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2015年03月30日 イイね!

1990年のカーオーディオのカタログから(carrozzeria)

1990年のカーオーディオのカタログから(carrozzeria)今回はカーオーディオの第3弾です。

前回が”carrozzeria”ブランドの初期だったので、今回はやはり”カーナビ”の初期だろうということで。

カーオーディオとカーナビが融合してから、長い年月が経っているのですが、歴史的にはカーオーディオが先行してカーナビは後から同居した形。

初のカーナビの登場は今から25年前の1990年。初のカーコンポの登場はその15年前の1975年となります。共にパイオニアが元祖となりますね。


それでは、1990年6月のカタログから抜粋してのご紹介。時はバブル絶頂期ですから、このカタログの総ページ数は62頁にも及んでいます。



もちろん、最初の見開きには「道は星に聞く。」「サテライトクルージングシステム」という当時一世を風靡したフレーズが並びます。







当時の最大の話題となった初代カーナビ、”AVIC-1”が紹介されています。
4型ディスプレイですから、現在のスマホ以下の画面サイズ。地図を収録したCD-ROMを読み取るには別ユニットが必要といったスペックですが、お値段驚きの350,000円也(以下全て税別)。

VICS情報も拾えなければ、ルート案内も出来ず、現在地を最詳細で2.5kmスケールの地図上に表示するだけだったのですが、それでもその機能は驚きをもって迎えられたのです。





続いては、AVIC-1との接続も可能な最高級ヘッドユニット、FX-M90Vの紹介。

社外オーディオで2DINは珍しい時代にアンプレスという贅沢スペックで、お値段110,000円。右頁の推奨システムともなると、70万円(!)を超えています。





こちらは1DINアンプレスデッキ、KEX-M99V。

CDユニットレスのため若干お値頃ですが、それでも69,800円。
推奨システムもほぼ70万円近くとなっています。





当時流行したCDチェンジャーのパイオニア版である、CDX-M50。
ホームオーディオメーカーらしく、ホームオーディオとのマガジン共用可能を謳っています。

このCDチェンジャーは、間もなく81マークIIHT&チェイサーに若干の装い変更で純正指定されることとなります。





上記のCDX-M50をFMモジュレーター方式に変換にした、CDX-FM55。

FMモジュレーター方式はFM付カーラジオさえ備えていれば、どのクルマにも対応可能だったことから、この頃に流行しますが、折角のCD音声が劣化してしまうため、やがてダイレクトイン方式に主役の座を奪われます。
曲のリクエストに音声で応える「CDジョッキー」機能が目新しいですね。













ヘッドユニット各種の紹介

この頃はオールインワンユニットよりも、機能選択式のユニットが多数。このため、上級機種から従来は”PIONEER”ブランドだった下級機種まで各種あり、さらに端子やプロトコルの異なるモデルも併存していたため、何だかよく分からない状態になっています。





置型スピーカーの雄が、KENWOODのKSC-7070だとすれば、もう一方の雄がこのTS-UX7IIだと思います。

確かトヨタの販売店オプションに設定もされていたはずですが、この形状に追随する他モデルは無く。まるで81のインテグレーテッドスピーカーグリルのような(しかもこちらはハイマウントストップ内臓)TS-UX55もこの時、追加されています。













スピーカー各種の紹介。
80年代は置型スピーカーの全盛期でしたが、この頃には埋め込み型やカスタムフィットスピーカーに主流が移ります。

TS-R900は、4年前のモデルの改良版ですから息の長いモデルだったのですね。

さらには、サブウーファーシステムが登場。80年代から一転して大口径で低音を響かせる時代に突入していきます。







こうして装着事例を見るのが、時代の変遷を一番感じられるかもしれません。

コンソールも曲線基調なら、リヤスピーカーも曲線基調となっています。
2DIN構成の多かったパイオニアらしく、装着事例で画像があるのは、トヨタと日産のみという割り切り様。





1986年版とは一転してカオスと化したシステムチャート。
接続可能な構成を理解するだけでも一苦労だったはずです。実車もモデル数や用品数が複雑化していた時代ですから、こちらもその反映という見方もできますが。


