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2015年07月25日

1985年のクイント インテグラのオプションカタログ

1985年のクイント インテグラのオプションカタログ 少し間が開きましたが、1980年代のホンダ車(ベルノ店限定)の第5弾ということで「クイント インテグラ」を取り上げます。

これで当時のベルノ店のオプションカタログは完結となります。

クイント インテグラは、1985年2月に、初代の5ドアからほぼすべてが一新された3ドアハッチバックが登場(メーカーサイトにある当時のプレスインフォメーションはこちら)。このモデルチェンジは全車ツインカムエンジンを搭載ということで話題となりました。

続いて、1985年10月には3ドアのホイールベースを延長してリヤドアを追加した5ドアハッチバックが発売されています(同プレスインフォメーションはこちら)。

今回取り上げるのは、その5ドア追加時のモデルとなります。
これまで同様、同年代のホンダ車と比較しつつで紹介していくことにします。



最初の見開きでは、次にも登場する5ドアGSの姿が目次と共に掲載されています。
霧の中に佇む幻想的な姿を見せたかったのでしょうね。当時のホンダですから、ベージュの5ドアであっても、どことなくドラマチックな演出なのです(笑)





PURE LUXURY VERSIONということで、前頁に続いて、5ドアGSのオプション装着画像が掲載されています。

当時はホワイトやシルバーが(3ドアだとレッドも)多かった印象で、ベージュはあまり見かけることはありませんでしたね。

それまで5ドアというと各車生活臭が前面に出ていたのに対して、クイント インテグラはお洒落感の方が勝っていたのが大きな特徴。
この4年後に登場する、ファミリア アスティナ&ユーノス100は、間違いなくここからの影響を受けていると思います。

Cピラーやリヤゲートの処理は、同時期のプジョー309との類似性を指摘されることもありますが、もう少しホイールベースを伸ばすとシトロエン エグザンティア風に見えてくる気もしますね。(左下のイラスト参照)





PURE AERO VERSIONということで、先に発売された3ドアGSiにエアロパーツを装着した画像が掲載されています。

とかくフルエアロとなると満艦飾になりがちですが、後付感や違和感が無いというか、あまり派手な印象を受けません。フルホワイト全盛期ながら、モール等のディテール部にはあえて黒を残しているのもいいアクセントになっていると思います。

こういうさじ加減は、当時のホンダが頭抜けていましたね。

3ドアを先行させて、初代のイメージを払拭すると共にスポーティなイメージを形成。後から本命の5ドアを登場させるという方法も上手でありました。









各種オーディオの紹介です。
当時の他ホンダ車同様に、標準装備のラジオは1/2DINサイズということもあって、カセットまでは1DIN一体、それ以上はコンソールに別配置とされています。

まだワンボディデッキの創生期ということもあって、4アンプだと10W程度が限界、20Wクラスだと2アンプとなっていました。

社外品は輸出前提の左メインスイッチ&ボリュームが多かったのですが、さすがの純正品で右メインスイッチ&ボリュームですね。





左頁は、エアコンの紹介です。
同クラスの他車では、オートエアコンの設定が広がりつつありましたが、クイント インテグラは、ベースとなったシビック同様にマニュアルエアコンのみでした。次世代では、一気にフルオートエアコンが設定されることとなります。

右頁は、CONVINIENCEということで主に収納に関する用品が紹介されています。
3ドアはリヤクォーターのみ、5ドアはリヤドアの3角窓のみのサイドサンシェードが当時らしいですね。





COORDINATIONということで、シートカバーとフロアマットの紹介です。
CR-Xよりも落ち着いていて、かつバラードセダンやビガーよりもフレッシュなイメージは、車両本体のイメージとも一致します。

