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イイね!
2018年03月07日

1979年の2台のハードトップ

前回に続いて、「TOYOTA 80周年展示」を絡めつつの話となります。

前回のブログを起こすために「MEGAWEB」のページを確認していたところ、80周年展示は60年代から70年代へと展示車を入れ替えたというお知らせがあり。そこに映っていたのは3代目マークIIのHTという、MEGAWEBへの再訪を決断させるには十分な車種なのでありました(笑)。

トヨタ得意の後出しジャンケン再びという意図はないと思いますが、横浜の日産ギャラリーではこれより少し前よりヘリテージ特別展示「NISSAN COLOR DESIGN STORIES」の第2弾として、3代目ローレルのHTが展示中。展示の意図こそ異なりますが、偶然にも(?)同時代のライバル車の展示が重なる形となりましたので、取り上げてみることにしました。この2台、共に書きたいことが次々浮かぶクルマ達でもあります。


前回、マークIIはこれまであまり展示されることはなかった、と記していますが、それはローレルも同様ですね。加えて、1970年代の後半は、車業界的には悪夢であったであろう排ガス規制にようやく光明が差し始めた頃ということで、あまり注目されなかったということも重なります。

この2台、個人的にはオーソドックスな4ドアセダンに一票を投じますが、前席優先を主張するパーソナル領域に振った2ドアハードトップについても各々提案があって、これはこれで好ましく思っています。両車共に次世代以降のハードトップは4ドアのみとなってしまったため、2ドアとしては最後の世代という観点もありますね。


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展示順に尊重して、先ずはローレルを掲載。
3代目ローレルから、後期2ドアハードトップSGL-E(1979年)となります。
セドリックに続いてローレルに採用されたカッパーブラウンは、カタログの頁の多くを彩ったイメージカラーであり、後ろのボードには「エレガントでパーソナルなイメージを、オレンジ味のブラウンという色味に加え、陰影の強いメタリックで表現」と記されていました。

時代の趨勢にあわせて、先代の曲線基調から直線基調へと変わる過渡期のデザインと言えると思います。フロントセクションは直線が主ですが、リヤセクションは直線を主とするセダンに対してハードトップは曲線主体でデザインされています。

パッケージングとしては、それまでの数多いセダンベースのハードトップと同様に、セダンよりやや狭いくらいで、後席スペースをあまり犠牲にしないというもの。マークIIより一世代先んじて設定された4ドアハードトップとルーフやリヤガラスを共用するという前提も影響しているのでしょうね。その分、特徴は4ドアの方に表れている感はあって、実際4ドアの方が台数は遥かに勝っていました。デザインが大きく変わらないのであれば、リヤドアがあった方が便利となりますよね。
結果、先に記した通り、ローレルとしては最後の2ドアハードトップとなってしまいました。デザイン的には、2代目マジェスタや3代目シーマでオマージュされたCピラー以降のラインが最大の特徴と思っています。当時はジャガーXJSからの影響を指摘する評もあったようですが、さてそこまで似ているのかは些かの疑問。

もう一つ取り上げると、アルミホイールが今ほど普及していなかった時代において、カラードホイールキャップはかなりお洒落に感じられたものです(これもメルセデスからの影響を指摘する評あり)。実際好評だったようで、マークIIもモデル末期の部分改良において、グランデの一部カラーのみカラードキャップが設定されることとなります。お互い、影響されつつで切磋琢磨していた時代ですね。



altalt
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続いては、3代目マークII。
後期のハードトップグランデ(1979年)となります。
当時、一世を風靡したエクストラカッパーに加えて、5速MTということで、カタログ掲載仕様にかなり近く。

こちらは、後席をセダンより約10cm前進させるという、従来のセダン派生ハードトップとは大幅に変えたパッケージングが大きな特徴となっています。そのパッケージングは、フロアパネルを共用するX60系のハードトップよりもソアラの方が近いくらいで、車両ポジション的にもその前史的存在だと思っています。

