• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

parl-siroのブログ一覧

2020年03月28日 イイね!

1990年代のFFアッパーミドルサルーンたち

前回のおまけ的話を少し書いてみることにします。

前回、A32セフィーロを取り上げ、「90年代のミドルサルーンという枠でも高評価の筆頭格」と書きました。

90年代のミドルサルーンという条件の中で、セフィーロ以外にも個人的に高く評価しているクルマを3台ほど挙げてみることにします。

○トヨタ カムリ


当初は、セプターという別ネームで登場した輸出向けカムリも、この代でカムリ名を正式に継ぐこととなります。

セプターの2.2・3.0というグレード構成は、VZ→MZへの変更と共に2.2・2.5という形に再定義。ほぼ間違いなくマキシマがセフィーロに替わって成功した影響を受けていると思っています。

VQへの対抗的存在である2.5も悪くないのですが、実は2.2に良さがあるというのが私的見解。鼻先の軽い4気筒、ビッグシリンダーならではのトルク、バランサーシャフトによる振動の低減、スペックだけでは分からない良さが実車にはありました。

途中マイナーチェンジを挟んでいますが、個人的好みは前期型。一見特徴のないスタイリングですが、意外と豊かな面構成のリヤデッキ等、スタイリングにも見所あり。

当時のトヨタのこのクラスには、マークII3兄弟があり、同じカローラ店の中にもウィンダムやグラシアワゴンが存在したため、このセダンはどちらかというと脇役の存在でした。それもまた、味わい深くと個人的に思うのですけれど。



○ホンダ インスパイア/セイバー


先代までのFF縦置き4ドアハードトップという成り立ちはこの代で捨て去られ、FF横置きの4ドアセダンに転換しています。

この時期のミドルサルーンとしては、アコード/トルネオも結構力の入っていたいいセダンだと思いますが、一クラス上の余裕を感じるこちらを取り上げてみました。

2.5と3.2のラインナップという事で、今回取り上げたクルマ達の中では0.5クラスぐらいは上が狙い所だったのかもしれません。ホンダは台数が出ないと読んだのか意外と淡泊で、国内生産ではなく輸入車の形で導入されていますね。

モデルライフの途中でフロントマスクを中心に比較的大きな変更を受けていますが、前期型に一票です。



○マツダ ミレーニア/ユーノス 800


登場時に謳われた10年基準を忠実に守った一台。それが可能となったのは、極めて真っ当な成り立ちだったから。

時期を前後して登場したウィンダムと狙い所は近いところにありますが、比べるとアピールの仕方等不器用に感じるのがマツダらしく。5家戦略の旗色が悪くなりつつあった時期の登場で、宣伝まで力が入らなかった事情はあるでしょうね。

2代目セフィーロ登場の2年近く前にこうした形で登場していたのは、もっと高く評価されていいと思っています。

お家の事情で、パーソナル寄りのアッパーミドルサルーンは、モデル廃止&車種統合が相次いだことでついにマツダ最上級サルーンの役まで担う形となりましたが、ライバル車が更新される中で然したる古さを感じさせることなくその任を全うしたのですから、立派としか言いようがありません。

このクルマもまた、長いモデルライフの途中で大きな変更が入っていますが、フロントマスクが変わる前の型に一票です。


今回取り上げた3台は、前回のセフィーロも含めて、当時も今も地味な存在かと思います。言い方を変えるなら、大人向けのクルマとかで。

当時20代だった私からすると、いくらこの種が好きとはいっても、ピンポイントの好きからは外れていた感が強く。でも、40代も終盤に差し掛かった視点でこれらを眺めると、今更ながらに魅力を感じたりもするのです。年齢を重ねることで解る良さもあるということなのでしょうね。


何となくまとめつつも、余談を少し。
実は、今回取り上げるにあたり画像を探していたところ、あれ輸出仕様の方がカッコいいんじゃないか?と思いまして。




国内仕様は、ターゲットユーザーの好みを反映した、どちらかというと地味な仕様とされていましたが、海の向こうではこんな仕様で売られていたのだなと、新たな発見となりました。

情報の少なかった当時、この種の情報に触れられる機会は皆無に等しかったわけで。

それにしても、国内仕様にもこうした仕様があったら、少しは印象が変わっていたのではないかと思ったりします。国内仕様の若者向けには、カムリのアメリカンビレットやセフィーロのエアロセレクションがありましたが、個人的印象からすると何とも似合わない感が強くて。カムリリミックスが成功していれば、また違った展開もあったのでしょうけれどね。



【EUNOS800の画像の引用元】
マツダ100周年サイト
【EUNOS800以外の画像の引用元】
FavCars.com
Posted at 2020/03/28 20:59:15 | コメント(7) | トラックバック(0) | 徒然昔話 | クルマ
2020年03月21日 イイね!