ということでいかがだったでしょうか。
ヘッドユニットをモデルチェンジして、従来の46mmモデルから49mmモデルに変更したことも大きいですが、やはりこの時代は、何よりもサテライトクルージングシステムがその象徴だと思うのです。

とても高価なシステムにも関わらず、それなりの数が出荷されたのは、バブル全盛期という時代背景もありますが、何よりも新機能が評価されたということなのだと思います。パイオニアの成功を見た他社は、次々カーナビに参入して、機能激戦時代に突入するのです。
(その後の簡単な歴史はパイオニアのコラムへリンク
Posted at 2015/03/30 23:18:54 | コメント(2) | トラックバック(0) | カタログ話(用品編) | クルマ
2015年03月28日 イイね!

1986年のカーオーディオのカタログから(carrozzeria)

1986年のカーオーディオのカタログから(carrozzeria)さすがに年度替わりの時期故、徐々に忙しい状況に陥りつつあります。

こちらの更新頻度は減りそうな気配ですが、暫しの間ご容赦くださいませ。


今回はカーオーディオの第2弾です。

”carrozzeria”というと、元はカーデザイン工房を意味する言葉なのですが、ブランド名としてかなり浸透していまして、既に社名である”パイオニア”よりも有名なのではないかと思っています。事実、同社の代表製品であるカーナビを”カロナビ”と略すことはあっても”パイナビ”とは略さないのです(笑)

そんなブランド名は、現在を遡ること29年前に使われ始めています。それ以前は、”Lonesome Car-Boy”というブランド名が使われていましたね。


それでは、”carrozzeria”を使い始めた、初期のカタログから抜粋してのご紹介。当カタログの発行年月は1986年5月となります。
少し前にご紹介した”Lonesome Car-Boy”は1984年10月の発行ですから、約1年半の開き。その短い間に少なからずの差があるのですから、当時の新製品の開発競争の激しさが垣間見えると言えそうです。








上段が、チューナーグライコ・デッキ&CDプレーヤー
中段が、チューナーCDプレーヤー
下段が、カセットデッキ

の組合せを紹介。CDプレーヤーはチューナーと組み合わされることで、メインユニットの座を狙いますが、当時はまだまだカセットデッキがメインユニットの座にありました。

上段・中段は”Lonesome Car-Boy”(以下「ロンサム」とします)時代のCENTRATE、下段は”LC-II”に相当します。

ロンサム時代は単品パーツを組み合わせていく方式が主流でしたが、CENTRATEの成功や、後発のライバルであるALPINEのワンボディデッキの大ヒットを受けて、2DINサイズを基本に機能を選択させるようになっています。









続いては、センターユニットの解説です。

上段は、CDプレーヤー
中段は、カセットデッキ
下段は、グラフィック・イコライザー

となります。
デザイン自体は、ロンサムの末期に登場した”KPX”シリーズのデザインを踏襲しています。この中でEQ-505だけは、”FX”シリーズのデザインのままパネルカラーのみ変更されています。

ロンサム時代は、主にトヨタ車用の横幅180mmのDサイズと主に日産車用の横幅150mmのEサイズの両方がありましたが、その後日産車が横幅180mmに移行したため、Eサイズはシリーズから消えています。













続いては、スピーカーシリーズの紹介です。
”carrozzeria”シリーズの目玉は、TS-R800とTS-R200。
TS-R800は、ボックス型と埋め込み型のいい所取りと言える独特の形状が特徴でした。

Vシリーズは、前年の1985年に登場した最高級品シリーズとなります。
ハイエンドモデルを別にすれば、かなりお高いスピーカーだったのです。
最上級のTS-VX700は、アンプ内蔵ということもあって、何と定価15万円也。後にも先にもこれだけの価格のスピーカーは知りません。

スピーカーはセンターユニットと比べて、開発のスピードが遅かったらしく、先述のRシリーズとTS-X44のみ新モデルとして登場。その他は従来品の継続で徐々に”carrozzeria”ブランドに変更されていくこととなります。









