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2020年04月23日 イイね!

CB3Aランサー/ミラージュ4ドアの特別仕様車

CB3Aランサー/ミラージュ4ドアの特別仕様車前回の続き的なお話です。
取り上げる車種は重なるものの、また違った視点からお話が出来るかなと思い立ちました。

実は今回悩んだのがタイトルでありまして。
複雑な変遷を歩んでいる両者のため何代目は使えず、年式でも括れず、グレード名だと長過ぎるという具合。
悩んだ末にタイトルを捻りだしたのですが、前回以上にタイトルから姿を思い浮かべられないと推測するところです。

記憶の片隅を掘り起こす的な観点からすると、これはこれでよろしいかと。


前回のブログではコメントも含め、「お買い得」がキーワードとなっていましたので、マイナーチェンジ&フルモデルチェンジの直前に追加されていた、その真髄を極めているかのような特別仕様車を取り上げてみることにします。

このクラスは、カローラ、サニー、ファミリアがお買得を前面に打ち出して販売。何れも当初は上質や高級を売りにするものの、1年も経たないうちにお買得に転向してしまう特徴もありました。シビック、インプレッサは、そこから少し離れた立ち位置にありましたが、それでもお買い得を全く無視することはできず。

今回ご紹介するランサー&ミラージュは、同じミラージュのハッチバックやアスティほどではないにしても、前者に類すべきでしょうね。

【ランサーMX Special Version / ミラージュVIE Special Version】

(発売日)
・1993年(平成5年)5月27日

(内外装色)
・コルスグレーM / グレー
・グレースシルバーM / グレー

(特別装備)
・カラードアハンドル
・ドアサッシュブラックアウト(グレースシルバーのみ)
・ブロンズガラス
・カラードドアミラー
・フルホイールカバー
・AM/FM電子同調ラジオ付カセット&4スピーカー
・ワンタッチ式パワーウィンド
・センタードアロック
・キーレスエントリーシステム

○ランサーMX Special Version



○ミラージュVIE Special Version



この型のランサー/ミラージュ4ドアの内、1500は当初上級グレードにMXリミテッド/VIEリミテッド、中核グレードにMXサルーン/VIEサルーン、基本グレードにSという構成でした。リミテッド系のみECIマルチで、その他は電子制御キャブを搭載。

前回も軽く書きましたが、この構成は半年前に高品質を掲げて登場した100系カローラが割高感を指摘されたことへの反映がされています。実際、カローラのSEリミテッドと比較して5万円ほどお安い価格設定となっていたのです。

ModelYear(以下”MY”と略します)1993になる際、サルーン系はECIマルチに換装され、リミテッド系と統合。SはそれぞれMX/VIEに名称変更されています。この特別仕様車は、上級移行したサルーン系と基本グレードの隙間を埋める役割を担っていました。

ボディカラーは特別仕様車らしく、絞られた設定。定番となるホワイトの設定がないのが珍しく感じますが、ホワイトの人気が少し落ちていた時代という点が反映されているのかなと。

エクステリアの特別装備によって、見た目はサルーン系とほぼ変わりませんし、カセットにパワーウィンドも追加されていますから、中古車で定義されるところのフル装備(P/S・P/W・A/C・C/S)は満たされる状態。タコメーター、電動格納ミラー、パワーアンテナ、オートエアコン等、当時ではやや贅沢系の要求さえなければ、これで十分だったと言えます。

他車との比較では、4スピーカーとキーレスエントリーがやや過剰に映りますが、系列にオーディオメーカーがあった関係もあるのでしょう。三菱は歴史的俯瞰で見ても、他車比でオーディオが充実しているのが伝統でもありましたし。

真偽が若干疑わしいのですが、ベースグレード比で9.4万円のプラスだったようで、追加装備の内容からして価格設定もイイ線を突いているように思います。

5月に登場させて、6月のボーナス商戦の目玉にする。そんな戦略を推測させます。マイナーチェンジを兼ねたMY1994は、1994年(平成6年)1月に登場していますから、残りの半年を乗り切るための策でもありました。



【ランサーMX セレクション / ミラージュVIE セレクション】

(発売日)
・1995年(平成7年)5月10日

(内外装色)
・スコーティアホワイト / グレー
・ラガーディアシルバーM / グレー
・コルスグレーM / グレー
・ムーンライトブルーM / グレー(ランサーのみ)

(特別装備)
・カラードアハンドル
・ドアサッシュブラックアウト(コルスグレーを除く)
・カラードドアミラー
・フルホイールカバー
・AM/FM電子同調ラジオ付カセット(AMステレオ付)&4スピーカー
・ワンタッチ式パワーウィンド

○ランサーMX セレクション



○ミラージュVIE セレクション



MY1994でマイナーチェンジを行った両車は、Special Versionの仕様を新たにMXエクストラ/VIEエクストラ名で通常グレードに組み込みます。しかしながらMY1994は、1年も経たない1994年10月に早くもMY1995への変更がされています。

この時の変更は、前回に書いたとおり、MXサルーンS/VIEサルーンSの追加とそれに伴うエクストラ系の廃止。

このMXセレクション/VIEセレクションは、エクストラ系を再登場させたものと考えてもあながち間違いとは言えません。それなら、エクストラの名前のままでもよさそうなものですが、MY1995の際に、サルーンS系ではセンタードアロックとキーレスエントリーシステムをOPとしていて。セレクションで両装備を標準にすることもできず、新たにセレクション名で登場させたということのようです。特別装備から外されているのも同じ理由ですね。

ちなみにお値段は、同じく真偽が怪しいものの、ベースグレード比で3.9万円プラス。Special Versionよりもプラスが抑えられている理由は、末期であることに加えてサルーンSの存在もありそうで。サルーンSとの価格差は約8万円。装備差を考慮すると、あまり高いお値段にもできなかったのだろうなと。

