2015年12月06日
・ずっとガバメントってなんで銃にゴチャゴチャ付いているんかなーと思っていたのを調べ直したのでカキコ。ガバメントって銃の表側?にスライドと噛み合うレバーが2つ、マガジンキャッチが一つ、グリップセフティーがついている。疑問だったのはスライドのレバーで、一つはオープンボルトで止まり、もう一つは閉じた状態で止まる。まあ後ろのはセフティーだろうけど、銃弾が入った状態でそこロックしても発射自体は止まらなくないかな?って思っていたし、オープンボルトはセフティーじゃないからなんだっけ?と思っていた訳。
で、前側のレバーの正体はスライドストップのリリースレバーで、後ろ側はセフティーではあった。スライドストップというのは全弾打ち尽くすとボルトが開いた状態で止まる仕組みで、装填されたマガジンを入れると自動で次の弾を薬室に送り込んでくれる仕組みだ。だから、コッキング動作は不要になるのだけれど、オープン状態から弾送らずに閉じられるようにリリースが必要な訳だ。サムフティーはコッキングも出来なくなるが、恐らくトリガーもロックするようリンクもロックしているのだろうと思われる。というか、他にはグリップセフティーしかないので、そういうセフティーが普通はどこかに付いているはずだが、スライドまで固定させる必要があるのかは良く分からない。グリップセフティーは逆にオミットする人もいるぐらいで、あんま必要ないみたい。
拳銃のセーフティーで有名なのはトカレフが一切のソレを持たないという事だが、セフティーによる複雑化や故障を嫌ったためと書いてあるが、ガバのコピーではあるがシアのかみ合わせにスプリングが使われて暴発しづらいという前提があるらしく、ガバはそれがないので落下で暴発しやすいシアの構造だそうな。だからあれだけ安全装置が付いているとも言える。また、ウィキだとダブルアクションの銃は暴発しづらいので一種の安全対策になっているという記述があったが良く分からない。確かにコック状態になったシングルアクションの銃が危険なのは分かるが、ダブルアクションだってそうなれば同じだし、トリガーだけで撃ててしまう分危険だと思うのだが、どうやら事情はちょっと違うらしい。
私が聞いた所だとアメリカでも拳銃を薬室まで弾を送り込んだ状態で運ぶ事は一般には禁じられているらしい。ただ、警察や軍隊、法務機関の人達は抜いたらすぐに撃てないといけないので弾を装填した状態で運ぶ。その時にダブルアクションならデコックして運んでいれば安全だが、シングルアクションはデコックがない。また、デコッキングレバーがセフティーを兼ねている。一方シングルアクションのセフティーはシアと組み合わさり方が違うので、かかってても落ちる可能性はあるみたいだった。ともかくシングルアクションをデコッキングしてフルロードはデコッキング時の事故が怖いので普通やらん、みたい。ハンマーを指でゆっくり戻す動作、好きなんだけどね(多分ダブルでも出来るだろうけど、デコッキングの方がスマート)。
じゃあSAオンリーのトカレフの現実での使い方はどうだったのか?普段の携帯では弾は込めない。んで、抜きざまにコッキングも行う、というのがソレらしい。安全だしセフティーもいらないが、薬室に弾があれば無駄になるし、装弾数がどのみち1発少なくなる、というデメリットがあるかな。という事で、理想論としてはダブルアクションのフルロードって事になるんかな。
・哲学ニュースで2003年頃の軍事な怪談スレがあがっていたのだが、ほんと昔の方がスレの含蓄があったようなぁとしみじみ思う。まあ、その中で語られる伝説がわずか60年前の史実だったりするので、それが良い悪いではないが、平和はボケるよねぇ。さて、その中でも再び出てきた怪談というか事実なんだけど、「街道上の怪物」という話がある。1941年6月に、ソ連が敵の増援を防ぐために橋頭堡に1両だけKV2を布陣させ2日に渡りドイツの猛攻を防ぎ街道を閉鎖したというエピソードである。
こう聞くとKV2ってすごい強そうだが、実際は陣地突破用のかなり限定的な性能の物だったみたいで、たまたま街道の防衛に向いていたというのが一つ(そんな物をあちこちに適当に配備しちゃうソ連)。ドイツ軍側に決定的な打撃力が無かったのも幸いしていたとは思う。まあ擱座したと思っていた戦車が生きていて砲塔だけで応戦するという話は半分怪談になりつつも良くあるみたい(逆に車体だけ生きてて帰還したら砲塔の方は全滅してたとかは日本軍側の話であった)。
将来AIがドローンなんかに組み合わされた後、今度陸上兵器もC3リンクなんかで自動化が進み、あるいは兵員は死んでるけど兵器は生きてるような状況もあるかも知れない。シリア周辺でも実はもう似たような話はあるのかもなぁ。