続いては多くの装着事例。
この年の春先の目玉モデルだった新型ソアラ&スープラも早速登場しています。
ソアラは、空調パネルのデザインからして、前期のみの希少グレード”VZ”が掲載されていますね。チェイサーは、表記と掲載の画像が異なりますので、直前の差替えかもしれません。

約1年半の間に、事例にされているモデルはだいぶ変わっていますね。





最後にシステムチャートをご紹介
パイオニアは下位グレードには”carrozzeria”ブランドを称せず、”PIONEER”ブランドを使用したため、だいぶ機種数が整理されています。ここからまた増えていくこととなるのですが。


ということでいかがだったでしょうか。
やはりクルマとカーオーディオの時代考証は合っていた方が説得力は増しますので、80年代前半以前のクルマならロンサム、後半以降なら”carrozzeria”との組み合わせが馴染むように思います。

約30年前の製品ということからして、かなりのマニアアイテムではあるのですが、懐かしんだりであるとか、当時のシステムを目指す際の指針等、何がしかのお役にたてれば幸いなのです。
Posted at 2015/03/28 00:08:21 | コメント(2) | トラックバック(0) | カタログ話(用品編) | クルマ
2015年03月24日 イイね!

1992年のカーオーディオのカタログから(SONY)

1992年のカーオーディオのカタログから(SONY)オプションカタログを長く続けてきましたが、そろそろ気分転換ということで(ネタづまりとも言うw)、たまたま保管庫から当時のカーオーディオのカタログが発掘できたのをきっかけにして、81時代のカーオーディオの話につないでみます。

クルマに関しては、基本的には純正派なのですが、オーディオとナビ関連はいろいろ社外品をツツキ回していたりするのです。

特にJZX81の方は、1990年代から2000年代に渡っていて、オーディオソースの変遷とも重なっていたりしますね。
それでは、購入順にご紹介。


1.CDX-U300RF




購入当初に後付けしたFMモジュレーター式CDチェンジャー。
従来の13pinからUNILINKと名付けられた新しい接続方式を特徴とします。また、ディスクローディング機構の改良によりディスクの交換に要する時間が短縮されています。
FM変換のため、音質はダイレクトインタイプに劣る。そのため、使用頻度はあまり高くなく。
長期間使うこととなるが、ほぼ3年毎に読み取りエラーが発生し、都度修理することとなりました。


カタログ情報の掲載ついでに若干のおまけ情報をカタログから抜粋
2015/3/31 NVX-1・XVM-61・XAV-U50他を追加しました。



81を購入する段階で、CDはインダッシュとトランク設置のチェンジャー、両方に欲しいと思っていました。
81の特徴であるサテライトスイッチを尊重して(本当に便利)、インダッシュは純正、チェンジャーは社外としたのですが、音質は明らかに違っていました。インダッシュも揃えるなら、ここに掲載のXR-U550とCDX-U30の組合せを選択していたのでしょうね。





さすが当時の人気車で、81用セパレートスピーカーがSONYからも発売されていました。何故かセダンは除外されていますが、もちろん装着可能。
この構成だと、6スピーカー用ではなく4スピーカー用ですね。







SONYの初期カーナビであるNVX-1。
まだルートを案内する機能は持たないため、デジタルマップナビシステムと称されています。
カラーモニターはこの時期には大型の6型ですが、その分TVチューナーなしでもお高い設定となります(ナビとモニターで50万円弱)。





SONYらしいブラウン管のテレビジョン、XAV-U50。
チューナーやCDチェンジャーコントロール機能は持つものの、内蔵のカセットデッキやCDプレーヤーはオミットされています。





