
ついにやってきました第10回。しかも語る対象は
この車。
これまでも、好きだったとは書いてきましたが、ついに話の主役です。
とても嬉しい反面、書き出したら収拾付かなくて困りましたが。(笑)
念のため、長い話や細かい話が嫌いな人は、まわれ右、でお願いします。
(1992年2月)
コロナを買って3年目に、新型が登場します。外観は一足先に登場したアリスト風になって、かなり格好良くなったと思いました。
早速、1800EXサルーンを試乗したのですが、室内空間やトランク容量の拡大、ATの改良は判るものの、スタイルを変えたことに伴う車両4隅の把握の難しさやAピラー角の傾斜増(=運転席での圧迫感)が、自分の車にするのには気に入りません。
お見積も、新型では値引きが厳しくて、支払額に見合うとは思えず。
一方で、その頃まだ健在だった「いつかはクラウン」は私の心の奥にもありました。もっとも、登場したばかりの、140ロイヤルはスタイルが気に入らず、400万円以上からスタートのマジェスタはさすがに高嶺の花でしたので、私の中の、いつか・・・は、セダン2500スーパーサルーンE(笑)。
(必要装備が揃っていて、ロイサルよりサイドシルのデザインスッキリがその理由)
いつかはのために、直前までコロナの車検を受けるつもりだったのですが、それをひっくり返したのが前回の81。
当時の自宅車庫に81を入れたら、あつらえた様にぴったり。(特に長さ方向は)それ以上のサイズは入りません。これで、私の中の”いつかはクラウン”が崩壊。3兄弟の次世代を待つという選択肢もありそうですが、3ナンバー化(=大型化)が決定事項。
それではということで、改めて81を見返してみると、先述のとおり、モデルチェンジ間近でしたが、豪華さや静粛性は充分満足できるもの。スタイルこそ旧世代になりつつでしたが、これはむしろ現車に近くて好感が持てます。支払額も大幅値引きを含めれば新型コロナ+αで買えるはず。
新型が出ると、売却の際は相当に安くなりそうですが、元々コロナも長く乗るつもりで買った車。前車の分も乗るつもりで、自分の好きな仕様で作れば、当分の間は飽きずに乗れるんじゃないかと。。
これで購入に一気に傾きました。
父の81が納車になってから、商談開始まで僅か1週間(笑)。
・・・ちなみに現車購入と同じ理由と気付いた人は鋭い人(爆)
(1992年5月1日)
最初は、3代目へのオマージュがあったので、同じM型エンジンの末裔であるセダン3.0Gを考えたのですが、本体価格や保険料が高い割りに、2年落ち時点の査定額は2.5Gよりもマイナス。在庫も3.0は皆無。さしもの某氏も「2.5で充分です。実際3.0は殆ど売れていませんので、お勧めしません。」とのこと。
それではと、出してもらった在庫一覧表と仕様の付け合せ(在庫表は基本的に発注記号のみのため)をしたのですが、2.5Gの在庫は白のオプション無しかなく、2.5グランデも希望仕様とは合わずで、これも却下。不満なく長く乗るためには、妥協は禁物なのです。
発注前提で、2.5Gに希望のメーカーオプション(ハイマウントストップランプ・CD・スノーバージョン)を付けると、2台連続購入の特典値引き込でも約300万(下取り別)と出ました。
これはさすがに厳しいのと、(当時は)パワーシート・TRC・クルコンは不要と思っていたため、2.5グランデも対象に。こちらなら、重量税が1ランク下という旨味もあります。2.5Gの希望+グランデでは注文品となる、ABS・デジパネ・ワイヤレスドアロックを追加した結果、差額は約20万円。2年落ち時点の差額もほぼ同額。どちらにするのかは一旦保留して後日回答とします。
ディーラーオプションも妥協無く追加(内訳は後述)しますが、「この辺はあとで調整させて貰いますので、大丈夫です。」とのこと。
ボディカラーは、今回も紺色が絶対で、183か869で迷ったのですが、たまたま展示してあったHTハイメカグランデが183で、「この色いいですよね」という某氏の誘導により決定。
そこから数日悩んだ末に、グランデに決定と電話回答。コロナの車検が近いため先行発注して、後日注文書へのサインとなったのですが、出された注文書の追加装備欄には入り切れないほどの装備が並んでおりました(笑)。
