当初の想像をはるかに超えて、新型コロナウィルスが猛威を振るっております。
既に楽観視は、命にも関わりかねない危険を招くことに他なりません。皆さま、くれぐれもご注意くださいませ。
このウィルスの影響で、再び多忙に戻り、このGWも本日以外、お仕事確定。
でも、こんな時だからこそ、隙間を見計らって更新してしまいます。
あまり調べずに書けそう&私自身の思い入れ沢山ということで、古の自動車雑誌記事を基に散文を。
出典元は30年以上前の記事となりますが、指摘が入った場合等は消すこともあります、と予め書いておくことにします。
さらに念のため書いておきますが、コロナウィルスとここで取り上げるコロナが全くの無関係であることはあえて言うまでもなく。便乗で取り上げた意図は全くありません。ここを読まれている方なら、私の歴代コロナへの強い思い入れはご理解いただけていると思いますけれど。
閑話休題。それでは記事に入っていきます。
今回取り上げる記事は、月刊自家用車誌が170カリーナが登場した際に170コロナ&90カローラと比較したものとなります。
今や4ドアセダンは、もはやニッチなマーケットと分析されていますが、当時はマーケットの中心。90カローラはモデルチェンジ直後からベストセラーを独走し、170コロナもまたミドルクラスのトップセラーの位置にありました。
両車の後を追う形となった170カリーナは先行2車とどう違うのか。もしかすると今視点ではあまり意味をもたない比較に映るのかもしれませんが、当時は大いに迷うに値する内容だったのです。
各車、いずれも多くのバリエーションを持っていましたが、話題の中心となるのは、各々のイメージリーダーとなるグレードが選ばれています。
当時の広報車らしく、オプションも多数装着。
イメージカラーは、カローラがスーパーホワイトIIでそのまま。コロナはレッドマイカ、カリーナはダークグレーマイカがその位置にありましたが、両車の広報車は共にダークブルーマイカとなっています。
先ずは外観の比較から。
当時、カローラとコロナは見分けがつかないというのが定評でした。並べてみると、キャラクターラインの引き方等こそ異なるものの、イメージに大きく影響するレンズ類の形状や配置が近いのが、似ていると映る要因なのかなと。私的には結構違うと見受けていたのですけれど。
この両車から少し離れたのがカリーナ、と言いたいところですけれど、これもまたクルマに詳しくないと、同じに映る可能性は否定できず。それでも差異を見出すとすれば、印象を変えている要素の一つがリヤナンバープレートの位置。カリーナは国内専売ということで可能となった配置です。このテールレンズのまま、ナンバープレートをバンパー上に配していたら、スプリンターに極めて近い印象となっていたでしょうね。
ヘッドランプのイエローバルブはオプションながら、当時を想起させるアイテム。カリーナでの装着率は低かった印象ですけれど。
カリーナとコロナのバンパーは、当時でも少数になりつつあった、アンダーパネルを構成しない小型の物。コロナは先代で一体型のバンパーを採用していたのですが、この代では何故かこの形状に逆戻りしてしまいました。小型の分、補修費用は軽減できるのかも、ということで。
この比較で、私はコロナを選び、色もこのダークブルーマイカとなったのです。
外観に続いては、走りの評価です。
私は100%真に受けて、この内容を受け取ったのですけれど・・・
トヨタは差異を付ける意図もあって、排気量を小刻みに分けていたのですが、まぁ真正面から比較すれば、大排気量でスペック上でも有利な1800が一番となるわけで。当時、既に主流となっていたATは特にトルクが肝心ですからね。
「カリーナとコロナの1500は、カローラよりももっと滑らかに加速」とあり、あまり迷わずでコロナを1500で選んだのですが、実際は明確にトルク不足でした。
MTなら印象が異なっていたのかもで、ATに加えてOP多数での選択が悪かったのかも、とは今更ながら。
操縦性は、当時の高原氏がレポートの都度書かれていた内容でもあり。もちろん真に受けましたとも。で、後になって気付くのです。