A32セフィーロの特別仕様車

A32セフィーロの特別仕様車自分の好きな年代ということで自然と1980年代の話が多いかなと思っているのですが、たまには年代を変えてみましょうということで。今回は1990年代から一台を取り上げてみます。

今回の主役はタイトルの通り、A32セフィーロ。セフィーロとしては2代目となります。

通算3代続いたセフィーロですが、自動車雑誌等で取り上げられるのは初代が多いという印象を持っております。皆さまご存じのとおり、2代目でそれまでの直6FRからV6FFへと一大転換をしていまして、どうも2代目以降は話の主役にはならないような。

初代は、爆発的に売れていたマークII3兄弟に果敢に挑んだクルマ。ニューネームで登場するにあたり、キャッチーなコピーやCMを掲げ、フリーチョイスを導入する等、アッパーミドルサルーンの新たな価値観を示しました。

登場時は大きな話題となり、販売台数も伸びたものの、やがて台数は降下。後続となったC33ローレルやR32スカイラインに話題が移ったこと、根強い支えとなるはずの歴代ユーザーを抱えていなかったことがその理由と思っています。

そんな経緯から、ローレルとスカイラインと袂を分かち、新たにマキシマと関係を結ぶに至った結果が今回の2代目となります。

初代は後年になり、ドリフトブームが沸騰する時代背景の中、改造のベースとして再びの脚光を浴び、最後の一華を咲かせながら消費されていくこととなるのですが、ここではあまり触れずということで。

何かと話題となった初代から比べると、2代目は地味な印象となるのかもしれません。しかしながら、私個人としてはセフィーロは、初代のキャラクターに賛同はするものの、その真髄は2代目にあると思っていまして。90年代のミドルサルーンという枠でも高評価の筆頭格。理由は後述。


前置きが長くなりました。
それでは、A32セフィーロ、その中から特別仕様車2種を紹介していきます。

【デュアルセレクションII】

(発売日)
・1996/5/22

(ボディカラー)
・ディープブルーパール
・プラチナシルバー
・ダークグレーパール
・プラチナホワイトパール

(ベースグレード)
・25エクシモ E-AT
・20エクシモ E-AT/5MT

(特別装備)
・本革巻ステアリング&シフトノブ
・マルチリモートエントリーシステム
・電磁式トランク&フューエルフィラーリッドオープナー
・セフィーロスーパーサウンドシステムCDセレクション(25のみ)
・専用ブラウン内装色
・エレガントツィード地シート(25は標準、20のみ特別装備)
・ゴールドグレードエンブレム
・助手席SRSエアバッグシステム
・ABS

alt

キャビン部分をマキシマと共用しつつ、フロント&リヤセクションを別に仕立てるというのがセフィーロの成り立ちでした。

あっさりとした印象が先行するマキシマに対して、国内ユーザーを主と想定したセフィーロは、このクラスに求められる豪華さを意識した造形となっています。


alt alt
参考:1995 MAXIMA


ボディサイズは、全長4,760mm×全幅1,770mm×全高1,410mm。
5ナンバーの制約を超えたサイズは、当時とても大きく感じたものです。その分、デザインで大きく見せようとしてはしていませんでした。
当時のアッパーミドルサルーンのサイズも、今ではDセグメントとCセグメントの中間くらい。日本で使い勝手の制約を受けない最大限と個人的に思うサイズはこの辺りだったりもします。

この画像の両者は、共にオプションのシルバーポリッシュアルミ&205/65R15タイヤを装着しています(標準はスチール&195/65R15タイヤ)。標準仕様のフルキャップは、あまり豪華さを感じさせないデザインでしたが、この仕様だと華やいだ印象に一変。当時からこのホイールはいいなと思っていました。



alt

デュアルセレクションIIの特徴にブラウン色のインテリアがありました。標準仕様のインテリアカラーは、グレーとオフブラックの2色。共にモノトーンの設定の中でこの特別色は、インテリアの印象を大きく変える効果がありました。