納車時に聞いた話では、発注後、キャンセルされたら大損必至だから半金を先に取れとお達しがあったそうです。
発注後、約1ヵ月半の6月20日に、今もある練馬北町店の店頭にて引き取り。そこから物語は始まったのです。
(我ながら20年以上前の出来事を良く覚えているものです・爆)
ここでいつもならカタログ紹介となるのですが、前回書いたとおり既に掲載されているため、悩んだ末、当時版の価格表(実際に商談で使ったもの)を掲載。
標準仕入車両を見ると、当時の売れ筋が解りますね。見せて貰った在庫表には、セダンこそ仕様限定&台数少量でしたが、HTは仕様多数&台数大量でした。
2015/4/29 画像を全て更新しました。
最後の頁は巻末の付属品のグレード別一覧になります。
(概要データ)
型式:JZX81-AEPQF
グレード:セダン2500グランデ
外装色:(183)ダークブルーイッシュグレーメタリック
内装色:ミディアムグレー
登録(購入)年月:1992年(平成4年)6月
一時抹消年月:2009年(平成21年)3月
永久抹消年月:2009年(平成21年)6月
純正メーカーオプション(納車時)
ハイマウントストップランプ、ABS、デジタルメーター、CD、ワイヤレスドアロック、スノーバージョン
・・・これも同一仕様は存在しないはず
純正ディーラーオプション(納車時)
ハーフシートカバー(ハーフS)、フロアマット(シャギー)、サイドバイザー(樹脂M型)、ノースモーカーズボックス、ナンバーフレーム、ドアエッジモール(ステンレス)、エアピュリ
インプレも、長----く記載
(エンジン)
乗り始めた瞬間から、コロナとは世界観が変わりました(笑)。このエンジンには、高かった支払も納得ができるというもの。
もう少し具体的に書くと・・・
2500ccのため充分な低速トルクが確保されていて、街中では2500回転以内でほぼ運用可能。スロットルが若干過敏に設定されていたのは、出足の良さの演出or相対的に弱い低回転域を補う意図によるものと推定されます。
それなりに重い車重(1470kg)ですが、2500ccのトルクは伊達ではなく、0→400m加速は16秒台、事実2000cc級には、相手がターボ車でもなければ出足では負けませんでした。(今では時効の話)
郊外から高速の印象では、豊かな中速トルクとレヴリミットまで苦しげなく回る特性が印象に残ります。
何れにせよ、大人4人乗って、A/C使っても不満の無い動力性能と言えます。
地味なオヤジセダンがさり気なく俊足というキャラクターも実に魅力的(笑)。
新エンジンということで、評価未確定であり、耐久性を憂慮しましたが、非常に頑丈なエンジンでもありました。(後年、頑丈さで評価されるようになりますね)
フィーリングも50,000キロ前後から、若干滑らかさが失われただけで、それ以上は悪化せず。
シール類の交換のみで、最後(150,000km)までオイル上がり・下がりは共に発生しなかったのも耐久性の実証です。
1JZ-GEは後に可変バルブタイミング(VVT-i)や直噴(D-4)に改良(?)されていきますが、初期の弱点(燃費や低速トルク)を補う一方で、長所は隠れてしまったように思います。エンジンのキャラクターの強さは初期型が一番というのは個人的印象。
(ミッション)
当時の最優秀にあげてもいいと思います。
電子制御のため、変速(特にシフトダウン)時のショックは低減されていまして、シフトショックだけなら後年まで見劣りは全くしませんでした。
変速やロックアップの解除も早く、追越加速の速さの一助になっていました。ギヤ比自体は1世代前の1G-GZ用をそのまま流用したため、エンジンの特性の割りにローギヤードな設定(ファイナルレシオは81:4.300、90:4.100)。ロックアップが2~4速におけるON/OFFのみなのは、当時の標準ですね。4速のロックアップは60km/h定地走行燃費の試験値を無視したような、63km前後でしたので、街中は実質ロックアップレスで走ることに。
他車のATでは、途中で壊れる事例もありますが、この点も優秀で、最後まで、滑りやショックの増大等の劣化を感じることはありませんでした。