その他は、ボディカラーにホワイトが追加されている点、ランサーのみブルーの設定がある点が特徴でしょうか。ホワイトの追加は、2年の時を経てホワイトが少し復権したということなのでしょう。ランサーのみの独自色があるなら、ミラージュにもと思うところですが、ベースグレードの設定色からして追加の可能性があったのは、ロワールグリーンとシャールベージュ。どちらも人気色とは言い難いから、そんな事情を推測させます。


次世代の登場が1995年10月ですから、本当に末期のお買い得仕様車でした。同時の登場が、アスティVバージョンS、同ZバージョンS、3ドアファビオという何れもお買得をさらに極めたような仕様でしたから、「お値段なら他車には負けません。もちろん4ドアもあります」、そんな主張を感じさせられたりします。

同時に追加されたアスティや3ドアの特別仕様車と比較するとややお高い設定に映るセレクション系なのですが、実は特別価格での宣伝が行われていたようです。ランサーのみ、手持ちにありますので、そちらも掲載。




セレクションに書かれている特別価格は、10万円ほど値引きされているもの。
MXサルーンは車両本体価格のままですから、やや公平性に欠ける感もありますが、並べた時のお買い得感は際立っているように感じます。約30万円の価格差。本体価格の2割以上の差ですからね。

裏表紙のとおり、比較すると価格差なりの違いはあるのですが、価格を基準にしてしまうとMXサルーンは贅沢、MXセレクションで充分、そんな商談となったのでしょうね。モデル末期ですから、もちろんこんなのは挨拶価格で、交渉次第ではここからさらに大幅値引きが示されるとなったでしょうし。



といったところでいかがだったでしょうか。
前回はランサーを取り上げませんでしたので、ミラージュ4ドアとの比較を少し。
パッケージングからして、真っ当なセダンであるランサーと、ややスタイリングに振ったミラージュ4ドアの対比でしょうか。ランサーの方が20mm短く20mm高いですし、ルーフラインもランサーの方が後席の比重大。ランタボのイメージからすると、この違いは妥当に思えますし、箱で早いイメージが構築されていたランサーのみエボリューション系が設定されたのも納得できるところです。

今視点ではプロポーションの整ったミラージュに惹かれるものがありますが、理知的に映るランサーも捨てがたく感じます。知名度の関係もあるのか、市場評価はランサーの方が高かったのかな。マイナーチェンジの変更加減はランサーの方が少ないのは、その反映に思えます。

スタイリング総論としては、ギャランとの共通イメージを感じさせる個性的な先代は車庫の高さが第一の印象でしたが、この世代は逆にウエストラインの低さを一番に感じます。言い換えるなら他車に近くなったとも言えて。

ランサーはプロポーションにグランドシビックとの近似、リヤデザインにB13サニーとの近似を感じてしまうのです。その点ではミラージュの方が独自性が強いものの、ルーフラインやキャビンデザインには90カローラ/スプリンターが重なって映ったりもします。

先代の個性は好嫌が分かれたから、嫌われないデザインとしたはギャランにも共通する変更ですが、結局のところその選択が商売上正しかったのかは判断が難しいところでしょうね。


今回取り上げた特別仕様車の装備に関しては、お買得を前面に出した仕様と言えども、80年代に比べれば大幅に充実していることが印象的です。他車比でやや装備盛られているのも事実ですが、ユーザーが求める要求自体も明らかに便利指向が強まっていて。先ずは利便性、次の要求として安全性が求められるようになりつつあった、仕様からはそんなことを感じたりします。
クルマに贅沢を求めないファミリーユース、あるいはちょっと贅沢なビジネスユースを満たす仕様はこの辺りだったということなのでしょう。

加えて、この頃の三菱は、前回からもお解りのとおり、上級グレードはアピールポイント特盛で興味を引く一方で、実は乗ってみるとベーシックグレードにこそ妙な押し付けや変な癖がないさり気無さを感じられる、何より壊れないという特徴がありました。無印良品的な良さとでもいうべきか。

コミ100万円ちょっとで1500のセダンが買えて、特に不満を感じることなく(車の存在を意識することなく)、リセールやセールスなんかも無視して、10年ぐらいあるいは大きな修理費用が発生するまで乗り続ける。その間、これぐらいの装備があれば然程不便は感じなかったはず。ある意味、家電製品的にも思えますが、クルマに対して主義・主張等を求めなければ、それはそれで幸せなカーライフに思えるのです。


ここから4半世紀が過ぎ、ユーザーが求めるボディ形状も異なれば、ダウンサイジングを筆頭とする指向も大きく変わりました。今の売れ筋と言えるスーパーハイトワゴンの軽自動車は、どちらかというと仕様を厳選するのではなく、カスタム系を筆頭に盛り込んでいく方向。ファーストカーの比率が上がっているようですし、いいものを長くという風潮の反映でもありそうなので、私は否定しません。買う時は贅沢に思えても、長く乗るなら贅沢も決して無駄にはならない、が持論ですから。

でも、いずれ今のこの方向は、何かのきっかけでお買得重視への揺り戻しがあるだろう、とも予想しています。その時に何が削られ、何が残されるのか、それを以てユーザーが本当に要求する装備水準が見えてくる、そんなことをも考えさせられる今回の話でありました。
2020年04月18日 イイね!

