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2020年05月30日 イイね!

古の自動車雑誌の記事から(C33ローレル VS X80マークII)

ここ一か月ほど、新型コロナウィルスに関連するお仕事に携わることで、多忙な日々を過ごしてきました。更新もなかなか出来ず。

長く感じた緊急事態宣言もようやく解除され、何となくホッと一息の感があるのかもしれません。でも、決して忘れてはいけないのは、ワクチンはもちろんウィルスの全容解明にすら、未だ至っていないという事。

正解は一つではありませんし、押し付けにならない判断は様々あっていいとも思います。ただ、その判断が招く、招きかねないものは何か、そこまで深く考えた末での行動が必要とは。後悔するような状況に至った時には、自身だけでは絶対に完結しない事態となりますよと。


珍しく真面目な話を冒頭に掲げつつで、本題に入っていきます。
調べて、時間をかけての内容は難しい状況ですので、前回に続いて、古の自動車雑誌記事を基にした散文としてみます。先々は以前の構成に戻したいと思っていますけれども、今はご容赦くださいということで。




今回取り上げる記事は、月刊自家用車誌がC33ローレルの登場時にX80マークIIと比較してレポートしたものとなります。

X80マークIIより僅かに遅れる形で、A31セフィーロを発表し、その対比が大きな話題となったこのセグメント。でも日産にとって、A31セフィーロはあくまでも第一陣となる先行部隊の役割。本命は、今回ご紹介するC33ローレルにありました。

登場直後から代替需要を主な原動力に、当時の不動のベストセラーであるカローラすらも凌ぐ勢いで一気に販売台数を伸ばした、X80マークII。偶然にも昭和から平成に替わる狭間に世代交代を果たした、C33ローレル。この両車の対決は、歴代を通して、どちらのメーカーにとっても譲ることはできない戦いであり、ここに最大級の激突があったと認識しています。


最初の頁には、両車のフロントマスクとリヤテールが対比的に掲載されています。
共に高級を標榜するクルマであり、凝った意匠を持ちながらも、どちらも押しつけがましい存在感とやらを感じさせることはありません。むしろ、奥ゆかしさを感じさせる領域。昨今のエモいとか評されるデザインに食傷している身からすれば、それは高貴にすら映ります。





最初はスタイリングやパッケージングの比較です。

FFへの移行を行わなかったこのセグメントは、室内空間の点では一クラス下となるミドルセダンに譲る環境にありました。

当時のユーザーは、広大な空間を求めることはせず、むしろスタイリングやプロポーションの方が大事と考えていました。本流となる4ドアセダンではなく、後から追加された4ドアハードトップが好まれたのも同じ理由です。この辺り、指向が完全に逆転した現代とは隔世の感があります。

ここまでは良車同じですが、味付けの部分は異なっています。
先代をベースにルーフを10mm下げたり、ピラーを少しだけ寝かせたことで、パッケージングとしては破綻ギリギリと言えるマークIIハードトップ。

ローレルは、マークIIよりも当時一世を風靡したカリーナEDからの影響を感じます。シートポジションを下げることで、マークII以上に寝かされたフロントピラーとさらに低い車高を成立させています。


マークIIには、輸出や営業車用途を考慮したセダンも設定されていました。ローレルも先代まではセダンが設定されていたのですが、この代では営業車用途に絞られ、モデルチェンジが見送られています。

本文では触れられていませんが、実はマークIIのハードトップとセダンは、ルーフの高さが異なるだけではなく、リヤシートの形状や構造、パッケージングからして異なっていたりします。そんな違いを知る人も少なく、セダンは一般受けしたとは言い難いですけれどね。


両車、最後の5ナンバーサイズでもあり、習熟を極めた感もあります。そのサイズと相まって、今のクルマ達と並べると、繊細な印象を第一に受けます。





パッケージングに続いて、走りの比較です。

先代のローレルは、直6のSOHCとV6のSOHCターボで登場。さらにマイナーチェンジで直6のDOHCターボを追加するという理解に苦しむ構成でしたが、この代でようやく直6で揃える構成となりました。

商品性の点では、中級以下をハイメカツインカムで揃え、上級にはターボとスーパーチャージャーを並べたマークIIが一枚上手だった感は否めません。スペック以外の実力の点では、成熟が進んだRBが勝っていたのかな、というのは個人的印象。

