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2016年10月05日 イイね!

1983年の東西車種別中古車市況(小型車編)

33年前の中古車市況話、いよいよ最終回です。

今回は、前回のギャラン・シグマ/ラムダの回において、付則的に付け加えられていた内容をお送りします。きっとそれまで掲載のあった関西編が省略されたことで、その代わり的な要素があったのでしょうね。

内容としては、同時期の小型車の市況を簡単に解説しています。
ギャランと価格比較しつつで、眺めてみるのも一興かもしれません。

各車の解説に行く前に、当時の時代背景的なものを引用してみます。
「そんなもの、十分知っている」という方も、一緒に振り返りをしていただければ、幸いです。


引用ここから++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

○1800ccを中心にした小型ファミリーカーは、トヨタのコロナをはじめ、カリーナ、日産のブルバード、スタンザ/オースター、本田のアコード/ビガー、マツダのカペラ、そしていすゞのジェミニなどがある。フルモデルチェンジによって、このところFRからFF方式への変更が進められている。新車では、一時保守的なユーザーがFF離れを起こして売れ行きが悪かったが、つい最近になって人気が出始めた。

○中古車市場では、従来からのアコードはじめ、FFに変更したスタンザ/オースター、カペラがぼつぼつ顔を出し始めているところ。したがって、主役はまだ圧倒的にFR勢で占められる。


++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++引用ここまで

時は1983年の秋ですから、ここで挙げられている小型ファミリーカーの主流が、ちょうどFRからFFへと歴史的な転換を果たそうとしていた時期となります。

日産・ブルーバードがFFへモデルチェンジというタイミングに合わせて、トヨタがコロナに先行していたFF5ドアに加えてFF4ドアを追加し、販売の主流をFRからFFに移していますね。

このクラスを開拓し、販売台数でもトップを争っていた2台が共にFF化を果たそうというのですから、長らく続いたFR時代は確実に終焉を迎えつつあったのです。



中古車としては、910ブルーバードが台数的にも人気的にも、このクラスの市場の中心にありました。そんなブルーバードについては、以下のように解説されています。

引用ここから++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

【ブルーバード】
○人気の筆頭格。55年から56年にかけて小型車ベストセラーカーに輝いた人気車だけに、どこの展示場に行っても最前列に並べられている。10月中旬にモデルチェンジを控えた末期モデルだけにタマ数も多く、値もこなれてきた。このことが、さらに動きをよくしている。

○とくにターボの激安化が目立つ。初期モデルは、100万円の大台割れが時間の問題になっている。55年式車は、セダンSSS-S:115万円、ハードトップ(HT):117万円あたりだが、ただのSSSなら105万円前後の値をつけている。

○ノーマルのSSSならセダンで81万円、HT:83万円と大衆車なみ。こちらは、70万円台も出ており売れ足は速い。エアコン、オートマチック、あるいはパワーステアリング付といった装備もよいタマが多いから、このことも人気に拍車をかけている。

○ボディカラーはノーマルがホワイト、シルバー系2トーン、ターボはセダンがホワイト、HTはレッドといったところがメインになっている。

○次期モデルにバトンタッチすれば高年式車の値くずれはさらに加速され、買得車が続出することは必至といえるだろう。


++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++引用ここまで


画像の引用元=FavCars、以下同

左がセダン1800SSS、右がHT2000SSS-EX・G、となります。

登場から4年近くを経ていましたが、最終モデルまでその人気は衰えることはありませんでした。新車が大量に売れたことで、中古車市場にも大量流通しましたが、その人気が支えていたと言えます。

歴代屈指の、同クラス屈指の、いやどう形容を変えようとも、名車の地位は揺るがないことは疑いようもありません。



コロナ、ブルーバードがクラスの標準となる一方で、一代で独自の地位を築いたのが、アコードでした。
中古車としては、初代の後期が主流にありました。CVCC-IIへの改良と1800・1600が揃ったことで、熟成の域にあったモデルですね。

引用ここから++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

【アコード】
○安定した人気を持つ。サルーンはEX、ハッチバック(HB)はGXあたりがメイングレード。55年式だとサルーン:64万円、HB:74万円とサルーンの安値が目立つ。ホンダマチックのタマ数が目立つ。とくにサルーンはこちらの動きが活発。

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++引用ここまで





上段がサルーン1600EX、下段がHB1800GXです。
2代目以降、サルーンが中心になっていきますが、この時点だと初代の中古車としてはHBの方が人気があったのか、やや不思議な相場となっています。

台数としては、サルーンの方が多かったはずですが。



続いては、カリーナです。
この少し前に取り上げられていることもあって、軽くの紹介となっています。

引用ここから++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

【カリーナ】
○コロナはぱっとしないが、カリーナはまずまずといったところ。ブルーバードやアコードより、ややヤング層に人気がある。HTは1800SR、セダンは1800STがメイン。セダン:77万円と、アコードとブルーバードの中間くらいの値をつけている。


++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++引用ここまで



左はSTホワイトセレクション、右はマイロード81、ということで、共に特別仕様車です。
右のマイロードはSTの外観に装いとされています。

ブルーバードの対抗は、コロナとなるはずなのですが、130型は中古車でも不人気だったことから、カリーナが挙げられています。

この時点では、ブルーバード・コロナがFFに移行しても、カリーナは当面FRのままだと思われていました。この翌年にカリーナもセダンがFFに移行することで、流れは決定的となります。



ブルーバード・コロナよりも先行してFF化を果たしていたクルマ達は、以下のように紹介されています。

引用ここから++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

【FFへの先行転換組】
○スタンザがセダン1800SGLで56年式:95万円、カペラは57年式セダン1800SG-Xで105万円。新型の割には値がこなれている。カペラは、新車同様着実に動いている。ただ、まだタマ数は少ない。

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++引用ここまで





今視点ではその意欲は大いに買えるものの、残念ながら当時は正当な評価を受けていたとは言い難い2台です。その人気を反映して、中古車のお値段は弱含みとなっていました。

共に、80年代初頭の作らしい、パッケージングを素直に表現したデザインだと思うのですが、それまでのデザインからすると、ユーザー側の意識がその変わりように追いついていなかった感がありますね。



さて、といったところでいかがだったでしょうか。

このシリーズ、今回のブログ掲載にあたり、改めて読み直す機会となりました。当人的にも、やや記憶が薄れていた部分もあって、当時を懐かしみつつで楽しく取り上げることができました。

これだけの年数が経ていると、当時を知る方よりも知らない方が多いのかなと思ったりします。それでも、実感の有無が分かれたとしても、様々な視点から楽しんでいただけたのであれば幸いです。

新車以上に、中古車の市況は瞬く間に変動していって、そして記録に残りにくいものですから、こうした形で記録を残しておくのも、いいかなと思ったりします。もちろん、それが何かの役に立つのか?というのは、禁句なのです(笑)
Posted at 2016/10/05 21:19:15 | コメント(3) | トラックバック(0) | 古の中古車情報 | クルマ
2016年09月27日 イイね!

1983年の東西車種別中古車市況(ギャラン・シグマ/ラムダ編)

1983年の東西車種別中古車市況(ギャラン・シグマ/ラムダ編)これまで、間を挟みつつ計10回に渡って掲載してきました33年前の中古車市況話ですが、いよいよ終わりが近づいてきました。

連載では、前回お送りした通り、ちょうどこの時期にモデルチェンジをしたモデルということでギャラン・シグマ/ラムダが取り上げられていましたので、そのままお送りすることにします。
このシリーズでは初めての三菱車でもありますね。


市況話に入る前に、ギャラン・シグマの簡単な変遷を本文から引用してみます。

引用ここから++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

○ギャラン・シグマの誕生は51年5月。初代はガソリン車だけで1600は121A型、
1850が122A型、2000が123A型。直線基調のボクシースタイルの斬新さが受け、空前のヒット作になった。ピークの53年3月には1万台の大台を突破するほどの勢いがあった。

○4年後の55年5月には、2代目にバトンタッチ。エンジンはガソリンが1600の161A型、1800が162A型、そして2000が164A型。同時に2300ディーゼルとそのターボ装着車である167A型を新しく設定。同年11月には、ガソリン2000にターボ車を追加した。

○57年10月にはマイナーチェンジを実施し、1800ターボを加えている。ところが、これら2代目はフルモデルチェンジにもかかわらず、スタイリングを初代とあまり変えずに踏襲したために売れ行きはさっぱり。そのために、わずか3年4か月で3代目にバトンタッチせざるを得なかった。


++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++引用ここまで

ギャラン・シグマについては、過去ブログでも取り上げていますので、合わせての参照としていただければ、幸いです。
 初代の回は、こちら
 2代目の回は、こちら


それでは、市況話に入っていきます。

引用ここから++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

○さて、これら初代と2代目が中古車市場に出回っているわけだが、主流は2代目の55年~56年式。初代は、52~53年式が50万円前後の格安人気でよく動いており、低年式と高年式の2極分化が進んでいる。