1994年のミラージュ4ドアのカタログ

1994年のミラージュ4ドアのカタログ数あるブログの内、時折PVが急激にはね上がる回があります。その内容はというと、ミラージュXYVYXでありまして。

どうやら、WEBニュースの話題に取り上げられるとここも引っ掛かる、そんな構図の様子。XYVYXは、カルトに近い希少な存在であることは疑いようもなく、深夜ファミレス(昨今の情勢ではこれも実現不可能で)系の話題にはもってこいではあります。

ちなみに余談に過ぎませんけれど、XYVYXの紹介に一年でカタログ落ちとあるのは、きちんと裏取りされているのかなと。私の中では、81マークIIはカローラの年間販売台数を上回ったことがあるに続く、読み捨ての対象認定です。

閑話休題。
それならば、同じ希少系属性としてこちらはいかがでしょう、ということで。
売る方は少数覚悟での販売ではないはずですが、タイトルだけでその姿を直ぐに連想できるかというと、私も含めて怪しい筈。同じ時期のランサーなら、エボと絡めつつで思い出せるとなるのですけれど。

そういう意味では少し前に取り上げたエテルナに近くもありますが、こちらを改めて見直してみるのも面白いかと思います。

それでは今回は早々にカタログのご紹介に入っていきます。
今回取り上げるのは、ミラージュ4ドアの中から、95年モデルとして94年10月に発行されたものとなります。



この画像を見て、ああそういえばこんなのがあった、そういう方が多いのではないでしょうか。ランサーと兄弟車でありながら、ボディパネルの大半は勿論、屋根の高さまで変更するという贅沢な成り立ちです。

低めのウエストラインに乗るキャビンの高さがやや気になるランサーと比較すると、こちらの方がプロポーションは整っているように思います。キャビンのデザインはシグマとの相似形を連想させられるもの。低い屋根と寝かされたCピラーは、リヤヘッドクリアランスへの影響となりますが、パッケージングよりもデザインを重視した選択。

開発過程では、4ドアハードトップも検討されたものの、4ドアセダンで発売されることに。ボディ形状は変われども、ランサーとの差別化もありデザイン重視は一貫となっています。

セダンに対して室内スペースの要求が減った昨今にあっては、逆に今に通じるものがあったりしますね。


紹介文では、グリーンガラスの採用が書かれています。
それまでは、中級グレード以上にブロンズガラス、下級グレードにブルーガラスという使い分けがされていましたが、この時以降グリーンガラスに統一。ガラスメーカーの要望に沿った形であり、種類も減らせての一石二鳥。同時期の日本車でも見られた変更となります。





メイングレードと想定される、VIEサルーンです。当時の東京地区の新車価格(以下の価格は全て同じ)は、151.3万円(AT)。
カローラだとSEリミテッド(150.3万円)、サニーだとスーパーサルーン(147.9万円)に相当します。

これらライバル車との比較では、フルオートエアコン、カセットステレオ、キーレスエントリーが標準となっていて、装備は充実しています。

先行した100系カローラが割高感から初動販売が想定を下回ったことを見た三菱は、ミラージュ/ランサーの価格設定を慎重に行っています。モデルイヤーの変更で仕様を充実させることに伴い、表示価格の競争力は失われたものの、装備なら負けない、そんな設定となっています。

リヤビューも2ドアや3ドアとの共通性を持たせた、ランサーとは全く異なるデザインとなっています。





それまでVIEエクストラと名付けられていたグレードは、95モデルに替わる際に新たにVIEサルーンSと名付けられることになりました。

この変更では、新たにVIEサルーンとエンジン(キャブ→ECIマルチ)やシート関係(ハイトアジャスタ、リヤシートピロー、リヤセンターアームレストの標準化)が共通にされると共に、マップランプ、リヤガラスアンテナ、タコメーター、フットレスト等の追加が行われています。逆にセンターロックとキーレスエントリーは標準からOPに変更。これで、お値段は5万円UPですからお得。

VIEエクストラだとカローラのLXリミテッドやサニーのEXサルーンと近くなりますが、VIEサルーンSでは、VIEサルーンからいくつか省いたくらいの成り立ちですね。

お買得が何よりのアピールだった時代という事で、VIEエクストラが抜けた穴には、翌年VIEセレクションが追加されて、価格訴求が行われることになります。





この世代で比較的有名なのは、世界初であり空前絶後ともなった、この1600 V6ですね。今や1500は3気筒に主力が移りそうなことからすれば、隔世の感は拭えません。

何がスゴイって、お高い仕様に限られた設定ではなく、主力となるVIEサルーン系でも選択できたこと。外観上は14インチホイール(VIEサルーンのみアルミ)とデュアルマフラー、(VIEサルーンではリヤスポイラーも)が数少ない識別点となります。お値段はVIEサルーンで177.5万円。25万円ほどの追加でV6が味わえるなら悪くない選択に思えますが、実際はあまり売れませんでした。

+100ccで税金と保険が増え、燃料もプレミアムとそれ以外のランニングコストも増えますしね。


ロイヤルはさらに、パワーシートの追加とオーディオ&エアコンの機能が充実して、お値段198.8万円。小さな高級車とは言えるものの、スカイラインやセフィーロの一番お安いのにも手が届きそうな価格ともなれば、指名買い以外は難しかったでしょうね。


実はATのみと思っていたら、VIEサルーンSのみMTも選択可能でした。ロイヤル共々、今となってはカルトカーに類されるのでしょうね。

 



ラグジュアリーに翼を伸ばす一方で、スポーティ系にも手を抜かないのが当時の三菱ならでは、と言えます。

20バルブで160馬力のカローラとVTECで170馬力のシビックが何度目かの激しい戦いを繰り広げる中、MIVECで175馬力を叩き出しクラス最強の座を奪取しています。それだけでも充分スゴイのに、可変排気量を加えたMIVEC-MDまで搭載。もっともこちらはMTのみの受注生産ですから、スペック訴求が主目的だったのでしょう。

元々MDは、ミラージュIIとランサーフィオーレで初搭載された機構ですから、新エンジンの開発に際して、もう一手加えたくなる気持ちは理解するのですけれど。V6といい、技術屋さんがいい意味で先走っていた、そんな感があります。