本文で指摘されている、ATにおける油圧と電子制御の差は、正しくその通りで、1G-Gの存在意義の一つですらあったと、1G-G→1G-Fと乗り継いだ経験から言えます。


左頁には、ローレルに新たに設定された目玉グレードの一つ、クラブSが紹介されています。Y31セドリック/グロリアを飛躍させた立役者、グランツーリスモの立ち位置&テイストに寄せることも商売上アリに思えましたが、ローレルでは主力たるメダリストの上級グレードとされていました。

マークIIは、クラブSに対抗してGTの1G-G版を追加するかもと予想したのですが、実現は1JZ-GEとの組合せ(ツアラーS)で次世代に先送りとなります。





サスペンションは、主査の英断もあってボディ設定同様、マルチリンクに統一されたローレルと輸出や営業車用途でリヤリジッドを残さざるを得なかったマークIIの対比。

Y31セドリック/グロリアとS130クラウンでは同じような設定差があって、クラウンはマイナーチェンジでIRS採用グレードを増やすことになりますが、マークIIはそのままで変わることはありませんでした。4気筒やディーゼルを選択する際の判断材料の一つであった気はします。

この代ではマークII:ダブルウィッシュボーン、ローレル:マルチリンクを新たに採用ということで、それまで長く続いたセミトレーリングアームからの進化が行われています。言うまでもなく、メルセデス(W201&W124)からの影響ですね。

両車を比較するとHICASIIにSSを揃えたローレルの方が足回りは凝っていた感があります。同時期に盛んだった901運動の反映なのでしょうね。

快適性は、車外との隔絶感を強調したマークIIと運転していることを多少意識させるローレルといったところでしょうか。この部分は、元々ミドルサルーンとの大きな違いの一つであり、その中でテイストを変えたというのが正しい見方だと思います。

インパネは、両車共にミドルサルーンからの流行を受け継ぐ富士山型のメータークラスターで構成。このメータークラスターも、影響元は恐らくメルセデスのW201。1987年に登場した、カペラ、ブルーバード、コロナが一斉に採用して、インパネだけでは見分けがつかないと揶揄されたりもしました。

このセグメントではもう一段の作り込みが可能となって、ローレルでは中間帯に布地を挟むことで新鮮かつ豪華な印象をアピールしています。マークIIも最上級のみインパネロアにファブリックを採用。今では求め得ない豪華さ、凝った作りが存在していました。





高原氏のレポートで一番共感できるのは、前回と同じく結論の部分と言うのが私感です。

最先端のマーケティングがトップセラーへの道を歩ませ、社会現象と評されるまでに至った先代マークII。この代ではその先代をベースにトヨタでしか実現できなかった究極の作り込みを実現しています。次世代が3ナンバー化&コストダウンへの道を歩んだことからすると、「5ナンバー専用車の一つの結論」「考え方が終章に入った」というのは予知的ですらあります。

一方のローレルは、カルテットLの中ではマークIIに一番近いながらも、こうして比べてみると、結構な違いが浮かび上がってみたりもします。


かくして、両車共に市場では好意的に受け入れられ、バブルという時代背景もあって、共に歴代の最多量販を記録しています。

モデルライフを通してみると、年次改良を怠らず3ナンバーにも積極的に進出し、特に2.5Lがディアマンテと共に新たな市場を開拓したマークIIに対して、2.5Lの市場に懐疑的で後手に回ったローレルは、特に後半で大きな差が付いてしまいました。ユーザーの要望に応えるという大義名分の元、必要以上に仕様を増やし過ぎたのもローレルで、このことは日産の懐を痛める要因の一つにもなります。

でも、そんなことは既に過ぎ去ったこと。

クルマが一番輝いていたと感じられる時代のメインストリーマーだった両車を懐かしむのが一番相応しいと思うのです。


冒頭に掲げたコロナウィルスは、クルマという商品においても一つの曲がり角になるのかもしれません。それぐらい先行きは混迷を深めてもいます。だからこそ、あの時代を振り返って見るのも決して無駄にはならない、そんなことを思うのですけれどね。
Posted at 2020/05/30 20:06:09 | コメント(5) | トラックバック(0) | 徒然昔話 | クルマ
2020年05月03日 イイね!

