
新型Eクラス、W213。
先代が不人気で販売が落ち込んだため今回は全てを一新、意欲的な車を作ってきました。
それでもやはりこのクラスは上位のSクラスと下位のCクラスに挟まれてどうしても中途半端な車になってしまいます。今回もパッと見はCクラスと見分けがつかないほどで、それだけCクラスが頑張ったという事ですが・・・
さて早速ノーマルの状態で試乗をしてきます。
豪華な内装はSクラスに匹敵するほどで素晴らしい!ナビは最新で3D表示で路面の凹凸まで表示されます。本当に凄い進化でどこまで進むのでしょうか?
エンジンは2LでCクラスと同じです。これで気持ち良く走るのか心配です。
しかし走ってみると車体が大きくなった分ギヤ比がローギヤードになっておりその分エンジンが回りストレスなく走ります。流石に素晴らしい出来栄えで、そうかといって燃費もかなり良く、9速オートマがいかんなく発揮されています。最後の9速に入るのは何と110キロを超えてからで本当に素晴らしい出来です。
満足な試乗を終えて早速マフラーの開発に入ります。
ノーマルマフラーを詳しく見てみると、Cクラスのレイアウトと殆ど同じです。
パイプ径は一回り太く70φで出来ておりこの排気量では完全にオーバーキャパの容量を持っています。しかし今のTBエンジンのハイブースト加給圧を補い高回転時に出来るだけ垂れてこないようにこのパイプ径が採用されているようです。
そして何と!フロント部分からリアエンドまで全部一体でどこにも分割されておりません。
これでは仕方ないのでリアピース部分で切断して差し込み式のマフラーにするしか方法がありません。したがってノーマルに戻らないため車検対応が絶対条件となります。
とはいっても当社はそうでなくても車検対応の加速騒音試験を受けますので何も問題はありませんが。
それではノーマルを切断して作っていきます。
まずは切断しやすい所、デフの横の曲り角から45mm手前の潰れの無い直線部分があり、かつ上にも空間がある所で切断します。
ここなら切断しやすい所ですし、差し込みのストレート部分も十分にあります。
差し込み量は50mm欲しいので50mmの所に印を付けておきます。
そして差し込みジョイントを製作して50mm差し込んだところでバンド止めをします。
さてこれで準備が整いましたのでリアピースを製作していきます。
まずはノーマルパイプが70φありますので当社も同じ70φを使います。
分岐してからは60φで充分ですので専用のY管を使い60×2に分岐していきます。
この部分メーカー品質の専用部品がありますので違いが見せれる部分ですね!
美しいレイアウトでリアタイコまで持っていきます。
そしてテール部分ですが、当社Cクラスのマフラーと同じように1本テールではなく2本テールでディフューザーに持っていきます。スペースが大変ですがディフューザーの中にデュアルパイプで来る高級感と、今後E63AMGが販売されて63のディフューザーに交換した時に1本出口では似合いませんのでこれを見込んで最初からデュアルテールのレイアウトにしました。


苦労しましたが何とか完成!
非常に美しいレイアウトのマフラーが出来ました。

価格はハーフステンレス 158,000円、オールステンレス 198,000円です。
それでは早速試乗に出かけます。
ノーマルとはエンジンをかけた瞬間からすぐに違いの分かる排気音が鳴ります。
やはりマフラー交換はいいですね。気持ちいい音が堪能できます。
ノーマルの低、中速トルクが一回り太くなって気持ちいい加速をします。高回転も少し伸びがありマフラー交換の効果がよく表れております。本当に気持ちいい!!
大変満足のいくマフラーが出来ました。
しかしリアピース交換ではここまでで、もっと走りを求めるなら前部分を交換する必要があります。
究極を求めてフロントパイプ、中間ピースを製作していきます。
ノーマルが全て一体の構造のためフロント、中間は単品では交換できず一緒に交換する必要があります。
それではノーマルの構造を詳しく見ていきます。

オール70φで出来ていますがジャバラ(フレキシブルチューブ)の後部分がかなり潰れています。メーカーは量産に適した金型を使うためこういう部分が多くあります。
その後ろ部分は二手に分かれていてまた集合しています。
これは流速を稼ぐためと思われますが排気の抜けを考えた場合パイプの潰れが大きいため抵抗になってしまいます。こういった部分を全て改善して最高の排気効率を目指して製作していきます。
フロントパイプのジョイントは完全に純正に合わせて専用パーツを作ります。
オール70φで潰れも無くスムーズに作っていきます。
ノーマルと同じ位置に当社スポーツ触媒をセットして排気効率と排気の浄化を両立させます。また今になって排気温度センサーが付くようになり緻密な燃焼を制御していますので純正と同じ位置に排気温度センサーを取り付け出来るようにして、更にO2センサーも同じように取り付け出来る様に製作していきます。
そしてフロントパイプが完成!!
凄く抜けが良く、ブーストも上がってパワーアップしそうです!
続いて中間ピース。
排気効率が格段に上がる分排気音が大きくなるために出来るだけ搭載サイズの大きいタイコを入れて製作します。
潰れの無い70φパイプがノーマルのバーをくぐるためにスペースが厳しいです。
揺れて干渉してはいけないのでバーの部分に追加ステーを設けました。ノーマルは一体のため吊り下げステーも少なく分割のアフターマフラーは干渉しかねません。こういったこだわりが完成度を高めると思います。
そして遂に完成!
究極の排気効率を実現したフルマフラーが出来ました。






価格はスポーツ触媒フロントパイプ、中間ピースのセットで238000円 です。
はやる心を抑えて早速試乗に出かけます。
リアピース交換とは明らかに違う排気音。パワー感を伴った抜けの良いマフラーの排気音が堪能できます。
出だしから立ち上がり加速が違います。ぐいぐい加速して明らかに速い!これは楽しいです。しかも低速トルクも低下するどころか逆に上がっており、どの回転からも鋭い加速が味わえます。排気音量もこもらないぎりぎりの所で、これ以上は不快になる手前でどなたでも気持ち良く乗れると思います。ノーマルと比べて20psはパワーアップしているでしょうか?大変満足なマフラーが完成しました。
これでコンピュータ書き換えを行ったら30ps以上はパワーアップするでしょう。
今はまだノーマルのコンピュータが解析出来ておりませんのでしばらくお待ちください。
しかしそれでも十分満足です。なおこのマフラーは全て交換してもノーマルの第一触媒が残りますのでノーマルコンピュータでも何も問題ありませんし各センサーも完璧に取りつきますのでチェックランプも点灯しません。ご安心ください。
大満足のマフラーが出来て気持ちのいい試乗でした。
オーナーの皆様、是非よろしくお願いします。
株式会社ジースプロジェクト
代表取締役 澤村淳