MOMOとRECAROが付くサイボーグRは、ランサーには設定の無いミラージュのみの仕様となるようで、そのお値段はロイヤルを上回る199.7万円。MDサイボーグはMD無より3万円高の179.7万円でした。ロイヤルとサイボーグR、目指すところは全く違うと言えども、一番高いの持って来いという注文だと、どちらを選ぶべきか悩ましい選択かもしれませんね。カルト加減も甲乙つけがたく。





メカニズムや安全装備の紹介です。

マルチリンクが何やら素晴らしいサスと思われた時代という事で、リヤのみですが採用されています。今となっては贅沢な機構ですね。

ATも油圧制御が殆どだった時代に、電子制御式を採用。同じく商品力のある言葉だったファジー制御も1500とV6に取り入れられています。


安全装備はカタログの片隅だった時代から始まり、この時期には欠かすことのできない装備にまで昇格しています。ABS・エアバッグ・ドアビーム等、当時求められた装備が何かご理解いただけるかと思います。


エンジンはこれまで紹介したものの他にも、1500キャブ、1500リーンバーン、1300キャブ、2000ディーゼルターボと本当に多彩でした。ライバル車が採用した新技術は漏らさず追随する的な印象もあって。ランサーにはあったツインカムターボは、結局こちらには搭載されることはありませんでした。





バリエーションの一覧とボディカラー、シートの紹介頁です。

ビジネスユースを想定した廉価グレードとしてVIEもありました。不思議とランサーの廉価グレードは記憶に残っていても、こちらの廉価グレードは残っていなくて。カープラザという後発の扱い店の関係か、室内空間あたりに理由を求めるのですけれども。


ボディカラーはホワイト、ブラック、シルバーの定番以外にも中間色に優しい印象を受けるカラーが揃っています。セダンというボディ形状ながら女性に好まれそうな領域なのかなと想像。4ドアハードトップなら、意外と健闘したのかもしれませんね。


インテリアカラーは既に統合が進んでいて、グレーとブラックがグレードにより使い分けられています。





メーカーオプションとディーラーオプションの紹介頁です。

メーカーオプションは上級グレードに装備を近づけるための設定、ディーラーオプションはやや指向をかえるためというのが、大括りでの分けでしょうか。

標準やMOPとは異なる形状のリヤスポイラーの設定があるのが興味深くです。レスオプションが選べないと仮定すると、標準装備の場合は納車前に外して別部品に付け替えるになりますよね、これ。。。





最後に主要装備と主要諸元をやや大き目のサイズで貼っておきます。
微妙な違いを読み取っていただければ、幸いです。



といったところで、いかがだったでしょうか。
記憶の片隅に押しやられつつ車種という事で、今回取り上げるにあたり、改めて読み返したところ、再認識させられることが多々ありました。

一つ一つの要素を、当時の定番車種であるカローラやサニーと比較した時、ミラージュが見劣りする部分て、ほぼ見当たらないんですよね。三菱がライバル車に負けないよう、相当に仕様を精査していたことが伝わっても来ました。

それで、当時売れたのかというと、決してそうとは言えない存在。それがこのミラージュ4ドアだと思います。本文でも書いたとおり、仕様によってはもはやカルトな域だと思うのです。


売れなかった理由を考える時に、思いつくのは、生い立ちとここまでの経緯なのかな、なんですよね。ミラージュは元々ハッチバックが先行していて、セダンは初代の途中から追加されたボディ形状。

ランサーはミラージュよりも前に登場していたものの、販売の都合等で途中からミラージュに合流していて。

この代の一つ前で、ようやくミラージュが3ドアと4ドア、ランサーが5ドアと整理されたものの、この代ではミラージュとランサーに別ボディの4ドアを備えるという複雑さに回帰。先代ミラージュの4ドアは、ミラージュよりもランサーの方が近いともなれば買い手が混乱しても仕方なく。

これまでも何回か書いたとおり、イメージが一貫しないクルマというのは、一時の人気を集めはしても、中々定番とはならないだろうなとは。


もう一つは、この時期の三菱の特徴でもあるのですが、何でもかんでも一つの車種に盛り込み過ぎて、車名から連想させるものが確立しなかったのも、きっと原因。ファミリーユース主体はいいとして、ラグジュアリーもスポーティもと手を拡げれば、買う方は何を選べばいいのか混乱するのも間違いなく。

その点、初代由来のラリーイメージとギャランVR4のハイメカニズムを融合させたランサーは上手くやれたものの、確たるイメージを持たなかったミラージュ4ドアは結局その影に隠れる形となってしまいました。

元は同じクルマですからね。コロナクーペとカリーナED、ギャランとエテルナ、ディアマンテとシグマ等、同じような事例は他にもあるのですが、クルマというのは少しの違いが大きな差となって表れる恐さを持つ商品だとつくづく思います。


この世代のミラージュで真っ先に思い出すのは、私も含め恐らくこの2台だと推測するのです。



ミラージュ3ドアFとミラージュアスティ。
クルマにおける価格破壊の先駆け的存在であり、サニールキノMM、ファミリアES、50カローラII3兄弟等、ミラージュに明らかに追随したクルマ達を生むきっかけともなりました。

時代が不景気だったということも大きいですが、お買得は大きな武器となる、そんな実例という事で。


同時期のエテルナ同様、兄弟車との並立で成功を収められなかったミラージュ4ドアは次世代でランサーとのバッジエンジニアリングとなります。クルマの造りとしても、進化は見られるものの、それ以上に合理化が進んだ印象が強くなります。

間違いなく一番三菱がやりたいことを自由にやれた時代。そんな背景を感じながら、このミラージュに注目してみる。それは、カルトとして楽しむ以外にも意味あることだと思うのです。
Posted at 2020/04/18 22:14:36 | コメント(8) | トラックバック(0) | カタログ話(雑談編) | クルマ
2020年04月10日 イイね!