(操縦性)
JZ型エンジンの頑丈さは、類するもの無ですが、1Gに比べて、大きく・重く(単体で約40kg増)なります。
81の車体はそもそも1Gとのバランスを想定していた、というのは推測ですが、1JZを積むことにより、明確なフロントヘビーに。フロントのスプリングを若干固めることで対処していましたが、乗り心地と操縦性の両立という点では苦しく。3代目から連綿と続いたフロントストラットで支えるのは、そろそろ限界でもあり、次世代以降はダブルウィッシュボーンに変更されて、乗り心地等改善されることとなります。
後年、150クラウンセダンに乗ったら、シャシー能力が数段アップしていて目から鱗。
一足先にダブルウィッシュボーンに変更されたリヤサスは、加速時の尻下がり抑制や限界性能の向上に寄与していました。パワフルなエンジンですが、雨天程度までではトラクションの不足は感じさせず。
ショックは、TEMSと名づけられた、電子制御で減衰力を3段階に可変させる仕組み。ハードではストロークが抑制された印象で、ロール量は確かに減りますが、突起等があると強く揺さぶられて、あまり好きではありませんでした。
パワーステもPPSと名付けられた電子制御方式。低速では軽く、高速では適度な重さと印象も良好。
アシストが人工的という評価もありましたが、私自身は気になりませんでした。このパワーステの設定は、最小回転半径の小ささと相まって駐車場や狭路での取り回しを苦に感じさせませんでした。
FRの素直さは、この若干大柄なサイズのセダンであっても感じられて、先述のエンジン&ミッションと組み合わされると、街中の左折や左タイトコーナーからの中盤~脱出は、それほど速度が速くなくても、充分に楽しめたことが記憶に残っています。
(乗り心地)
ソフトとミディアムでは、柔らかいながらも不安感を抱かせない乗り心地。ハードでは下から突き上げられることとなります。初期は、スイッチを使ってハード設定にもしましたが、後年には殆ど使わずになりました。
(ブレーキ)
フロントブレーキの15インチ化とブースターの容量アップにより、2500cc&1500kg弱への対応を図っています。制動力は不足無の印象。
あえて注文したABSは重量級の車体には有効で、高速からのブレーキングの不安を少なくしていました。
(燃費)
スロットル特性やギヤ比等も相まって、ハイオク使用で市街地7.5km/L、郊外8.5km/L、高速でも10km/Lには届かない燃費は当時ならではのもの。走行距離を伸ばしていた90年代は、125円/Lの時代でしたので、まぁ許容範囲でしたが、現在のように160円/Lを越えると厳しかったかと。
むしろ問題は航続距離の方で、燃料警告灯が点灯しない範囲で使えるのは実質50L強。このため、不安なく走れるのは400km程度と短く。しかも燃料計は細工がしてあって、半分からの下降が早かったり。ギリギリになると拡大表示をよく使っていました。
(室内他)
フロントシートのサイズこそ小さいですが、長時間でも座面の沈み込みは少ないため、疲労は最小限で済みました。
使用頻度の高いランバーサポートが電動なのも便利。座面の前端部は、最下段でも高過ぎ(このため視界は良好)ですが、内部の凝った構造と十分なストロークの確保には必要だったのかもしれません。セダンでも屋根の高さは必要充分なレベルに留まり、頭上スペースを確保するためには、若干リクライニングさせたポジションを取らざるを得ませんでした。で、そのポジションにすると、ステアリングのテレスコピックを一番手前にするのが必須。
何となくパッケージングの辻褄が微妙に崩れている印象は、スタイリングを優先したための犠牲の感が強いものでした。
なお、前車比でインパネ廻りの小物入れ数やトランク容量の減は、FRである以上、事前に仕方ないと諦めた点。
内装の布地や細かい仕様等は、先に納車になったハイメカより”高級”を感じさせて、高価な理由を納得させるものがありました。(この辺、トヨタが非常に上手かった頃ですね)
まだまだ書き忘れたような気がしますが、
際限なく長くなりそうなので、その11へ続けてみます。