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2016年07月24日

「美しいクルマ」を違う視点から

前回の「美しいクルマ」話において、営業部長さんから寄せられたコメントに、とても共感しましたので、ブログネタに取り上げてみることにします。

美しいとなると、どうしてもハードトップやクーペの流麗なスタイリングを思い浮かべるということで、私選5傑としてみたのですが、その一方でセダン、特にベーシックな方にもいいデザインはあると思っています。

セダンである以上、機能を犠牲にしてはならないですし、ある程度の量販も課せられる。ある種、スタイリングに特化したモデル以上に難しいのが、セダンのデザインだとも言えるわけです。

長い歴史であるとか、数多く売れたとかで、埋没しがちではあるのですが、そんな中にもきらりと光るデザインは、確実に存在します。同じ理由から、こういう切り口ではあまり取り上げられることもないのも事実でありまして、であれば、ここでやってみるのも意義があるかなと。

そんな観点から、私の好きなセダンのデザインを順不同で挙げてみます

○5代目コロナ



形式名の”100コロナ”よりも”安全コロナ”の方が有名かな。
営業部長さんは「ザ・セダン」、私は「小型セダンのお手本」という言葉で高く評価しているデザインです。

70年代初頭のデザイン傾向は、豊かになった時代を反映して、曲線主体となるのですが、だんだんと機能の犠牲や装飾過剰の部分も見受けられるようになっていきます。

そんなデザイン達に異議を唱えるかのようなこのデザインは、一種の清涼剤的に映ったものです。サイズ自体は、同級他車とほぼ横並びながらも、どこにも破たんのないバランスのとられ方は、ひとえにデザインの勝利だと言えます。

そのデザインに目を奪われがちですが、汚れ防止の観点からリヤテールの下側を奥に入れてみたり、エンブレムやホイールキャップから角を排除する等、ディテールも実は意欲的だったりします。

このデザインの意味合いについては、ひとりのデザイナーの手記として、登場時のカタログの最初の見開きに掲載されたものが、ほぼ言い表していますので引用してみます。

以下引用。
「新型コロナは、意味をもたない流行的なものは意識的に排除し、真のクルマの魅力とは何かを追求することによって、本質的な美しさに迫ることを試みたクルマである。それは、わざとらしさや、鬼面人をおどろかすといった作為をとりのぞき、クルマの魅力をほり下げること、および、デザイナーの造型的モラル、能力の高さで達成されるべきものだと思う。新型コロナのデザイン作業をほぼ完了した現在、このクルマが『カッコ良いとか悪いとか』いう皮相的な基準でなく、『なにが良いか、なにが悪いか』という、より本質的な基準とデザインをすすめたことに対する満足感と、さわやかさを感じている。このクルマが、良識ある多くの人びとに認められ、使命を全うすることを心から願っている。」

このデザインは、実際に多くの人びとに認められて、ベストセラーを長く続ける要因となりました。それにしても、この手記は、このデザインだけに留まらず、クルマのデザインとはというもっと大きく重い部分をも意味しているように感じてなりません。



○8代目コロナ



形式名を取って”150コロナ”と呼ばれる世代です。
FF化にあたって、先代より全長を150mm縮める等、思い切ったパッケージングの再構築がされています。

それを包むデザインも、決して大きく見せようとはしていないものの、ミドルサルーンらしい落ち着きが感じられます。この時代のセダンらしく、パッケージングを重要視しながらも、他車では見られがちだった不自然さを感じさせない点も高く評価したいところ。

豪華さが一気に進んだ時代の中では目立たなかったものの、このデザインも本質的なものだったと思います。

この世代の5ドアは、コロナ歴代で見ても珍しい、4ドアから離れたデザインがされています。他の世代は、どうしても販売の中心は4ドアということで、4ドアとの近似性を感じることが多かったのですが、この世代は5ドアが先に登場したということもあって、このような関係だったのだろうというのは、推測。

故徳大寺氏は、4ドアはアウディ80からの、5ドアは(リヤエンドコーナーに)ポルシェ928からの影響を指摘しつつも、このデザインを「最もアップトゥデイトでヨーロッパ的」と評されていましたね。