90後期のカローラレビンとFXのパンフレット

90後期のカローラレビンとFXのパンフレットまたもやカローラの話に戻ってきてしまいました。
先日、2019年度の登録車販売台数1位をカローラが獲得したというニュースがありましたので、まぁよかろうと言い訳をしつつ(笑)

一車特集でもなければ、同じようなネタを繰り返すのは避けたいなという思いは何となく持っていまして。

今回は、タイトルの通り、シリーズとしては6代目にあたる90系カローラの中から、マイナーチェンジ時で後期になった時のレビンとFXを取り上げることにしました。

本カタログは両車で別冊となっていますので、この組み合わせというのは珍しい気もします。まだこの頃は、(特に国内の)シリーズとしてはセダンが本流であり、レビンやFXはセダンで救えない層に向けた、どちらかというと傍流であったことが判る構成とも言えますね。

カタログの内容としては、マイナーチェンジのアピールをしつつも、時代を反映してか、バブル期のトレンディドラマ風(?)のストーリー仕立てとなっているのが特徴。以前に紹介したラングレーのカタログと通じるものを感じてもらえるかと思います。

画像サイズの関係で、登場人物のプロフィールがほぼ読めないようなので、先に当該部分の拡大版を掲載してしまいます。
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プロフィールからして、当時大流行したトレンディドラマの登場人物っぽいでしょ?(書かれているクルマが全てカローラ店なのはお約束ですね) ということで、珍しく前置きは短め。パンフレットのご紹介に入っていきます。



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マイナーチェンジを受けたレビンとFXをレポートする依頼を受けた広告代理店勤務の主人公が、後輩と両名のガールフレンドの計4名で試乗するというのが筋書き。

レポートの対象となるレビンはグレイッシュグリーンのGT APEXのAT、FXはブラックのGTのMTということで、共にイメージリーダーとなる仕様が書かれています。

レビンはAPEXのATだと比較的軟派寄りの仕様。スーパーチャージャーを搭載したGT-Z(MTのみ)だと硬派寄りの仕様となり、共に人気がありましたが、ここではFXが並走することへの配慮が選択に表れていますね。

レビンの背景、銀座に向かうプロローグからして、竹芝辺りから晴海・月島方面を写したものかと思ったのです。しかしながら背景のホテルは、神戸ポートピアホテルのようでして、全く話とは絡みません。画像はカタログからの流用ですから仕方なし(笑)



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前期のレビンは、ホワイトシンドロームが頂点を極めた1987年の登場という事で、スーパーホワイトIIが最多量販となっていました。そこから2年を経過し、特にスポーツカーやスペシャルティーカーではホワイトが飽きられ始めたことから、次の流行としてグレーのアピールがされています。実際の売れ筋としては、特別仕様車の設定からも解る通り、グレーを通り過ぎ、ホワイトの反対色となるブラックに人気が移行することとなるのですけれど。

FXも初代はホワイトが中心で売れて、2代目もその傾向を引き継いでいたように記憶しています。前期のカタログではダークブルー/ベージュのツートンがイメージリーダーを務めていましたが。マイナーチェンジに伴い、新たに大型サイドガーニッシュを装着し、印象を新たにしています。元々FXは、メーカー謹製のフルカラーエアロの元祖的存在ですから、モノトーンあるいはツートーンによるカラーコーディネートは新たなアピール材料になるという判断がされたのでしょう。

リヤスポイラーの装着率が上がってくると、次なるアピールとしてはストップランプとの一体化が進みました。安全性も上がり一石二鳥という事で。できればバルブではなくLEDで、みたいなのが当時の空気感ですね。

ストーリーの方は銀座の地下パーキングと書かれています。レポータープロフィールからしても、想定は金曜日か土曜日の夜。それで銀座でしょ。路駐の方がリアル感はありますが、さすがにそうは書けないよなと(笑)
前頁と同じく、レビンの背景はストーリーとは全く異なる山から見下ろす夜景となっています。



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マイナーチェンジに伴い、FXからは1300が落とされたことで、レビンとFXは全グレードがツインカム&EFIが搭載されることになりました。(前期FXのディーゼルってありそうで実は無かったと知りました)

全グレードがパワーアップというのが、当時らしいと言えます。
スポーツツインカムの主な手法は、今では選択が躊躇われそうなハイオク化。シビックを筆頭とするライバル車ともハイパワーを競っていましたから、当時の空気感としては当然の選択だったのです。

ストーリーの方は霞が関から首都高に上がって、高速3号線から東名に入る流れ。三軒茶屋まで工事で渋滞というのは、今に続くあるある話。渋滞のストレスを東名で晴らすみたいな。



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走る・曲がる・止まるに電子制御が入り始めた時代にあって、TEMSは商品力のある装備でした。上級車でもオプションが多かったのに、GT APEXには標準ですからね。同乗者がいる時にはAUTO。一人で楽しむ時にはSPORT。そんな使い分けだったんじゃないかというのは、あくまでも想像。

まだABSと呼ばれる以前のESCは、このクラスで選べるようになったことが、その価格設定と共に驚きでもありました。それまで13万円弱だったOP価格が10万円を切った設定だったんですよね。自動車雑誌等では有効な装備という評論が多く、170コロナである種、先物買いをした一人としては、リヤウィンドウの”4-ESC”がちょっとしたプライドでもあったのです。実はカローラ系も1990年8月から、”4-ESC”は”4-ABS”に変更されているというのは、今回知ったカルト知識です(笑)

ストーリーは、東名を御殿場で降り、ルート138で宮ノ下まで進み、ルート1で箱根という行程となっています。ロードインプレッションの王道なら、厚木から小田厚を終点まで乗り、ターンパイクと芦ノ湖スカイラインだと思うのですが。あるいは、途中乙女トンネルではなく長尾峠を経由する新車情報ルートとか。
この辺りは野暮なツッコミですね。



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レポートも終わり、レビンとFXがグレード別で掲載されています。
共にマイナーチェンジでベーシックグレードが落とされているのが、当時の豪華装備指向の表れですね。