古の自動車雑誌の記事から(トヨタ・セダン3車の比較)

当初の想像をはるかに超えて、新型コロナウィルスが猛威を振るっております。
既に楽観視は、命にも関わりかねない危険を招くことに他なりません。皆さま、くれぐれもご注意くださいませ。

このウィルスの影響で、再び多忙に戻り、このGWも本日以外、お仕事確定。
でも、こんな時だからこそ、隙間を見計らって更新してしまいます。

あまり調べずに書けそう&私自身の思い入れ沢山ということで、古の自動車雑誌記事を基に散文を。
出典元は30年以上前の記事となりますが、指摘が入った場合等は消すこともあります、と予め書いておくことにします。

さらに念のため書いておきますが、コロナウィルスとここで取り上げるコロナが全くの無関係であることはあえて言うまでもなく。便乗で取り上げた意図は全くありません。ここを読まれている方なら、私の歴代コロナへの強い思い入れはご理解いただけていると思いますけれど。


閑話休題。それでは記事に入っていきます。



今回取り上げる記事は、月刊自家用車誌が170カリーナが登場した際に170コロナ&90カローラと比較したものとなります。

今や4ドアセダンは、もはやニッチなマーケットと分析されていますが、当時はマーケットの中心。90カローラはモデルチェンジ直後からベストセラーを独走し、170コロナもまたミドルクラスのトップセラーの位置にありました。

両車の後を追う形となった170カリーナは先行2車とどう違うのか。もしかすると今視点ではあまり意味をもたない比較に映るのかもしれませんが、当時は大いに迷うに値する内容だったのです。





各車、いずれも多くのバリエーションを持っていましたが、話題の中心となるのは、各々のイメージリーダーとなるグレードが選ばれています。
当時の広報車らしく、オプションも多数装着。

イメージカラーは、カローラがスーパーホワイトIIでそのまま。コロナはレッドマイカ、カリーナはダークグレーマイカがその位置にありましたが、両車の広報車は共にダークブルーマイカとなっています。


先ずは外観の比較から。

当時、カローラとコロナは見分けがつかないというのが定評でした。並べてみると、キャラクターラインの引き方等こそ異なるものの、イメージに大きく影響するレンズ類の形状や配置が近いのが、似ていると映る要因なのかなと。私的には結構違うと見受けていたのですけれど。

この両車から少し離れたのがカリーナ、と言いたいところですけれど、これもまたクルマに詳しくないと、同じに映る可能性は否定できず。それでも差異を見出すとすれば、印象を変えている要素の一つがリヤナンバープレートの位置。カリーナは国内専売ということで可能となった配置です。このテールレンズのまま、ナンバープレートをバンパー上に配していたら、スプリンターに極めて近い印象となっていたでしょうね。
ヘッドランプのイエローバルブはオプションながら、当時を想起させるアイテム。カリーナでの装着率は低かった印象ですけれど。

カリーナとコロナのバンパーは、当時でも少数になりつつあった、アンダーパネルを構成しない小型の物。コロナは先代で一体型のバンパーを採用していたのですが、この代では何故かこの形状に逆戻りしてしまいました。小型の分、補修費用は軽減できるのかも、ということで。

この比較で、私はコロナを選び、色もこのダークブルーマイカとなったのです。





外観に続いては、走りの評価です。
私は100%真に受けて、この内容を受け取ったのですけれど・・・

トヨタは差異を付ける意図もあって、排気量を小刻みに分けていたのですが、まぁ真正面から比較すれば、大排気量でスペック上でも有利な1800が一番となるわけで。当時、既に主流となっていたATは特にトルクが肝心ですからね。

「カリーナとコロナの1500は、カローラよりももっと滑らかに加速」とあり、あまり迷わずでコロナを1500で選んだのですが、実際は明確にトルク不足でした。
MTなら印象が異なっていたのかもで、ATに加えてOP多数での選択が悪かったのかも、とは今更ながら。


操縦性は、当時の高原氏がレポートの都度書かれていた内容でもあり。もちろん真に受けましたとも。で、後になって気付くのです。

カローラは高速コーナーで怖いと書かれています。後から追加されたSE-EFIでは評価が多少良くなって、タイヤサイズの違い(EFIは175/70R13、キャブは155R13)がその原因とされていました。同誌の長期レポート車での比較もされての分析ですが、実はスタビライザーの省略が一番の違いと思っています。EFIにはリヤスタビライザーのみ追加。