80年代だとこれにブロンズガラスの採用となるのでしょうが、既にこの時期にはグリーンガラスへの統一が進んでいたため、変更はされていません。

このサイズのFFサルーンですから、キャビンサイズはゆとりあるものでした。幅方向は5ナンバーミドルサルーンより明らかに広いですし、同世代のハードトップにありがちな後席の頭上空間に皺寄せなんてこともありません。

この時期の特徴にコストダウンの嵐が吹き荒れていたことが挙げられます。このセフィーロも影響は受けている筈ですが、アッパーミドルサルーンという成り立ちもあってか、見た目から明らかに、という類とはなっていないように思います。
確かにバブル期の豪華絢爛さは見受けられませんが、飾り立て過ぎない素の良さが伝わってくるような。シート地もツィードながら柄を目立たせてもいませんし。

リヤトランクはバンパーレベルから開き、トランクスペースももちろん広大。正しく真っ当なセダンの成り立ち。でも、当時はその真っ当なセダンが本当に少なかったのです。



alt

左頁には特別装備として2つの安全装備の追加が謳われています。
一つはABSで、もう一つは助手席エアバッグです。

標準車は、運転席エアバッグのみ標準にして登場しました。それでもライバル車に先行しての標準であり、商品力としては大きなアドバンテージがありました。マークII3兄弟はセフィーロに影響され、急遽運転席エアバッグを加えた特別仕様車を登場させたりもしています。

運転席エアバッグの普及が進んだ次の段階がこれらの装備でした。
ただ、助手席エアバッグは、ステアリング内蔵と出来る運転席とは異なり、当初から想定が無いとインパネの大改造が必須となるため、簡単には採用できず。セフィーロはこの種の装備が先行して求められた北米輸出があったため、幸いした形でした。


右頁上段はその他特別装備の紹介です。

セフィーロは当初、CDをチェンジャーで対応させる仕様だったため、デッキ組込のCDはオプションとされていました。

デジタル表示のエアコンやマルチリモートエントリーは、当時流の新時代を感じさせる装備でした。この辺りがあると旧車よりも近代車の感が強くなる気もします。


右頁下段はメカニズムの紹介です。

セフィーロが好評だった要因の一つにVQエンジンの良さが認められたことがあると認識しています。VQは、マルチシリンダーならではのスムーズさ、音の良さを体感できる名機だったと思うのです。VQ20DEが出たことで、それまでの1G-FEはもう一段のパワーアップを主とした更なる進化を迫られることになります。また、この後に出るトヨタのV6、MZ・GRは共にVQを意識したエンジンじゃないのかなとも。

リヤサスは、この時期日産が盛んに宣伝したマルチリンクビーム式を採用していました。



altalt

表紙と裏表紙の諸元表等です。

表紙は当時CMに登場されていた方々。四半世紀前ですからお若いですよね。

スペックは表のとおりですが、今視点だと想像以上の軽量さに驚かされます。2.5でも1350kgですからね。81はもちろん、90マークIIよりもさらに軽い車重です。FFの利点の一つに、作り方次第でFRよりも軽量にできることが挙げられますが、その利点を生かしていたのですね。


続いてはマイナーチェンジを挟んだ末期に登場したブラウンセレクションです。


【ブラウンセレクション】

(発売日)
・1998/1/21

(ボディカラー)
・プラチナシルバー
・プラチナホワイトパール
・ホワイトパールツートーン

(ベースグレード)
・25エクシモ E-AT
・20エクシモ E-AT

(特別装備)
・本革巻ステアリング&シフトノブ
・ファインビジョンメーター(25は標準、20のみ特別装備)
・専用ブラウン内装色
・運転席パワーシート(ヒーター付)(25のみ)
・専用グリル
・シルバーポリッシュアルミロードホイール&205/65R15タイヤ