○タマ数は9月中旬まで少なく、ディーラー(三菱系のクリーンカーセンター)以外ではあまり見かけなかったが、9月末から10月にかけて豊富になってきた。3代目の新型シグマが9月から発売開始され、代替で旧型車が中古車として再販されるようになったからだ。


++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++引用ここまで

初代は排ガス規制に追われるライバル車に先んじる形でのモデルチェンジが成功して、人気車に成長するものの、モデル後半以降はライバル車の追い上げにあう形で、失速してしまっています。

2代目では中身重視のモデルチェンジを掲げて失地回復を図るものの、こちらも初期こそ、やや回復はしたものの、全体を通してみると、あまり成功しなかったというのは引用元のとおりです。

そんな販売状況が、中古車の構成に表れていますね。
2極分化の内、高年式に関する分析は・・・の前に、2代目のカタログからグレード別の頁を再掲しておきます。





画像を挟んで、分析は次のとおりとなっています。

引用ここから++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

○主流グレードは中グレードの2000スーパーサルーンないしは最上級のロイヤル。フル装備の割に価格が安く、程度のよいタマが多いためだ。56~57年の高年式車になると1800スーパーサルーンも2000に劣らず人気車となる。格安で手に入るようになるからだ。

○価格推移を2000スーパーサルーンでみると、52年:50万円、53年:66万円、54年:71万円、55年前期:81万円、同後期:90万円、56年前期:100万円、同後期:104万円、57年前期:116万円となっている。1800は2000よりも10万円、1600は15万円くらい安い。したがって1800も動きがよいわけだが、1600になると力不足を気にしてかあまり売れ行きはよくない。1600は、タマ数が極端に少ない。

○ボディカラーは、タマ数ではホワイト、パープルワイン、ダークブルー、シルバー、そしてブラックなどが目につくが、人気の点ではホワイトが他を圧倒している。大都市部ではうすむらさきの”ラベンダー”が静かな人気を呼んでいる。

○ミッションはオートマチックが半数を占めており、人気はこちらがマニュアルをしのいでいる。サンルーフ車も時々みられるがそれほど人気には関係がなく、ユーザーの好みで左右される。ファミリーユースの強いクルマであるから、ノーマルのほうがむしろ好まれるといった傾向があるためだろう。


++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++引用ここまで

モデルチェンジ当初は上級グレードが売れるという全体傾向はギャラン・シグマにも、当てはまっていました。

スーパーサルーンは、初代では最上級グレードでしたが、2代目ではその上位にロイヤルが加えられたことで、セカンドグレードの座に収まることになりました。パワーステ、パワーウィンドーに代表される装備は、当時の水準ではかなり豪華であり、価格もそれなりに高いものでしたが、三菱のオーナーカーとしては最上級ということもあって、販売比率としては高めに推移します。

この好評を受けて1800と1600にも、やや装備が簡略化されて追加設定された形です。追加後は2000に変わって1800の比率が上昇することになります。そんな推移が中古車市況にもそのまま反映していますね。

他社では人気装備となるサンルーフが、あまり人気に影響していないというのは興味深いところです。2代目登場時に比較的広い範囲で、電動式が選択可能とされたのですが、セールスポイントとはなりませんでした。

シグマはライバル車と比較した時に、やや屋根が低く、その影響で特に後席のヘッドクリアランスの難が指摘されていましたので、さらに頭上高が削られことになる、この装備が敬遠されたということはあるかもしれません。



2代目シグマはガソリンターボを追加以降、ターボをイメージリーダーにした宣伝を行っていました。
そんなターボについては、以下のように書かれています。

引用ここから++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

○ターボは新車で25~30%の販売比率を占めており、展示場にも、ちらほら見られる。しかし、前述のように55年前期にまずディーゼル、年末に2000ガソリン、そして57年後期に1800ガソリンといったように高年式での参入であるために、絶対的なタマ数は少ない。したがってさがすのに多少苦労しなければならない。

○ただ、あれば格安なことが魅力だ。小型ターボの中では最も安いターボ車といえるだろう。2000GSRターボで55年:115万円、56年前期:125万円、同後期:131万円、57年前期:142万円といったところ。ブルーバード、スカイラインは55年で125~130万円であり、10万円以上も安い。

○2000GTターボなら55年で98万円とすでに2ケタ台になっている。タマ数は少なく滅多にお目にかかれないが。ディーゼルターボだとGTターボよりさらに5万円くらい安く、56年前期でも100万円以下で買える。GTターボ同様、タマ数は極端に少ない。

○人気はそれほど高くなく、むしろノーマルのスーパーサルーンやロイヤルのほうが動きがよい。その分価格が安いといえる。今後は新型車への代替が進み、タマ数が豊富になり、さらに格安になることは間違いあるまい。


++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++引用ここまで

日産勢が先行したターボは他社も追随したことで80年代初期、一大ブームとなります。
この時期、ターボというだけで人気が集まったこともあって、新車販売段階ではターボ車はノンターボよりも値引きが絞られるといった商売が通例となっていました。

そんな中にあっても、ノンターボに近い値引きを出すのが三菱でした。今も続く月刊自家用車誌の値引きレポートでは、そんな状況が毎月のように報告されていたものです。

シグマ自身が、値引きに頼った売り方をされていたという背景もあるのですが。
そんな販売の影響が、中古車価格に表れていたという見方はできそうです。

引用ここから++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

○クルマを選ぶ立場から中古シグマを評価するとどうか。次の代替を念頭に置かないなら確実に買得車といえる。ノーマルなら大衆車とさほど変わらない価格で買えるし、装備も抜群によい。スーパーサルーン、ロイヤルクラスならパワステ、パワーウィンドー、エアコン、またカーコンポ付などもある。

○ただ、展示場まわりをして気をつけねばならないことは、専業店でのタマ数は少なく、三菱系のクリーンカーセンターに行かないと多くはお目にかかれない。専業店は動きのよいラムダに集中させて、シグマは敬遠する傾向があるからだ。

○同一ボディの姉妹車であるエテルナはフロントグリル、テールランプのデザインを違えただけでカープラザ店扱い。新車の販売台数が8対2くらいだから、中古車のタマ数もこれに比例する。人気差はまったくない。


++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++引用ここまで

人気度合を反映してか、報告されている価格は、お買い得感が高いものとなっています。
この場合、次の査定にもその影響は出るわけですが、乗りつぶし前提なら、売値は関係なく買値だけを気にすればいいとなるわけです。シグマの上級グレードは、他車比でも装備は充実していましたから、そんな面からも更なるお買い得感があったのです。

先にシグマの値引きが大きかったと書きましたが、その理由の一つにエテルナの存在が挙げられます。何せ、多少デザインが異なるくらいで中身も値段も全く同じ車が、違う系列から併売されているわけですから、値段の競争になるのも当然なのです。

当時の記事では、大抵後発となるカープラザ扱いのエテルナの方が値引きで先行して、元々の会社規模が大きいギャランがそれに対抗するという構図が繰り広げられていたように記憶しています。



シグマの兄弟車と言えばラムダ。

Photos of Mitsubishi Galant Λ 1980–83
引用元=FavCars
画像は、2代目ラムダのスーパーツーリング。

中古車としてはラムダの方が人気があったようです。
以下、当時の記事より。

引用ここから++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

○ラムダはシグマのスペシャルティバージョンとして、初代モデルは51年12月にデビューした。シグマより半年遅れである。2代目はシグマと同時に55年5月に登場、3代目はまだ出ておらず、来年の3月頃になりそうだ。

○シグマとシャシーを共用しており、ボディはハードトップの2ドアであり、シグマの4ドアセダンと差をつけている。ファッショナブルスポーツといった仕立て方をしているから、エンジンも2600ccを加えたり走りを重視した設計。このことはヤングファン、スポーツ派に好まれ、中古車市場での人気はシグマを上回る。

○シグマは専業店だとあまりお目にかかれないのだが、ラムダはターボあたりが最前列にデンと置いてあるケースをよく見かける。

○GSRターボ5速のブラックやレッドは、人気車のひとつにあげられよう。ノーマルは、2000スーパーツーリングの動きがよい。中心年式は55~56年式。

○ターボは全体の70%以上の販売比率と高率であり、シグマと違ってタマ数は豊富。価格は、GSRターボで55年:124万円、56年前期:134万円、同後期:139万円、57年前期:150万円とシグマより10万円くらいの高値だが、売れ足は速い。

○2600スーパーツーリングは54年5月に加わったが、不人気のために56年に生産中止した。展示場では、ほとんどお目にかかれない。


++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++引用ここまで

ラムダは、初代の登場したのが、コスモ人気が一巡したくらいという絶妙な時点ということもあって、たちまち人気車に駆け上がります。絶対的な台数はシグマよりも少なかったのですが、元々の市場規模はミドルサルーンよりも上級スペシャルティーカーの方が少ないですから、ある種シグマ以上の成功作ともいえる状況だったわけです。このラムダ人気を奪うことに成功するのが、先に紹介した3代目シルビアですね。

