖母がSV10後期に乗っていました。
祖父は耳が悪く車の運転が出来なかったので
祖母がRT40、610ブルの次に乗り継いだ車でしたが、
私が物心ついたときは20カムリが全盛で、
どうしても20の方がスマートでカッコよく見えました。
うらやましかったなぁ・・・・

今でもカタログを見ることがありますが、内容の濃い車でしたね。

近所でブルメタのワゴンが一台元気に走っています。
コメントへの返答
2014年9月10日 6:58
ノイマイヤーさん、おはようございます

SV10は、理想主義的なクルマでしたが、マークIIやセリカの3兄弟が一新された後だと一世代前に見えたかもしれませんね。

一方でSV20は両3兄弟の流れを受けてスマートでした。自動車評論界では賛否両論でしたけれどね。「カッコよくなって、あまり似合わないのか継続CMの人が片隅になっちゃった」と書いたのは、確か三本御大だったかと。

対Jカーで始まったFF化でしたが、欧州の影響も受けてこの辺から、こなれていきますね。各社慣れてきたという感じを受けます。

20ワゴンは逆輸入ですね。新車当時も円高を生かしてショップ単位で逆輸入されていたと記憶しています。リヤスタイルが同時期のカリブ風味なのが、面白いですね。
2014年11月3日 20:22
初めまして。

ボクは20カムリ後期最終直前の90年2月に
2LルミエールGをオーダーしました。
S/R、アルミ、寒冷地、オートACを付けました。

本音?はX81系が欲しかったですが、
カムリに惹かれて購入。
ワゴンボディが欲しかったですが、かなり高額で
諦めました(^^;
仰る様にハンドルは切れなかったですねぇ・・・・

失礼致しましたm(_ _)m
コメントへの返答
2014年11月3日 21:30
ブルマウさん、はじめまして
コメントありがとうございます。

90年2月の購入だと、最終に近い時期ですよね。書かれている仕様だと2.0ZXを勧められるように思うのですが、あえてのこだわりかと推測します。
ルミエールGは、長年特別仕様と認識していたのですが、後年になって追加グレードであることが判ったことを思い出します(笑)

当時は私もX81よりV20派でした。「間違いだらけ~」に書かれていた、前者は情緒的選択、後者は理論的選択というのが的を得ていたと思います。
ワゴンは国内に市場無と判断されたのが惜しかったですね。逆輸入仕様は仰るとおり強気のお値段でありました。

新旧問わず思いつくままで書いていますので、これはというのがありましたらコメントいただけると嬉しく思います。

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「帰還後の近況 http://cvw.jp/b/1984303/48316556/
何シテル?   03/16 21:58
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