・岐阜県警が20台のパトカーとヘリまで使って万引き犯人を追跡、愛知県側に逃げられて追跡をやめたって話がニュースになっていた。タイトルが詐称的だったので、印象操作という話もあったのだが、改めて考えて見ればやっぱり取り逃がしたというのが正しいだろうな。越境追跡は凶悪犯とかだとあるのだけれど(訓練のニュースもある)、基本縦割行政な警察の区間問題とか、20台も使って阻止出来なかったのか?そもそも万引きにそこまで出動かけるってのも不思議だった。まあ犯人の情報が十二分に得られているようだから、すぐに逮捕されるだろうけれど。
・シリアにおけるロシア軍機の撃墜の話は結構面白い方向に流れていた。そう、これシリアにおける、で正しかったようだ。トルコ軍もNATOも領空侵犯は17秒でロシアにトルコへの脅威になる要素はなく、表向きにも「やりすぎ」という声が聞かれ出した。事が難しいのは、ずっと前から出ていた「反政府組織はISは米帝やトルコの子飼い」というのが本当だったからだ。私はISと米国の関係が良く分からなかったのだが、やっと繋がった。
シリアではアサド政権・IS・穏健派のクルド人反政府武装勢力が三つどもえの戦いをしていて、ロシアは親アサドなので反政府組織も邪魔なので、ISではなく反政府組織を爆撃していた(事実)。で、反政府組織に武器供与をしていたのはトルコとアメリカ。そしてトルコがシリア国境を安全地帯にしてテロリストの隠れ家にしていた訳だ。ロシアはそれを繰り返し爆撃していたので、トルコが国境侵犯を持ち出して撃墜すると警告していたのだが、ロシアはこれを無視、結果撃墜という話になった。で、シリア人武装勢力がロシアのパイロットをパラシュートで落ちている最中に射殺したのが国際法違反だとかプーチンだのロシア大使館だのが言ってるのだが、「テロリストに国際法も何もない」「そもそも爆撃してた相手からやられてるんだから当たり前だろ」とはなる。
ただ、根本的に「穏健派クルド人反政府武装組織」とやらが、ISとどう違うのかについては謎を残したというか、トルコがテロ支援やってるんじゃないかという疑いは強くなった。さらに今回はあまり全面に出てきてなかったアメリカの軍事介入もかなり顕著になってきている。脱出パイロットを救援に向かったロシアヘリを落としたのがアメリカが供与したTOWミサイルだったという報道があって「TOWは対空ミサイルじゃねーよ」と思っていたら、動画で本当にTOWで着陸してたロシアヘリを破壊する映像が出てきてしまった(多分一時映像・TOWには何故かドイツっぽいマークがあったけど、偽装なのかドイツ向けなのか)。
トルコが強気に出た背景にはNATOの圧力があり、旧共産国の東欧を取り込んでロシアに近づいているNATOは脅威なのだが、NATO各国としてもトルコの対ロシア政策に付き合いきれないという話も出ているそうな。実際問題トルコがロシアにガチで戦えるか(戦争とまでは言わないでも経済戦争でも)と言うと、エネルギーを8割がた押さえられてるので普通に考えたら出来ない。ここらへんはトルコも世俗ではなく宗教指導者がトップになって、また昔の中東の困った世界になりかかってるのが見える。大きな戦争にならないのは良いけど、ISがらみはシリアに安定した政権が出来なければ無理だろうし、それは「アフガン」「イラク」を見れば軍事的に安定したって並大抵ではない事が分かる。
今後のシナリオ1:トルコが宗教色を強めて暴走、シリア制圧に出てNATO追い出される。で、世俗派に米ソが肩入れしてトルコ内戦。アメリカは正直ISとの戦いでは少し引いてるので、ここはトルコを切ってロシアと仲良くしないと、そろそろロシアが切れそう。
シナリオ2:EUがISとの戦いをはじめて、逆にトルコを牽制。多分今進んでいるのはこっちのプロセス。イギリスとかも爆撃はじめたが、本質的にはイギリスの安全保障にそこまでISは絡んでこない。ただ、フランスでああいう事があったので、フランスはかなりキレてる。裏としては、これ以上国境が接しているからと言ってトルコにやらせておくと、延々とテロリストを送り出されて困る。
・ストーブ焚いてベアリングの本読んでたら、本田宗一郎さんの話が良く出てくる。内容も大変面白い物だった。まず自動車のフロントのハブベアリングについて。最近はフロントもボールベアリングが普通だが、以前はテーパーローラーベアリング(ティムケンタイプ)が良く使われていた。たしかロードスター(初代)もそうだったはず)。理屈としてはスライスト荷重とラジアル荷重の合成力を受けるからという事もあるが、歴史的にアメリカの工業製品はコロ軸受けが多く、ヨーロッパでは玉軸受けが多くて、アメリカの製品のノックダウンからはじめた日本もアメリカに追随していたのかも知れない。