2代目でも再逆転はかなわず、さらにスタリオンに需要を奪われる形で失速してしまいます。
結局、ポジションとしては、この翌年に登場する、シグマハードトップが後を継ぐことになるのですが、その際にはラムダ名が使われることはなかったのです。

最後に、専業店の概況です。

引用ここから++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

○シグマほど専業店とディーラーで扱いの違うクルマは少ないといってよいだろう。都内や周辺地区の専業店の展示場を一回りして気がつくのは、タマ数が極端に少ないこと。とくに多数の展示場がならんでいる大都市部の中古車街にこの傾向が強い。

○販売担当者にその理由を聞くと「置いても売れるまで時間がかかり、もうけが少なくなってしまう」からだという。姉妹車のスポーティカーであるラムダはよく見かけるがシグマはさっぱり。

○新車の販売台数はシグマがラムダを圧倒しているのだが、中古車になると逆転してしまう。三菱ディーラーでは「シグマは一度購入すると何年も乗って手放さない。ラムダは割とあきっぽいユーザーが多くすぐ代替えしたりするから、中古車のタマ数が多く見えるのではないか」と分析する。

○しかし、実際は人気度合による差といった方が当たっているだろう。専業店は人気車を先行させたタマ揃えをする傾向があるから、人気のないシグマが少なめになると考えてよい。

○ただ、同じ専業店でも低価格で程度のよいタマを展示するところもあるので、こちらに出向けばかえって買得車を発見できるケースもあるから要注意だ。また、大都市部ではラムダ志向だが、地方に行くとシグマ人気が高くなるから状況は変わってくる。

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++引用ここまで


これまでは、ディーラー・専業店共に大きな違いはないクルマが多かったのですが
シグマでは大きな違いが表れていたようです。

大都市部と地方による人気車の違いは、今でも見かける事象ですが、使用環境や用途の違いが反映されているようで、興味深い事象ではあります。


といったところで、いかがだったでしょうか。
クルマ自体の考察は、既にやった回の重複となりますので、ここでは深く触れないこととします。

確実に言えるのは、このクルマもシビック同様、初代のイメージが強くて、大きな変更を受けなかった(変えられなかった)2代目はイメージが薄い結果となってしまったということですね。

今では見かける機会が極端に少ないという状況も同じです。メーカーの力の入り方としては、とくにこちらは、かなりのものがあったように思うのですけれども。

やはり、メーカーとして意ある状態というのは、動機・経緯・結果はその何れもがどうであれ、あの時代はよかったと振り返れる気がするのです。


以上、10回に渡るシリーズをお届けしてきました。
もう一回だけ、おまけ的な回がありますので、それをお届けしてまとめとしたいと思います。
Posted at 2016/09/27 20:16:18 | コメント(3) | トラックバック(0) | 古の中古車情報 | クルマ
2016年09月21日 イイね!

1983年の東西車種別中古車市況(シビック編)

1983年の東西車種別中古車市況(シビック編)33年前の中古車市況話については、これまで中級車クラスの人気車の交代と大衆車市場の代表者たちという観点で、取り上げてきました(元の掲載順を入れ替えての掲載には、一応理由があったのです(笑))

全10回のこのシリーズ、残り2回はモデルチェンジ期を迎えたクルマという取り上げ方をされていましたので、それをトレースすることにしたいと思います。


今回は、3代目が登場した直後のシビックです。
従って、観測点は1983年(昭和58年)8月~9月となります。

この話の中で比較的大事なモデル変遷は、本文の中の紹介が簡潔にまとまっていますので、そのまま引用することにします。

引用ここから++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

○初代シビックがデビューしたのは、11年前の47年7月のこと。当時は2ボックスカーは軽自動車を除くとこのシビックだけ。まず1200・2ドアが登場し、同年9月に1200・3ドア、48年5月には1200オートマチック、12月に1500・4ドア。49年10月にはスポーティ仕様の1200RS、51年5月には1200・4ドア、52年9月1500・5ドア、53年6月に1200を1300に排気量アップした。

○54年7月にはフルモデルチェンジし、2代目にバトンタッチ、55年1月1500EXにクラス初のパワーステアリング、パワーウィンドーを標準装備、同時にワゴンのカントリーを設定。9月には3ボックスの1500・4ドアセダン追加、56年10月マイナーチェンジを実施し内外装を充実させ、ヘッドランプを丸目から角目に変更。そしてことしの9~10月にフルチェンジし3代目に引き継いでいる。


++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++引用ここまで

最初は1200の2ドアのみで始まったシビックも、歴史を重ねる中で、バリエーションが膨らんでいったことがお分かりいただけるはずです。その裏には、コアとなるユーザー層の上級指向や市場観測という事情もあったのですが。

そんな事情を重ねていった現行は・・・という話は最後に送ることにします。



それでは、ここから中古車概況です。
ちなみに、今回と次回の話からは、これまであった関西編の部分が省略されています。中古車店が語る生々しい話が多用されていて、個人的には好きな部分でしたので、省略は残念ではあります。

引用ここから++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

○長い歴史の中で単にモデルチェンジを繰り返しただけでなく、ボディ、エンジンのバリエーション車を追加・設定して今日のワイドバリエーション体制を整えている。したがって中古車の市場動向も、個々のモデルで違った状況になっているといえる。

○前述した各モデルで中古車市場に存在しているのは51年から58年まで。現行モデルはまだ発売されたばかりであり、皆無といってよい。

○今回、東京、千葉、埼玉地区の展示場を回った範囲では53~57年式がよくみられた。各展示場で分析している中心年式は、54~55年式としぼられる。したがって2代目の初期モデルが主役といえる。


++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++引用ここまで

車の耐用年数がまだまだ短かった時代ということで、一般的な流通としては、6~7年が限度というのは他車と共通するところです。そこから2~3年使われると、8~9年となりますから、当時の平均耐用年数にほぼ一致となる構図です。

ディーラー系での流通は、もう少し短くて3~4年落ちまでが当時の平均。
シビックは、ここにモデルチェンジと新車の人気動向という要素が加わることで、引用したような中古車市況が展開されていました。


以下、中古車概況話を続けます。

引用ここから++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++


○グレードは1500・5ドアCFホンダマチック。このエアコン付だと売れ足が速く、入荷後2週間以内で買い手がつく。価格は54年:45万円、55年:55万円、56年:65万円、57年:75万円といったところで、高グレードにしてはかなり格安といってよい。


○ミッションは、同クラスにしてはAT車が多く全体の30%を占める。人気もCX以外はホンダマチック車が上であり、動きがよい。エアコン付なら人気大衆車とそれほど差がないほどの売れ足といってよい。

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++引用ここまで





画像が1500・5ドアCFです。
(今回も、画像は全て、FavCars.comより引用)

CFは、モデルチェンジ直後から1500EXの登場までの間は最上級だったグレードであり、新車当時も最多量販でした。


ここで、ホンダマチックについて、少しだけ(?)解説。

当時のホンダ車に採用されていたオートマチックは、ホンダマチックと名付けられ、トルコンのストールトルク比を大きくとることで、変速機能の代用とした機構を特徴としていました。このオートマは、セミオートマに類されるものであり、他社からは「カチャカチャとシフト操作が必要」と揶揄されたのですが、安価であることを武器に他社よりもオートマの普及では先行していました。

モデルチェンジ当初は、他社のDレンジに相当する☆(スター)レンジとLレンジの2速。翌年にはこれにODレンジを加えた3速となります。

アコード譲りのパワーステアリングを初めてこのクラスに持ち込んだのもホンダでした。初期こそ不要論が主流でしたが、機構的にもハンドルが重くなるFFということもあって、その後はパワーステアリングが一気に普及。そんな状況からすれば、導入は大正解かつ大英断だったと言えます。

今では当然となっているパワステとオートマという、イージードライブの先鞭はホンダだったのです。





引用ここから++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

○エンジンは1200、1300、1500の3ユニットあるわけだが、1200は前述のように53年6月に1300にかわり生産中止している。したがってタマ数はめっきり少なくなった。ただ探すのに苦労するほどではなく、53年車では1300と同程度にある。

○1500は登場後着実に売れ、2代目にバトンタッチしてからは1300をしのぐようになった。現在では市場の70%を占め、完全に主役の座についているといえるだろう。全般的に値がこなれており、性能の良い1500のほうを選ぶのが当然のユーザー心理といえる。

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++引用ここまで

1500の比率の高さは、モデルチェンジ初期によく見られる上級グレードへの集中に加えて、1500のみ新CVCCを採用したことで、燃費値が1300と逆転していたことが影響していたようです。もっとも翌年には、1300・1500共にCVCCIIに進化することとで差はなくなります。
これ以降は、1300の販売比率も上がっていったようです。



引用ここから++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++


○ボディタイプは多彩だ。2、3、4、5ドアのハッチバック、ワゴンのカントリー、そして3ボックスの4ドアセダンの6タイプもある。人気の中心は、前述のように5ドアHBでありタマ数も豊富。