好調な販売成績だったレビンは一部グレードの整理のみでほぼ同じ構成とされている一方で、FXはGTとD以外3ドアと5ドアで共通だったグレード構成を大幅に改め、3ドアはスポーツ指向を強くした構成とされています。ご存じのとおり、次世代は3ドアのみとされる前兆がここにあったと言えるでしょう。



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裏表紙には、当時のカローラ店の取扱い車種が掲載されています。
前回取り上げたタウンエースもちょうど同じ時期です。
セダンやコンパクトはホワイトシンドロームの影響を残す一方で、スポーティ系はブラックに移ったことが判る構成です。セリカは末期の特別仕様車となりますが、この次世代もイメージカラーはブラキッシュカーキでしたね。

よく見るとお分かりのとおり(?)、カローラワゴンのみマイナーチェンジ前で掲載されています。別に掲載間違えではなくて、当時ワゴンとバンは他のシリーズから僅か数ヵ月ながらも少し遅れての変更が行われていたのです。レガシィは登場していましたが、ワゴンに注目が集まる前夜でしたね。



といったところでいかがだったでしょうか。

80カローラを取り上げた時に、”AE86”で有名なレビンは、走りを前面に出し過ぎたイメージ構築が、硬派の男性には受けても、それ以外にも広く好まれるには至らなかった。マニアック過ぎた。FXは硬軟男女問わずで好まれたクルマと書きました。

90カローラに変わったことで、レビンとFXの関係は逆転したと理解しています。ミニソアラ・ミニスープラと理解され、硬軟男女問わずで好まれたレビンに対してFXはセダンやレビンからの外し的存在となっていきます。事実、シリーズ中、メーカーの想定通りに売れなかったのは、FXとスプリンターシエロだったようです。

この時のマイナーチェンジは、そんなFXをさらにマニアックな方向に進めてしまった感が拭えません。その方向性をさらに進めた次世代のFXは、アピールからして少数決を謳う、カルトカーに近い扱いとされてしまうことに。FXは次世代で廃止となり、ランクス・オーリス・スポーツという血統筋は、別名称を名乗る形になってしまいました。

FXがそこに追い込まれたのには、この代のレビンの軟派の部分は、次世代で登場するセレスが持って行ってしまったことも挙げられます。FX(2ボックスハッチ)→レビン(クーペ)→セレス(4ドアHT)→ツーリングワゴンというトレンドリーダーの推移は、この時期の人気の移り変わりを見事に表してもいます。相当数のライバル車を蹴落としたトヨタのアピール力が上手かったと言えるのですが、その間シビックはワンダー→グランド→スポーツ→ミラクルと3ドアハッチで人気を集め続けてもいて。カローラ=4ドア、シビック=3ドアを今でも連想させる理由でしょうね。


折角なのでストーリーの方も少し。
あくまでもクルマ紹介の方が主でストーリーは添え物的存在ですし、無粋なツッコミを入れてもしまいましたが。

当時の空気感としては、二組のカップルが二台に分乗して銀座から箱根を目指すというのは筋書きとしてあり得る。さすがにレビンとFXの組合せはレアだと思いますが、レビンとシルビア、レビンとシビックならあながち空想とも言えなく感じます。
自分はそんな生活に憧れただけで、実際は経験することもなく過ごしてしまいましたから想像だけで書いていますけれど(笑)

これを今に当てはめるとどうなるか。
カローラスポーツとヤリス、カローラスポーツとマツダ3、どちらも現実感はないような。ヤリスとフィットだと自動車雑誌の比較レポート。N-WGNとN-BOXなら多少現実に近づく感がありますが、舞台は地方ではなくレポーターは都内在住と想定できますからね。
レンタカーあるいはカーシェアのノートとスイフト。この辺りが今の空気感に思うのです。下手すると、4人なら二台は勿体ないから一台で行こうよ、もありそうな展開。もちろんこれも想像だけで書いていますよ(笑)

こうして考えただけで、今の特に若者の中でのクルマの位置付けが当時とは大きく違う事を強く感じずにはいられません。自動車メーカーが(特に若者の)クルマ離れの抑止に懸命になるのも当然だよなと思わざるを得ないのです。
Posted at 2020/04/10 21:39:36 | コメント(8) | トラックバック(0) | カタログ話(雑談編) | 日記
2020年04月03日 イイね!

C200ローレウス エディションの試乗車をレンタル

C200ローレウス エディションの試乗車をレンタル整備期間中の代車として約250kmほど使用。
2019年10月登録で約2,000kmの状態。


日本で205型が発売されてから6年目に突入という事で既に円熟の域。時代の変化に合わせる形で、年次改良を怠らず、今でも一線級の実力を持つところは、他車も見習うべきところ。

スポーティな装いが先行していますが、要求性能としてはラグジュアリーも満たせる、そんな間口の広さが恐らく人気の理由の一つ。

Aクラスにセダンが登場し、A35と価格帯が近いことから悩まれる方もいるかと思いますが、スポーティとラグジュアリーの比率が違う点が恐らくの分岐点。

C200はローレウス エディションになったことで、18インチホイールとAMGスタイリングパッケージが標準化。エアサスや追加装備を望まなければ、スポーツプラスパッケージは不要に思います。

昨年同様、☆は三つ。燃費ではなくターボラグ無の走りを楽しむならアリの選択ですが、減速時の挙動等、以心伝心とはならず、やや一癖を感じるのがC200。購入の際には試乗をお勧めします。

そろそろ次世代の姿がスクープされ始めていますが、またもや大型化との噂。このサイズを尊重するなら、円熟が進んだこの型を求め、安心して長く乗るのも悪くない選択の一つと書き添えることにします。
Posted at 2020/04/04 00:24:57 | コメント(0) | クルマレビュー
2020年04月02日 イイね!