○9代目コロナ



またコロナかと言われそうですが(笑)
こちらは”170コロナ”となります。

先代の特徴的だった部分はやや戻されて、当時のトヨタ金太郎飴群に組み込まれた感もありますが、決して威張らないディテールはやはりコロナならでは。

空力とトランク容量のアップを狙ってリヤハイデッキも取り入れられていたりするのですが、あえてそうは見せないデザインというのも実に巧み。

この世代、過去からのオマージュが各所に見受けられまして、サイドストライプは4代目から、ホイールキャップは5代目からかなぁと。

この後世代からは、プリメーラからの影響もあってか、和風味は薄れましたので、準和風セダンとしては、最後の世代と言えると思います。



○2代目カリーナ




5代目コロナの成功で自信をもったのか、その方向性の後続となったのが、この2代目カリーナです。形式名だと”40カリーナ”となります。

初代はセミファストバック&縦型テールランプを採用していましたが、一転してノッチバック&ほぼスクエアのテールランプとされています。

「機能をつきつめて行くと、シンプルな世界にたどり着く」というのは、これもカタログからですが、この明確なスタイリングを見ていると、頷けるものがあります。

衒いのないという形容詞が似合いそうなデザインですが、フロントのコーナーを面取りして、取り回しに配慮する等、意欲的な部分も見受けられます。

登場以降、ウレタンバンパーの採用や、スラントノーズ&角目化等の手が入ることとなりますが、個人的評価では、この初期型に一票を投じます。(後期のスラントノーズは、ウレタンバンパー&セリカカムリでのリヤクウォーター大幅変更との組合せでは、ウエッジ基調が新たに強調されることとなって、これはこれでよいと思いますが)



○4代目カローラ




コロナ・カリーナと続いた、明確なノッチバックのデザインはこの”70カローラ”にも受け継がれます。
この前の130コロナまでは、サイドビュー等に緩やかな面が見受けられましたが、これ以降、直線&シャープな面構成がトヨタの主流となっていくことからすると、ここが転換点という見方もできますね。

量産車らしく、スプリンターを含めると、様々なボディ形状が存在しますが、一番出来がいいのはカローラセダンというのは、個人的主観。

大衆車として定義された枠内のサイズの割に、ウェッジを基調とするバランスの取れたデザインは、イタル作という噂がありまして、なるほどと頷けるものがあります。

初代から3代目までのデザインから飛躍したことで、ユーザー受けを危惧する声もあったようですが、このデザインはライバル車のFF化が進む中で、FRのままでの戦いを強いられたカローラの強力な武器ともなりました。

ここで提案型のデザインに自信を持った設計陣は、次世代でさらなる提案を行ったものの、こちらは飛び過ぎという評を受けることとなります。



○6代目ブルーバード




形式名の”910”で有名な世代です。

70カローラを大衆車クラスの傑作デザインとするなら、同時期の小型車クラスの傑作デザインは、これを迷わず挙げます。数少ないFRとなりながらも、そのデザインが販売の武器となったのもカローラ同様。

610・810と続いた曲線基調のデザインからの一大転換は、510の再来と評されましたが、510により近いA10バイオレット3兄弟と比較してみると、このデザインの新しさがより解り易いかと。

外国人デザイナーの起用はアナウンスされていないのですが、この前に出たプジョー604に通ずる部分がありまして、何となくピニンファリーナを連想させます。もっともリヤウィンドーを曲げてみせることで、キャビン大きさとピラーの細さによる軽快さを両立させてみたり、まだまだ少なかった異形角形ヘッドライトの採用等、新時代の息吹も積極的に取り入れられていたりします。




営業部長さんは、標準バンパーを推されていまして、引き締まったデザインの切れ味の点では共感するものの、こちらの大型バンパーもいいよなぁと思ったりします。

ここまで挙げてきたコロナ・カリーナ・カローラは、大なり小なり小型バンパー派なのですが、これは本当に悩みます。当時、このグレーツートンのセダンに惹かれまして、私的贔屓目が入っているのも大いに影響していますけれども(笑)




○8代目ブルーバード



ブルーバードでもう一世代挙げてみます。形式名の”U12”で呼ばれることが多いですね。

この先代となる”U11”は、長くベストセラーを続けた910の呪縛を感じずにいられませんでしたから、そこからの飛躍には、新時代の到来を感じたものです。

4ドアハードトップが一世を風靡していた時代でしたから、このブルーバードも4ドアハードトップの比率が高かったのですが、私的にはセダンの方を高く評価していました。

上で挙げた170コロナと僅か数ヶ月違いの登場。近似性が認められるスタイリングだけでなく、メルセデス190の影響を受けたインパネデザインというのも同じでしたが、やはりこちらも好きだったのです。

