
最深部から発掘された資料、第2弾です。
タイトル画像は、実は表表紙ではなく裏表紙なのですが、こちらの方が分かり易かろうということで選択しました。
三菱は今回がブログ初登場となります。初登場がこれでいいのだろうか?と思ったりもしますが(笑)。
長い歴史を持つギャランシリーズ(シグマを含む)を、自分的好きな順で上げていくと、1.6代目(E30系)、2.3代目(初代シグマ)となって、このシリーズは3番目となります。
インパクトでは1・2の両世代に劣りますが、この世代は、(特に初期型の)三菱らしからぬ(?)スマートなデザインと、初のFF化ということで理想主義優先的なコンセプトが好きだったりするのです。
この時のCMキャラクターは、先代に続いて、昨年末に亡くなられた、故高倉健氏。
氏が亡くなられた時には、当時のカタログやCMを取り上げられているブログを見かけましたが、さすがにこれはなかったように思います。
かなり珍しい資料だと思いますので、貴重な情報を読み取りつつで、懐かしんでいただければ幸いです。
それでは、この世代が登場した1983年(昭和58年)発行のものをご紹介。
ちなみに、最初の見開きでお分かりのとおり、高倉健氏の他にもコメントを寄せている方がいるのですが、今回はその部分は省略いたします。
最初の見開きで、パラソルの下にたたずむ美女をバックにイメージリーダーである1800スーパーツーリングを掲載。通常は最上級をイメージリーダーにするのですが、この世代は何故か最多量販と目された、どちらかといえば廉価のこのグレードでした。
左上には、氏の名前と共に、CMで使われた「待ってたんだ」を彷彿されるフレーズが書かれています。ライバル車の商品力が上がる中、旧モデルは苦戦を強いられていましたので、販売最前線こそが最も「待ち望んだ」のかもしれませんね(笑)
続いては、当時のCMである「惚れぼれ、シグマ」のロケに関する話です。
ロケ場所は、新型車の秘密を守ることが考慮されて、品川にある
”関東閣”で撮影されたとのこと。
執筆にあたり、”関東閣”を確認しましたが、残念ながら外部非公開のようです。
撮影の際の裏話ですが、氏の人柄を連想させるような箇所がいくつかありますね。中には「女性に買って、プレゼントしたい」と話されたともあり(笑)
続いては、新型のデザインの特徴の一つである、リヤピラーに関する話
リヤピラーは、同時期のクラウンも採用したアクリルパネルでカバーする形状を採用しています。個人的印象ですが、後付感が否めないクラウンよりもデザインは勝っているように感じます。翌年に登場した71マークIIのHTもアクリルピラーを採用しますが、デザインはシグマのそれにかなり近く。
もっとも、せっかく採用したアクリルピラーも、中期モデル以降はアクリル材質であることを隠すようなボディ同色のデザインに変更。これまた個人的心象ですが、「いいデザインなのに、もったいない」と思ったものです。
このピラーは簡単に変更可能で、下の画像は、最終頁にも出てくるオーダーメイドリヤピラーを装着したものなのですが、残念ながら実車で見かけたことはありません。
続いては新型車の見どころを紹介
最初は、内外装の話です。
旧型のFRからFFへの変更ということで、エンジン以外のコンポーネントを一新。メーカーとしても、かなり力が入っていたことが分かります。
他車を含めたFF第一世代に共通する理想主義的なパッケージを、当時の三菱に共通するスマートなデザイン(断定はできませんが、このクルマもアルド・セッサーノ氏の作?)で包む。この世代の最大の特徴はやはり、この優れたデザインだと思うのです。
前に続いて、新型の見どころとしてメカニズム関係が紹介されています。
読んでいるだけでも、力の入れようが伝わってきます。最後に記載されているとおり、旧型はユーザー層が中高年齢層に片寄っていたそうですが、この世代はヤングアダルトにも広げたいとのこと。そのためのツーリングシリーズであり、赤いボディカラーをイメージリーダーにしたのも同じ理由でしょうね。
この見開きの主役は、CMキャラクターである高倉氏。
この年の夏に公開された「南極物語」に続いて公開予定となっていた「居酒屋兆治」が紹介されています。
最後は、新型登場に合わせて企画されたグッズたちの紹介。
GDIクラブ以前にもクラブは存在していたのです(笑)
グッズとしては、何となく三菱の社風を思わせるような、ややお堅い品が並びます。いずれも現存していたら貴重品であることは間違いなく。いや知っているだけでも・・・かもしれませんね。
ということで、いかがだったでしょうか。
この世代、せっかく力の入ったモデルチェンジでありながら、メーカー予想を下回る販売台数となってしまいました。このため、売れ線を意識したエアロパーツやメッキパーツを追加してみたり、小改良を繰り返したりしたのですが、販売台数の増加には結びつかずで終わっています。晩年は、お買い得最優先あるいは営業車需要となってしまいました。
デザインの完成度も最初期がベストだったというのが個人的感想です。
もっともこの世代の反動が、次世代のE30系となって結実するのですが。
※改めて、高倉健氏のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
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Posted at
2015/02/01 22:49:50