後席スペースを犠牲にした代わりに、4ドアの成立は困難という、パーソナルカー的プロポーションを得ることに成功しています。おそらくシボレーモンテカルロやマスタングIIに影響されているのでは、というのが個人的推測。ハードトップのみリヤシートの可倒機能が備わっている辺りも主張に沿うものです。セダンからの離れ方としては、歴代で見てもやや特異な存在と言えるかもしれません。

この代で最上級として新設定されたグランデは、その高級感が大いに受けて、ローレルはマイナーチェンジ時に新たなる最上級、メダリストが設定されることとなります。



こうして比べてみると、2000のストレート6、フロントストラット&リヤセミトレから構成される4輪独立懸架といったメカニズム構成は共通ながらも、デザインやパッケージングにはそれぞれの主張があるのです。当時は、よく似た2台という評論も多かったですけれどね。

シンプルな前期に対して、装飾を加えた後期というのも共通点ですが、共にマイナーチェンジとしては成功していると思います。特にバンパーの大型化が下半身の安定に寄与している感が強いですね。


マークIIのエクストラカッパーとローレルのカッパーブラウンは、共にイメージカラーとしてカタログの見開きを飾っていました。共に4ドアの方が多数派ながらも、実際に街中で見かける機会は多かったように思います。もっともユーザーが変わっていく過程においては、大流行となったホワイトブームに乗じて塗り替えられてしまった個体が多く、カラードキャップもまたワイドタイヤと組み合わせるアルミホイールに変えられてしまったのも事実。

その過程はともかく、新車で売られていた当時はこの種の有彩色が街中の景色を彩っていました。その景色や彩は、モノトーンカラーが大半となっている近年とは明確に違うと言えるのです。
今では設定されることのない領域のカラーやボディ形状であり、だからこそ懐かしく、かつ愛おしく思えるのでしょうね。この2台、主張が異なる分、好みも分かれるのかもしれませんが、どちらが優というのではなく、各々の個性を尊重したくなる存在でもあると思うのです。

約40年前という、やや目が遠くなりそうな年月の経過がありまして、最初に記した通り、排ガス規制の悪癖から完全に抜け出せてはいなかったものの、こうした個性が共存できた時代というのは、クルマ好きの一人からすると、ちょっと羨ましかったりしますね。
ブログ一覧 | お出かけ日記 | クルマ
Posted at 2018/03/07 21:26:34

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この記事へのコメント

2018年3月8日 18:50
コメントします
ローレルはデザインが好きでした。
メダリストは豪華で素敵。
今もノートにメダリストあります。
コメントへの返答
2018年3月8日 22:44
コメントをありがとうございます。
このローレル、直線主体のデザインに馴染めない層にも人気がありましたね。身近だと、年上の従兄が一番欲しいクルマと言っていたのがこのメダリストでした。
ノートでの名称再生となりましたが、過去を知る身からすると、復活より転生が近いように思ったりです。
2018年3月8日 22:54
こんばんは

この時代の車たちはついこの前まであまり触れられくことが無く、結構ひどい扱いだった気がしますが最近は少し日が当たり始め嬉しい限りです。

私の住む保守的な田舎町ではマークⅡのエクストラカッパーはよく見ましたが、ローレルのカッパーブラウンはほとんど見た記憶が無いです・・・。
と、言うかこの世代はどちらも見るのは4ドアモデルばかりでしたのでアグレッシブなデザインの2ドアモデルは新鮮です。

並べてみるとマークⅡのスリムさとローレルの重厚感が対照的ですが、それぞれのアプローチで攻めて来ているのが攻められる方(攻略対象ユーザー)としても嬉しいのではなかったのかと勝手に想像してしまいます(笑)。
コメントへの返答
2018年3月8日 23:12
こんばんは

旧車は60年代までという認識が長く続いて、次の注目は80年代に飛んでしまった感があります。飛躍前の意欲的取り組みもあって、興味深い年代だと思うのですけれどね。

マークIIのエクストラやグランデはカッパーが最多量販で売れているはずですが、ローレルのカッパーはハードトップ専用色と記憶していて、その分少なかったかもしれませんね。
マークIIでもハードトップが3割を割っていたと思います。4ドアハードのあるローレルはもっと少なかったでしょうね。私も、ローレルの2ドアは同級生の家にあったという話を聞いたくらいで実物の記憶があまりありません。