このあたりの用品の設定もセンスの良さを感じずにはいられません。





主にアルミホイールの紹介ですが、AERO-DESIGNとされています。
エアロディッシュ全盛期らしい品揃えです。

クイント インテグラの純正アルミというと、14サイズエアロデザインのイメージが強いですね。

純正スチールは、基本的にキャップレスだったため、エアロダイナミックホイールキャップを装着しているクルマも多かったように記憶しています。





クイント インテグラの用品の目玉が、このCLOSEN SYSTEMです。
世界初の方式による<接近感知装置>とされています。

上級かつより新しいモデルのビガーには、設定の無かった装備です。
詳細は不明ですが、埋め込み型ではなくバンパー内側にセンサーを設置するとありますので、セキュリティシステムに近いものだと推定されます。





左頁はACCENTということで、主にストライプの紹介。
サイドストライプは4種類が用意されていました。
フロントロアスカートは、インジェクションモデルには標準とされていた装備です。

右頁はCARRIERということで、キャリア類が紹介されています。





左頁は、POLE&LIGHTINGの紹介です。
CLOSEN SYSTEMの設定があったものの、他車同様、リモコンポール&固定式コーナーポールも設定されていました。

ドアバイザーは、この頃から設定され始めたスモークド樹脂。車内からの視界を妨げないため、サイドウィンドーのかぶりを大きく出来ると書かれています。


右頁は、CHEMICAL GOODSです。
各種ケミカル類の他に毛ばたきが紹介されています。この毛ばたき、高級品で5,000円、普及品で2,000円というお値段は、前回のJ.フェリーと比べてお値段が一桁違います。どうやら一見同じに見えながらも、お値段ピンキリの商品のようでして、その昔購入しようとした際に、ご予算次第で各種ありますがと言われたことがあります。





最後は用品一覧です。
「どこに、どれ程、こだわるか。それが楽しい問題だ。」とありまして、正しく同感するところです(笑)





80年代半ばのベルノ店シリーズの最後ということもありますので、裏表紙も掲載します。
オイルのウルトラブランドは今も続いていますね。


ということでいかがだったでしょうか。
初代同様、シビックをベースにした成り立ちで、ちょっと上級を狙ったこのシリーズは差別化が非常にうまくいって、プレリュードと共にベルノ店を支える存在に成長することとなりました。

元々この手の中間車種というコンセプトは、この以前にも実例があったものの、成功するのは難しいとされていました。初代も決して成功とは言えませんでしたし、この3年前にミラージュをベースにして登場したコルディア/トレディアは壊滅に近い失敗となっていたのです。

このシリーズは、クルマ作りの上で、イメージの構築というのがとても大事だということを実証した例だと思います。この頃のホンダはこの辺りが上手かったのですが、特にこのシリーズの展開はその中でも白眉でしたね。

サブネームかつ、次世代以降はメインネームとなったインテグラとは、「統合する」「完全にする」という意味をもっていて、ホンダが持つハイテクノロジーをひとつに統合したクルマということから命名されたそうですが、コンセプトの醸造や販売戦略等のソフト面でも、上手に統合したクルマという印象が強いです。

もう一つ、その成功だけでなく、他車への影響という点からも特筆すべきでして、先にその一例としてファミリア アスティナ&ユーノス100を挙げましたが、その他に92レビン&トレノのコンセプトにもここからの影響を感じます。もう少し範囲を広げれば、全車ツインカムというバリエーション展開は、この後のトヨタハイメカツインカムシリーズの基になったとも言えそうです。

近年のホンダは、新型車を連発しながらも今一つ噛み合わず、結果的に実績が追随していない印象があるのですが、この時期の自社製品群を見直すことで学べることもあるんじゃないのかなと素人ながらに思ったりするのです。
ブログ一覧 | カタログ話(オプション編) | クルマ
Posted at 2015/07/25 13:28:30

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この記事へのコメント

2015年7月25日 14:49
 こんにちは.希少なオプションカタログをありがとうございます.

