年末での閉館が決定していることから、機会のあるうちにとお台場まで。
時間が限られていたこと、ビッグサイトで開催されたイベントの影響なのか意外と来場者が多かったことから、今回は特に気になった車だけを厳選。
ゆっくりと見るは、次の機会を待つことにします。
先ずは、こちらから。
今一番旬な車なのかなと思います。
ヤリス クロスではやや小さく、RAV4では大きすぎる、という要望の隙間を埋める、ど真ん中の企画と言いましょうか。受注は好調のようですが、部品供給不足の影響を受けて、納期が出せない状況となっているようです。キャラクターはやや異なることは理解しつつも、ポジション的にはトヨタ版CX-30とも言えそうで。
国内展開するにあたり、フロントフェイスを大きく変える等、スクープ記事から予想していたよりも力が入っていたりします。売れ筋という認識があるからこその変更なのでしょう。
売れる前提なら、1.8Lの展開のみに留めず、2.0Lの新世代ダイナミックフォースエンジンを搭載したグレードもあっていい気はします。この辺りは順列の枠内に収めている感は拭えません。生産体制が整った頃合で要望が強ければ、検討するとなるのかもしれませんが。
セダンとツーリングは国内を見据えてナローボディを仕立てましたが、こちらはスポーツ同様、ナロー化せずでの展開。
全高1,620mmは立体駐車場で制約される場面が想定でき、さらに全幅1,825mmとなると都内で使うには狭所や駐車等、大き過ぎて使い辛いと感じることはありそうです。絶対的なサイズは変えようがないものの、見下ろし方のポジションからはボンネットの大半が視覚に入りますし、乗降性も腰を上げるでなく足がそのまま着く感じ等、日常の使い勝手は他シリーズより使いやすいと感じる箇所も多かったりはします。
運転席から後方を振り返った時、クォーターピラーの太さには少々驚かされましたが、BSMや各種モニター等で補足すれば、直接の目視は少ないと考えられ、欠点という指摘には至らないかなと。
軽く眺めていて少々驚いたのは、履いていたタイヤの銘柄で、展示車は”MICHELIN PRIMACY4"を装着していました。自車と同じ銘柄であり、もう少しSUV寄りの製品が装着されていると思っていた次第。
ボディサイズに話を戻して少しの余談。
カローラ クロスのサイズ設定が、次期国内セダンとツーリングのボディサイズ拡大も見据えた観測気球に映るというのは、穿った見方でしょうか。こちらがシリーズ内の最多量販となると、このサイズが許容されたという論理展開がされ、次のセダンやツーリングはワールドサイズを共用するのかもと、何となく危惧したりするのです。
危惧と言えば、もう一つ。
私感だけで書くと、カローラ クロスよりカローラ トレックの国内展開を望ましく思っていました。現行ツーリング以上の後席や荷室スペースに加えて、SUVの順列から外れた新たな選択の提示に映ったのではないかなと。
トヨタが並べるSUV、特にハリアーからライズに至る各車が今のトレンドに乗っていることに異論はありません。ブームの先兵を務めたと理解するC-HRを除けば、統一感もある。でも、今の揃え方、人気には、過去の4ドアハードトップやミニバンの盛衰を重ねずにはいられません。どちらもユーザーが望むからという理由で、次々に新車種が投入されフルラインが形成されました。フルラインは終わりの始まりであるかのように、その後は下降線を辿り、前者は根絶やしに近い形で消費尽くされ、後者も多彩性は失われ一定の様式に収束することになりました。
SUVは流行ではなく既に定番、そんな見方もされていることは承知しています。この先の人気の推移は、、、今の新車マーケットで気になることの一つになります。
続いてはこちら。
実はモデルチェンジが行われると知った時に驚いた車でした。
プリウスCとして、海外へも展開されたのは既に過去の話。私的には、国内専売でヴィッツから転じたヤリスと併存させる必要性も将来性も見出せなかったのです。聞くところによると、先代が10年にわたって売れ続けたことで、既納ユーザーが多数存在。その数はモデルチェンジを行っても十分ペイするという判断だったようです。市場調査を入念に行うこのメーカーですから、恐らくヤリス等の他銘柄では吸収しきれない層が存在するのだろうなとは。
先代よりはるかに保守的に映り、またターゲットユーザーが不鮮明に思えるのも、既納ユーザーが多数存在するが故かと思います。先代が出た時点ではハイブリッドというキーワードに吸引力があり、特に初期はクラスレスの感すらありました。その点がダウンサイザーをはじめ、ユーザー層を拡大することに寄与したと理解しています。
それから10年という年月が経過した今となっては、ハイブリッドは既に当たり前の存在と化していて、むしろSUVというワードの方がクラスレス感に利いているように映ります。初期のアクアの役割は、今はヤリスクロスが担っていると考えています。
かつてのハイブリッド的な商品力を再びアクアに担わせるには、PHEV等の追加も考えられますが、現時点では時期尚早と判断されたようです。新型にはバイポーラ型ニッケル水素バッテリーという新技術が存在しますし、将来的にはPEHVも視野なのかなと推測するのですが。
私感だけで書いてしまうと、アクアの新型は、ターゲットユーザーをダウンサイザーに絞ってグレード設定をG以上のみとし、Zの更なる上級を設定した方がキャラクターも明確になり望ましかったと思っています。今の形なら、フリートユースはヤリスで吸収できたように思えて仕方ないのです。逆にフリートユースを重視するなら、カローラアクシオとフィールダーの新型の方が余程喜ばれたとも思いますし。
発表が重なった日産のノート・オーラ。車種数が限られるという今の日産特有の事情も垣間見えますが、プレミアム コンパクトという主張はノートからの変更点も絡めて理解しやすいと感じます。それだけに新型アクアで同じ領域を問うのもありだったのでは、とも。
先のカローラクロスと同様に、上にはカローラスポーツ、下にはヤリスが存在する中で中間にねじ込まれた感は否めません。車種構成全体を通しで見た時の収まりとしては良いのでしょうが、個の主張としては弱くなるような。
実はこういった車種構成、みん友さんが先に書かれて、なるほどといたく納得したのですが、以前のカローラII/ターセル/コルサの再来のようでもあるのです。
強力な上と下に挟まれて、独自性の確保に苦慮する、何となく新型アクアの姿とも重なります。
運転席に座って感じた点としては、一つはインパネはもう少し開放感重視でよかったのでは、もう一つはパワーシートを挙げることにします。
後者は、マニュアルと異なり無段階調整が可能になったのは加点対象と思うのです。問題は、ワンモーターに伴うスイッチ操作後のタイムラグで、マニュアル、パワーどちらにしろ従前の直ぐ動くに慣れた身には、どうしても違和感がありました。動き出せば滑らかに感じていて、慣れで補えればいいとは思うのですけれどね。
パワーシート関連でもう少し書くと、専用シート表皮になるのはいいのですが、内装色がブラック×ダークネイビーだけでは、オプションを選択させるには弱い感もあります。ライト系の色が選べたりすれば、特別感がさらに増すと思うのですけれど。先代の多彩な内装色を記憶しているだけに、今の内装色の設定は新型を保守的に感じる一因と思わざるを得ません。40系のカローラII/ターセル/コルサは、内外装のデザインやカラーバリエーションだけでも選択の理由として成立していた存在に映つるのですけれど。
厳しい書き方が続いてしまいました。。。
私事情を挟むと、そろそろ上がりのクルマというのを意識し始めなければいけない年齢に差し掛かりつつあります。都内在住や車庫事情等の理由もありますが、大きい車よりも小さい車へのダウンサイジングの可能性の方が段々高くなってもいます。ダウンサイザー予備軍の一人として、こうした層を狙う商品というのは、どうしても気になりますし、評価は自分目線も加わってきます。
少し擁護すると、成り立ちは決して悪くないと思います。扱いやすい5ナンバーサイズで、贅沢過ぎず、かといって我慢も感じさせないイイ線を突いているように映ります。自分が15歳年上でクルマ選びをすると仮定するなら、有力な候補の一台だったろうと思うのです。
MEGAWEBで、目に付いた展示車その1です。
初代プリウスは、量産型ハイブリッドの始祖という点が挙げられがちですが、パッケージングも実は特筆すべきところで、今見てもコンパクトセダンの理想形と強く感じます。近年は、このサイズのセダンがほぼ選べなくなってしまっただけに尚更とも。20年以上の年月の経過をあまり感じさせなかったりもしますね。
大荷物を滅多に積まない環境で暮らす身としては、トランクは室内と一体ではなく独立していた方がありがたいですし、後方や高さ等が限られたスペースにおいてはバックゲートよりトランクフードの方が開き易かったりもします。コンパクトセダンのこれまでの販売実績は知りつつも、需要がないの一言で片付けられるのも、今一つ納得は致しかねるのです。
MEGAWEBで、目に付いた展示車その2です。
ナンバープレートのとおり、トヨタ博物館の所蔵車ですね。
初代プリウスもそうなのですが、今の車と比較するとデザインはシンプルですし、何よりサイズの小ささに驚かされたりします。共に、今も車名が続くクルマ達ですが、随分大きくなったものだなと。
当時のEVですので、性能は推して知るべしの感はありますが、注目すべきはSUVベースで仕立てているところ。床の高さはBEVにとって都合が良いのでしょうね。
といったところで、緊急事態宣言が解除になったことで、最近休館から明けたMEGAWEBの展示車をお題に書いてみました。
冒頭に書いた通り、このMEGAWEB、残念ながらこの年末での閉館が決定しています。オープンは22年前で当初は10年間の予定だったことからすると、よく続いたとも言えるのですが、2013年に閉じたAMLUXの後を追うかのような首都圏の展示施設の閉館は残念でなりません。
22年はあっという間に感じますが、当初は車種数&ボディバリエーションの多さから全ての展示車が収まらなかったのに、今では車種数も絞られ、むしろ展示スペースを持て余している感があるのですから、年月は確実に経過しているのですね。
私は通勤や住居の関係から、AMLUXと併存していた時代にはこちらを訪れる機会は少なく、足を運ぶ回数が増えたのはAMLUX閉館後。新型車が見たくなったらここに、という感じでふらりと立ち寄れる場所でした。車に限らず駅に近いという便利さもありました。
先日の閉館の発表に驚いたのも束の間、緊急事態宣言に伴う一時閉館が続き、そのまま閉館となるのではと危惧していただけに、残り僅かながらも最後の開館となったことを今は喜んでいます。
年末までには、何とか再び訪ね、心の中で閉館を惜しみながら見送ろうとも思っています。
今の施設は周辺も含めて再開発により、数年後には新たな姿でお披露目となるようです。東京地区は、販売店の統合に伴う余剰施設ありと見受けていますが、MEGAWEBの後を継ぐような展示施設がどこかにできるのか、注視しているところでもあります。