コロナとカリーナは、このグレードだと共に前後スタビライザー付でしたが、1500になるとコロナのみリヤは省略されています。オプションで185/70R13を奢った割に、高速のタイトコーナーは怖いなぁと何度か思い、その理由は代替後ずっと後になってから知りました。

GX81の1G-Fは、やはりリヤスタビが省略されていて、仕様向上プロジェクトの中で後付を実現するのですが、装着前後ではっきりと判る違いを実体験できたのです。

カリーナとコロナでサスペンションの味付けを変えているというのは他誌でも指摘されていましたが、この場合は4Sと4Aという搭載エンジンの違いも大きいかもですね。フロントが軽いのもまた操縦性の構成要素の一つというのもまたGX81とJZX81の経験から。

実体験を重ねたことで、揚げ足取り的になっていますが、真剣に(もしかすると微妙の域かもしれない)違いを伝えようとしている姿勢は、実は今でも高く評価しています。多くのグレードの中から、何がベストなのか。そうした分析・解説では当時、月刊自家用車誌が最もきめ細かに書かれていました。

高原氏の新車レポートには、今でも当時の記事を想起させるきめ細かさを感じます。





インテリアと装備の比較です。
自分の中では、マルーンは流行遅れで、ブルーやグレーのインテリアカラーに魅かれていた頃です。

インパネ形状も外観に続いて、コロナが好み。
シート生地だけは、カリーナのツィード調がお洒落に映りましたが、モケットの旦那仕様にも同じくらい魅せられていて。ボタンがずらりと並ぶインパネ共々、豪華という言葉に何より弱かったんですよね。

トヨタもその辺りは心得ていて、微妙に各種装備はコロナが一番上級の設定でした。





掲載されている価格は消費税の導入前であり、導入時にはここから6%ほど値下がりしました。
P/Sは中級以上、P/Wは上級のみ、C/Sはさらに上級の一部、A/Cは全車OPというのが当時の設定でした。もちろん安全装備の類は殆ど装備されていません。それで、この価格というのは、標示上は今より明確に安いものの割安かは判断が分かれるところでしょうか。仕様で書けば、内外装の質感も今とは格段の違いもありますし。

そしてもう一つはグレード数が多いのも今との違いです。一部売る気があるのか疑わしいグレードもあるものの、ほぼ夫々に理由があり、きちんと比べられて選ばれていたように思います。売り手に勧められるまま、なんていうのも勿論ありましたけれど。


下段に書かれている結論の内容もまた、大いに影響を受けました。
冒頭の部分は、今でも自分の中では一つの基準となっています。こうした文章に私は育てられたと間違いなく言えるのです。


本文でも何度か書きましたが、この比較により、私の最初のクルマは内定しました。この記事がなければ、違う車種・グレードになっていた可能性も大。そういう意味では私のクルマ人生を決定付けた記事とも言えます。

30年以上の時を経て、クルマは大きく変わりました。単純にハードウェアの優劣を論じれば済む存在ではもはやないのかもしれません。そんな状況を反映してか、今はこうした比較記事を見かけることは少なくなりました。比較したとしても数値化し易い燃費ぐらいで済ませているものが多く。
でも、クルマにとって一番大事なのは燃費では決してない。それよりもはるかに自分の好みに合うのかが大事。好みに合わず、早々に手放したら燃費の少々の差なんか、直ぐに吹き飛ぶ金額差が確実に生じます。

だからこそ、クルマには真剣に選ぶ価値が今でも確実に存在すると思いますし、その一助となるべき専門誌は、その書き手は、対象となるクルマの特性を、他車との違いを、深く広く分析し真摯に伝えて欲しいのです。

2020/5/4追記
お仕事多忙につき、コメントの返信にしばらくお時間を頂戴します。
Posted at 2020/05/03 22:01:36 | コメント(8) | トラックバック(0) | 徒然昔話 | クルマ

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「12年目の1年点検に入庫 http://cvw.jp/b/1984303/48573850/
何シテル?   07/31 22:03
3台計で20年以上の長きに渡って乗り続けたX80系からW204への代替がみんカラを始める動機となりました。 最初はW204関連を主とするはずだったのですが...
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