 車載CDプレイヤーが登場したばかりの頃でしょうか.カセットデッキの種類が多く,CDプレイヤーが一機種のみというのが印象的です.当時の10万円ですから,高級品ですね.

 初代インテグラが登場するまで,このクラスで成功した中間車種はカリーナしかなかったと思います.全車ツインカムエンジンとリトラクタブルヘッドライトでスポーティさ,内装の上質感で20代後半の独身男性にアピール,後に5DHB・セダンを出し,購買層を30代のヤングファミリーに広げる,その企画が見事だと思います.

 山下達郎さんの歌を使ったCMも素晴らしかったです.インプレッサでも山下さんの歌を使っていますが,30年前のインテグラのCMの方が断然良いのですよね・・・.Pari-shiro様の言われるように,クルマのハード・ソフト面しっかり考えられていたのですね.
コメントへの返答
2015年7月25日 19:08
こんばんは
あまり出回っていないネタだと思うので、楽しんでいただければ幸いです。

車載CDプレーヤーは、パイオニアが1984年に登場させたのが初ですから、ご推察のとおり初期になります。車載としてはまだまだカセットが主流で、CDの普及はもうしばらく後になりますね。

インテグラの解説をありがとうございます。
カリーナも、HTが未追加の初期は販売に苦労した車ですので、中間車種が難しいのは間違いありません。そこを成功させるには、企画力が優れている必要があるわけで、このインテグラ、書かれているように、差別化の演出やシリーズ展開が実に上手でありました。

CMも世界観の演出に役立っていましたね。当時のホンダは、プレリュードやシビックでも冴えていましたが、このクルマもまた素晴らしい出来でした。当時を知る人的には、山下達郎=インテグラのイメージであって、後発の他車が曲を流用したとしても、そのイメージを変えることは難しいと思います。

この時期のホンダ車は、ソフトとハードが上手くリンクしていて、市場もまたそれを歓迎していました。車種展開としては拡大一方の時代でしたが、お手軽な企画は見られずという、イイ時代でしたね。
2015年7月25日 22:27
こんばんは♪

この頃のホンダ車は、イメージ戦略で頭一つ抜き出てましたよねぇ。

「ホンダに乗ってると、知能指数が高く見える」なんて場所によっては言われてた様な?www

ただ、ネーミングをコロコロ変えたり、クルマとバイクに使い回したりと意外に訳判んない事も…w

以前ウチの記事でも書きましたが、インテグラも1980年台前半にCBX400Fインテグラを皮切りに数車に使い、クルマで使った後にまたバイクに使うと言う事にw

まぁ、それでもこの頃のイメージ戦略と比べて今のホンダはちょっと迷走してる様な気がしますねぇ。
コメントへの返答
2015年7月26日 7:46
おはようございます

「ホンダに乗ってると、知能指数が高く見える」は、何だったか(CAR&DRIVERあたり?)は失念しましたが、見た記憶があります。他社製品と大きな差があったわけではないので、明らかにイメージ戦略の勝利ですよね。

以前取り上げられていたネーミングが顕著ですが、商品展開でもツインカム攻勢の前後にはシティやレジェンドのターボがあったりして、意外と一貫性の点では怪しかったりします。それもまたホンダらしいと言えるのかもしれませんがw

何となくふわっとした市場の空気を読んで素早く商品展開するという点では、トヨタ並、あるいはそれ以上に上手だったはずなのに、最近はどうにも迷走している感が否めません。使えるコンポーネンツは当時より遥かに多いはずで、後は組合せの妙技だけだと外野ながらに思うのですけれどね。
2015年7月26日 8:42
若者にも手が出しやすいお値段、
それなりの装備、性能で良かったんですよね。

コメントへの返答
2015年7月26日 11:27
こんにちは

シビックベースですので、あまりお高くならず、プレリュードやアコードの雰囲気も味わえてとお得感がありました。

この頃のホンダは、安っぽく見せない術が上手でしたね。

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