2代目タウンエース/マスターエース サーフ(III型)の特別仕様車

2代目タウンエース/マスターエース サーフ(III型)の特別仕様車年代を1980年代に戻して、今回も特別仕様車のお話です。

今回取り上げるのは、2代目タウンエースとマスターエースサーフのIII型からとなります。

タウンエースは、初代ライトエースをベースにしたワイド版として1976年(昭和51年)に登場。同時にダイハツ版となる兄弟車、デルタワイドも登場しています。
当時は、全ての乗用車が排ガス規制への適合に四苦八苦していた時期となり、この種のワンボックスも、48年規制まではその多くが多人数乗車を主目的としたワゴンが設定されていたものの、50年規制導入時には全廃。規制の緩かったバンのみを継続する状況の中、タウンエース/デルタワイドはワゴンもシリーズ設定されているのが目新しくありました。

目新しいといえば、多人数乗車だけでなく、2列目・3列目でのフルフラット化や3列目の折り畳み等、多用途を謳っていたことも挙げられます。このことを以てすれば、従前のワゴンとも異なり、現代に続くワンボックスワゴンのフロンティア的存在とするのも、あながち間違いとは言えません。

このワゴンがこの頃から盛り上がりつつあったレジャーブームの波に乗り善戦。後を追う形となった、同セグメントのバネットシリーズ、ボンゴ、デリカ、一回り大きいハイエース、キャラバン/ホーミー、ファーゴが激戦を繰り広げながら、第一次ワゴンブームを盛り上げることになります。

この激戦、次々導入される新装備が実に刺激的でありまして、初代タウンエースの主なものだけでもハイルーフ・サンルーフ、カーコンポ、フロアシフト・AT、回転対座シート、2段ベッド等、ほぼ毎年のように改良&新装備の追加が行われてきました。

2代目タウンエース/デルタワイドは、1982年(昭和57年)に登場。この時に新たな兄弟車マスターエース サーフが従前ワンボックスワゴンを取扱車種に持たなかったトヨタ店の取扱車種として追加されています。

この頃には、第一次ワゴンブームも沈静化。度重なる豪華装備の追加で車両価格が上昇。比例して車両重量も増加し、動力性能と燃費への影響が出始めたこと。FF化が一気に進んだことで、乗用車でもスペースへの不満が減ったことがその理由と考えられます。

と書きつつも、多人数乗車が可能となるのは、ワンボックスにほぼ限定されていました(プレーリー、シャリオ等も登場しましたが、5人以上の常用となると困難でした)から、そうした需要に向けて、各社のワンボックスはロングライフモデルへの道を歩き始めることとなります。裏では、ミニバンと呼ばれるようになるポストワンボックスを模索しつつ。

タウンエースを筆頭とするこの3兄弟は、途中でマスターエースを廃止すると同時にライトエースを新たな兄弟車に加えるという変更も受けつつ、結局1996年(平成8年)までの足掛け約15年の長期に渡って、作られ続けています。

後で再度触れようと思いますが、小変更を除いた中規模以上の変更としては、1985年(昭和60年)、1988年(昭和63年)、1992年(平成4年)の3回行われていて、この変更を区切りにI型からIV型で分けるのが妥当だと考えるところです。

今回取り上げるのは、その中のIII型という事で。

III型の特別仕様車は、1989年(平成元年)に集中的に設定されています。
ベースとなったのは、タウンエースがスーパーエクストラ、マスターエース サーフがスーパーツーリングの共にスカイライトルーフ付ということで、当時の最多量販グレードとなります。

装備設定の模索をしつつ、更なる量販を狙ったというところでしょう。
それでは、前置きがかなり長くなりましたが、以下紹介していきます。


【タウンエース スーパーエクストラ リミテッド】

(販売期間)
・1989.03

(ボディカラー)
・X63(ライトブルーM(8D8)/ホワイト(045))

(インテリアカラー)
・グレー(HF12)

(特別装備)
・1.カラードドアミラー
・2.専用ステッカー(2WD)
・3.専用テープストライプ(4WD)
・4.外板色共色フルホイールキャップ(2WD)
・5.4WD専用ホイール(4WD)
・6.「LIMITED」リヤエンブレム
・7.専用全面ファブリック張りシート
・8.角度調整式アームレスト(前席)
・9.AM/FM電子チューナーラジオ(2SP リヤスピーカー用ハーネス対応)

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春の特別仕様車ということで、ライトブルー/ホワイトのツートンという、明るいボディカラーを特徴とします。

カローラ店が前身となるパブリカ店からの累計販売台数で1,000万台を達成した記念も兼ねているため、ボディサイドやシートには、10millionが描かれています。


(販売期間)
・1989.09~1989.10

(ボディカラー)
・グレイッシュブルーM(8D6)

(インテリアカラー)
・グレー(HJ12)

(特別装備)
・1.カラードドアミラー
・3.専用テープストライプ(新意匠)
・6.「LIMITED」リヤエンブレム
・7.専用全面ファブリック張りシート(新意匠)
・8.角度調整式アームレスト(前席)
・10.ドアトリム表皮変更
・11.室内蛍光灯(ロイヤルラウンジ用)
・12.リニアモーター式電動カーテン(専用カーテン生地)
・13.カセット一体AM/FMマルチ電子チューナーラジオ4SP

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続いての特別仕様車は、夏を飛ばして秋に登場。
特別仕様車としては唯一のモノトーンのボディカラーです。

春の特別仕様車と比較すると、電動カーテンやカセットステレオ等の追加が見受けられます。

先に書いたとおり、ワンボックスワゴンは、第一次ブームの中でカーコンポの台数増にも貢献しました。比較的若いユーザーが多かったこともあり、広大なスペースを良い音で鳴らすには、高価なシステムが必要とされた訳です。
しかしながら、今回の特別仕様車は、あまりオーディオに凝った設定ではなく。恐らく、想定はファミリーカーユースという事で高価なものは不要と判断されていたのでしょうね