○5ドアの次は3ドアが多い。スポーティな感じが強いこともあり、ヤングには5ドアより好まれる傾向にある。スポーツバージョンの”CX”はこちらのボディタイプ。ひと頃にくらべ人気は頭打ち気味だが、それでもそこそこに動いている。価格も5ドアCFより3~5万円高め。同じ1500・3ドアでも、CX以外だと5ドアより2~3万円安い。

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++引用ここまで





画像は1500CX。
5馬力アップした専用エンジンとハードサスペンションを採用したスポーティグレードとなります。外観はバンパーのオーバーライダーやハロゲンヘッドランプの採用に加えて各所へのブラッキッシュ処理が専用装備。
オレンジのボディカラーからも解るとおり、排ガス規制が強化される直前に追加され、ごく短期間に終わった初代1200RSのイメージが重ねられていました。



他のボディに関しての記載が続きます。

引用ここから++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

○2、4ドアは、初代の前半期モデルだからタマ数も少なく人気もない。53年前半で生産中止しており、あれば30万円以下の格安で手に入る。

○3ボックスの4ドアセダンは、55年9月に登場した。1500ccエンジンだけを搭載。こちらは新車人気も今ひとつだったから、中古車もしかり。タマ数は極端に少なく、滅多にお目にかかれない。そのかわり、あれば程度がよく装備もオートマチック、エアコン、パワステと抜群だから買い得車の一つといえるだろう。価格は1500EXで55年:63万円、56年:72万円、57年:82万円あたりであり、5ドアCFより6~7万円高い。

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++引用ここまで





バラードが先行したことで、シビックのセダン版的役割を兼ねると理解していたものですから、直後にこのセダンが登場したことには驚かされました。

元々シビックは、2ボックス市場の開拓者であったのに、3ボックス市場にも参入するとは予想外だったのです。市場の受け取り方も同様で、シビックはセダンボディを定着させるのに、長い間苦労することとなります。

5ドアより高いという書かれ方をしていますが、EXはCFより上級グレードだからという見解が正しいでしょうね。

ここで少し個人的な話をすると、実は幼少時代、ご近所にこのセダンに乗られている方がいたものですから、個人的にはすごく懐かしい存在だったりします。このクルマ、長距離通勤に使われていたことで、随分距離が伸びていたのですが、長らくの寿命を最後まで全うしていました。ホンダのクルマは寿命が・・・という定評を覆す存在だったのです。



この世代のボディタイプというともう一つ。
実はこれが一番、一般的な印象の強いモデルかもしれませんね。

引用ここから++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

○意外な人気をキープしているのはワゴンのカントリーだ。装備、使い勝手のよさが、ヤングから受けている。とくに春、夏、秋の行楽シーズンに動きがよくなり、冬になると元気がなくなるという。大手の専業店だと、必ずと言ってよいほど置いてある。

○価格は55年:52万円、56年:63万円、57年:78万円と5ドア1500CFより5万円程度と高値だが絶対値は買い得といえる。冬を直前にした今ならかなりこなれているから、購入のチャンスといえるだろう。


++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++引用ここまで







サニーカリフォルニアとは異なり、バンとボディ共用ながらも、意外と好評だったのがこのカントリーでした。
ホワイトやイエローのボディカラーにウッドパネルを備えた装いは、先行したカリフォルニアと共通するものがありますが、これはサニーに追随したのではなく、共にアメリカ車のワゴンにイメージを求めたからこそ。

この両車、このクラスのワゴン市場を開拓しただけではなく、この時期の国産ワゴンの装いとしても、一世を風靡することとなります。ビジネス用途から離れたパーソナルユース用のワゴンとしては、この辺りが歴史の端緒としても間違いはないと思います。


カントリーについては、内装画像もありましたので、合わせての掲載とします。
インパネは、プレリュードに続いて採用された、スピードメーターとタコメーターを同心円上で展開する集中ターゲットメーターやロータリー式のラジオが特徴的でした。このインパネを見ただけで、他のクルマと間違えることはありません(笑)

その後の展開からすると、発想としては悪くないと思うものの、市場に問うにはやや未成熟の感があったということなのでしょう。



長くなりましたが、市況話としては、次のように纏められています。

引用ここから++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

○今後の動向としては新型車が本格販売に入っているから、代替による下取り車が中古車として再販され、タマ数がグッと豊富になろう。

○57~58年式の高年式車の値ごなれは、56年以前の中年式車にも影響を及ぼすから、ますます安くなるはず。

○現行モデルでは、3ドアHBや5ドアワゴンのシャトルあたりの新古車が大手専業店の店頭に顔を出すのも、そう遠いことではあるまい。


++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++引用ここまで

モデルチェンジが行われた際の、一般的な動向ですね。



シビックを取り上げるならということで、バラードについても次のように書かれています。

引用ここから++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

○バラードは、シビック4ドアセダンの姉妹車として55年8月にデビューした。初代モデルは、シビック4ドアセダンとアンダーボディ、パワートレインは共用しているものの、外板、パネルは別設計。今年10月のフルモデルチェンジでは、フロント部分を違えているものの外板パネルもほとんど同一設計にし、姉妹車としての距離は短縮した。しかし、スポーツモデルとして”バラードスポーツCR-X”を派生させている。

○中古車市場では、新車の販売台数が月販2,000台以下と少なかったこともあり、タマ数も少ない。しかし、今回のモデルチェンジでぽつぽつ増えてきた。ホンダ系の中古車センターに行けば、たやすく見つけられる。値もモデルチェンジ以降、5~6万円方こなれている。

○中心年式は55~56年、グレードは1500FXEのホンダマチックとFXTの5速に二分している。80%が1500であり、1300はさがすのに苦労するほど少ない。カラーはFXEがホワイト、FXTはホワイトないしはダークブルーといったところ。FXEはパワステ、パワーウィンドーにモケットシートといった豪華仕様がセールスポイント。それでいて格安だ。

○価格は1500FXEで55年:65万円、56年:75万円、57年:83万円というところ。FXTはこれより2~3万円安い。兄弟分のシビック4ドアより人気があるといってよい。


++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++引用ここまで





画像は、2枚目がFXT、以外はFXEとなります。

ホンダとBLとの提携第一弾としても名を残すのが初代バラードです。
上のシビック4ドアとの比較をするとよくわかるのですが、シャシーやインナーボディこそ共用するものの、外板パネルやインパネは別仕立てとされていました。

FXTはシビックのCX相当、FXEはEX相当となります。スポーティとラグジュアリーを標榜するツートップのグレードに人気が集中していた形です。

当時は無国籍風に映りましたが、今視点だとどことなく当時のイギリス風味を感じるのが興味深いところです。コンチェルトのルーツとなるクルマでもあり、小さな高級車の元祖はここかも・・・などと思ったりも。



最後に、当時のディーラーと専業店の違いを取り上げたいと思います。

引用ここから++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

○シビック/バラード両シリーズを中古専業店とディーラーの違いでみると、興味深い事実が発見できる。ディーラーは自社銘柄であるので下取ったクルマを直販で再販するケースがほとんどだから、ホンダ店はシビック、ベルノ店はバラードのタマ揃えが多くなる。一方専業店は人気のある売りやすい車種、グレードを展示するため、両者はタマ数、内容に差が出てくる。

○ホンダ系は各年式、車種ともほぼ均一で最近はタマ数も比較的多い。専業店はカントリー、5ドアHBホンダマチック、あるいは他グレードなら52~53年式の格安なクルマにしぼって展示する傾向がある。カントリーあたりだと専業店でも最前列に展示するケースをよく見かける。全般的なタマ数は意外に少ない。最近のシビック人気を象徴する現象と考えてよいだろう。

○シビック4ドアセダン、バラードの3ボックス車は専業店ではほとんどみかけることはない。こちらを買うならカローラかサニーがベターといったユーザー心理を考えてのことだろう。

○52~53年式の低年式だと20万円台あるいはそれ以下と格安だから専業店でもよく見かける。こちらは程度も良いしエアコン、オートマと装備が良いものは売れ足も速い。

○価格設定は専業店、ディーラーの差はシビックに関する限りないようだ。買うならホンダ店がよい。


++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++引用ここまで

シビックは、2代目の当初こそ好調な販売成績を残しますが、中盤以降はライバル車に押される形で人気が下降してしまいます。

そんな状況が専業店の展示に表れていました。
シビックなら何でもいいというわけでなく、比較的売れやすいクルマが厳選されていた形です。

シビックの4ドアが市場への定着に苦労した、というのは上に書いた話ですが、ここではその理由が端的に書かれています。ここでも、やはり(バラードを含めた)シビック=ハッチバックだったのです。



といったところでいかがだったでしょうか。

このシビック、初代こそ2ボックスモデルの開拓者となり、社会現象に例えられるほどの存在で一気に人気車となりますが、こと国内に関しては、2代目ではその位置を守り続けることはできませんでした。