が、やることなすこと普通と違うホンダさんは、昔っからフロントのハブベアリングも玉軸受けだったらしい。筆者が本田宗一郎さんにテーパーローラーベアリングを売り込みに行った所、「1000台以上の自動車をばらしてきたが、ボールベアリングが壊れた事は1度もないが、テーパーローラーベアリングが壊れたのは見てきたから間違いない、ホンダは玉軸受けで行く」と言い切ったそうな。で、当時は良く分からなかったらしいが、後々調べていくと確かにテーパー式の場合は組み付け精度の問題で軸とベアリングの傾きにミスマッチが生じた場合、コロの端っこが外枠と接触して破損する事が分かったそうで、「宗一郎さんはテーパーローラーベアリングの弱点と、車においてその組み付け精度の限界がある事を見抜いておられたんだ」と感服していました。
これは90年代のとあるホンダ系のショップで聞いた話ですが、ホンダというのは市販車の調査の一環で、よく中古車や破損した物を研究所が引き上げて行って故障の原因調査や長期使用のダメージなんかを調べて居たそうです。なんでも机上の計算だけで済ませて、リリースされてからの不具合調査がおろそかになり、そういう頭でっかちだけがメーカーにのさばるようになると、本田宗一郎のような現場主義が作ってきた日本のブランドもお終いかも知れません。
もう一つ興味深かったのは、カブのコンロッドにはローラーベアリングを使おうとしたけれど、耐荷重性能が足りないのでローラーを増やそうとして、一つの保持器の穴に二つのコロを入れた製品を作れないか打診した話も出てきます。当時はローラー同士が接触するので実現不可能と拒否されたそうで、ホンダは鈴鹿工業だか言う自前の所で当初作ったとかですが、それがどういう製品だったかまでは分かりません。ただ、複数のベアリングを突っ込む案は高速回転させるベアリングだとコロ同士も外輪と内輪同様に潤滑されるので全然問題なく機能するという事がずっと後になって判明して「や本神」ってな話をしていました。もし当時実用化していたら「ホンダ式」とか言う名前になっていたかも知れません。
そう言えば本田宗一郎はすべり軸受けが嫌いで転がり軸受け信者だったという話は聞いた事があります。上のエピソードからしても本田のベアリングへの知識は相当あったものだと思いますが、実際の製品でもホンダの物は他社ならすべり軸受けにしているような物をボール軸受けにしている物があります。たとえばですが、バイクのカムホルダーは普通はすべり軸受けです。というかメタルすら入れずに作ってます。大昔はベアリングを入れないと焼き付いたそうですが、素材の性能が上がってそうなりました。んが、ホンダは昔っからカムはベアリング保持のが結構あります。これが良いことかと言うと、加工精度の問題などから100%正解じゃないような話も聞きますが、まず摩擦係数が全然違うのね。
すべり軸受けの摩擦係数は0.01程度らしいのですが、転がり軸受けは0.001、1桁違います。あと、すべり軸受けは潤滑にかなり依存しています。一応軸が回る事でも圧力は発生するのですが、普通は油圧で持ち上げて流体潤滑にする必要があります。転がり軸受けはそのラグはありません。私は流体潤滑状態のすべり軸受けは余程摩擦が少ないだろうと思っていたのですが、実際は流体の抵抗が増えるので高回転になればそれなりに抵抗も増えてるようです。昔のホンダが図抜けてエンジンが良かったのは、この手の転がり抵抗の積極導入があったのでしょうし、カブが強いのもベアリングの多様があるんでしょうね(もっとも、メイトあたりもビジバイはクランクベアリングはボールベアリングです。マルチになるとクランクの組み込み方が難しくなるので普通すべり軸受けだけど)
・仕事は軽く雑草焼いて、ドラム缶に水汲んで野焼きの準備です。ワイナリーのランチでトマトソースの白菜ベーコンを食べましたが、ホワイトソースより白菜は好きかも。トマトの酸味で白菜の生っぽさ(生という事じゃなくて、魚介類のような風味がする、好き好きだけど)が中和されている感じ。でも白菜をああいう味にするのは拘りだろうから、シェフからすると邪道かも知れない。野焼きでカラスのミイラも焼いたけど、綺麗に白骨化していたので少しもったいないぐらいだった(というか火かき棒としてカラス吊ってた棒を使っただけ)。明日は他の奴の野焼き、ユンボでゴミ置き場になってる水田の一角をほじって、薪になる木は持ち出し、残りは焼く。
・夕方からはゲームやらずストーブで料理しながら読書、音楽も流していたのだが、ダイヤトーンのDS1000も持ち込んで接続してみた。図体が大きい印象があったが、ビクターのSX5と床面サイズは全く同じだった。長さが若干長いぐらい。ただし重さはビクターの2倍はあるんじゃないか!ってぐらい重い。比重だとこれ水より重いよね。