デュアルセレクションIIの売りだった安全装備は、時代が進み標準化されましたので、仕様は近いながらもブラウン内装をアピールしています。


25エクシモ ブラウンセレクション(ホワイトパールツートーン)

alt

マイナーチェンジに伴い、マルチリフレクターヘッドランプの採用やバンパー形状が手直しされたことで豪華を増す方向に進みました。

私感ですがマイナーチェンジとしては成功していると思います。前期のシンプルさも、後期の豪華さも共にいいと言えるような。

標準車は、マイナー後も形状自体は変えつつも横基調のフロントグリルを継続しましたが、この特別仕様では一転して縦基調のフロントグリルを採用。特別色のホワイトツートーン共々特別感の演出に役立てています。

このグリル、セフィーロがインフィニティI30として輸出される際のデザインの流用(ただしエンブレムはインフィニティマークからニッサンマークに変更)ではあったり。


参考:1998(?) infinity I30t 



alt

内装も、木目調パネルやドアトリムの布部分が増やされたことで、マイナー前よりも豪華な印象となっています。

ファインビジョンメーターの採用、ステアリングやカップホルダーの変更も意外と効いています。

華美というか派手になったというかのシート地だけは、マイナー前の方がいいかも、ですけれど。



20エクシモ ブラウンセレクション(プラチナシルバー)

alt

リヤもテールレンズやガーニッシュが変更されています。マイナー前は車格の割にスッキリかな、でしたが、車格相応になったような。

ホイールカバーもデザイン変更。一見アルミ風に見えるデザインですが、やはりポリッシュ仕立ての純正アルミに一票です。



alt

デュアルセレクションIIでは、20のシート地を25のシート地に合わせる特別仕様が含まれていましたが、ブラウンセレクションではシート地は標準車に準じて分けられています。

実物を見ると印象も変わるかもですが、画像で見る限りでは20のシート地のシンプル風味に一票だったりです。




alt

諸元表等です。
ブラウンセレクションでは、20もATのみとされています。

上で取り上げた車重は、20kgの増加。安全装備の追加あるいはボディ補強辺りが要因でしょうか。

ボディカラーはホワイトorシルバー系のみとされていました。この内装色なら、デュアルセレクションIIでは選べたダークブルーや標準車では選べたブラックも
似合っていたのではと思えるのですけれどね。


といったところでいかがだったでしょうか。
それでは、いつもの私的考察を。

最初にセフィーロとマキシマの融合が発表された時、私は違和感の方が強くありました。共通項といえば、登場時期が近かった同じ販売系列(セフィーロのみサニー店の扱いもあり)のセダンというぐらいで、コンセプト・メカニズム・セグメント・ターゲットユーザー等、異なる点の方が圧倒的に多い関係だったからです。

しかしながら、いざ融合させてみると、この判断はいい結果をもたらしたのではないかと思うようになりました。

メカニズムの元は初代マキシマで、ワールドワイドを想定した極めて真っ当な成り立ちながらも、それが故に日本市場では受け入れられたとは言い難いクルマ。
そこにセフィーロのマーケティング・セグメントが入り込むことで、解り易さ・親しみ易さが加わることに。

この兄弟関係は、キャビン部分を共用していると先に書きました。
そのことは恐らく、日産の経営が傾きつつあったことが影響しているのだろうと推測しています。当時の日本市場を考慮すれば、ハードトップに作り変えてしまう、という判断があっても不思議ではなかったからです。その方が売り易くもあったはずであり。

一方でプラットフォームはキャリーオーバーしつつも、エンジンはVQを新開発して、リヤサスも変更。

こうして出来上がったのは、このセグメントとして納得できる、極めて真っ当なセダンでした。私が高く評価する最大の理由です。


当時の日本のセダンがどうなっていたかを書いてしまうと。

80年代に輝いて映った、ミドルサイズ以下のセダンは、時代なりの進化もあるものの、主眼はコストダウンにありました。モデルチェンジの度に、この装備が無くなった、この仕様が落とされたと落胆し、前の方が良かったと思わされたクルマ達。

アッパーミドル以上のセダンは、3ナンバーサイズという新たな訴求力を得たものの、スタイリング優先のハードトップばかりが乱立し、本流であるはずのセダンは隅に追いやられるか、クルマによっては廃止されていて。