2ドアハードは同じながらも、アプローチが違っていますよね。さらに同じクラスの若向けとして、スカイラインとチェイサーもあったのですから、対象ユーザーには嬉しい悩みだったろうと思います。もっとも、当時だと新車は、なかなか手が届かないクラスだったかもしれませんね。
2018年3月9日 22:29
はじめまして。
これまでも拝見させていただいておりましたが、3代目ローレルは父が新車で購入し乗っていたため、はじめてコメントさせていただきます。
それも、今回取り上げられた2ドアハードトップだったのですが、丸目4灯の前期モデル、1800GL(L18)でした。ボディーカラーはやはり茶色です。
私は小学校入学前でしたので、記憶もおぼろげながら、4発にしては重厚な(排ガス規制でパワーがなかっただけかも?)エンジン音だった記憶があります。
エアコンどころかパワステもないクルマで、夏は暑く、駐車場では重いハンドルに苦労したと聞いております。
前期型ハードトップのリアテールランプが、スカイラインの丸ランプを四角にしたような、特徴的なものでした。
40年経った今、3代目ローレル(特に前期)は短命だったこともあってか、3代目マーク2以上に見かけることはないですね。
コメントへの返答
2018年3月10日 10:30
はじめまして
コメントをありがとうございます。
幼少時代に家にあったクルマは強い印象として残る、と自分を重ねつつで思ったりします。

3代目ローレルは、同世代に多い丸目から角目へと変遷したクルマでしたね。1800は比較的売れ筋だったようで、後期ではセダンSGLや4ドアハード等が追加されていたりもします。ハードトップの茶だと、前期のイメージカラーかなと推測するところです。

このクラスだとエアコンの普及は進んでいましたが、パワステは6発のみの設定で標準はさらに絞られるくらいでした。それだけに、当時の据え切りは重いと呟きつつで格闘するのがお約束でしたね。

3代目ローレルは、ご近所界隈では比較的見かけるクルマだったのですが、今では同世代のマークII以上に見かけないですね。前期の少なさは、51年規制のみだったことが影響していると思います。Z18よりL18が良いという評価もあったようですが、全体傾向として50・51年規制車への評価は厳しいものがありましたね。
2018年3月10日 19:11
ありがとうございます。幼少期に家にあった車だけに興味があるのですが、特にこのクラスの1800は廉価グレードだけに情報が少なく、前期のL18が51年規制のみとは初めて知りました。
グロス105馬力と現在の1500以下のパワーなうえ、51年規制車はカタログの数値以上に走りっぷりが悪かったと聞きますから、MT(4速!)でしたが走りは相当に鈍重だったろうと予想されます。
実は貴ブログにたどり着いたのが、以前取り上げられたSX70マークⅡGRサルーン(ハードトップ)でして、父が、ローレルの後、パワステエアコンがついたSX60を経て、グランデバッチチューン(笑)したものに乗っていました。
そちらは4ATでしたが、奥日光に知り合いの家族と行った際、いろは坂で案内してくれたU12ブルSSSに、1Sエンジンはうなりを上げるものの、タイヤが鳴くばかりで全く追いつけず、今でも家族で語り草になっています。
当時は小学生で、なんで小さいクルマに追いつけないのか不思議でしたでしたが、30年経った今では笑い話でありまして、今後も廉価版1800の記事に期待している一人であります。
今後もどうぞよろしくお願いいたします。
コメントへの返答
2018年3月10日 21:38
酸化触媒のまま、より厳しい53年規制に適合させるため、4気筒L型のエンジンヘッドを変更したのがZエンジンと名付けられたシリーズでした。ブルーバードやバイオレットは早々に換装されますが、ローレルはマイナーチェンジまで見送られていますね。
51年規制のL18自体は、他車相対比では決して悪くはなかったと思いますが、大柄なローレルという上物だと荷が重かった感は強かったでしょうね。何せブルーバード+100kgという車重ですし。
SX70の上級グレードへのエンブレムチューンは比較的多い事例だったようで、同級生の家にもありました。私はついそれらを見抜いてしまう、ある意味嫌な子供と(笑)
一クラス上のクルマがお買い得に買えるのですから、それなりに理由は存在しますね。鼻先の軽さ等は、6気筒では得られない、4気筒の良さでありましたが。