接続してみたら片方は大変いい音が出たのだが、もう片方は故障していて、音が小さくこもっている。ラインケーブルやスピーカーケーブルを入れ違いにしてチェックしてそこまでは特定出来ている。3ウェイでボイスコイルが全部同時に死ぬとかは考えられないので、一番考えられるのはネットワーク系の断線とかコンデンサー死亡、また修理必要なゴミが増えてしまった。
た・だ・ さすがはDS1000というか、もうね、音が素晴らしすぎて、正常でステレオに出来るSX5よりはるかに密度が高い音がする。今のステレオ組んだ時は、「さすがピュアオーディオはサラウンドシステムとは桁が違うなー」とか思った訳ですが、DS1000はさらに2枚ほど上。その時はベト9流していたので、交響曲は圧倒的にこっちのがいい。これはDS1000なおさないといけないわ。現状で使ってるオンキョーとか自作(長岡さんのエスカルゴ)との比較だと、プレーヤーもアンプも違うので簡単ではないけれど、ハイテクの3ウェイだからゴチャゴチャとしているかと思ったらそんな事は無かった。
確かにもう少しハイスピード系アンプと組み合わせたい感じはするけれど、うちのメインのオンキョーのホーンみたいな強い個性はないし、SX5みたいに滑らかさって感じもない。自作のバックロードは効率が高いけど軽さは否めない。そういう色づけは少ないけど、ヤマハのNS10のようなモニター系の無機質な寒色系でもない。これはダイヤトーン全般で感じていた事だけど、あそこって音が暖かい、暖色系の音がする。
Posted at 2015/12/06 23:57:44 | |
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2015年12月04日
・農協の懇親会で怖いナーと思った事なのだが、地区のとある人のネット上での活動が、かなりの高齢者に知られていた。本来農協ではやっちゃいけない事で私は微妙に思っているのだが、広報活動として容認している節がある。ただ、そういう人を役職につけてしまっているのはどうなんだろうなぁ。別に直売系やってない人はほぼ居ない時代だし抜けられると困るのかも知れないけれど、昔の経緯で農協との接点を切られた人もいるし、少なくとも役員につけるべきではないような気もする。若い人なり農協が宣伝しないのが悪いという見方も出来るけど一応ワイナリーはやってる。若い人がじゃあ代わりに宣伝だけして直売しないでいいのか?って気もするしねぇ。販売チャンネル見てもやっぱり関西方面が多いので、遠くの人に産地からの情報発信自体は重要だと思うけれど。ま、そこらへんは新しい話じゃないが、ともかくかなりの高齢者の方がネットのHPという形式に慣れているかも知れない。
・NHKのAMラジオも変人自慢というか、芸人の自己顕示欲みたいなのが増えて辛くなってきた。人選どうなってるんだろう?としか言いようがない。さて、そんな中柳田理科雄先生はネタにマジレスでなかなか好きだ。大学時代に空想科学読本1で腹筋破壊されてからファンですが、最近のSFはある程度は考証してるので、ファンタジー色が強い物への科学考察が増えて、少しそれは違うんじゃないかと思ったりもする。ワンパンマンとかどうでもいいだろうに。さて、ザクがハリボテ重量な時点でどうでもいいのだが、ビームサーベル系についてもライトセイバーはミラーがある反射棒でもういいとして、ガンダムのサーベルについて「ミノフスキー粒子の減衰」か「大気衝突での拡散か」という話は面白かった。どっちも同じように思えるが、宇宙空間のような真空中で拡散するのはおかしい=ライフル同様飛んでいくはずという指摘は確かに。
ただ、ミノフスキー粒子と考えた場合に、今度ライフルの方の減衰はどうなの?って疑問も出てくる。時間的な減衰だとすればライフルだろうがなんだろうが、射程10mが最大程度の物になってしまい意味がなくなる。違う粒子を飛ばしていると考えると、今度「じゃあサーベルも同じ構造にすりゃいいじゃないか」(実際ライフル系からビームソードが出る銃剣のような装備もあるし)となる。まあ、ビームソード系の最大の問題は「チャンバラが出来る理由が分からない」って所なんだろうけどね。
そういえばビームソードのチャンバラはビームを束ねているアイフィールドの仕組みという説は聞いた気がする。拡散しないように束ねているアイフィールドの構造があの刃を作っているのであって、ビーム単体であの形になっているのではないという説だ。その斥力同士が反発してチャンバラになっているのであって、ビームそのものが斥力を発している訳ではないという理屈だ。
もう一つ、ガンダム世界の宇宙は真空ではないという話は良く出てくる。いや、まあ真空なんだけど、エーテル宇宙論というか。このエーテル宇宙論は実際の宇宙の研究が進む前に一時期は支配的だったそうだが、私が生まれる相当前には否定されている。んが、最近になって宇宙の大規模構造におけるダークマター・ダークエナジーという形で「真空にエネルギーが!
みたいな話にはなってきている。
・水着のビキニという名前は、ビキニ環礁の水爆実験の威力の大きさになぞらえて「水爆のように刺激的だ」という事から来ている・・・今なら不謹慎とか言われそうだな。
・仕事は風が強くて野焼きには向かなかったので、伐採木やらなんやらで放置していたナイアガラなどを収穫というかなんというか。やっててほんと心が病むというか、もう感情として感知出来ない何かに蝕まれているような無感覚な痛みを感じる。農業は自然との闘いというありふれたフレーズだが、戦いなんて物にすらならないのが農業だった。
・とは言え、昨今の農業事情についてはちょいと思う所もある。その1:農薬使用量の多さと弱さ。裂果などの生理障害は別だが、病気や成長調整・もちろん害虫駆除などは農薬によって防ぎうる、というかそうじゃないと雨よけ栽培とか非常に高コストな手段になる。で、古老が一番いい時代だったとなつかしむのが「殺菌剤はボルドーだけ・殺虫剤はホリドール」という時代だ。ボルドーは説明不要だが、ホリドール(商品名、化合物の名前はパラチオン)もまた業界では有名だ。農薬がまだ本当に農薬と呼べるほど強力かつ無慈悲だった時代、素晴らしい毒性と浸透移行性、そしてDDTなどと違い自然分解が速いでホリドールは飛躍的に農業を楽にした。当時のリンゴ生産はシンクイムからダニ類までホリドールで対処出来ていた。
しかし、ホリドールは他の生き物にもかなり有害だ。数年前、中国産の冷凍餃子に混入して死亡事件が起きたメタミドホスでさえLD50は30mg/Kgらへんだが、パラチオンはなんと10mg、体重60kgの人間で600mgである。パラコート(除草剤、プリグロの成分の一つ)の場合、正確なLD50は見つけられなかったが、ウィキの俗説として「24%の物で12ml」という話があったので、純粋な物でも2.8gだから、いかに強いか知れる。ただ、ホリドールなど有機リン系神経阻害薬は中和剤・解毒剤が存在するので、原因が分かれば一応対処が出来るが、パラコートの方は解毒剤がない。話が脱線したが、使いたくはないけれど、シャープに効く農薬を少ない回数使うのと、役に立たない気休めで高いのを何度もやらされるのと、どっちがいいのかねぇって話だ。
その2:育種にまさる改良はないけれど、市場でそれが受け入れられるか別。基本的に育種による改良は法的な縛りかネーミングで縛らないと差別化が出来ないのもネックと言えばネック。先日の会合での市場関係者のブランド維持なりブランド形成の話は、当地区でもかなり前から次世代の戦略としてとある上位品種にシフトしようとしたのだけれど、栽培難易度が高すぎて酷い失敗をし、ブランドイメージにむしろ傷をつけたとすら思う。ただ、それは結果論であり、方法論としては正しかったと思う。ただ、人気品種のシャインマスカットが出始めたちょっと前だっただけに、今度この有望品種を冷遇せざるをえない状況になり、むしろ産地の首を絞めてしまったのも不味かった。
今後農協が音頭取って同じ戦略で推奨品種で押す事はもう出来ないだろう。下手に縛りをキツくした関係で、農協系との信頼関係も大分崩れてしまった感がある。その総括もされないようだしね。でも、他の誰かが同じ手法によるブランド維持をやってくれるとも思えない。それに、農協にしても半分は別に悪意であの品種を推したのではなく、時期的に気候変動でどの品種もダメージを受けやすくなってきてしまったのがある。その中で、新短梢など比較的簡単な技術で美味しい物が出来る品種では差別化出来ないと選んだ物がよりダメージが大きかっただけなのだ。
こうなると、ブランド維持戦略という物をどうしても立てる必要があるとすれば、それはもう180度逆にするしかないと私は思う。それは最新品種の多品種栽培である。果樹は永年作物であるから普通はかなり保守的な選択を農家は行う。シャインマスカットを「新型」とするなら、現在はその血を入れた「次世代型」、シャイン以前の「在来型(巨峰とかピオーネ)」、さらにその前の古典品種や自然品種になる。実は巨峰やピオーネ以降も新品種は沢山出ていて、その中で圧倒的な実力でポスト巨峰におさまったのがシャインなだけで、それになりきれなかった品種も数限りなくなる(惜しかった所ではフジミノリ・ロザリオビアンコ・ベニバラードらへんかな)。今後も育苗は続くけれど、それについていくだけの経営体力がある所は少ないから、最新品種を作りつづける事には一定の評価は集まるだろう。ただ、ロットもなければ安定もしないから、ブランド価値が上がってくれるかは別。なので、どうしても保守的な現状維持に流れてしまうのだろう。
・明日は笠紙の残り拾って、雑草をとりあえず刈って、トラクターか耕運機で起こす。何度も書いたが草生栽培自体は優れた方法だが、絶対に不耕起の省力栽培は出来ないし、良く無い。自然更新していても起こしてやらないといけない。あとは風が弱ければ野焼き、ダメなら棚線直しかな。伐採木の重いパーツの運び出しでもいいや。アンカーいけなおさないといけないとか、面倒な修理が結構出てきた。
Posted at 2015/12/04 20:02:51 | |
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2015年12月02日
・今年の出荷反省会はものすごい資料が多く、4時はじまりで終わったのが6時、そこから2時間弱懇親会だった。私のような弱小生産者がこんな所にいていいのだろうかと思いつつ、最新の話が聞けるので出席。と言っても重要な内容は役員会で聞いていたので、新しく防除暦の話が出たぐらいかな。昨年入ったばかりのサイアノックスが消えてモスピランが入り、デランの変わりにドーシャスというのになった。デランは薬効は高いし実績はあるが、濃度高く値段もするので、ドーシャスの方が安くなるみたい。系統はシアゾファミドというランマンと同じ系統のとTPN(ダコニールの成分)の混和剤だ。これはデランでも可能だが、デランと選択だったアリエッティも残っていて、まあ「なんでもいい」に近い。問題のモスピランについて。
ネオニコチノイドの代表格であるモスピランだが、ヨーロッパを中心にあまりに残効が長くて自然界に悪影響を及ぼしている疑いがあり、それを削減する目的でアドマイアーCだったかの代わりに昨年からディアナWDGに切り替わっている。サイアノックスは登録が無くなったミクロデナポンの代わりだったが、たった1年でしかもネオニコチノイド系なの?って思ったので、会議の後で指導員に聞いたら「サイアノックスで薬害の疑いがある」「しかし登録がある有機リン系のスミチオンはすでに使用上限回数使っている」という事で、その時使えるのがモスピランぐらいしかなかったという事らしい。ま、サイアノックスで平気だった所はサイアノックスでいいし、特別散布しない人はスミチオンでも平気という事なので、極力モスピランには頼りたくない所。
あとは、週間出荷予約を正確にしてくれというお話とか、他の都府県でもジベ不良の混入があったとか、タイベックマルチで過剰水分対策をしている所の話とか。傾斜地でのマルチは確かに一定の効果はあるようだが、費用と効果の検証が待たれる。ジベに関しては薬の改良の要望も出たが、デラだけに使う薬でもないし、強くチューニングした場合に効きすぎたらどうなるのかも不明。一言で言うなら「果樹は育種に勝る改良はない」という事で、ジベ感度が弱いデラに頼る事に無理があったのだろう。
あと、産地維持についてデラがどの程度重要なのか、よく早期に販売するデラがあるから売り場確保が出来て他の品種の価格も高いなどとデラを正当化する声も聞かれるが、市場関係者にオフレコで(ってここで書いちゃうんだけどさ)聞いた所、興味深い答えをもらえた。核心はぼかすけど、「価格はそんな関係ないんじゃないか?」「ただ、ブランドとして強い品種があるから高価格なのは間違いない」「今後もブランドとして存続して行って欲しい、それには高品質な物を作る事」だそうだ。
私なりの結論だが、デラをやめるやめないと言う話がここで重要なのではなくて、ブランドの維持が最重要課題なのである。現状、日本で取り残された最後のデラ産地がここだとして、いずれデラも栽培の限界が見えている。でも、市場はそれが出来ているブランドとして評価しているので、別の品種でも高品質であり「ブドウは○○」という評価を確立する事こそが最重要課題で、デラですらある意味その手段にすぎない。その手段を目的と錯誤してはいけない。ではブランドの維持とは何なのか?正直栽培技術や栽培条件を見れば長年の育種や技術改良でどこでもそれなりの品質の物が取れるようになっている。ただ、他の地方のを見ると、収穫時期が早すぎたり房作りが雑だったりする物も見受けられる。農協出荷の規格、あるいは指導が緩く、農家間の競争や研究が足りないのだろうと思う。そこにこそ農協の価値や、あるべき地域の将来像があるように私は感じた。