セダンというボディ形状自体、ワゴン・ミニバン・SUV(当時はまとめてRVで括られていましたね)に主役の座を追われつつもありました。


そういった時代の中で登場したセフィーロの真っ当さ、上品さというのは、高く評価しなければいけなかったと思うのです。こうした点を見抜いた人は相当数いたようで、傾く一方だった当時の日産を地味ながらも支える一台ではありました。市場の評価も結構高かったですし。

私はこのクルマが登場した時期には、まだ81に夢中で、このクルマの真価は見抜けず見過ごしていました。後年になって、みん友さんが数台買われ、その内の何台かに乗る度、このクルマは良かったんだなと思うようになったというのが、実態ではあります。

そこから、さらに10年以上の時を経て。
今の日本のセダン市場は、当時よりもはるかに冷え込んだ状態となりました。
それでも、やっていることは当時とあまり変わらないんですね。

この国での使い勝手を無視したとしか思えない巨大なサイズのセダン。スポーティをお題目にスタイリングを優先し、後席はおまけとしか思えないようなセダン。そんなセダンばかりが続いていて。真っ当なセダンで思い浮かぶのは何台あるのやら…。それでも、残ればいい方でモデル廃止に追い込まれたクルマが幾重にも連なっていて。当の日産も、セフィーロの末裔であるティアナを後継車無しに廃止するという判断を下したばかりです。

今回改めてこのセフィーロを振り返って見て、懐かしさを感じると共に、現代流の解釈で再来を望む、そんな思いを抱かずにはいられませんでした。


当時、売れたクルマであり、憧れた方も多かったのかな、なんて想像しています。冒頭に書いたとおり、このクルマもその出来栄えや意義の割に、注目される機会は少ないように感じます。このブログで懐かしく感じていただければ幸いです。



【MAXIMA及びinfinity I30tの画像の引用元】
FavCars.com
2020年03月08日 イイね!

80スプリンター後期の特別仕様車

80スプリンター後期の特別仕様車早々に売り切れたことでリンクの切れた中古車情報をブログの冒頭に掲げていることに恥ずかしさは感じつつも、お仕事が年度末の繁忙期に入ったことで中々更新が出来ず。

軽くでやれるものはないかなと保管庫を探し、出てきたのが今回のカタログであります。

カタログが少頁なら情報で補完してみましょ、ということで。


今回のお題は、少し前に掲載しました80カローラ後期の兄弟車となる80スプリンターとなります。同車の特別仕様車となると、トレノのアペックスリミテッドが一番有名となるのでしょうが、ここでは省略。セダンのみで話を進めていきます。

この時期のスプリンターの特徴の一つに、シリーズ内では低グレードとなる1300に結構力が入っていたことが挙げられます。カローラではDXサルーンと名付けられたグレードもこちらではリビエールという独立名称が与えられていたり。特別仕様車も同様に、カローラのDXサルーンベースは末期のみの設定でしたが、こちらはマイナーチェンジ後あまり時間を空けずの時期から継続設定されています。


メーカーのこの姿勢に敬意を表して、いつもとは逆に低グレードから紹介してみましょう。

【リビエール サルーン】
(販売期間)
・1985.10~

(ベース型式)
・1500(AE81) 4MT/3AT
・1300(EE80) 4MT/3AT
・1800D(CE80) 5MT

(外鈑色)
・ホワイト(041)
・レッド(3E6)
・ライトベージュメタリック(4D2) ~1986.05
・ライトベージュメタリック(4G8) 1986.05~

(特別装備)
・A1.スタイリッシュバンパー
・A2.ハーフキャップ
・A3.専用フルファブリックシート
・A4.専用フルファブリックフロントヘッドレスト
・A5.マルチユーストレイ付フロントコンソール
・A6.パワーステアリング(オプション)


【リビエール サルーン コンフォート】
(販売期間)
・1986.5~

(ベース型式)
・1300(EE80) 4MT/3AT

(外鈑色)
・ホワイト(041)
・ライトベージュメタリック(4G8) 

(特別装備)
・A1 ~ A6
・A7.チケットホルダー付運転席サンバイザー
・A8.エアコン(販売店装着オプション)

alt

alt



【ニュー リビエール サルーン】
(販売期間)
・1986.8~

(ベース型式)
・1300(EE80) 4MT/3AT
・1800D(CE80) 5MT

(外鈑色/内装色)
・ホワイト(041)/ブラウン(QW44)
・ライトベージュメタリック(4G8)/ブラウン(QW44)

