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2017年01月23日

先代Cクラス後期のセールスマニュアルの話(前編)

先代Cクラス後期のセールスマニュアルの話(前編) 久方ぶりのセールスマニュアル話となります。

お題は、先代のCクラス後期という何とも力の入りそうなもの。
その一方で、先代とは言えどもまだまだ旧車の域ではないモデルですから、ちょいと緊張してもいたり(笑)

今回取り上げますのは、先代(W204/S204)が2011年にマイナーチェンジした時点のもの。量が多いので、再構成の上で前後編に分けることにします。

この世代は、自分で乗っていることもあって、まだまだ新しい気でいるのですが、数えてみると5年以上の年数が経過していますね。なるほど、認定中古車の主流は現行に移るはずだよなぁと。

とは書きながらも、まだまだ中古車市場では台数の多いクルマでありますし、セールスマニュアルの体ではあるものの、このマイナーチェンジによる変更点を情報として把握しておくというのも、よろしいかもしれません。

なお、今回取り上げるにあたり、以前作成して参考となりそうなものの、リンクを貼っておきます。

 〇後期のモデル変遷を書いたもの
 〇後期のボディカラーの変遷を書いたもの


さて、前置きはこのぐらいにして、本編に入っていきます。



最初は見開き

204は、2007年の発売開始以降、好評をもって受け入れられ、長年に渡る好ライバルかつこのセグメントのリーダーとなる、BMW3シリーズ(E90)に近付くことに成功しています。その後、やや販売は落ち着く一方で、アウディA4がB8系以降、新たなライバルとして成長しつつありました。

このマイナーチェンジは、そんなライバル達を見据えてのものとなります。翌年には3シリーズが次世代に進化することが確定もしていましたし。

そんな状況もあってか、それまでメルセデスのマイナーチェンジはあまり大きく変わることはないという通例を破る大幅変更となっています。


詳細は、個別ページを見ていくことにして、ここではグレード別の価格に注目してみます。
今の価格と見比べると、約10%ぐらいはお安い設定と言えそうです。今のモデルとは装備の差がありますし、何より消費税の3%違いがあるわけで、高い・安いの判定は一概には言えませんが。昨今の販売状況を値引きや登録済み未使用車等を加味しつつで考慮すると、できれば、これぐらいの価格であってほしいという思いは持ちつつ。





エクステリアの変更その1です。

フロントマスクはほぼ一新と言っていいと思います。
当時は、存在感を強調する方向に変更された各部の造形に対して賛否が分かれましたが、今ではこれぐらいなら、むしろ大人しいぐらいでしょうね。

ライト類にはLEDが入り込み始めた頃で、ポジショニングライトで個性を主張しています。

ドライビングライトは、前期の途中でLEDが選択可能となっていましたが、更なる改善。デザインアイコンと書かれている割に、205では意匠のみ → それも消されるという経過となってしまいました。

このライト類、私的にはハロゲンの意匠の方が大人しくて好ましく思ったのですが、その機能を買ってバイキセノンを選択しました。セットオプションとなるLEDドライビングライトと合わせて、夜間の視認性に大きく貢献しています。

今はキセノンからLEDに主流が移っていますし、日進月歩の分野と言えますね。





エクステリアの変更その2です。

こちらはリヤ部。
フロントの大幅変更から比べると、変更規模は少なめとなります。

と書いてはみたものの、リヤバンパーのデザインまで手が入っていたのはこの資料で初めて知りました。


ランプ類はフロント同様に、LEDの採用が主眼。昼間はデザインがあまり変わっていないように映っても、夜間は明確に判別可能。これまた、安全性に寄与する部分と言えましょう。
81の時は時代考察の点でLED化に逡巡していて、クルマ替えたらLED化をやろうと思っていたのですが、ほぼ手を入れる必要はありませんでした(笑)


空気抵抗係数は、元からCd=0.27と優秀な値でしたが、更なる改良により0.26に進化。高速域の加速や燃費に貢献しています。





インテリアの変更その1です。

基本レイアウトは前期からの踏襲となりますが、インパネ自体を変えちゃっていますから、こちらも大幅変更と言っていいでしょう。

その主な目的は質感の向上にあります。
以前に前期をお借りしたことがありまして、乗り比べると解り易いですね。

機能自体は、前期もほぼ同等で十分以上のものがあるだけに、それを効果的に見せる術に長ける様になったという言い方でしょうか。この時期以降、質感の向上というのは今に続く重要なテーマであることを感じます。

この変更で唯一改悪と思えるのは、ハザードの位置です。咄嗟に押せない位置への変更は、安全の点から疑問符を付けざるをえません。





インテリアの変更その2です。

と書きつつも、ここでの変更は、インパネの変更に伴うグローブボックスぐらいです。
この変更で車検証入れが入れられるようになったとされていますが、実際はマニュアルの類が分厚いため、最小限のモノ以外は、トランクサイド行きだったりします(笑)。おそらく、同じような使い方をされている方が多いのではとも。


ラゲッジの容量ですが、リヤシートを倒さない状態だと、特に高さ方向はセダンの方がスペースを稼いでいたりするようです。もちろん倒した際の自由度は、ワゴンがはるかに勝るわけですが。