あと、シャインの仕立て方について相談したが、皆さん返し枝を使うべき
、ダメならずらしても対称形のHという話だった。返し枝というのは結局私が言う王型、皆さんはE型と呼称していた(Eの全ての横棒を長く伸ばしてみれば分かる)。確かに考え方はいいんだけどねぇ。E型にするなら、二年目は返し枝は単純に平行に伸ばした方がいいように思う。それで冬に一気に戻す。最初から返すと負けるし、どうしても元が強くなるし。
・仕事は温水器の方の控え線を設置して、タンクまで置いた。案外タンクは軽いわ、中身は断熱材だからかな。あとは配管とヒートパイプ設置だが、パイプは多分最後がいいのだろうと思う。空だきはしたくない。
・太陽電池の方は1日中充電しつつ扇風機回していたがバッテリーが上がらなかったから機能しているんだろう。鉛蓄電池は死にかかっていても電圧だけは維持してたりするので困る。
・明日は雨だそうなので、片付け関係かな。薪小屋のトタンを増やしたので、雪に耐えられるように筋交いを入れて補強をちょっとやってるのの残りとか。
・温水器の部品の中にミニキャブのキャブレターのインナーパーツで壊れたのの予備が紛れていたので交換。キャブのベンチュリーバルブのジェットニードルのホルダーのビスである。やはりM7の細目であっていたが、古い奴が外れなくて困った。樹脂で割れるし、ほんと良く無い。今度のは金属でそこらへんは大丈夫だが、長かったのでカットする手間があった。またオイルチェックしたらゲージ切ってたので、プラグ外してチェックしてクリーナー入れてからフィルターとセットでオイル交換。それにしてもクーラー外したタイミングでオイルかなり消費するようになった。実際はクーラー側の容量で誤魔化されていたのもあるのだろうけど、3G83はほんとオイル回りは弱い。オイルは最後のSvelt5W-30(まだSMだった)。少し足りないのはレッドフォックス10W-40入れて、ニードル少し上げ、スロー少し絞り。LLCはリザーブが減っていたので足した。これで燃費が改善するだろうか?前のも良いオイルだったらしく、色は黒かったが新油効果はほとんど感じられず。これでペール缶が3本空いてるので、蓋外してゴミ箱にでもするかな。
Posted at 2015/12/02 20:54:36 | |
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2015年12月01日
・ソーラーシステムは順調に稼働中。朝の弱い光でもMPPTのチャージャーのランプは点滅している。PWM方式だと取り逃がしているはずの電流なのではあるが、この弱さならたいした電流にもなってないだろうなぁとは思う。バッテリーステータスはノーマル状態なので、とりあえず取り込んではいるみたいだ。
うちは中古の動力用バッテリーを使っているが、動力用と言っても普通の鉛蓄電池でディープサイクルとかではない。普通の40B19なので200W系だとすぐに一杯になってしまう。で、バッテリーは2セットあるので、それらを上手く接続して「並列かつ直列」にしようかなとは考えている。ただ、ソーラーの世界では並列接続には否定的な意見が多いのも事実。バッテリーを切り替える方式も考えられるが、接続時の火花を考えるとスイッチにしたとしてもあまり良くは無さそうだな、作業大変だし。
もう一つの問題は出力の方で、コンバーターの話は昨日書いたが、その引き出し口について実は2つの方法がある。一つはチャーコンにあるLOADから取る方法、もう一つはバッテリーに直で繋ぐ方法。チャーコンもコンバーターも電圧降下でスイッチを切る仕組みはあるので過放電はどちらも気にしないでいい。確実なのはバッテリー直の方法ではあるが、チャーコンが使えるならそれの方がアクセスは良い。ただ、チャーコンの出力は非常用とか、ソーラーから直で出しているって話もあり、バッテリーから数アンペア単位で引っ張り出すには向いてないとの声もある。チャーコンの説明書にはその手の事は書かれてないのだが・・・
まあ、チャーコンの仕様がわからなければ 逆に普通にバッテリー直結が安全なので、そのように改造して取り出してみて扇風機使ってみたが無事使え・・・なかった。バッテリーの1セットのうち1個が8Vにドロップしていたのだ。チャーコンの表示は充電停止だったのだが、どうやらバッテリーが死んでいても自動的に止まるらしい。電圧が低いとコンバーターの方はエラー出して止まる。午前中に接続しておいた方はちゃんと電圧出ていたので、こっちを再接続してたら無事ソーラーから充電しながらACを使うという事が出来たので、一応完成ではある。