ブルーバードのセダンは、次世代で北米を志向することとなりますから、やはり和風様式はここで一旦終結と言えそうです。(U14も和風味が戻ってはいるのですが、それでもP11風味の方が強いように感じます)



といったところで、いかがだったでしょうか。
セダンは、上で書いたとおり、長い歴史の中で数多く登場しましたから、異論はあるでしょうし、それを否定もできません。まぁ、前回の実的感覚と合わせつつで、私の好みを感じ取っていただけると、とても嬉しいところです。

これらのデザインは、視界の良さや四隅の把握のし易さ、後席の開放感等、機能要件を積み重ねていくと、きっと帰結する形だと思うわけで、美の中でも機能美という言葉が相応なのでしょうね。

もう一つ、取り上げた車種は、そのデザインが寄与することでベストセラーカーとなったクルマが多くて、その多さ故にかえって突出した評価とはなりにくいと言えます。しかしながら、その多さが気にならなかったということは、やはりデザインの質が高かったのだろうと思うのです。

それにしても、今回の収穫は、安全コロナで引用した一文であります。
2代目ソアラを取り上げた時に引用した「質の高いデザインと質の悪いデザインがある」という言葉も印象深かったのですが、今回の引用文も、かなり強い印象として残りました。やはりデザイナーという専門家の発する言葉には、重みを感じずにはいられません。

安全コロナの登場から、40年以上の時間が過ぎましたが、今という時代だからこそ、むしろ考えさせられるものがあったというのが、心境に近いところでしょうか。
ブログ一覧 | みんカラ投稿企画 | クルマ
Posted at 2016/07/24 20:16:09

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この記事へのコメント

2016年7月24日 23:05
こんばんは。

今回挙げられた車達はどれも当時の先生の愛車だったり、友達の家にあったり、親戚が乗っていたりで馴染み深いものばかりです。

そのなかで印象深いのは150コロナです。
中学のちょっと恐い先生(笑)が4ドアEXサルーンADに乗って来られていたのと、乗っていた初代アコードの代車として車屋さんが貸してくれたのが5ドアGXエクストラ(スピードメーターだけデジタル仕様)でフェンダーミラーの赤色と言う今となっては超レア物件だったりしてちょっと縁がありました。


この世代は正統派な中にあるちょっと独特なデザインが魅力的ですね。
そして5ドアのリアセクションも独特な印象で一見普通そうでかなり個性的だと思いました。

海外でも通用する流麗なデザインのセダンも勿論好きですが、落ち着きのある佇まいの中に目立たせずに取り入れられた個性があるセダンというのも日本人的なお洒落で良いと思います。
コメントへの返答
2016年7月25日 19:14
こんばんは

全て、売れているクルマベスト10に入っていましたから、何かしらの縁がありそうなクルマ達ですよね。

150の売れ筋は、GXorEXサルーンでしたから、ADも比較的少数だと思いますが、初期型のGXエクストラは、レア度では特上ですね(笑)。赤色だと、カタログ見て買われたのかな、なんて想像も働きます。

挙げられている5ドアのリヤセクションの他にも、独特なフロントマスクや歴代唯一の6ライトキャビン等が個性を主張している世代ですね。FRとの併売のために、あえて変えたのかなんて推測しますが。

そもそも、この種のセダンで、デザインを評すること自体が珍しいのかもしれません(笑)。国内専売は難しくなりましたから、主流は流麗な方だと思うのですが、そんな中にあっても、日本人的なお洒落を感じる方が増えたら、嬉しく思いますね。
2016年7月24日 23:43
こんばんは!
いつも、ありがとうございます!

