
思い出のクルマ第26回です。
シャルマンというクルマ、一般世間的にはマイナーなはずですが、そのあまりのマイナーぶりが、クルマ趣味人界では却って有名車にしているかもしれません。
そもそも初代シャルマンは、30カローラ登場後も20カローラを継続生産することになり、ダイハツに生産設備を移したことが、大半の部品を共用する兄弟車として登場するきっかけとなったようです。ところが2代目に関しては、70カローラのモデルライフ途中、しかも初代と違って、エクステリア&インテリアはほぼ別部品でのモデルチェンジとなりました。
初代シャレード&初代ミラが成功していて、財務的に余裕があったのだろうか、というのはあくまでも推測です(笑)。
有名車のカタログではあるのですが、後の話に繋げるためにも、先ずは登場当初のカタログから抜粋して掲載します。
最上級となる1500アルティアのエクステリア
初代とは違って、外観からはカローラの兄弟車とは装いとなりました。
このサイズで6ライトとしたため、リヤドアの長さやリヤピラーの位置はやや苦しいデザインに思えます。リヤビューからの眺めは、上級車感が出せていたと見ますが。
以前掲載した70カローラのブログは
こちら
1500アルティアのインテリア
インパネも外観同様に70カローラの兄弟車とは思えない仕立てです。
空調吹き出し口やヒーター&ラジオの位置も違っていますから、内部構造から変えたと推測します。
ルースクッションのシートは、充実した装備と共にシャルマン&アルティアの最大の売りでした。
シートの豪華さだけなら、2クラス上となる同時期のマークIIグランデにも見劣りしません。
セカンドグレードとなるLGX
カローラの上級グレードだったSEに近い仕様で、おそらく最多量販の見立てだったと思われます。
クラスを超えた豊富さと言い切れる豪華装備群です。
アルティアなら、パワーステ・パワーウィンドー・電磁ロックが標準。その他にもティンテッドガラス・後席スポットランプ・ステップランプまで標準という具合。カセットとオートエアコンをオプションで選べば、1500でもフル装備が可能だったのです。
登場時のグレード一覧です。
装備は若干異なりますが、
・1300 LD (4MT:861千円) : カローラ 1300 DX (4MT:855千円)
・1300 LC (4MT:981千円) : カローラ 1300 GL (4MT:912千円)
・1300 LE (5MT:1,092千円) : カローラ 1300 SE (5MT:1,043千円)
・1500 LGF (5MT:1,106千円) : カローラ 1500 SX (5MT:1,035千円)
・1500 LGX (5MT:1,176千円) : カローラ 1500 SE (5MT:1,114千円)
に相当すると分類できます。(()内は東京地区標準価格)
下級グレードこそ、カローラに近い価格であるものの、上級グレードほどその差が開く価格設定だったようです。
ちなみにアルティアは、5MTで1,358千円という価格含めて、同クラスで比較対象となるクルマは存在しませんでした。
主要装備一覧と主要諸元表です。
本カタログとは違って、こちらは珍しいのではなかろうか、ということでアクセサリーカタログも掲載してみます。
当時よく見られた用品が並んでいるのですが、当時としては高級なフロアカーペット・アルミホイールが用品設定・カーコンポの種類多数かつクラリオンの設定あり、辺りはトヨタとは違うダイハツならではの設定と言えそうです。
このモデルチェンジ、先代からのあまりの変容ぶりが驚かれた、ということで先代後期(この後にも一部変更があるのですが、都合によりこちらで代用)の画像を掲載してみます。
1600のスポーティグレードだった、SC(Sporty Custom)。
エンジンは、当初1400でしたが、53年規制適合時にトヨタの12T-Uが搭載されています。
1600のラグジュアリーグレードだった、GC(Grand Custom)
SCとは、両並びのトップグレードとされていました。
一部自動車雑誌では、この変わりようを「みにくいアヒルの子」の例えから、「白鳥に化けた」と表現したのも、ご理解いただけるかと思います。
元々は1970年に登場した20カローラの部品を残しつつのアップデート、しかもその間にカローラは30&50 → 70と2世代進化しているのですから、大きな進化となったのは、当然の話ではあります。実際のところ、初代シャルマンが何とか競争力を保てていたのは、カローラが50だった時まで(当時のカタログは
こちらに掲載しています)でしたね。
こうして2代目が登場した直後こそ、それなりの話題となり、月販1,500台前後まで伸びたものの、直ぐに販売台数は3桁に落ち込んでしまいます(昭和57年の年間販売台数:8,032台、同58年:4,365台、同59年:3,363台)。
基本コンポーネンツこそ、カローラの流用でしたが、その他はダイハツ独自の開発ですから、多少の輸出があったとしても、この台数で果たしてペイできたのかは謎であります。
もっとも、70カローラの回で書いたとおり、当時の大衆車市場は、乱売の極みのような状態でしたから、元々のベースマーケットや豊富な販売支援金を持たないシャルマンが大量に販売できる余地がなかったのは、間違いがないところだったのですが。
ここまでなら、雑談編に類するところですが、思い出のクルマ編に類したのは、もちろん理由がありまして、実は登場直後に父がかなり買う気になった事実があります。
当時フェローMAXの購入以来、紹介含めてかなり懇意にしていたセールス氏に勧められたというのが最大の理由。あとは、内外装の豪華な仕立てに魅かれたというのが、理由でありましょう。クラスを超えた豊富なアクセサリーに酔っぱらったという言い方でも良いかもしれません(笑)。
当然狙いは、最上級のアルティアでありまして、カタログに大きく掲載されていたベージュのツートンカラーが気に入ったようでありました。
私自身も、ちょっといいかもと思いつつも、この時期のお気に入り&お勧めは、同時期に新型となったこちらだったのです。
カリーナ 1800 SE
パワーウィンドーと電磁ロックこそオプションとなるものの、その他装備はアルティアに劣らず。新開発の1800が搭載された5MTが1,378千円。
カリーナ 1800EFI ST
装備は、パワステがオプションとなる他、SEよりもさらにシンプルになるものの、実用上は十分。こちらは旧式のT型ながらEFI付で、足回りは4輪独立懸架。5MTで1,318千円。
ところが、こちらは父が全く気に入らずでして、親子で意見の一致を見ることはありませんでした。(どうやら若向けの成り立ちが、初代から苦手だった様子)
そうこうする内に、親子共々たとえ中古でも6気筒(もちろん狙いはMX41マークIIグランデ)に回帰していく(当時のブログは
こちら)のですが、2代目シャルマンというと、もしかすると車庫に収まっていたかもしれないクルマということを思い出します。
3代目マークII購入後に、1500を新車で購入することも考えたんだよねと話すのを聞いたことがありますので、結構本気だったのは間違いないはずです。
ちなみに、80カローラ購入時(当時のブログは
こちら)には、一時の情熱はどこへやら、シャルマンは候補にはなりませんでした。この時点では、これからはFFでしょ、という思いが強かったですね。
以下、私連絡
これを掲載した私は、明日早朝から週末にかけて、石川県に旅立ちます。現地の足として、200万円未満のセダンのどれかが借りられるはずですので、そちらも楽しみだったりです。
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