(特別装備)
・A1 ~ A6(P/S標準)
・A9.カラードドアミラー(041のみ)


【ニュー リビエール サルーン コンフォート】
(販売期間)
・1986.12~

(ベース型式)
・1300(EE80) 4MT/3AT

(外鈑色/内装色)
・ホワイト(041)/ブラウン(QW44)
・ライトベージュメタリック(4G8)/ブラウン(QW44)

(特別装備)
・A1 ~ A6(P/S標準)
・A8 ~ A9
・A10.コートフック(後席アシストグリップレス)


価格設定が大切な低グレードがベースとなりますので、あまり大きな変更はされていません。そもそも、この4仕様を判別できれば、相当なディープマニアと言えそうでもありまして(笑)

特別装備の中では、スタイリッシュバンパーと内装色の変更(ベースグレードの内装色はグレー)が結構効いています。

標準グレードのカタログ画像を貼ってみます。

云いたいことはご納得いただけるかと。

折角のブラウン内装なら、これにブロンズガラスを追加したいところですが、そこまではやり過ぎという判断だったのでしょうね。

コンフォートと名の付くものは、共に1300のみとなりますが、恐らくエアコンが含まれることがその理由。ディーゼルは冬に強いということで、東北や北海道での販売比率が高かったのです。

ニュー リビエール サルーン コンフォートでは、標準車のリヤアシストグリップが外され、カスタムデラックスのみが装備していたコートフックに置き換えられています。ファミリーカーとしても結構売れていたように記憶していますが、営業用途に向けての変更なのでしょうね。


次は、スーパーXLベースです。
スーパーXLのみ設定され、カローラのGLサルーンには非設定の装備がいくつかあることが特別装備の違いとなって表れていたりはします。まぁ大きな差とは言えませんね。
リビエールサルーンが設定されていたことで、カローラには設定のあった1300や1800Dはなく1500のみというのは、特徴に挙げてもいいかもしれません。


【スーパーXL コンフォート】
(販売期間)
・1985.12(?)~

(ベース型式)
・1500(AE81) 4MT/3AT

(外鈑色)
・ホワイト(041)

(特別装備)
・B1.5J-13ディスクホイール&フルキャップ
・B2.ブロンズガラス
・B3.カラードドアミラー
・B4.チケットホルダー付運転席サンバイザー
・B5.大型シフトレバーノブ(MTのみ)
・B6.エアコン(販売店装着オプション) 1986.05(?)~


【スーパーXL サルーン】
(販売期間)
・1986.08 ~

(ベース型式)
・1500(AE81) 4MT/3AT

(外鈑色/内装色)
・ホワイト(041)/ブラウン(QV44)

(特別装備)
・B1 ~ B2
・B4 ~ B5
・B7.カラードドアミラー(電動リモコン)
・B8.ドアベルトモールメッキ
・B9.ドアアウトサイドハンドルメッキ
・B10.カラードマッドガード
・B11.パワーステアリング(オプション→標準)
・B12.専用フルファブリックシート&ドアトリム
・B13.カセットBOX付フルコンソール


【スーパーXL サルーン コンフォート】
(販売期間)
・1986.12 ~

(ベース型式)
・1500(AE81) 4MT/3AT

(外鈑色/内装色)
・ホワイト(041)/ブラウン(QV44)

(特別装備)
・B1 ~ B2
・B4 ~ B5
・B7 ~ B13
・B14.エアコン(販売店装着オプション)


最後にSEサルーンベースをご紹介。
リビエール=DXサルーンとは逆に、SEサルーン リミテッドはカローラに先行設定(1986.09~)されたものが遅れてスプリンターにも展開されています。


【ホワイトパック仕様】
(販売期間)
・1986.08 ~

(ベース型式)
・1500(AE81) 5MT/4AT
・1600(AE82) 5MT/4AT

(外鈑色/内装色)
・ホワイト(041)/ブラウン(HT44)

(特別装備)
・C1.カラードドアミラー
・C2.カラードマッドガード


【SEサルーン リミテッド】
(販売期間)
・1987.01 ~

(ベース型式)
・1500(AE81) 5MT/4AT

(外鈑色/内装色)
・スーパーホワイトII(040)/ブラウン(QY44)