150FFコロナは私見では歴代コロナで最も進んでスタイリッシュな感じがします。FRからFFへの過渡期、同時期のカクカク直線のFF「弁当箱」カリーナより、適度に丸みを帯びて、6ライトウィンドウが新しい時代を感じました。

U12ブルーバードは外連味のないシンプルかつクリーンな装いで好感が持てます。ハードトップも好きなんですけど。
コメントへの返答
2016年7月25日 19:37
こんばんは
こちらこそ、ありがとうございます。

FRコロナという併売モデルがあったからこそ、ここまで進歩的な提案ができたのかな、なんて想像をしています。自動車評論としては、やはりカリーナよりコロナの方が評価が高かったのですが、主要購買層からの評価は、カリーナも一定のものがあったようです。

U12は、日産が曲線&曲面を使いこなし始めたクルマかなと思っています。コメントされているとおり、シンプルかつクリーンな装いですよね。ハードトップはSSSシリーズ、セダンはエレガントシリーズのイメージが強いかもしれません。
2016年7月25日 8:53
どれも共通して言えるのは折り目正しいデザインと云うことでしょうか。

70カローラでもご指摘がありましたが、この7台の中で70カローラ、150コロナは表立って名前こそ出ませんがイタルデザイン、910ブルーバードはピニンが関与しています。

昨今は、生産要件の幅が広がりデザイナーの遊びとも思えるようなディテールが氾濫していますが、70年代前半にも同じような傾向がありましたが、ここにきて面の美しさを問う傾向になっているようです。やはり歴史は繰り返すのでしょうか。

コメントへの返答
2016年7月25日 19:50
こんばんは

妙に主張するライン等のないシンプルなデザインは、折り目正しいという評でいいと思います。クルマのキャラクターも真面目ですしね(笑)

やはりイタルやピニンの関与があるのですね。大なり小なり、当初提案からは手が入っていそうですが、バランスの良さは残されたと言えそうです。

最後の部分は、強い主張としては書かなかったのですが、同じことを感じていました。デザイナーの遊びを決して否定はしないのですが、本質的な美しさを追求するモデルが、もっと増えてほしいとも思いますね。
2016年7月25日 12:24
T150コロナ、子供の頃によく見かけました。地元では『GX』が多かったように記憶しています。

特に前期型は、何とも言えない、かわいらしいクルマでしたね。
コメントへの返答
2016年7月25日 19:54
こんばんは

150コロナ、特に前期は、80カローラとの競合関係が多かったようで、最多量販グレードは1500GXでした。

時代が急速に豪華さを欲するようになって、特別仕様車が連続するようになりますが、前期はまだまだシンプルでしたね。
2016年7月25日 18:11
こんにちは。

お題に取り上げていただき、ありがとうございます。なんとなくコソバユイですな。

さて、上げていただいた7車種、カローラと100系コロナ以外、すべて所有歴あります。
子供のころに我が家で使っていたのは40カリーナ、初めてお金出して購入したのは150コロナ・セダン。あとは順当に使用してました。

何しろ我が家のファミリーカー、ワタシが中学生になるまで全てスポーティーカー(笑)。40カリーナもHTでしたから。それゆえにリアシートがきちんと使える、まっとうなパッケージングのセダンを欲するようになったのでしょう。

あれほど乗り倒したP10プリメーラや、190コロナ、わざと上げませんでした。
美しいと思いますし、機能的にも申し分ないと思うのですが、もう少し和風テイスト入っていても良かったのではないかと。両車とも、ヨーロッパでの現地生産の主力車ですから(しかも偶然にも両車英国生産!)、ああいったスタイルになるのは当然の帰結とは理解できるのですが、ちょっとひねりが無いと生意気にも思っているのです。

上げていただいた7車種、コロナ/カローラ以外は国内販売がメインのクルマたちです。歴代コロナ/カローラのように、世界でまんべんなく売らなければいけないという宿命こそ背負っていますが、やはりメインは国内市場。日本人の心の琴線に触れる美しさとは、やはりこうしたデザインで落ち着くのでしょう。
コメントへの返答
2016年7月25日 20:14
こんばんは

こちらこそ、ありがとうございます。本当にありがたいきっかけでした。正直申しますと、前回より今回の方が書き易かった感が強いです(笑)

全て四半世紀以上前のクルマ達ながら、一部を除き所有歴があるというのが、さすがであります。カローラのみクラスを外れますが、それ以外はファミリーカーとしてもパーソナルカーとしても使い易いサイズですよね。使われ方も様々で、意外と作るのが難しい。それだけに、きちんと作られたものは、評価してあげたいなと。

今回の話を書くにあたり、P10プリメーラと190コロナに関しては、実は同じようなことを思っていました。前回コメントした190コロナを掲載しなかったのは正しく、そんな理由です。こうして並べていったときに、何か違うぞと(笑)。
セダンを作る上でのプライオリティの順序があそこで変わったのかな、なんて思ったりします。

前回も感じたのですが、改めて日本人の心の琴線は、3ボックスと富士山型キャビンなのかもしれないと思いました。今回取り上げたセダン達は、パッケージング上の不利を承知の上で、炊き立ての白いご飯的なものを感じた次第です。
2016年7月25日 20:38
初めまして。初コメ失礼します。

興味深く読ませて頂きました。
先日のみんカラのテーマ「美しいクルマ」チャッカリ自分のクルマを推しておいてナンですが(汗)流石に範囲が広過ぎると思いました。クルマの美しさとは単に平べったければ、長ければ、幅が広ければ良いって問題ではなく、あくまでも機能に忠実である事が最低条件だと思います。なので本来はジャンルごとに美しいデザインが有って、その美しさはどれも平等だと思っています。

ここからが本題ですが、自分も歴代のコロナのデザインはハズレがないと思っています。
決して派手ではないんですが、その中で150系の様なデザイン的にも技術的にもチャレンジが有ったり、さり気なく毎度毎度5ドアを捩じ込んで地味にユーザーの啓蒙に励んだり(笑)けれどもコロナの本分からは決して外れない辺りは、作る側の見識の高さが有ればこそだと思います。

コロナとブルーバード、もっと言えばトヨタと日産の違いはそこなんでしょうね。
日産は当たれば大きいけれど、その当たりを上手く次に繋げられずにトヨタと関係無く自滅してしまう印象です。
今はもう両車共に看板車種ではありませんが、それでもプレミオを決して消滅させない辺りは、トヨタなりの良心の現れなのかも知れないですね。勝者の余裕をこういう形で還元するのは決して悪い事ではないと思います。

正直どうもあのCピラー周辺の、複雑なだけで少しも効果的でない処理は未だに苦手だったりしますが(汗)

では、突然の乱筆乱文失礼致しました。

コメントへの返答
2016年7月25日 21:29
初めまして
コメントをありがとうございます。
いきなり本題から外れますが、「トラック野郎」シリーズは私のバイブルの一つだったりします。

「美しいクルマ」は、私自身悩ましいテーマでした。5傑としたのですが、節操ない印象もどうかと思い、一本筋を通そうとしたので尚更でした。ご指摘のとおり、サイズに恵まれていた方が美しさは演出し易いのですが、それが機能美に通ずるかというと違う気がします。クルマに求められる機能が多岐に渡ることから各ジャンルが構成されていることからすれば、ジャンルごとというのは、いい提案だと思います。その場合は、このジャンルに美は存在しないという極論抜きでやりたいですね(笑)

コロナのデザインへの共感を嬉しく思います。このデザインなら、モデルチェンジの必要はないと評された世代も存在するものの、実はどれも本分をきちんと踏まえたうえでのチャレンジが見受けられたりします。作り手が、その辺のバランス感覚に苦慮しながら作っていたことは、当時の記事からも読み取ることが可能ですね。

トヨタと日産論は、書かれているとおりだと思います。日産の得意とする領域があるはずなのに、自己否定に走ってしまうことで続けられなかった歴史が積み重なっていますよね。

プレミオ/アリオンは縮小傾向にあるのは否定できないものの、1.5~2.0級セダンの最後の砦と化していますから、止めるという決断も難しいのでしょうね。だいぶ形は変わってしまいましたが、和風セダンの末裔として、残されていることにふと安心したりします。
Cピラーの造型はヴェロッサの再解釈だと思っています(笑)。造型的には先代の方が素直かもしれませんね。
2016年7月25日 22:46
返信有り難うございました。

奇遇ですね!自分も「トラック野郎」シリーズは人生のバイブルで、大切な事は桃さんから学んだと言っても過言じゃないです。「荷抜きは運賃の一部」とか「11トン車に40トンは積み過ぎ」とかって知識が役に立つ事があるのか甚だ疑問ですが(笑)

クルマの美しさは個人の趣味嗜好に関わって来ますが、一方で確実に優劣が有ると思います。
ただその優劣はあくまでも各ジャンルごとであった方が自然なんじゃないかと。スポーツカー的な格好良さをミニバンに持ち込んでもダメな様に、過度に実用性に配慮したスポーツカーもその有り様が潔くなく、その思い切りの悪さや意志のブレ具合が確実にデザインに波及するものと思っています。なので一口に美と言ってもまずはおのおのが本分を全うした上での話になるかと思います。

コロナの歴史の中で、150系は飛び抜けてグッドルッキングだと今でも思ってますが、次の170系で日本的な美意識には馴染み難いハイデッキをそうと感じさせずに上手く纏めた辺り、これもまた中々ですね。本当は機能的でありながらそれを見た目で声高に主張しないのが日本流と言う事で押し通しても良かったのでは?と今更ながら思います。

日産は特別シンパでもアンチでもないんですが、過去を振り返ると、どうしてもトヨタの掌で上手く転がされていた感が拭えません。過去の数々のビッグネームも、最後まで確固たるキャラクターを構築出来ないまま、消滅せざるを得ない道を自ら進んで選んでしまった様に思えてなりません。

プレミオ/アリオンに見られる面倒見の良さはトヨタの隠れた美点ですね。一度手を付けた事は容易に投げ出さないのは、自らが世に送り出した物に対する責任感の現れだと解釈しています。Cピラーの造型、限られた全幅で何とかフェンダーにボリューム感を出したいが為の苦肉の策なんでしょうが、却って全幅に限りが有る事が視覚的に露呈してしまっている様な・・・(汗)ただ、あの複雑な造形にも関わらず、トランクとフェンダーのチリが後から彫刻刀で掘った様にピタリと合ってるのは凄いの一言です。
コメントへの返答
2016年7月26日 20:04
こんばんは

喜劇の中に、熱くなるものがあったり、ホロリとさせたりというのが、あのシリーズならではですね。「警視総監に言っとけ~」、「今日でなきゃ、できないことがあるさ」、「法に私情はない」等々、名セリフにも事欠きません(笑)

まぁ、劣には触れずに、優の方だけを書いているのですけれども(笑)、各ジャンルでいいデザインは確かに違いますね。ジャンルによっては、機能を優先して美の順位を下げるというのがありますし、その逆もあり得ます。そもそものコンセプトがどうか、そのコンセプトに忠実かというのは、各ジャンル共通での判断要素だとは思いますが。

上でも書いたのですが、150は140との併売あるいはカリーナの追加があったからこその提案だと思っています。170は、日本流と見ればいい纏め方でしたね。ただ、自分で乗っていたから判るのですが、欧州では150の後席ヘッドクリアランスが足らないという話があって、170は相当リヤシートバックを後傾させてヘッドクリアランスを確保していました。それも不自然ということで、パッケージングを再構築したのが190なんですよね。そういう点では190も、コロナの中ではやや異端であって、日本とアジア圏に絞った210は170寄りに戻されていますね。

日産に関しては、以前にも書いたことがあるのですが、そういう不器用なところも、らしさなのではないかと思っています。器用な日産というのも何か違和感がと。

現行プレミオ/アリオンは、実車を前にした仲間内評論で、これは板金による補修が困難なのでは、という指摘があったのを覚えています。初登場時ですから、思い返すと10年近く前になるんですけれどね(笑)
2016年7月25日 23:26
こんばんは

当時から、角張った140系コロナが好みだった私は、FFとなった150系は車格が下がったように感じておりました。140系の路線はやがて大ブームとなる70系マークⅡにつながり、FF化した150系ではコロナの立ち位置を再定義し、次世代そして今のプレミオにつながったと解釈しています。
改めて見る150系コロナセダン、6ライトキャビンとさりげないハイデッキがシンプル&クリーンで悪くないですね。
「ゆるぎなく、セダンの本流」「コロナとならば、いつまでも」といったキャッチコピーを思い出しました。
コメントへの返答
2016年7月26日 20:23
こんばんは