本設置への課題としては「チャーコンの表示が日光で見づらい」「バッテリーがやっぱり弱い」と言った所か。技術的にはパネルの設置方法及び装置が濡れない場所にどう置くかと言った所。反省点としては、バッテリー端子の接続方法とケーブルの選択ミス。バッテリー端子は高いのでゴムホース切ってケーブルを挟む方法を試していたのだが、接続が不安定で装置が止まったりした。というのは、バッテリーの端子というのは弱いテーパーな上、プラスとマイナスのサイズが違って誤接続対策もしてあるため、マイナスはユルユルでプラスがきつくなる。またケーブルは今回VVFの単線の2㎜を使ったのだが、単線は室内の配線などにも使われるけど、ともかく柔軟性がなくて扱いづらかった。ちゃんとした端子で使えばいいかも知れないけれど、無理に単線にする必要はなかったかも知れない。
・図書館から借りてきていた「とことんやらしい軸受けの本」で軸受けの歴史を読んでいて、最近ちょっと知ったツタンカーメン周辺で大変面白い事実が分かり、さらに突然とある考えが閃いた。軸受けの話でツタンカーメンの墓に6台の馬車(二輪の戦車、チャリオット)があり、ツタンカーメン王の戦車好きが推測されていた。当時の馬車も軸受けがしっかりしていて、かなりの高速運動性能があったようで、ツタンカーメンの死因が脚の骨折からのマラリアではないかと分析されているので、その骨折の原因が戦車からの落馬ではないかと書いてあった。先日どこかで読んだがツタンカーメン王は近親交配のため遺伝病で奇形だかなんだかがあったとあったし、中途半端に馬車乗り回すようになったのかな?などと考えたりも出来る。で、エジプトではピラミッド建築などでも巨石を運んだはずで、これはレリーフでも確かめられている。
私はずっとレリーフの先端で鞭を振っていると思っていた人がいたのだが、どうやらアレは台車の先に潤滑剤となる水を撒いているそうで、図にはないので「コロ」が使われたかどうかが議論が分かれているようだが、無くても進んだだろうと言われている(他に木材の調達が難しかったとか、砂だと沈むとか、いろいろ理由はある。石の持ち上げ方法としては、割と新しい研究で「隠し通路」だと思われていたのが実は石を持ち上げるためのスロープで、ピラミッドをグルグル回りながら持ち上げていたと言う研究があった。なるほど、ピラミッドと同じサイズの長いスロープを造るより、作っているピラミッドを土台とする良い考え方だ。
しかし、そこらへんの研究でのミッシングリングは台車だ。台車と言うが日本で言えば「修羅」にあたるソリである。この修羅という名前、由来を知らず使っていたのだが、「修羅は帝釈に勝つ」という事で、帝釈と大石(たいしゃく)をかけた洒落だそうで、昔からその名前で呼んだかは知らない。ともかく、この仮説はソリという物証が必要だが、日本はともかくエジプトでソレが無い。で、突然ある本で「巨石文明のピラミッドでは内陸部で水運もないのに船が埋められている事が多い」という話を思い出した。この本はトンデモ本だったので、どこまで事実か分からず、実際エジプトでも船は出土しているが、実際に水に浮かべて使ったようだから純粋に儀式用という訳でもないようだ。ただ、儀式用として船が必ず出てくる必然性が薄い訳で、その本のようなトンデモ解釈が出てきてしまう。
という事でここから推測だが、巨石文明では石を運ぶのにソリを必要としていたが、使った後のソリは船に仕立て直されたので、遺構にソリが出土しない、というのはどうだろう?無理があるかな。
・今日は仕事の後、銀行行ったりなんだかんだあったのだが、ソーラー温水器の方もいい加減組んでしまわないといけないので、落下防止のワイヤーを調達してきた。これで結べば安定して置けて仕事が終わるんだが、ワイヤーの結束先がちょっと不安。うちのは本来は平地置きのタイプなので、ワイヤーで吊らなくても自立する反面、ワイヤーをかける場所というのが特別決まってはいない。しかし素材の大半がアルミで弱いため、下手にワイヤーをかけたら摩擦や応力で壊れそうで怖い。
Posted at 2015/12/01 20:04:07 | |
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