(特別装備)
・C1.カラードドアミラー
・C2.カラードマッドガード
・C3.カラードフルホイールキャップ
・C4.ネーム入りサイドモール
・C5.専用エンブレム
・C6.AM/FMマルチラジオ
・C7.パワーウィンドゥ&電磁ドアロック
・C8.高級シート&ドアトリム


といったところでいかがでしょうか。

当時は、GL級を頂点にしながらも、DX・SEも比較的まとまった台数が売れていました。その中でも、SE>DXの比重だったカローラとDX>SEの比重だったスプリンターの違いが今回ご紹介した特別仕様車に表れているように思います。

元々カローラより若干上級の設定(当時は価格もスプリンターがやや高価でした)であることに加え、上級車がチェイサーとなるスプリンターの方が上級グレードの比率が高そうに思えるのですが、販売店の都合がそれに勝っていたのでしょうね。下級車がスターレットとカローラIIという違い、当時はバンをシリーズに持っていなかったこと辺りが理由として想像させます。


同時期のカローラを紹介した際、サニーやシビックを相手に苦戦していたと書いています。その状況はスプリンターも同様でした。FXの追加もなかった分、苦戦は尚更だったのかもしれません。その中でも、強みとなったのは、1985年のマイナーチェンジでエンジン換装された1300の存在でした。

ライバル車の多くが1500のスケールダウンエンジンに留まる中で、一回り小型・軽量かつ12VALVEを備えた1300は、魅力を訴えることが可能だったのです。

このクラスは既に1500に主流を移していましたが、当時代替されていたであろう3代目や4代目は1200や1300が明らかに多かった筈ですから、そんな既納客に向けて魅力的な商品を設定するというのは、販売の追い風となりました。


折角、この代のスプリンターを取り上げたのですから、余談を一つ。
私の中で、答えが出せないものの一つとなります。
それは「この代の4ドアセダンは、カローラとスプリンター、どちらを高く評価すべきなのか」

マイナー前となりますが、画像を並べてみます。


元々はカローラ4ドアとスプリンター5ドアを先行開発して、カローラ5ドアとスプリンター4ドアを両者の中間に置いたということが当時の専門誌には書かれていたりします。カローラ4ドアにはイタルデザインの匂いも感じられますから、事はもっと複雑なのでしょうけれども。



スプリンター5ドアの画像がなかったため、カローラ5ドアの画像。

このことからするとカローラの方を高く評価すべきとなるのですが、スプリンターの6ライト&ショートデッキもこれはこれで中々の纏まりに映ります。当時、アウディ80(B3)のデザインが高く評価されていますが、その登場の3年前にこのプロポーションをやっていますからね。

このスタイルはどちらも一般受けしたとは言い難いですが、クルマ好き目線からするとパッケージングを重視し、それを素直に表現した理想主義を擁護せずにはいられません。どちらもいい、でもどちらかは選べない。私にとっては、そんな世代なのです。



【カタログ画像以外の画像の引用元】
FavCars.com

プロフィール

「12年目の1年点検に入庫 http://cvw.jp/b/1984303/48573850/
何シテル?   07/31 22:03
3台計で20年以上の長きに渡って乗り続けたX80系からW204への代替がみんカラを始める動機となりました。 最初はW204関連を主とするはずだったのですが...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2020/3 >>

1234567
891011121314
151617181920 21
222324252627 28
293031    

リンク・クリップ

1989年式マークII3.0グランデG感想文 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2021/08/05 19:34:14

愛車一覧

メルセデス・ベンツ Cクラス セダン メルセデス・ベンツ Cクラス セダン
2013年9月14日納車 アドバンストライトパッケージ ボディカラー:988 ダイヤモン ...
トヨタ マークII トヨタ マークII
1995年12月登録(同型最終年月) 2001年6月購入 2013年9月譲渡 ボディカ ...
トヨタ マークII トヨタ マークII
1992年6月購入 2009年3月一時抹消 2009年6月永久抹消 ボディカラー:18 ...
トヨタ クレスタ トヨタ クレスタ
1991年7月登録 2000年11月購入 2001年6月譲渡 ボディカラー:27N パ ...
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation