WHS2011

ヲタクじゃないのでアキバの深夜販売とか「グッズが貰えます」なんてのには参加しなかったが、
これまで一連の製品には手を出しているので今回も買ってみた。

今更言うまでもないけれど、この手の製品は情報が少ない。
というか「開示しようにも書ききれない」というのが正鵠だろうと思う。
“ホーム・サーバ”と銘打ってはいても、基本部分はれっきとしたサーバ製品であり、
一般ユーザ向けに使い易いインターフェースやツールを用意したところで本質は変わりなく
「ちょっとパソコンには詳しい」程度では、とてもじゃないけど使いこなせない代物だ。

…なんて吹くのはプロ故の奢りかも知れないけれど、実際のところ「使う」くらいなら誰でもできる。
Linuxだろうとインストールして形にするくらいなら学生でも簡単にやってのける。
ただ、それを実用に耐えるレベル。
即ち他者のニーズに応えるところまで仕上げられるかどうかがプロとアマの違いだと思う。

これはパソコンに限ったものではなく車でも同じだろう。
自分だけが使うものなら多少の不具合も分かっていればどうとでもなるけれど、
全く知らない人に使わせても不自由を感じさせないコンディションを保つには相応のスキルが要る。
それ故に依頼としても受けられるし、「金の取れるプロの仕事」として通用する訳だ。


前置きが長くなってしまったが、今回の内容には正直ビックリした。
一番の違いはAD(Active Directory)が搭載された事だ。
先代まではこの機能は割愛されており、それが正規のServer製品と一線を画すところであった。
実際問題AD(=Directory)というのは簡単なものではなく、
システム・インテグレーションを主とする部署に配属され、日々揉まれている奴ならいざ知らず
入社２，３年くらいのペーペーなら尻込みするくらいの、複雑な理論に基づいた知識が要求される。
とは言え別に隅々まで知っていなくてもどうにかなる物でもある。（ぉ
エンジンのチューンが出来なくても車の運転ができるのと同じようなものだ。
しかしプロの見地からすれば、これがあるのと無いのでは運用に雲泥の差が出てくる。

車に喩えるなら、メーカ出来合いのターボと「VVC,付きECU制御可」くらい違う。
単純に使うだけの前者に対して、空燃比まで補正できるシステムが備われば結果は明白だろう。
とはいえシステムは他者と競うものではなく、そのスペックを誇るものでもない。
コンシューマに於いて全ての機能は、よりコンフォートでコントローラブルな環境の為に存在する。
そしてそれらの機能を「使いこなせるかどうかは使い手次第」というのも道具として本質的に同じだ。
ポテンシャルを５％しか引き出せなくても本人が満足していればそれで十分だし、
８０％以上使っているからといって自慢するものでもない。そもそも誰に自慢するよ？(笑)

そんなこんなで先代では裏技を使っていた(苦笑)他機能も標準搭載され、かなり充実しているようだ。
何より価格が一桁違う。
加えて正規のServer製品だとアクセスする端末毎にCAL(Client Access License)が必要であり、
それ一本の価格でServer本体が買えてしまい追加費用もかからないというのだから、
Microsoftも太っ腹というか「何考えてんだ？」と思いたくもなる。(苦笑)


ファースト・インプレッションということで基幹要素に終始してしまったが、
前評判や製品紹介等を見るとホームユースやリモートアクセスのハンドリングも良くなったようだし
「64bit版」という事で、取り敢えずスケーラビリティの高いマシンにインストールしてみたけれど、
今後は使用用途に対しての負荷のかかり具合や要求されるリソースを見ていきながら、
ホームサーバとして適宜ダウンサイジング(謎笑)していきたいと思う次第である。
24時間回しっぱなしとなると、電気代と発熱量＆空調費がバカになんないのよ…（＾＾ヾ

ちなみにここでSSDを使ったりするのは素人さん♪
省電力というメリットこそあれ、頻繁にOn/Offする物でもないし超高速アクセスを必要としないなら
コストパフォーマンス的にも普通のHDDで十分であるし、容量的にもリーズナブルだ。
そして何より、ウチには１ＴＢ以下のHDDがゴロゴロと余っているのが現実だから。(爆)