その理由の一つには、シビックの影響を受けたクルマ達が後から次々と追随したことが挙げられます。登場順に、シャレード、ミラージュ、パルサー、ファミリアと並べると、その何れもがシビックから影響を受けているという話をご理解いただけるのではないかと。

特に、2代目シビックの翌年に登場したFFファミリアは、先に紹介したとおり瞬く間に人気車の座に上り詰めることとなりますが、その影響を最も受けたのが、このシビックだと認識しています。


もっともその一方で、シビック自身が必要以上に守りに入ってしまたことで、既に大きな存在となっていたホンダファンの想いと、乖離してしまった感も否めません。
当時のホンダファンが先進的なものを望んでいたのに対して、クオリティアップこそしたものの、そこには革新的な提案がないと判断されたように思うのです。

それまでのホンダは、一代限りのモデルを続けていて、初のモデルチェンジがこのシビックだったことも大きいのでしょうけれどね。





参考として、初代末期モデルの画像を貼ってみます。
初代と2代目で比べてみると、改良の跡こそ認められるものの、イメージとしては重なり過ぎているように映ります。まだまだモデルチェンジでイメージを刷新する効果が大きかった時代に、キープコンセプトを問うのは、また違う意味での冒険ではありました。

ちなみに初代は、この時期が普通に入手できた末期です。3代目登場以降は、一気に街中から消えていった印象があります。


もちろんホンダはただ手を拱いたわけではなく、3代目では2代目での経験を踏まえて大変身。再び時代の波に乗ることになります。

そんな歴史を反映してか、シビックという車名から連想するのは、やはり初代と3代目の印象が強いのだろうと思います。その谷間の2代目は、あまり注目を集めることこそありませんが、ホンダの社史の中では十分な教訓となったモデルであるとは言えそうですが。

今では、その希少性から、現車を見る機会でもあれば、おっと思わされる存在であることだけは間違いがなく。



最後に、もう一つだけ書くなら、やはり各車における当時と現代の大きな違いについてでしょうね。

ここまで、カローラ・ファミリア・サニー・シビックという各社を代表するモデルを取り上げてきたのですが、さて現在はというと・・・当時のイメージを踏襲するカローラ、名前は残したもののイメージは大きく変わったシビック、イメージを変えるために名前ごと変えてしまったファミリア、さらに名前を変えた末に撤退(に映る)サニーという具合で、当時のライバル車も今では直接比較が困難な状況に至ってしまいました。そこには各社ごとの思想や都合が反映されているということなのでしょう。

この話をし始めると、今回のお題を外れて議論となりそうですので、各社違いがあるという点を指摘するだけに留めさせていただくことで、ご容赦くださいませ。
Posted at 2016/09/21 21:25:50 | コメント(5) | トラックバック(0) | 古の中古車情報 | クルマ
2016年09月07日 イイね!

1983年の東西車種別中古車市況(カリーナ編)

1983年の東西車種別中古車市況(カリーナ編)33年前の中古車市況話、今回はカリーナとなります。

カリーナは、今から46年前の1970年の登場。当初こそ、カローラとコロナの中間に挟まれる形で販売に苦労しましたが、1972年末にHTを追加して以降は人気が急上昇。
カローラ・コロナに次ぐ量産車に成長していきます。

登場当初のポジションの影響もあって、小型車クラスのなかでは、やや独自の位置にあったのですが、歴史を重ねる中で、コロナに近づくこととなります。

1984年に車種追加で行われたFF化以降は、コロナと共に歴史を重ねますが、21世紀に入ったところで、コロナ共々名前が消されることになります。

カリーナの後継車アリオンは、車名こそ違うものの、カリーナのポジションをそのまま引き継いでいるとしていいでしょう。カリーナの最盛期には、月販15,000台は売れていたのですが、今では1/10以下ですから、隔世の感は拭えません。それでも、今の国内のセダンの状況からすれば、残っているだけでも歓迎しなければいけませんね。


さて、この時点(1983年の春先)のカリーナは、今視点だと翌年のFF化直前となるものの、当時視点では、3代目の登場は1981年9月ということで、FFカリーナ追加という展開を読めた人は、ほとんど存在しなかったと思います。

むしろ、コロナのFF化移行はありえるものの、セリカと兄弟車のカリーナはFRのまま続くという予想が大半だったくらいなのです。

その後の展開からすると、セリカ・カリーナ・コロナのFF化に伴う体系整理は、お見事の一言であるわけで、過渡期の展開も含めて、トヨタの強さが表れている気がします。
この采配をされたのは、後に副社長になられる和田明広氏というのは、以前にも書いたことがありますね。


長めの前段は、このくらいで、いつものように関東の概況からです。

引用ここから++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

○タマ数はどこの展示場へ行ってもどっさりあり、探すのに苦労することはない。トヨタの小型車系マイカーセンター(トヨタ店、トヨペット店)、中堅以上の専業店では、目立って多い。主流年式は54~55年式で、2年落ちの56年式車もかなり目立つようになった。歴史のあるモデルだけに、品数、価格帯も豊富であり、選り取り見取りといったところ。

○ただ、動きのよい人気車となると、グッとしぼられてくる。4ドアセダンのAT、エアコン付ホワイトないしイエローの54年式後期から55年式にかけてのSTだと、引っ張りダコであり、1週間と同じ展示場に置くことがないくらい。したがってタマ数はしぼられ、多少探すのに苦労しなければならない。エアコンは、54年式以降ならほとんどが付いているといってよい。

○ボディカラーは、ホワイト、イエロー、レッド、シルバー、ベージュなどが目につくが、このうち人気カラーはホワイト、イエローの2つで、HTやGTだとレッドが人気高。これ以外は人気がないから、値も5万円ほど安い。タマ数は、ホワイトが圧倒的でイエローは少ない。

○グレードは中間のST、エンジンは1600ないし1800が中心。ボディタイプは、4ドアが圧倒的でHTはグッと少なくなる。HTは、5速なら申し分ないが、ATになると動きは鈍い。逆に4ドアは、ATならよいが、マニュアル車だといまひとつといったように、ボディタイプによってガラリと状況が変わってくる。

○HTやGT系5速の角目でレッドは人気があり、動きがよいためか、展示場の最前列に並べるケースが目立つ。この時期はスポーティーカーシーズンとなっているため、HTやGT系のタマ揃えが目立つ。

○年式は、タマ数としては54年から55年式が中心になっているが、人気はボディタイプ、カラー、ミッション、グレード、価格によって変わってくる。

○旧型の41~47系は、54年8月から角目になったわけだが、こちらが人気高。値も1800STセダンで75万円、55年:83万円あたりと、かなりこなれているから、動きはよい。55年式は、やや品不足の感が強い。

○したがって、54年前半以前の丸目だと人気はないわけだが、53年あたりまで遡ると動きはよくなる。値がこなれているからだ。1800ST、54年前期:70万円、53年:61万円、同1600ST:56万円となっており、50万~55万円あたりまで下がってくると格安人気が高い。

○52年8月以前の前モデルである30~32系になると、さらに安く、35万~45万円の表示価格になるが、品薄になるから人気の評価は難しい。


++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++引用ここまで

52年と56年にモデルチェンジを迎えているというモデルサイクルは、前回のサニーとほぼ同じとなります。

このため、中古車市場のメインは、前代となる2代目(40~47系)というのは、自然の成り行きです。グレードを多数揃える量産車でありながら、ファミリーグレードが人気の中心にあるというのも同様ですね。

ただ、若干興味深いのは、2代目が新車当時の人気グレードは1600のスーパーDXやDX、モデル後半はマイロード系が中心だったのに対して、STが人気というところ。このあたりは、新車当時はGLが売れたものの、中古車では一つ上のSEに人気が集まったカローラに似ている部分ですね。もっとも、カリーナにもSEはあったのにSTという見方もできますが。


丸目が似合うという理由で、丸目人気だったサニーに対して、こちらは角目人気というのも面白いところ。新車時点では、セリカの角目化は賛意が多かったものの、カリーナは全長の延長&車重の増加が伴っていたため、否定的見解も多かったのです。

まあ、今だと丸目のデザインを評価したいところですが、当時はより新しく見えた角目に人気があったというのは理解できる話ではあります。

街中でよく見かけた頃の記憶では、色は取り上げられているものの他にも、エクストラカッパー(茶)も多かったように思うのですが、ここでは触れられていませんね。


30~32系については、この1年前の時点で、トヨペットのマイカーセンターではほぼ見かけなかったくらいですから、カローラ以上に淘汰が進んでいたのではないでしょうか。



当時の現行モデル、60系はこの時点で登場から1年半。前回のサニーでは順調に増えていて、年末には主役交代となるだろうと書かれていたくらいですが、カリーナはだいぶ状況が異なっていたようです。

引用ここから++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

○56年式は、9月に現行の60~63系がデビューした年である。こちらは、まだほとんど市場に出回っていない。専業店が飛びつき、新古車として流通させるようなシロモノではないから、まだまだ出現は先のことになりそう。(中略)発売後1年半経過しているから、そろそろホンモノの中古車が発生してもよさそうなものだが、まだめったにお目にかかれない。