カローラは高速コーナーで怖いと書かれています。後から追加されたSE-EFIでは評価が多少良くなって、タイヤサイズの違い(EFIは175/70R13、キャブは155R13)がその原因とされていました。同誌の長期レポート車での比較もされての分析ですが、実はスタビライザーの省略が一番の違いと思っています。EFIにはリヤスタビライザーのみ追加。
コロナとカリーナは、このグレードだと共に前後スタビライザー付でしたが、1500になるとコロナのみリヤは省略されています。オプションで185/70R13を奢った割に、高速のタイトコーナーは怖いなぁと何度か思い、その理由は代替後ずっと後になってから知りました。
GX81の1G-Fは、やはりリヤスタビが省略されていて、仕様向上プロジェクトの中で後付を実現するのですが、装着前後ではっきりと判る違いを実体験できたのです。
カリーナとコロナでサスペンションの味付けを変えているというのは他誌でも指摘されていましたが、この場合は4Sと4Aという搭載エンジンの違いも大きいかもですね。フロントが軽いのもまた操縦性の構成要素の一つというのもまたGX81とJZX81の経験から。
実体験を重ねたことで、揚げ足取り的になっていますが、真剣に(もしかすると微妙の域かもしれない)違いを伝えようとしている姿勢は、実は今でも高く評価しています。多くのグレードの中から、何がベストなのか。そうした分析・解説では当時、月刊自家用車誌が最もきめ細かに書かれていました。
高原氏の新車レポートには、今でも当時の記事を想起させるきめ細かさを感じます。
インテリアと装備の比較です。
自分の中では、マルーンは流行遅れで、ブルーやグレーのインテリアカラーに魅かれていた頃です。
インパネ形状も外観に続いて、コロナが好み。
シート生地だけは、カリーナのツィード調がお洒落に映りましたが、モケットの旦那仕様にも同じくらい魅せられていて。ボタンがずらりと並ぶインパネ共々、豪華という言葉に何より弱かったんですよね。
トヨタもその辺りは心得ていて、微妙に各種装備はコロナが一番上級の設定でした。
掲載されている価格は消費税の導入前であり、導入時にはここから6%ほど値下がりしました。
P/Sは中級以上、P/Wは上級のみ、C/Sはさらに上級の一部、A/Cは全車OPというのが当時の設定でした。もちろん安全装備の類は殆ど装備されていません。それで、この価格というのは、標示上は今より明確に安いものの割安かは判断が分かれるところでしょうか。仕様で書けば、内外装の質感も今とは格段の違いもありますし。
そしてもう一つはグレード数が多いのも今との違いです。一部売る気があるのか疑わしいグレードもあるものの、ほぼ夫々に理由があり、きちんと比べられて選ばれていたように思います。売り手に勧められるまま、なんていうのも勿論ありましたけれど。
下段に書かれている結論の内容もまた、大いに影響を受けました。
冒頭の部分は、今でも自分の中では一つの基準となっています。こうした文章に私は育てられたと間違いなく言えるのです。
本文でも何度か書きましたが、この比較により、私の最初のクルマは内定しました。この記事がなければ、違う車種・グレードになっていた可能性も大。そういう意味では私のクルマ人生を決定付けた記事とも言えます。
30年以上の時を経て、クルマは大きく変わりました。単純にハードウェアの優劣を論じれば済む存在ではもはやないのかもしれません。そんな状況を反映してか、今はこうした比較記事を見かけることは少なくなりました。比較したとしても数値化し易い燃費ぐらいで済ませているものが多く。
でも、クルマにとって一番大事なのは燃費では決してない。それよりもはるかに自分の好みに合うのかが大事。好みに合わず、早々に手放したら燃費の少々の差なんか、直ぐに吹き飛ぶ金額差が確実に生じます。
だからこそ、クルマには真剣に選ぶ価値が今でも確実に存在すると思いますし、その一助となるべき専門誌は、その書き手は、対象となるクルマの特性を、他車との違いを、深く広く分析し真摯に伝えて欲しいのです。
2020/5/4追記
お仕事多忙につき、コメントの返信にしばらくお時間を頂戴します。