久方ぶりのショールーム巡りをしましたので、前後編のブログとします。
前編はメルセデスコネクションです。
きっかけは、メルセデス.コネクテッドカードの会員サービスの終了(詳細は
こちら)に伴うポイント交換期限が近付いたためでありまして、思い返すと2年ぶりの訪問となります。
ここに来た以上は、「TRIAL CRUISE」に参加したくなるのが自然でありまして(?)、多くのきら星達(縁遠いともいう・笑)の中から選んだのは、E220d AVANTGARDE。売り手的にはSports推しのようですから、非Sportsというのは希少かもしれません。
試乗車の撮影を失念したため、メーカーサイトより引用
現行Cクラスは代車等含めて複数台乗りましたが、Eクラスはこれが初体験であること、同じくこれまで乗ったことがない最新ディーゼルを体験したくなったというのが選抜理由。
運転席に座っての第一印象は、やはり大きいというもの。自車と比べると、縦方向はもちろん、横方向も一回り余裕があります。
ボディサイズとしては、長さと幅がちょうどアルファード/ヴェルファイアと同等というところとなりまして、このサイズともなりますと、さすがに狭いところでは持て余す感があります。
標準で備わる360°カメラやパーキングパイロットはその一助となりますが、(試乗後のオプションとして、パーキングパイロットを体験しましたが、駐車スペース検知はもちろん、切り返しまでやってのけるその機能に驚かされた次第)物理的な限界は確実に存在しますからね。
シートやミラーの調整が一段落すると、目の前には12.3インチのワイドディスプレイが2枚。
メーターは右側のモニターに表示される形でありまして、一番馴染みのあるアナログ表示も可能ですが、それでも立体感のない表示は、箱絵を見ているようで何とも違和感が拭えません。何せ、長い間、遠視点が正と提示されてきたのに、それとは正反対なのです。
試乗車は、左側にナビゲーションが表示されていましたが、サイズを利した大きい表示でありまして、こちらは地図帳を広げて置いたことを想像させます。最新技術も、オールドタイプに例えさせると、こんな表現となるのです(笑)。
この両画面は、ステアリングスポークの両側に配置されたスイッチで操作となるのですが、機能が増えた反面、難解さも増えた気もします。この域になるとマニュアルによる事前学習が必須であって、それを省くと全機能は使いこなせないでしょうね。
レザーパッケージが追加された内装の質感は、お値段を反映した高級感溢れるものですが、一点AVANTGARDEのブライトアルミニウムのインテリアパネルだけは黒の周辺パネルからは浮いて見えて、個人的好みから外れます。この部分は、後で確認できたSportsのブラックアッシュウッドの方が好みです。
多くの国ではこの部位の選択ができるわけで、高級車である以上、内装色含めて選択肢が絞られるのは残念であります。
期待の最新ディーゼルは、カロカロというディーゼル音が意外と残っているなというのが第一印象。それも都内では、周囲の音で消されてしまうレベルではありますが。
車重1,800kgという重量級にも関わらず、1,600~2,800rpmという広い範囲で発揮される400N・mという図太いトルクはさすがでありまして、然したるターボラグを感じることもないまま、右足の力をさほどこめる必要もなく、流れに乗っていけます。このパワーユニットに組み合わされるATは9速で、この段数ともなりますと、〇速で引っ張るというより、〇速をエンジン回転に充てにいくという表現を使いたくなります。
ダウンサイジングターボでは気になるエンジンブレーキもディーゼルらしく強力で、早めのダウンシフトと相まって、街中ではアクセルペダルでの速度調整が容易に可能です。
お聞きした燃費数値も、街中でも10km/L前後、高速では20km/Lに届くそうで、燃料代の安さも加味すれば、ランニングコストはかなり低く抑えることができそうです。
使い勝手の面で感心したのは、ブレーキホールド機能が容易に動作させられることで、便利な機能ながらも、使う際にはブレーキをさらによいしょと踏み込んで動作させる自車とは、洗練度で大きな差を感じました。洗練といえば、ディーゼルの割に再始動時の振動が少ないアイドリングストップ機能も同様。
こうした機能は、ちょっとでも気になることがあると結局使わなくなってしまうこととなりそうで、自然な使い勝手というのは大事ですね。またこうした積み重ねが、クルマ全体の印象に好感を持たせる基でもあり。
乗り味の方は、17インチ&非ランフラットの組み合わせがもたらす、ゆったりとした感覚に魅力を感じました。Sportsは未経験のため断言は避けますが、おそらく19インチ&ランフラットではこの乗り味とは異なるであろうことが想像できまして、これだけでも、こちらに一票を投じたくなります。
興味深かったのは、ディーゼルはエンジンが重いということで、4気筒ながらも、どことなく6気筒搭載車っぽいノーズヘビーを彷彿させることでした。Cクラスの印象を横引きすれば、ガソリンの方は4気筒らしいフロントの軽さがあるはずなので、この辺りは音と合わせてガソリンとディーゼルの選択の分かれ目となる気がします。共に一長一短があって難しいところではありますが、自分的には俯瞰視点で考えるとディーゼルに一票でしょうか。
全体的にはCクラスに一回り余裕を持たせたクルマでありまして、自分の好みともマッチするいいクルマであることは疑いようもありません。
軽く乗って感じる基本性能だけでも十二分以上なのに、それに加えて、最新の安全性能や付加価値含めた新機能も備わっているのですから、どうにも厳しい評価のしにくいクルマではあります。
さすがにそのサイズやお値段は、自分にとって不相応であり、縁が全くないのも間違いないとやや寂しくもなるのですけれども。それでも、こういうクルマがあるとまだまだ夢を見られそうな気がするのも事実なのです。
最後に夢の前提で、些細な(?)注文を一つ。
この最新型ディーゼルを搭載したE220d、クルマとしては大変高く評価するのですが、その一方で自分的理想形はこちらかなと。
画像は南アフリカのメーカーサイトで見つけた、Eクラスのベーシック仕様。
Cクラスのベーシック仕様はそれまでのフードスターに変えて現行よりグリルスターに変更されましたが、Eクラスはフードスターのままとされているようです。
上級グレードと比べると装飾の少ない内外装の仕立ては、まだミディアムクラスと呼ばれていた往年の姿を連想させて、心惹かれるものがあります。
今日日、さすがに205/65R16というタイヤサイズとハロゲンライトは自分で選択するのでも逡巡するものがあったりしますが、二段目左の17インチアルミとライト類のLED化だけ選択させてもらえれば、これでよろしいのではないかと。
こうしたベーシック仕様は、今の主要ユーザー層視点だと、簡素とか高級感に欠けるという評価となるからこそ、AVANTGARDE以上が導入されているということなのでしょうけれどね。
Posted at 2017/01/17 21:57:14 | |
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