同じように感じていただいている方が多いのか、実はこの手の1800の記事はどれもPV数の上位だったりします。クルマ文化の中において、見逃すことは勿体ないと思うところでして、なかなか更新が出来ずのなかにあっても、時折は話題にするのかなと思っています。気長にお付き合いいただければ幸いです。
2018年3月12日 0:16
こんばんは。

この角目四灯のローレル、私の親戚のおじちゃんが乗っていて小学生だった頃よく乗せてもらいました。ただし4ドアですけどね。
そしてX30マークⅡは、近所の仲の良い友達のお父さんが乗ってて、こちらも時々乗せて遊びに連れて行ってくれてました。こちらも4ドア。後にこのおじちゃんはスカイラインジャパンのターボを買われました。

ローレルもマークⅡも私にとってはパワーウィンドウが羨ましくて羨ましくて・・。その頃我が家は初代シビックGF-5だったので余計に。

仰る通り、私もこの二車は4ドアが好きですね。基本的に2ドアと4ドア共通ボディの車って、2ドアはちょっとボディを持て余し気味かなと思う事が多いです。スカイラインもそう思っていました。ルーフが長めでトランクも長めで。
コメントへの返答
2018年3月12日 21:22
こんばんは

私のご近所界隈も、4ドアの方がはるかに多かったです。特にローレルの方は2ドアの実車の記憶が殆どなかったりもします。2ドア=若向きというイメージでしたから、家族持ちを中心に4ドアの方が多く売れていますね。

パワーウィンドウは、すごいと思う反面、スイッチだけで動くというのが、やや怖い装備にも思えたものです(笑)。後年、家のクルマに付いた時には誇らしかった装備ですね。

本来2ドアはスタイリングの自由度が高いはずなのですが、セダンベースだと、何となく制約が付きまとってバランスが難しい感が強いです。また、ドアが長い分、セダン以上にロングノーズが欲しくもなります。かと言って、前席優先が過ぎるとスペシャルティーカーの域に入ってしまいますし、難しい車型だったのかもしれませんね。
2018年3月19日 10:56
先日は返信ありがとうございました。

1981年まで、このローレルの前期型の4ドアに父が乗っていました。先日のスカイラインの2つ前の車で、中古車でした。
2000SGLで色は緑でした。苦しそうなうなり声を上げるエンジンだった記憶があります。

私がいたずらして、走行中に右の後ろドアを開けてしまい、カーブで後席から落ちそうになり、ぎりぎりの所で父に腕を引き上げられて助かったため(子供は本当に危険なことをやりますね)、父は次の車はわざと2ドアにしたという思い出があります。
コメントへの返答
2018年3月19日 22:17
返信までお時間をいただく形となり恐縮です。

2000SGLだと、こちらはパワステ・パワーウィンドウ付ですね。前期だと51年規制となって、このサイズに6気筒2000でも、規制対処のためにパワフルとは言えなかったように記憶しています。

子供って危険予知よりも好奇心が勝りますから、予期せぬ出来事となってしまいかねません。事故に至らなかったのが幸いでした。子供が触れない形でのチャイルドプルーフが、ようやく導入され始めた年代のクルマでもありますね。

プロフィール

「帰還後の近況 http://cvw.jp/b/1984303/48316556/
何シテル?   03/16 21:58
3台計で20年以上の長きに渡って乗り続けたX80系からW204への代替がみんカラを始める動機となりました。 最初はW204関連を主とするはずだったのですが...
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