このクラスらしく、ゴルフバッグの積載方法が掲載されています。横方向の寸法に制約があるため、実際の積載量は限界がある感が否めません。そういえば、現車を買う際、最初に行ったブランドスクエアの説明で、ゴルフをやられますかという質問があったことを思い出します。


リヤシートの可倒は、実は自車にはない機能でして、数少ない不満点の一つだったりします。それで困ったことは殆どないのですが、イザという時に長尺物が載せられるというのは機能の点で大きい気がします。

本当は選択可能なら、選びたかったのですが、自分が買う時には選択不可でした。その点は承知の上だったわけではあるのですが。





メカニズムの変更です。
この頃前面に出されていた、Efficiency(=効率性)が掲げられています。

最大の目玉は、従来の300に代わる350の設定と、4気筒系への7G-TRONIC(7速AT)の拡大採用となります。

350は大幅なパワーアップを伴っていて、この変更を機に4気筒系から離れた感が強いですね。今のC43に近いと言えるかもしれません。

7Gは内外装の変更と共に、私が後期を推す理由となるものです。ギヤのワイド化による効用もありますが、ギヤ間のステップ比が近づいたことで、やや引っ張り気味の印象がなくなっていることやシフトショックが減っていることも挙げられます。この時以降、先日も使ったギヤをあてに行くという言葉が近くなっていますね。


実はこの時点では、ECOスタートストップ機能(アイドリングストップ機能)は新開発となる350のみの採用でした。この後半年ほど遅れて、4気筒系にも拡大採用されることとなります。
賛否が分かれる機能ですが、費用対効果ではなく無駄の抑止の観点で私は積極的に使う方です。ただ止めるだけでなくよく考えられている機能で、今のところ弊害も感じられません。まだ初期なので、再始動時のショックはやや大き目とは言えそうです。


ボンネットは軽量化を目的としてアルミニウム製に変更されています。記載はされていませんが、フェンダーもアルミニウム製(磁石で確認・笑)。一説には、7G搭載による重量増対策ともされていますね。ボンネットを開閉する際に明らかに軽く感じるのはもちろん、旋回時にフロントの軽さを感じさせる要因の一つなのかもしれません。





安全装備に関してです。
メルセデスにとって安全は絶対に譲れない部分だけに、技術の進化に合わせて各種機能が追加されています。

アテンションアシストは各種パラメーターから疲労度を測る機能ですが、通常は静かに寄り添う存在です。自車で35,000kmほど使って、警告を発せられたのは一度のみ。高速のインターで進路を誤り少々ふらついた際に、蛇行と取られたようです。長時間の運転で若干意識レベルが低下していたような気もするので、万が一の時には役立つ機能です。


アドバンストライトは、上に書いたとおり、その多機能を買ってオプショナルで追加。自分的には追加して正解の機能でした。アダプティブハイビームアシストは、効果が認識されて日本車でも採用するところが増えましたが、この時点で採用済。
現在では、ビーム制御はマルチビームやマトリックスヘッドライトといった進化をする一方で、この機能の採用を宣伝している社もあるというのがクルマ業界の実態でもあります。


パークトロニックは付けず、付いているクルマを借りても使わずですので、省略。最新のものは並列駐車まで可能となっていて、進化が著しい分野です。


アダプティブブレーキは、何よりホールド機能を便利に使っています。ストップ&ゴーの多い都内では使う頻度も高く。慣れてしまうと、これがないクルマに乗った時には不便に感じます。その他にも、ドライブレーキやプライミング等の機能があったのは、初めて知りました。大々的に謳わないのは、同様の機能を備えたEクラス(W211)のSBCが大規模リコールに発展した背景があるのだろうと推測するところです。


リヤビューカメラも若干地味目の改良。リヤハイデッキのW204では必須に近い装備です。ここも進化の速い部分で、新型は大画面にもっと鮮やかな映像で表示できるようになっていますね。





メルセデスではCOMANDシステムと名付けられている、AV系の改良です。

何より、前期では格納式だったディスプレイを、インパネの形状変更と合わせて組み込み式とした点が大きいですね。前期のディスプレイの動きは実に巧みで一見の価値はありますが、経年による故障の心配も若干あり。その点、組み込みなら、というわけです。


機能面は、PC同様に最も進化の著しい分野と言えるでしょう。実際、この時にNTG4から4.5に進化していて、末期まで同様とされていますが、自車のナビゲーション画面は色使いが違っていますので、表に出ている以外にも時点変更されている可能性が高く。
4から4.5になって、コピー対策か地図更新の際にパスコードが必要となりました。

機能は増える一方ですが、使い勝手の部分は最新=最良とは限らないのが面白いところ。ナビゲーションのサプライヤーが変わったことで、自分的にはこの世代の方が使い易かったりしますし。



といったところで前編をお送りしてきました。
マイナーチェンジでもこれだけ力が入っていると、実に読み応えがあります。これに加えて、モデルイヤー毎の小変更がほぼ毎年あるのですから、買い時の判定は難しいところです。
その背景には統合制御システムの進化が著しいといった事情があるのでしょう。