これは余談となりますけれど、今のモニターの大型化なんかは、第一次ブームの時のカーコンポへの要求と重ねて見ていたりします。



(販売期間)
・1989.12~1990.01

(ボディカラー)
・27R(グレーM(168)/シルバーM(148))

(インテリアカラー)
・グレー(HJ12)

(特別装備)
・1.3.
・6.~ 8.
・10.~ 13.
・14.メッキドアハンドル

冬の特別仕様車です。
これまで同様、グレーを基調色としながらも、再びツートンに戻りました。

仕様等は前回と殆ど変わっていません。



以上がタウンエースの特別仕様車となります。
一方、兄弟車となるマスターエース サーフにも並行して特別仕様車が設定されていました。

追加装備としては、若干の違いはあれどほぼ同様。
そんな中でのマスターエース サーフの特徴としては、カラーリングの違いとなるかと思います。

タウンエースのグレーに対して、マスターエース サーフはベージュ。標準仕様では、両車がどちらも選べる形でしたが、特別仕様車では特化したということで。

【マスターエース サーフ スペシャル】

(販売期間)
・1989.03

(ボディカラー)
・X62(ライトベージュM(4K1)/レディッシュブラウンM(4K6))

(インテリアカラー)
・セーブル(HG45)

(特別装備)
・1.
・3.~ 5. 
・7.~ 11.



(販売期間)
・1989.09~1989.11

(ボディカラー)
・21L(ライトレディッシュブラウンM(4K7)/レディッシュブラウンM(4K6))

(インテリアカラー)
・セーブル(HG45)

(特別装備)
・1.
・3.~ 5.
・7.~ 8.
・10.~ 13.

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(販売期間)
・1989.12~1990.01

(ボディカラー)
・28R(ウォームシルバーM(169)/レディッシュブラウンM(4K6))

(インテリアカラー)
・セーブル(HG45)

(特別装備)
・1.3.
・6.~ 8
・10.~ 14.

この3仕様、ロワー側のボディカラーは同じという事で、見分けられたら、やはり達人の域だと思うのです。


以上、いかがだったでしょうか。

先に書いたとおり、この時期は、第一次ブームとミニバン登場の狭間であり、ワンボックスに注目が集まるとは言い難い状況でした。しかしながら、ゆとりのあるファミリーカーとしてワンボックスを求める層も根強く存在していました。

個人的な話で恐縮ですが、この型のタウンエースは、今回紹介した特別仕様車でこそないものの、お隣がロイヤルラウンジの2WDディーゼルターボ、叔父がスーパーエクストラの2WDディーゼルターボ ツインムーンルーフに乗っていたこともあり、懐かしい存在だったりします。この2台共、子供たちの成長を見守りながら、ディーゼル規制に影響される時期まで、長く使われていました。商用車ベースということもあり、耐久性では優れた存在だったように思います。

あと、カローラやマークIIを乗り継いだ父も、ワゴン車は心の片隅にいつもあったようで、それを滲ませる会話は時折ありました。タウンエースはその筆頭。私も含め、父以外の家族はセダンを望みましたので、数年前にヴォクシーに代替するまで、夢の実現には時間がかかることとなるのですけれど。

この兄弟車も、ワンボックスとしては最後の世代、次世代以降はセミキャブのミニバンへと進化していきます。進化の過程で、走行性能や安全性能は飛躍的に向上した反面、スペース効率の点では後退することになります。末裔となるノア3兄弟は、今や5ナンバーフルサイズですし、近いサイズのシエンタとは空間の広さの違いは歴然ですから。

今では機構も含めて再現は望めない存在。だからこそ当時のワンボックスを求めるマニアが存在するというのも、理解できるのです。


最後にまたしてもの余談です。
この兄弟車、登場時点で他のワンボックスが全て一気に古臭く見えるくらいのモダンな装いに先ず驚かされました。後続となる、1983年のボンゴ、1985年のライトエース・バネット、1986年のラルゴ・デリカもスタイリングに注力したワンボックスですが、それらと比較してもスタイリングで見劣りは感じませんでした。今でもワンボックスのgood lookingの一台だと思います。

見劣りしなかったもう一つの理由に、その長い歴史の中で、外観を中心に比較的大きな改良が行われていたことも挙げられます。特にIII型からIV型への変更は、ルーフ以外は面影こそ残すものの、ほぼ別物という有様。当時、ニューモデルマガジンX誌は、モデルチェンジとしてスクープしてもいましたから、実はマイナーチェンジというのには驚かされました。これが認可され、140クラウンロイヤルでは認可でもめたというのも難解な話ではあります。

話が脱線しましたので戻します。
さて、I型からIV型まで兄弟車含め各種ある中で、一番グッドルッキンなのはどれなのだろう。これまた、私の中では悩ましい問題です。

以下、これまで紹介したIII型以外を並べてみます。
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左上から順に、タウンエースI型、同II型、同IV型、マスターエースI型、VAN(輸出仕様)I型、同II型、ライトエースIV型、デルタワイドI型

先ず、5マイルバンパーに萌える気持ちは理解しますが、私的には小型バンパーの方が好み。次に、他車の例にもれず、このクルマもまた初期型の良さは感じるのですが、II型にそれを上回るものを感じていまして。もっとも、初期型がベストと思う時期も長かったのですけれど。

従って私の(今の)ベストは、タウンエースII型。さらに条件を加えるなら、VANの装いを見てしまうと、スカイライトルーフに惹かれつつも、スタイルならミドルルーフと書いてみます。

恐らく意見が割れるだろうなと予想しつつ。ここを読まれたあなたのベストは、どのモデル、どの世代ですか?


【カタログ以外の画像の引用元】
FavCars.com

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「12年目の1年点検に入庫 http://cvw.jp/b/1984303/48573850/
何シテル?   07/31 22:03
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