おまけで、当時のソニーのフルラインナップを掲載します。
ブラウン管や液晶のモニターが数多く揃っているのが特徴でした。



2015/5/12 カタログの発掘に伴い、WX-C60MDとWX-77MDの画像を追加しました。

2.WX-C60MD

サテライトスイッチが便利だったこととデザイン面から純正CDデッキを使ってきたが、MDの便利さを知ってしまったため、自分に言い訳をしつつで購入。これならCDX-U300をダイレクトインで使える利点もあり。アンプの最大出力は純正の20W×4から45W×4に向上。音質も純正より良で、当初は満足していたが、いかにも後付然としたデザイン&カラーが気に入らず。


3.WX-77MD

シンプルなデザイン&主張の少ないグレーのカラーが気に入る。この頃はCDよりMDを使っていたので3MDも魅力だった。翌年のモデルは、同機能&同デザインのままシルバーボディに改悪(?)されたため、在庫処分を待って購入。デザインは満足だがディスプレイ部はさらに派手に。
アンプの最大出力は、C60MDの45W×4から40W×4に落ちたが、新機能DSOは音質改善への貢献度が大で、出力低下を補って余りあり。
3MDは確かに便利だったが、早い段階から読み込み不良に(泣)



左頁は、WX-C60MD
右頁は、WX-77MD 
 が掲載されたカタログからの抜粋となります。

※2と3はこちらも解りやすいと思います。





おまけで、WX-77MDの音響に関する機能を抜粋してみました。



ここからは、カタログが未発掘なので、リンクで補足しつつ。

4.CDX-757MX

自宅へのPC導入に伴い、音楽ソースがMDからCD-Rに移行。この頃普及したMP3なら大量の楽曲を持ち込めるし、CD-RWが使えればリライトも楽なのになぁと思っていたら、登場したMP3チェンジャー。10年以上に渡って長く使ったCDX-U300もついに交代。

これで大満足・・・のはずが、間もなくiPodの便利さを知ることに。この頃にはSONYは国内のカーオーディオから撤退していたため、システム構成の一新も検討課題に。


5.DICE iPod インテグレーションキット
 
デッキ側でiPodの操作ができて、かつiPodの充電も出来てという条件でいろいろ検討したところ、トヨタ純正デッキのCDチェンジャー端子につなげられるiPodの変換キットを発見。GX81に装着していた2DINサイズの純正CDチェンジャーMDデッキ(ST210カルディナ用)に繋いでみたら、問題なく作動。このため、同じデッキを発掘して2台分のDICEを購入。1台は国内購入。もう1台はお試しもあって現地品を直接輸入。


・・・といった紆余曲折の17年間でした(笑)
オーディオソースの変遷だけ見ても、CD → MD → CD-R(MP3)→ iPodと、節操もなく いろいろ手を出してきたのが判ります。


現車W204は、メディアインターフェイスを備えない(数少ない不満の一つ)ため、試行錯誤しつつで、SDカードを使用する又はAndroid端末をBluetooth接続して、音楽を聴いています。
さらに、今興味があるのは、Apple CarPlay と Android Auto といった具合でして、まだまだ車内音楽環境の便利さを求める旅に終わりはないのです(笑)
Posted at 2015/03/24 22:03:34 | コメント(2) | トラックバック(0) | カタログ話(用品編) | クルマ
2015年03月22日 イイね!

1991年のトヨタ Product LINE UP

1991年のトヨタ Product LINE UP保管庫の奥からの発掘モノもほぼ一巡。
時間を取って、新たなる資料を探さねば、です。

今回取り上げるのは、1991年(平成3年)1月発行のトヨタのProduct LINE UPです。今から遡ること、干支二回りの24年前となりますね。

どこで貰ったのか、記憶は定かではないのですが、現在は営業終了しているアムラックス東京あたりが出所だと思います。一昨年末に終了となった同所の開設は1990年(平成2年)9月だそうですから、まだ初期の頃に貰った形となります。開設からは若干のタイムラグがありますが、その間におけるトヨタの新車の変更は一部改良や特別仕様車の追加のみでしたので、同所の開設当初のラインナップとしても間違いではありません。