140系は、ブルーバードとの競争が激化する中で、より大きくより豪華にとなったのですが、その反面マークIIに近づき過ぎたという反省があったようです。
FF化で、室内空間の確保の目処がついたこともあって、コロナの立ち位置を再度見直そうということから生まれたのが150系ですね。そんな背景からすると、解釈は正しいと思います。
150系は、前年に登場したカムリ/ビスタを踏まえての作なので、だいぶこなれている感はあるかなと。必要機能をシンプル&クリーンな装いで包んだスタイリングは、今改めて見てもいいと思うのですが、一般的な評価は追い付いていなかった感が強いですね。
2016年7月27日 23:47
こんばんは。

このクラス、というかカテゴリーはやや私の苦手とするところです(笑)。

冒頭で触れられている様に、このカテゴリーはスタイル以上に機能や積載性、そして「親しみやす」さがとても重要でしょうから、そんな中で美しいスタイルを成立させるのは非常に難しいでしょうね。

私としては、この時代の量販車というのは何よりも“尖った性能”を持たせてはいけないという命題の元で作られているのかなと感じていました。それはスタイルにおいても。
「親しみやすさ」と「カッコよさ」は、ある意味対極するものと私は感じていますが、親しみやすさを好むユーザーは、尖った印象が苦手、派手さを嫌う、目立ちたくない・・・、そういう思いがあるのかなぁと推測しています。その思いを反映させる量販車に課せられたものを整理すると「地味」という一言で片づけられてしまいそうですが、逆に課せられたものをいかに魅力的に商品化するかという事を考えると、HTやクーペとは比べ物にならないほど繊細なデザインテクニックを要しているのだろうということも想像できます。

このあたりのデザインに目が肥えていない私としてはどの車がどうと安易に語れないのですが、はっきり言えるのは最近の車にはこの繊細なデザインテクニックというものが感じられないということでしょうか。キャビンの形状からして機能性が欠けていると思います。

今も変わらぬ正統な美しさという意味では、私はセンチュリーかな・・・。

因みに150コロナは↑の方が仰っている通り140好きとしては相当抵抗感があり、自分の中で美しさを見出すことはことができませんでした(汗)。まだまだ修行が足りませんね(~-~;)
コメントへの返答
2016年7月28日 6:47
おはようございます

ブログという特性上、似た感覚の方からのコメントをいただくもので、全然違和感なくコメント返しをしていたのですが、実は傍目から見たら、えらい難解な回なのかもしれませんね(笑)

この手の数ある量産セダンの中から、少数を選抜し、優れたデザインについて、機能や好みを交えつつで語るのは、定評のある美しいクルマを語るのとも違って、やはり趣味人の領域かなと。

ダブルさんが、「”尖った性能”を持たせてはいけない」と書かれた部分ですが、「嫌われてはいけない」という言葉としても、通じるかなと思いました。
スタイリングで選ばれるとなれば、作り手としては嬉しいでしょうが、それ以上に、「まぁ、悪くないな」となって篩の中に残される方が大事なんでしょうね。流行が推移する中で、ここのバランス感覚を保つのは、実は職人芸に近いはずと思ったりします。HTやクーペとも違う繊細さも同意なのですが、日本人って、ディテール部分までデザインに拘りますからね。スタイル全体よりも、むしろライト形状やテールランプの配置が云々という話の方が多いくらいではないのかという印象ですし(笑)

最近のクルマと一括りにしてしまうと、語弊があるかもなのですが、当時の繊細さが感じられないモノが多いというのは私も同意です。
設計要件が難しくなってきているのだろうなというのが一つ、あとは仕事が細分化されたことで、サプライヤー任せの部分が増えて、全体統括に目が届かないのだろうと推測しています。

センチュリーは、先日書いたとおり、昔日の良さを残すセダンですが、これも近い将来に出る次世代でどれだけ残せるのか、やや疑問符に思っているところです。

140と150は、目指すところが明確な分、好みは分かれるかもしれませんね。合理性を重んじて150を挙げるのですが、感性の部分を大事にされるダブルさんが140を推されるのも理解できます。強調しておきたいのは、当時はこういった選択肢があったということです。当時を知る身からすれば、今のラインナップ等に満足できるのかという点は、お互い修行不要だと思います(笑)

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「帰還後の近況 http://cvw.jp/b/1984303/48316556/
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3台計で20年以上の長きに渡って乗り続けたX80系からW204への代替がみんカラを始める動機となりました。 最初はW204関連を主とするはずだったのですが...
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