○価格は、1800STで118万円、1500STだと101万円あたり。同一年式の前モデルである41、46系だと、1800STで95万円、1600ST:87万円とかなりこなれてくる。

○ただ、価格が100万円を越すと、新鮮味があっても動きは鈍りがちになる。装備のよい人気大衆車の新車と価格差がなくなってくるからだ。とくに最近は、ヤングの間で2ボックスのエコノミーカーばやりになっているから、カリーナの苦戦は目立っている。

○FF車なら室内も広いから、こちらに目が移りがちになるらしい。とくにカリーナは”足のいい奴”で名を売り、ヤング志向の強いクルマだから、中途半端さが目につきだしているふしがあるのだ。このことは、今後高年式車の値ごなれに結びついてくるかもしれない。


++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++引用ここまで

カリーナの新古車が少なかった理由は、サニー同様に客寄せとして求められていなかったことと、サニーほど台数消化の必要性がなかったことの相乗効果によるものだと推測できます。

特に東京地区は、多くの台数を売っていた東京トヨペットが、コロナほど販売に積極的ではなかった印象もあります。1500を中心に一定台数、売れてはいたんですけれどね。

FF2ボックスに押されつつあるというのは、興味深い状況でありまして、この辺りトヨタは解っていたんでしょうね。だからこそ僅か2年半でFFセダンを追加して、カリーナの主力モデルとし、それらに対抗したという推測が成り立つのです。



カリーナの販売の中心はファミリーグレードにありましたが、登場以来続いていたGTはカリーナのスポーティイメージを牽引する役目を担うと共に、中古車市場ではカリーナの中心から離れた独自の人気を持っていました。

そんなGTの概況は、以下のとおりだったようです。

引用ここから++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

○カリーナGTは、1600HTを中心に安定した人気を持っている。新車の販売台数が月販500台そこそこと少ないために、絶対的にタマも品薄なのだが、歴史が長いだけに探すのにそう苦労することはない。ディーラーはもちろん、専業店でもかなり展示されている。

○GTはトータル的には2000より1600のほうが動きがよいのだが、展示場によっては「2000の希望者が多いから、意識的にタマ揃えを多くしている」というところもある。

○展示場の最前列に置いてあるのは、54年後期以降の角目で、1600HTのレッド。こちらに限ると、引っ張りダコの人気といってよい。2000GTでもそれほど悪くはないのだが、小気味よい走りが1600GT人気のほうに傾けているらしい。54年前期以前の丸目だと、あまり動きはよくなくなる。カリーナGTならなんでもOKというわけにはいかないらしい。セダンもHTとそれほど差はなく人気高なのだが、タマ数がグッとしぼられてくる。

○価格は1600HTのGTで示すと、56年後期の現行61系(クーペと呼称)が140万円、同前期の45系が115万円、55年:105万円、54年後期:97万円、同前期:92万円、53年:85万円となっている。セダンはこれより1万円安、2000GTは2万円方高い。

○57年9月に160psのツインカムターボが加わり、2000GTは姿を消しているわけだが、こちらはまだまだ市場に姿を見せていない。ごくたまに、新古車が大手の専業店に飾りとして並べてある程度にとどまっている。


++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++引用ここまで

GTの変遷を軽くなぞると、
初代では、最初に1600GTが登場し、途中からHTのみに2000GTが追加されています。ビッグカリーナの時期にはHT2000GTのみとなりますが、2代目になった時に1600GTが復活すると共に、セダンにも2000GTが設定されるようになりました。

こうした変遷の過程で、何となく1600GTが中心という雰囲気が出来上がっていったのでしょう。セリカでは2000GTが中心ということで、1600GTとの間に一定の価格差が生じていた(セリカの回参照)のですから、同じ兄弟車でありながら、ユーザー側の受け取り方の違いが出ているようで、面白い事象です。

新車では、初代以来長く続いた、2000の18R-G、1600の2T-Gという名機も、前年には2000がツインカムターボの3T-GTに、この直後には1600がツインカム16の4A-Gに世代交代を果たしています。



この時期のトヨタは、FRが根強い人気を保つ一方、FFへの移行も必要ということで、特にこのサイズにおいては、車種展開が今一つ判りにくい状況にありました。

その要因の一つとなったのが、55年に追加されたセリカ・カムリです。
そんなセリカ・カムリの市況は、次のとおりだったようです。

引用ここから++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

○カムリは、57年3月のフルチェンジによってFF車となったが、従来のFR車はカリーナと姉妹車。中古車展示場にも、最近になってかなり出回りつつある。とはいえ、カリーナにくらべれば、まだまだ少ない。人気はカリーナよりずっと高く、価格も高い。タマ数が少なく珍しいことと、フロントグリルが受けているらしい。

○中心グレードは1800XTで、2000GTも希に見られる。1800XTで価格は57年前期:105万円、56年:94万円、55年:85万円といったところ。2000GTは55年の初期モノでも122万円あたりであり、高値安定。

○ボディカラーは、ホワイト、シルバーといった地味なものが多い。ほとんどがエアコン付き。ミッションは、オートマチックが好まれる。

○専業店だとまだほとんど見かけないが、トヨタのマイカーセンターならそれほど探すのに苦労することはない。FFカムリが登場し、代替に入っているから、今後タマ数は多くなるだろう。

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++引用ここまで

輸出用のカリーナをベースに、リヤクォーター部分を作り替えたのが、セリカ・カムリでした。
当初は、カローラ店から発売され、続いてビスタ店の新規開設に合わせる形で併売が行われることとなりました。

モデルライフ途中で、セリカ・カムリのみ4輪独立懸架を備えたグレードが追加されたりということで、知名度で劣る姉妹車の商品力向上については、モデル末期を迎えていた2代目カリーナ以上に力が注がれていた印象がありました。

中古車価格は、そんな経緯を反映した形だったということなのでしょう。

結局、カムリがトヨタの小型車クラスのFF化の先陣となることで、僅か2年ほどの姉妹車関係だったのですが。



続いては、関西の概況です。
こちらの方が、関東よりも当時の状況が解り易いかもしれませんね。

引用ここから++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

○市場ではパッとしないが、かといって不人気車のラク印も押されていない。新車もトヨペットの販売力でそこそこ売れている。だからイメージも悪くはない。しかし、中古車市場ではなぜか影がうすい。「同じトヨタでは、コロナと似ている。しかし、コロナほど売りにくいクルマではない」というのが多くの専業店の見方。両方とも決して悪くないクルマだが、中古車展示場では、あえて車種指定をしてまで買いにくるユーザーは少ないのだ。

○以上の理由から「カリーナはトヨタ、ニッサン車群のなかでは買得車のひとつになる」。コロナとともに狙い目なのだ。タマ数も人気のわりに十分すぎるほどあるし、程度、年式で他車と比較すれば確実に安い。ただし、売れ筋ではないため、どこの展示場へ行ってもあるというわけにはいかない。専業店の展示場では、各1~2台とポツポツ見かける程度である。

○どうもつかみどころがないカリーナだが、ユーザーはどんな層が多いか。「ファミリー層が多い」という展示場から「やはり若い層が・・・」まで様々である。

○ファミリー層は、セダン。52~54年式あたりで、50万円前後の予算で探すにはちょうどいい。流行のスタイルを気にせず、目立つ必要もなく、安心して乗れるクルマというわけだ。

○若い層では、あえていえばハードトップは初心者向き、スタイル優先派。走り屋にはGT。「セリカは変にいじったクルマが多いが、カリーナは比較的、質がいいのが見つかる」という。

○一番の人気は、54年後期から56年前期までの角目。色は白。「1800ST・EFIのハードトップでは、54年式:78万円、55年式:85万円、56年式:90万円」というのが一応の目安になる。もちろん人気はハードトップよりセダンのほう。価格はほぼ同じと考えてよい。

○最近目立ってきたのは、STに関しては黄色に人気が出てきたこと。さらにAT車なら文句はないのだが、極めて少ない。「2~3割もあればいいほう」という。6万~7万円高。

○角目をあきらめ、丸目にすれば、ぐっと買いやすくなる。つまり、52年~54年あたり。52年は40万円弱、53年は50万円弱、54年は60万円弱。38万円、48万円、58万円の水準で、スーパーDXセダンの価格表示がされている。他社と比べればわかるが、車格のわりには買い得だろう。

○この年式でAT仕様があればいいのだが、残念ながら極めて少ない。専業店でも「セダンのトルコンなら売れるだろうが、ミッションではねえ」という。あれば5万~6万円高か、それ以上。つまり、マニュアルではアピールする要素が少なく、「値段しだい」になってしまうのだ。

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++引用ここまで

セダンのAT車に人気が集まりつつあったという傾向は、関東と同じです。
AT車が少ないというのは、こちらにある、昭和54年上期のカリーナのAT比率が約15%に過ぎなかったことからすれば、当然ではあります。この2年後には、AT比率が半数を超すのですから、急速にAT需要が増えていたのです。



関西のGT概況は、次の通りとなります。

引用ここから++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

○GTでは、1600と2000。型はセダンで白。53~54年式が多い。53年式1600GTで68~70万円。54年式なら78万~80万円。2000はやや高めという程度に設定されている。

○どちらに人気があるかといえば1600。各店とも「2000は、カリーナではちょっと売れにくい」という。それにGTファンの心情として「1600で軽快に走り回る」という傾向は根強い。従って2000でも、色を気にしなければ、1600並みの値段で買える可能性は大。「値は同じくらい」と言い切る専業店もあるから、いい買い物ができるかもしれない。

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++引用ここまで

関東ではHTの赤が人気でしたが、関西ではセダンの白が人気となっていたようです。
1600の方が人気という傾向は同じでした。



最後に、新型に触れつつのカリーナのまとめです。

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○56年以降の新型、これは極めて少ない。同じ年式でも旧型なら、25万円の差がある。新型の値こなれには、まだ当分時間がかかりそうである。

○カリーナで割安感があるのは、旧型で丸目。旧型でも角目は強気だから少々つらい。またGTならさらに強気になる。ただし、今春の大阪の傾向として、GT系は全般に動きはガタ落ちになっている。

○まだこれらのクルマの価格に影響は出ていないが、近い将来、値下がりすることが予想される。

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++引用ここまで

ここでも、新型の台数の少なさが書かれています。

また、セリカの回でも触れられていましたが、GT人気が下降していたと書かれています。
時代は、急速にAT・フル装備に向かっていたのです。



といったところで、いかがだったでしょうか。
カリーナは、FR時代とFF以降では、キャラクターが大きく異なっていますから、ちょうどこの時期が端境期だったと言っていいのではないでしょうか。

予想に反して登場したFFカリーナは、予想以上に好評で、その翌年にクーペに替わって登場したカリーナEDと合わせて、カリーナの販売台数を増やすことに貢献しました。ほぼ、同じキャラクターのまま、10年以上も続けることに成功したのですから、この時のFF移行は正しかったというのが、冷静な分析なのだと思います。

当時のFFカリーナのポジションは、アリオンとして今に続いていますが、結局FRとしては、この3代目が最後となってしまいました。

コンパクトなFRセダンというのは、今では望めなくなってしまいましたから、懐古の念も込みでFR時代が主に価値を見出されているというのも、解る気はするんですよね。
Posted at 2016/09/07 20:06:36 | コメント(3) | トラックバック(0) | 古の中古車情報 | クルマ
2016年08月31日 イイね!

1983年の東西車種別中古車市況(サニー編)

1983年の東西車種別中古車市況(サニー編)33年前の中古車市況話、今回はカローラのライバル車だったサニーです。

サニーは、ちょうど半世紀前にカローラに先んじて登場しましたが、約半年遅れたカローラの登場以降、長年に渡って激しい争いを繰り広げる運命となりました。この争いは、カローラ優勢のままで続きましたが、40年を前にした時点で、日産がサニーを廃止することとなり、終結に至っています。


サニーが長年続けた、日産の小型3ボックスセダンは、その後ティーダラティオ→ラティオへと引き継がれましたが、そのラティオもついに、国内のラインナップからは落とされることとなったようです。


本題のサニーに話を戻すと、今回紹介する1983年の春先の時点では、この1年半前に初代以来続いたFRから、当時喫緊の課題だったFFにメカニカルコンポーネンツを一新しつつで大転換。FRのままだったカローラに対してのアドバンテージ取得ということで、攻めの体制を整えるのですが、カローラもお買い得感や伝統メカによる信頼を前面に立てて防戦。急成長したファミリアも交えて、新車販売の最前線では乱売に近い状況が、毎月繰り広げられていました。

そんな新車大激戦の余波は、中古車市場にも表れるわけで・・・ということで、関東の概況からです。

引用ここから++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

○市場にあるのは、56年10月にデビューした現行モデルのB11系、52年11月登場の310系、それに48年5月登場の210系と3代にわたっている。メインは310型の54~55年式であり、210系はだんだん数が少なくなっている。310型は、55年11月にエンジンを排気量アップし、従来の1200、1400から1300、1500としている。

○価格はメインのセダンSGLでみると、57年:93.5万円、56年後期:89万円、同前期:74万円、55年後期:68.5万円、同前期:65.5万円、54年後期:58.5万円、同前期:55.5万円、53年:49万円となっており、最も動きがよいのは53年から55年にかけての格安車である。ライバルのカローラにくらべると5万円以上の安値をつけている。

○ライバルカローラも5月中旬に一新し、現行車が値落ちするから、それに対応しサニーも一段と格安になる方向にある。

○とくに売れ行きがよいのはオートマチックのエアコン付車で、しかもボディカラーがホワイト。シルバーになると多少鈍くなる。

○クーペは、5速のレッド1400ないし1500SGXだとやや動きがよくなるものの、総じてあまり目立たない。

○54年1月にデビューしたワゴンのカリフォルニアもめっきり数が多くなり、値もこなれている。メインのSGLで、57年:97.5万円、56年後 期:91.5万円、同前期:81万円、55年後期:75万円、同前期:72万円、54年後期:65万円、同前期:63万円となっており、セダンより4~5 万円の高値。

○こちらは、ボディカラーがイエローなどカラフルなものが好まれる傾向にある。20代のヤングがレジャー用として愛用するケースが多いためと思われる。54年初期ものの格安車の動きがとくによい。

○310型は、54年10月のマイナーでヘッドランプを丸目から角目にしている。ここで興味深いのは角目より丸目の方が人気が高いこと。一般的には丸目より角目のほうが動きがよいのだが、サニーに関してだけは逆になっている。理由は、1:丸目のほうが価格が3万円ほど安い。2:ボディスタイルにマッチしていると受け止められている、のふたつがあるらしい。セダン、カリフォルニア・クーペを問わず同じような状況になっている。

○エンジンは、1200~1300より1400~1500のほうがタマ数も多いし人気高。価格は5万円ほど1400~1500のほうが高いわけだが、それでも大排気量のほうが動きがよく、小排気量はパッとしない。


++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++引用ここまで


ここでは、中古車市場のメインだった310型について、主に書かれています。

FR時代は、70カローラが登場以降、サニーは押されてしまったわけで、そんな状況は中古車になっても続いていたと言えそうです。特に、ハードトップとクーペがセダンとは別の人気のあったカローラに対して、サニークーペは、セダンの陰に隠れた感が強くて、尚更ですね。唯一、カローラには存在しなかった5ドアワゴン(カローラは、バンとボディを共用するビジネスワゴンのみ57年から存在)のカリフォルニアは、ヤング層を中心に独自の人気を獲得していました。
このクラスのレジャー用途を主としたワゴンは、カリフォルニアかシビックカントリーのどちらかでしたね。

また、本文に触れられている通り、角目より丸目の方が人気があったというのは、興味深い事象です。これまで紹介したスカイライン・セリカ共に角目の方が人気でしたし、それは他車でも同様だったのです。



先に310型を紹介しましたが、登場から1年半を経過していたB11型も、市場に流通し始めていたようです。初回車検を迎える前にも関わらず、やや早めの流通は、先に書いた新車戦線の余波が影響していたようです。

以下、引用してみます。

引用ここから++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

○現行モデルの11系はぽつぽつ出回っている。こちらだと絶対数は少ないものの、ディーラーだけでなく大手専業店でも見られる。

○今年に入ってから100万円を切る表示価格も目立つようになった。それでも85~95万円と割高なためか、動きは今一つ。「3年車検実施の7月以降だとタマも多くなり値もこなれてくるだろう」と販売店では見ている。

○現行11型で目立つのは新古車が多いこと。サニー系の中古車センターやニッサンユーズドカーセンターに出向くとどっさり置いてある。販売競争が激しく、台数かせぎのためにディーラー登録がひんぱんに行われるためだ。この3月は年度末、決算期の需要期とあってとくに大量に発生したようだ。走行距離が100 キロ以下と短く、登録月日も3ヵ月以内とピッカピカだからすぐわかる。

○こちらを選ぶ場合は、綿密な計算が必要だ。諸経費を含めてはじき出し、25万円以上新古車のほうが割安だったら、こちらを選んでもさしつかえない。20万円くらいだったら、新車を値引いて買ったほうがベターだ。なぜならサニーだと、現在20万円以上は確実に値引き販売しているからだ。

○今後の見通しとしては、月を追って現行11型のタマ数が多くなるはずであり、年末までには310型にかわって主役の座につくものと思われる。値もこなれ、4ドアSGLで80万円を切るケースも生じてくるだろう。10月がマイナーチェンジの時期であり、とくに、これを境にグッと値がこなれるはずである。したがって、程度のよい格安モデルが続出することは間違いあるまい。


++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++引用ここまで

前々回に紹介したファミリアも、新古車が多いと評されるクルマでしたが、このサニーも新古車が大量に発生していました。発生理由としては、ファミリアとは異なっていたようです。

サニーは、この後も新車の大幅値引きと新古車の大量発生が続いて、好調だった新車販売台数をさらに押し上げることとなるのですが、その一方で中古車価格にその影響が及ぶこととなります。



FR時代は、シンプルだったエンジンバリエーションも、FF化以降、ターボ・ディーゼルとそのバリエーションを広げます。追加早々ながら、ルプリに関しては少し言及されています。

引用ここから++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

○ルプリは月販1,000~1,500台と少なく、ターボ比率はわずか5~7%にとどまっている。したがってホンモノの中古車が出現するにはあと1年はかかりそうだ。

○人気車であれば専業店が客寄せのために新車を購入して展示するから目立つだろうが、ルプリはそうはいかないらしい。サニーにはターボが似合わないためなのか。


++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++引用ここまで

ファミリーイメージが強かったサニーのイメージ一新を担っていたかに思わせるルプリの装いですが、逆にそのことが足枷となってしまったことを窺わせる内容となっています。
低回転からターボを利かせるという、コンセプトはよかったと思うので、当時流行し始めていたパワステ・ATと組み合わせても余裕的なアピールで展開していれば、また違った結果だったかもしれません。(実際には、最終までパワステの選択は不可)



バリエーションが広がったという点では、この代になって初めて追加されたもう一つとして、兄弟車ローレルスピリットがあります。初代はサニーとの共用部品が大半だったことから、新車ではあまり目立たなかったのですが、中古車では若干状況が異なっていたようです。

引用ここから++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

○年式が新しいことと新車の月販台数が2,000~3,000台と少ないために、中古車展示場にはめったに見られない。日産モーター系の中古車展示場でごくまれに1~2台くらい見られる程度。

○専業店では時々新古車が見受けられる。この新古車は台数かせぎのディーラー登録車ではない。専業店が物珍しさから客寄せのために購入した例が多い。

○サニーと違ってタマ数が少ないことによる物珍しさと、高級車仕立てが好評なのか動きはまずまずといったところ。多少時間がかかるが確実に売れている。

○価格は57年の初期モノのXJあたりで102万円、オートマチックだと105万円以上とサニーSGLよりは5万円強も高い。ボディカラーはホワイト、レッドが人気高。大半がエアコン付、AT車は引っ張りダコだ。

○当分の間、品薄状態が続きそうで、価格も高値維持に変化はないと思われる。年初に登場したターボ車はほとんど市場には出回っていない。


++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++引用ここまで

同じ新古車でも、こちらの発生理由はファミリアに近いというのが面白いところです。
小さな高級車というキャラクターは、いい線を突いていたのですが、初代だとサニーとの差別化はまだまだ不足。その反省は2代目に反映されることになります。



最後に関西の概況です。

引用ここから++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

○サニーを選ぶ場合、専業店の展示場では極めて少ない。大衆車に力を入れている大手展示場でも、せいぜい2~3台まで。専業店の展示在庫数では、カローラの約半数くらいである。サニーを選ぶならディーラー系の展示場を中心に、じっくり見て回るのがよい。

○展示車の年式は幅広いが、今春になって高年式が急増してきた。ディーラー系展示場では、2年落ちの56年式が半分以上も占めていた。56年といえば、現行FFへのモデルチェンジの年。旧型のほうが多いが、2~3割が新型である。FFの56年後期型については、今後増えてくるだろうが、まだ少数派。

○価格は、1500GL・4ドアセダンで72~73万円程度(エアコン付)である。諸経費込みで80万円が一応の目安だ。「新車なら値引き価格を考えても、100万は越す。新車を買うユーザーが10万でも安いほうがいいということで、57年式の中古車を選ぶ場合が多い」。まだ新型が出回りだしたばかりなので、値ごなれするには至っていない。

○一方、56年前期の旧型ならグッと買いやすくなる。1500GLで62~63万円くらいだから、約10万円安。55年式なら55~56万円。54年式は 45~46万円。53年で40万円が一応の目安。つまり、53年式でやっと諸経費込み50万円が狙えるわけだ。むろんこれはGLクラスでの話だが。「春は諸経費込み50万円までの希望者が多かったが、それに合うクルマが少なくて・・・」と低年式のタマは決して多くはない。しかし探そうと思えば、53年式でもギリギリ狙えるのだ。SGLになると、さらに5~6万円から10万円以上高くなるので、ちょっとしんどい。

○今、サニーの主流は55~56年式。50万円から60万円台である。SGLも入れると70万円台まで。GLが最も多く、SGL、SGXと続く。いうまでもなくセダンが中心、80%を占める。残りがクーペ。ユーザーの志向もセダンに片寄っている。ファミリーユースとしてサニーくらいが手頃という人も多いのである。だから色の好みも、他車ほどうるさくはない。「まあ白が一番だが、シルバーメタも地味ながら動きは悪くない。ベージュ人気が少しダウン傾向かな」という程度。新型で人気は赤だが、旧型ではあの鮮やかな色はない。

○一方、専業店では少ないサニーだが「売れ筋はセダンでオートマ。この両方の条件がそろっていれば・・・」という。オートマ車は5万円高。スタイルからいって、ファミリアやカローラIIのユーザー層とは異なる。どうしても堅実なファミリー層になる。だから別の見方をすれば「値段しだい」という面も少なくない。それに「サニーでなければ、という人はまずいない」。このあたりがサニーの弱点でもあり、中古車不人気の理由でもある。決してクルマの質ではない。エンジンはタフだし、故障は少ない。これは既知の事実だが、現実は甘くない。

○クーペの価格はセダン並みか、やや安目。クーペタイプながら、程度がいいのが目についた。シャープな走りを期待するヤング層にはおすすめだ。ただし、前述のとおり、タマ数は少ない。

○エアコン付きでも決して高くはない。夏ならばエアコンが必要だが、ほぼすべてに装着されている。エアコンがない場合でも、ディーラー展示場では「新エアコン装着」の価格が表示されている手回しの良さ(?)。「14万円のエアコンを10万円で付けている」という。

○カリフォルニア、これも少ない。冬場、少し出回ってきたかな?という気がしたのだが、春になって消えてしまった。今回、展示場まわりをして、新型のカリフォルニアが1台あっただけ。旧型で黄色のウッドパネルは見かけなかった。「タマ数が少ないから、あれは買っておいて面白いクルマだ」と事情通はいう。一部には根強い人気が続いているようだ。サニー大阪の展示場でも「春先に3台あったが、あっという間に売れた」という。値段は今なら、セダンより少し高め程度だ。


++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++引用ここまで

当時も今も、コミ50万円というのが、一つの山の感はありますね。
基本1車検、アタリなら2車検で次のクルマに取り替えるぐらいの感覚でしょうか。
こうしたクルマで、クルマ生活をスタートさせた方も多かったと思います。

また、エアコンに関する記述が当時らしいかなと。新車当時は贅沢品に類されていたエアコンも、この時期には必須装備になっていたということなのです。もっとも、新車でも標準装備になるのには、ここからもう5年以上の年月を要するのですが。


といったところで、いかがだったでしょうか。

この当時のサニーは、走りの良いクルマとして長きにわたって人気を博した2代目GXも、いよいよレギュレーションの関係で引退の時期が近づき、ファミリーカーとしての色合いが強くなっていました。

310型が、小型FRとして見出されるのは、もう少し先で、これぐらいの時期では2代目GX比では大きく重いぐらいの見方が強かったように記憶しています。

そんなファミリーイメージをさらに強めたのが、B11型で行われたFF化でした。
サニーの歴史を俯瞰してみると、メカニズムの一大転換はやはりここにあった感が強いですね。
機構的には、B11型が基礎となって、オーソドックスなセダンというキャラクターが決定的になったのは、この次世代となるB12型だと思います。B12型で確立した様式のまま、最後まで車齢を重ねたといったところでしょうか。


今視点で、惜しいなと思うのは、310型の走りの素質を見出されるのに、まだしばらくの時間を要したことでしょうか。これが、もう少し早かったら、サニーのキャラクターはもう少し違った形で形成されたのかもしれません。もっとも、この見出しは、エンドユーザー側から起こったものであって、メーカー自身が気づかなかったという点が、決定的ではありました。
310型のアピールは、「静か」「広々」「燃費がいい」等で、その走りについては、あまり前面に出されることはなかったように思います。
この辺りを上手くアピールしたのがスターレットだなと思う一方で、そのスターレットもFFに転換することからすれば、時代の流れは変わらなかっただろうとも言えますね。

B11型は、基礎として偉大なのですが、製品の出来としては80カローラと同じく習作の感があるかもしれません。私は80カローラに見られる挑戦・主義・主張を高く評価する人ですから、そのカローラと同じような位置付けで大激戦を繰り広げたB11型も同じく好きな人だったりしますけれども。
高く評価される前後世代の谷間的評価かなという点でも、このB11型と80カローラは共通するものがあるかもしれませんね
Posted at 2016/08/31 22:26:06 | コメント(5) | トラックバック(0) | 古の中古車情報 | クルマ

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