もっとも、BMW3シリーズやアウディA4といった、強大な好敵手の存在があるからこそ、これだけ力の入った改良を加えることができるのだとも思います。ライバル車の存在はやはりとても重要なのです。

最初の見開きでお気付きかもしれませんが、前編は改良点を中心にお送りしました。
後編はもう少し深海の領域の解説となりますので、その種に期待される方はお楽しみに(笑)
ブログ一覧 | セールスマニュアル話 | 日記
Posted at 2017/01/23 20:57:43

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この記事へのコメント

2017年1月23日 21:53
こんばんは。

とても興味深く読ませていただきました。
実家にも前期があったので、少しでも縁があった車だと思うので。

パークトロニックは、前グレード標準だと思ってましたが、違ったのには驚きでした。

個人的には格納式のナビが好きですが、故障を考えると埋め込みがいいですよね。

コメントへの返答
2017年1月24日 6:09
おはようございます

この種の資料は、間口が狭くて奥が深いので、詳しく知っている方が興味深く読める気がします。

パークトロニックはパッケージオプションですね。中古車を見ていると、比較的装着率は高いようです。

格納式は、機構が複雑なことと頻度が高いことが不安要素に映ります。故障のまま放置ともいきませんし。もっとも、COMANDシステム自体、先々は怪しそうな箇所とも言えますが(笑)
2017年1月25日 11:06
おはようございます!
前期の格納ナビ
蓋の開閉機構がらみでしょうか?
ホコリが溜まったのか
少量の白煙が出てメチャびびった事あります笑

ナビ本体に関しては
背景グレーのNTG4.5 gen2
使い易くトラブル少なく最強だと思います☆
新型EのNTG5.5とか使い難いはフリーズす…略w

後編、楽しみです!
気長に待ってまーす☆
コメントへの返答
2017年1月25日 22:22
こんばんは
確かにインパネからの白煙となると、かなり驚かされますよね。あの機構、画面角度は変えられるしで、志は高いのですが、如何せん凝り過ぎたかなと思っています。

なるほどNTG4.5にも種類があるのですね。タッチパネルを使っていたため、これも最初は使いにくく思ったのですが、今ではすっかり慣れてしまいました(笑)。三菱ナビの最終世代ですので、動作は安定していますね。

後編、これから頑張ります。前編からして、また細かくなる予感です(笑)
2017年1月25日 22:34
マイナーチェンジ=コスト削減のチャンス

というのも事実ですが、指導部の考え方一つで
グッと熟成されたお買い得で考え抜かれた車にもなるようです。

このCクラスは後者の雰囲気を感じますね。

とくにモデルライフ途中でフードやフェンダーに
アルミを採用するというのは気合が違いますね。
鉄とアルミでは同形状でもプレス加工用の金型も変わりますし。
(だからこそのフード意匠変更なのかも)

鮮度を保ちつつ熟成される良いマイナーチェンジは
外野席の我々も心が和みます。
コメントへの返答
2017年1月26日 19:05
分岐点は、マイナーチェンジで、どの要素に比重を置くかなのでしょうね。さすがにセグメントの前にプレミアムと付くこのクラスでは、コストダウン中心とはいかず(笑)。もっともコストダウン要素は、目立たない年次改良で吸収しているのかもしれません。

あとは、本文で触れたとおり、強力なライバル車との競合関係があるからこそなのかなと。日本車でもハイソカー時代の激戦では同様の改良がされていますし。

ボンネットとフェンダーの形状変更は、ご指摘のとおり、材質変更に伴うものと言えそうです。現行ではアルミニウムパネルの採用部位が増えていますから、その先行導入も兼ねているというのが、もう一つのポイントですね。そのあたりの背景には、次々投入して売れなければ廃止という短期視点とは全く違う、緻密な長期構想が存在していることを感じます。

クルマ好きとしては、やはり最新型=最良であり続けてほしいところですね。
2017年2月7日 20:34
こんばんは
亀レス恐縮です。
35000km走られてアテンション・アシストの警告がたった一回って凄くないですか?

私なんて長距離走ったら必ず警告出てますよ。
三回くらい警告されてようやく
「やっぱり疲れて来たかな? 警告3回目だしちょっと休むか」
って感じで、皆さんもそんなもんだって思ってました。

W205も後2年くらいで後期型ですかね?
今度も大幅に変えてくるんでしょうね。
コメントへの返答
2017年2月7日 20:57
こんばんは
亀レス、ご遠慮なさらずということで。
アテンション・アシストは、運転時間だけを見ていないようで、最終警告ぐらいの機能かと思っていたのですが(笑)

私、あまりに長時間の連続運転は偏頭痛の方が先に来ますので、そちらが抑止になっているかもしれません。偏頭痛が来るとかなり辛いので、その前に休もうとなるんですよね。

最近、ガソリンにも9Gが搭載されて中期(?)になりましたから、後2年ぐらいなのでしょうね。Eクラスからすると、スタイルより機能の方が変更幅が大きいと予想しています。

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