貰ったまま、保管庫の奥に眠ってしまって、干支二回り。その間引っ越しも二度ありましたが、その際も開かれることはなく。

そんな資料も今見返すと、この頃がイイ年代・好きな年代の末期だったなと懐かしく思えるのですから、不思議な運命を感じます。やはり資料は簡単に捨ててはいけませんね。・・・などと自己肯定。もっとも限度を超えると整理がえらいことになるのですが(笑)


本資料を紹介していく上で最大のポイントは、「セルシオ(レクサス)前後」だと認識しています。セルシオの登場が1989年10月。北米でのレクサスLS400の発表は、もう少し前になります。同車の発表前後で、明らかにクルマ作りが変わっているのが見て取れると思います。

もう一つのポイントは、国内における新車販売台数のピークは1990年ということで、最もラインナップが膨張化した時期とも言えます。販売系列を5系列抱えていた当時は、今よりも実に多くの車種&車型&仕様を持っていたのです。

その辺りの解説は後回しで、資料を紹介していきます。



最初の見開きは、この手の資料でありがちな、「企業スローガン」的なもの。

80年代末期までは、クルマの基本性能である”走る・曲がる・止まる”や”品質”を良くすることに注力してきて、事実長足の進歩を遂げたのですが、90年代に入ると、安全性や環境性能が新たな課題となります。

ハードは良くなったけれど、ソフトは置き去りと言う視点で語られるようになったのもこの頃ですね。





左上のテストコースを走る一群を、セルシオ後世代の代表としてイイと思います。1990年当初という事情もありそうですが、おそらくトヨタ自身も新世代群を理解した上で、登場させていますね。


ここからは、大 → 小のサイズ順に紹介されています。

この頁の中では、セルシオ以外は全て前世代。
セルシオとセンチュリーを除けば、5ナンバー枠の制約に囚われていたという言い方もできますね。この枠の中で、全体的なフォルムよりも、むしろディテールに凝った作りが非常に魅力的でもあるのですが。





続いては主にミドルサイズセダン

ビスタ・カムリ、カリーナED・コロナExivが後世代でその他は前世代。
ここの後世代組は、国内専売という点で前世代との共通項も感じられます。
もっともビスタ・カムリは、翌年以降登場するセプター&ウィンダムが本流であって、国内向けのナローボディを従来シャシーの改良版に載せて一足早く登場させたという若干複雑な事情を抱えていたりですが。





続いてはスポーティカーとベーシックカーの上級

セリカとMR2は部品共有しつつの後世代。
曲線を強調したフォルムは、明らかに新世代の息吹を感じるものでした。
国内ではイメージリーダーの役割を担いつつ、北米での大量販売を目論んでいたのですが、スポーティカーやセクレタリーカーの市場縮小という予想外の展開となります。

カローラ&スプリンターはこの時点で(センチュリーを除いた)乗用車系の最古参。
シリーズ内のラインナップの整理は、この世代でほぼ完了していますが、発行後間もなくモデルチェンジされます。





続いてはベーシックカー

カリブ以外は全て後世代となります。
プラットフォームは前代からの引き継ぎですが、思想は明らかに後世代。
同じベーシックカーでも、スターレットは欧州やアジア圏、4姉妹の3ドアハッチバックは国内専売で、それ以外は北米も想定ということで、販売先によって求められるものの違いが見えてくるようでもあります。





ラインナップの最後は主に乗用車系以外の紹介です。
エスティマをワゴン・バン系に含めない辺りに、トヨタの想いが読み取れます。乗用車系の順列に並べたくないという想いもありそうです。

89年登場のハイエースとハイラックスを前後どちらに類するかは、意見が分かれそうですが、私的印象では前世代。エスティマとランクル80は後世代ですね。





最後は販売・サービス店の紹介とトヨタホームの紹介です。

80年に発足した最後発のトヨタビスタ店も、この頃には系列の一つとして独り立ちをしていたのが、読み取れると思います。80年当初には同じ5系列を抱えながらも、89年にプリンス店とチェリー店を併合した日産とは対照的な展開となりました。

もっとも5系列の最盛期はこの辺りとも言え、この後新車販売台数の縮小に伴い併売車種が増えると、元々勢力の弱かったトヨタオート店やトヨタビスタ店は徐々に苦境に追いやられていくこととなります。


最後にまとめです。

北米におけるレクサスブランドの展開とそのイメージリーダーであるLS400(セルシオ)の開発は、「源流主義」と呼ばれる、トヨタの力を総動員して根源から考えるものとなりました。
この過程で得られた成果は、大きな物がありましたが、その一方でそれまでトヨタが得意としてきたものを一部否定した部分もあったように思います。

簡単に抽出すると、細部までの作り込みを特徴としてきたクルマ作りが、もう少し大所的な視点で作られるようになった点、もう一つは、過剰な部分が減ってもう少し合理的になった点辺りでしょうか。
後者は、翌年以降のコストダウン重視と結びついて、また別の顔を見せ出すのですが、そのことについてはここでは触れません。

それともう一点、これはセルシオとの関係はないように思うのですが、先日別件のコメントにあった「国際化が進んだ」というのが、的を射ていると思います。
円高や普通自動車の減税に伴う事実上の規制緩和は、輸入車にとって明らかに追い風となることが予想されました。今後増えると予想される輸入車に対抗するためにも、それまでのある種、国内のみを見た展開のままでは、市場維持が難しくなると判断されていたのです。


実はこの時期にクルマ作りが変わったのは、トヨタだけではありません。
日産は、同時期に国外にインフィニティを展開して、国内では「901運動」を掲げます。マツダは、社運を賭けた5家体制で勝負に出ます。他社だって同様です。
そこでは、80年代初頭のハード面だけとはまた違った、詳細を書くと一大歴史スペクタクルになりそうな総力戦が繰り広げられたのです。


そんな激戦もこの時期を頂点にして、「昨日より今日、そして明日が確実に良くなる時代」は終わりを告げることとなります。もちろん、このパンフレットを貰った時点では、そんな歴史的な転換は知る由もなかったのですが。

この魅力的なクルマたちを上回るラインナップが何時の日か揃うことを願いつつも、「あの頃は良かったな」といろいろ思い返さずにはいられないのです。
Posted at 2015/03/22 14:36:12 | コメント(3) | トラックバック(0) | カタログ話(雑談編) | クルマ
2015年03月19日 イイね!

1992年のタウンエースのオプションカタログ

1992年のタウンエースのオプションカタログほぼ1回おきのペースで進めてきた、90年代前半のオプションカタログですが、一先ずここで小休止となります。


今回は、2代目タウンエースです。
過渡期らしく、複雑な変遷を歩んだ世代となります。

軽く変遷を紹介すると、1982年11月に2代目が登場。この時に姉妹車としてマスターエース サーフが加わっています。

その後、幾度かの一部改良やマイナーチェンジ(比較的大きいのは1985年8月と1988年8月ですね)を繰り返した後、1992年1月、前回紹介したエスティマ ルシーダとエミーナの新発売と同時に、3度目の大幅変更を受けています。

この時の変更では、マスターエース サーフがエミーナに後を継がせる形でモデル廃止となる一方、従来はややサイズの小さいワンボックスバン&ワゴンとして存在してきたライトエースが、タウンエースの新たな姉妹車に成長しています。


今回のオプションカタログは、その1992年(平成4年)1月版となります。
これまたライトエース版もあるのですが、タウンエースに代表してもらうことにします。前回のルシーダと比べると、違いが実感できると思います。

 

最初の見開きはインテリアです。
内装色こそ80年代のハイソカーの代名詞的なニューマルーンではなく、ベージュ基調のグレージュとなりますが、そこに展開される用品は、はーエース同様、ウッド基調のキャビネット、コンソール、テーブル等。
レースハーフカバーがとても似合います(笑)

前回のルシーダとはかなり趣向が異なりますが、作っている方は承知の上での作り分けだったのでしょうね。





続いてはエクステリア。主にルーフラックとストライプが紹介されています。
ハイエース同様にルーフラックは、ビジネス用途も見据えたヘビーデューティも設定があります。当時のスキーラックとしては、リヤラダーとそれに取り付けられるスキー板を縦置きで積めるラックの組合せを多く見かけたように記憶しているのですが、どうやら社外品だったようです。

サイドストライプは、ルシーダはもちろんハイエースでも、どことなく違和感を感じましたが、こちらは結構似合っているように思います。この辺りは、ワンボックスながらもRV志向の強い性格を反映しているのかもしれませんね。





左頁は、エクステリアの内、前の見開きで紹介しきれなかった小物関係。
フロントサンシェードはワンボックスらしい装備ですね。

右頁は、バンを主としたビジネス関係の用品です。
初代登場以来ずっと、バンはタウンエースのもう一つの顔でした。適度なサイズで使い勝手も良かったのですが、現在のトヨタのラインナップにはこのサイズのバンは存在しません。輸入商用車に名称のみは受け継がれているのですが。





オーディオは当時の汎用品で、これまでも何回も紹介してきましたので、今回は省略します。





最後は、グレードアップに類される用品とユーティリティに類される用品です。

ハイエースでは、TVとクリーンエースは天井設置の設定でしたが、こちらは前席の後部への設置となります。きっとルーフ形状が多数あり、その中には設置の特に難しい、スカイライトルーフがあるからなのでしょうね。





裏表紙は、これまた何度も登場の用品となります。



それでは、これまで同様軽く解説しつつの思い出文です。


トヨタは、新世代のワンボックスワゴンとして、ルシーダ・エミーナで新規需要の開拓や従来需要の移行を行う一方、移行できないユーザーにはこのタウンエースやライトエース充てる体制としました。

80年代中頃に、コロナやカリーナで見せたFR→FFへの段階移行と同じ慎重な姿勢がここでも見られたのです。それまでは、別モデルだったタウンエースとライトエースを同一モデルに併合してしまうあたりは、さらに巧みでもありました。もっともライトエースは、この併合により、1985年に登場したモデルから1982年に登場したモデルに遡ることとなりますが、きっとモデルの新しさよりもサイズ等が優先されたのでしょうね。

もう一つ、このモデルで印象強かったのは、屋根部分以外の外板を全て変更していながら、モデルチェンジではなくマイナーチェンジだったことですね。実はこのモデル、登場直前にルシーダ・エミーナと共に、ニューモデルマガジンX誌にスクープされていまして、その時の記載は「フルモデルチェンジ」。一読者としても、外板パネルの大幅変更に加えて、1982年に登場後、8年を経過していたことが相まって、その表記が当然のように思えていたのです。

1985年・1988年の変更の際も外板に関しては結構手が加わっていましたので、この変更に至っては、初期モデルと並べても同一モデルとは思えないような状態となってしまいました。

この少し後に、トヨタは市場評価が今一つだったクラウンロイヤルをマイナーチェンジする際に、リヤ部分を大幅変更して、お上から「これはマイナーチェンジの範囲ではない」と苦言を呈されたという噂がありましたが、だったらこれはどうなのだろうと、思ったものです(笑)。 この辺り、今に至るまで事実関係を含めてよく判らない部分なのですが。

そんな大幅変更も、同様のミドルサイズのワゴン車が、スペースの不利を承知の上で走行性や安全性を優先してワンボックス形態から移行していく時代の趨勢には逆らえず、僅か(?)4年後には、セミキャブタイプにモデルチェンジされることとなります。

このモデルも、前回のルシーダ・エミーナ同様、ディーゼル規制・エコカー補助金に翻弄されています。現存数が少ないのも同様。2代目タウンエースという括りだと、初期型は既に旧車の扱いとなりつつありますが、大幅変更を受けたこのモデルが同様の扱いになるのは、もうしばらく時間がかかりそうに思えますね。

プロフィール

「12年目の1年点検に入庫 http://cvw.jp/b/1984303/48573850/
何シテル?   07/31 22:03
3台計で20年以上の長きに渡って乗り続けたX80系からW204への代替がみんカラを始める動機となりました。 最初はW204関連を主とするはずだったのですが...
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