
この記事は、
ヤリスHVの燃費。について書いています。
先日、「
新型ヤリス 大研究! 」というご報告をいたしましたが、新型ヤリスの注目はなんと言っても「燃費」でしょう。専門家の散らない枯葉さんが「
ヤリスHVの燃費。 」というブログをアップされています。
なにしろタイトル写真のように、トヨタは「世界トップレベルの低燃費」と謳い、36.0km/Lを誇らしく掲げています。これはすごいことです。
いまはWLTCモードというので計測しているのですね。こういう基準がどうなっているのかさえ、素人にはさっぱり分かりません。
分からないと言えば、ハイブリッド車の燃費はもっと分かりません。電池で走行した分はどうするのでしょう。たくさん蓄電しておいて、ガソリンを使わないで走れば、その分燃費を稼げるのではないか、だからハイブリッドは燃費が良いのかと疑いましたが、どうやらそんなことは無さそうです。
ちゃんと燃費試験前後のバッテリー蓄電量が等しくなるような処理をしているそうです。
詳しくは日本自動車輸送技術協会の技術解説に、「
一般的なハイブリッド車におけるモード燃費および排出ガスの測定方法 」として載っています。これをしっかり読んだので、馬鹿な素人が持った疑いは晴れました。

さすがに試験前後のバッテリー蓄電量を同じにするのは難しく、試験前後の電気量収支を測定して、その結果を補正するそうです。
さて、疑いが晴れたところでヤリスHYBRIDの燃費をじっくり見ました。

「世界トップレベルの低燃費」WLTCモード36.0km/Lは、最廉価グレードのHYBRID Xが達成しているもので、HYBRID Gは35.8km/L、HYBRID Zは35.4km/Lとグレードが上がると燃費は下がっています。車両重量が増加することが原因でしょう。
ところで、諸元表にはさらに小さな字で注記があります。
HYBRID Zに関する注記はいずれも、アルミホイールを選択した時のものです。
185/55R16タイヤ&16x6Jアルミホイールを装着した場合、
* 2 10kg増加します(車両重量)
* 6 各燃費はWLTC:32.6km/L、市街地:32.7km/L、
郊外:35.3km/L、高速道路:30.8km/Lとなります。(2WD)
*11 各燃費はWLTC:29.0km/L、市街地:29.8km/L、
郊外:31.6km/L、高速道路:27.4km/Lとなります。(E-Four)
いや~、しっかり見ないといけませんね。
ヤリスHYBRIDの燃費は36.0km/Lだと思い込んでいると、私が選択した仕様のようにHYBRID Zにアルミホイールなんか履かすと、32.6km/Lまで落ちてしまいます。カタログの注記をしっかり見ないといけません。
それにしても腑に落ちませんね~。そもそもアルミホイールに変えるのは、ホイールを軽くすることで乗心地が向上して、燃費が伸びると信じているからこそです。それがアルミホイールにしたら10kg重くなるというのです。インチアップが災いするのでしょうが、そんなことは想定外です。軽量化しないならば乗心地だって改善しないでしょうし、燃費なんか2.8km(35.4→32.6km/L)も落ちています。きちんとしたメリットが無いというのに、ただ見映えだけでアルミホイールを選択するなんて、どうも格好悪すぎる気がします。これは考え直さないといけないですね。
HYBRID GとHYBRID Xに関する注記は、ターンチルトシートを選択した時のものです。
ターンチルトシート(運転席、助手席)を装着した場合、
* 2 20kg増加します(車両重量)
* 6 各燃費はWLTC:35.4km/L、市街地:35.5km/L、
郊外:38.8km/L、高速道路:33.6km/Lとなります。(2WD)
*11 各燃費はWLTC:29.8km/L、市街地:30.8km/L、
郊外:32.6km/L、高速道路:27.9km/Lとなります。(E-Four)
HYBRID Gでターンチルトを選択すると20kg重くなるのに、燃費の悪化は僅か0.4km(35.8→35.4km/L)です。
HYBRID Zでアルミホイールを選択すると10kgの重量増加で2.8kmも燃費が悪化します。燃費が悪化するのは、どうやら重量だけでなく別の要因がありそうです。
暇に飽かせてカタログを細かく見ましたが、ホントに燃費向上は難しいようです。ちょっと妥協しただけで大きく崩れてしまうのでしょう。
「世界トップレベルの燃費」を得ようなんて並大抵ではありません。HYBRID Xは販売量が少ないですが、このグレードで徹底してチャンピオンデータ獲得に挑んでいます。軽自動車のようなヘッドレスト一体型シートというのも、他グレードでは6個付いているスピーカーを2個に留めるのも軽量化が目的でしょう。タイヤだって175/70R14にして転がり抵抗を抑えています。燃費重視で買う方は、こういう徹底した努力に敬意を払って、ぜひともHYBRID Xにすべきでしょう。
余談になりますが、E-Fourの燃費なんかもうおおらかなものです。車両重量が90~110kgも増えてしまえば、いまさら燃費を追求しようもないのでしょう。グレードが変わって重量が違っても、カタログに同じ燃費数値が表示してあるのは、おそらく一番条件の悪いところ(多分HYBRID Z)で計測して、もう他のグレードは計測していないのでしょう。
ガソリン車も同様です。グレード毎にいちいちテストして少しでも数値を上げるなんて作業は、このレベルになったら意味がないのでしょう。
HYBRID 中でもHYBRID Xに集中して、燃費向上の努力をされていることが良く伝わってきます。
トップレベルを得るというのは、並大抵のことではありません。
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ヴィッツ | クルマ
Posted at
2020/04/13 23:27:59