
今回(11/28,29)京都へ出かけたのは、紅葉見物はもちろんですが、実のところは柊家(ひいらぎや)旅館に行きたかったのです。
柊家旅館は、京都を代表する老舗旅館。夏目漱石、川端康成、三島由紀夫等、錚錚たる文人が愛した旅館で、はっきり言ってメチャ高いのですが、本当の京都の良さを感じます。
柊屋さんに泊まるのは今回で3回目。偉そうなことを言える立場ではありません。
初めて泊まったのは12年前。会社の永年勤続表彰で旅行券をもらいましたが、年度中(3月まで)に使わないと税金の対象にすると脅かされ、忙しい時期(2月)で長い休暇は取れず、1泊で全部使うために柊家さんに泊まったというのが、贅沢を覚えたきっかけです。
正直言って最初は良さがわかりませんでした。宿泊料が高いのにジャーンという豪華さはなく、家に帰った頃になって、やっとジワジワ良さに気がつき始めました。
おもてなしの代表格とされる宿ですが、媚びる感じはまったくありません。一方で、目配り、気配り、心配りは隙が無く、すべてが心地よく流れています。
寛ぐのには最高です。

お客様を迎える玄関

玄関に掲げられた額 「来者如帰」
「来る者、帰るがごとし」
いらしたお客さまに、まるで我が家に帰ったごとく寛いでいただきたい
という意味だそうです。

左からルームキー、茶碗、おしぼりの台と
いたるところに、旅館の由来の柊があしらわれています。

部屋の床の間
両端には外の光が入る工夫がしてあります。

部屋から坪庭を眺める。
入った途端に、寛げます。

柊家に大風呂はありません。お部屋の風呂か小さな貸切風呂です。
高野槙(こうやまき)のお風呂で、お湯がやわらかいです。
近所を散策して、ゆっくりお風呂につかって、さあ夕飯を待つばかりです。

もう、期待に胸を膨らませています。
ここで定番の仲居さんとのツーショットを。

よろしくお願いしますよ。
さすが老舗旅館の仲居さんという、とても感じの良い方でした。
さて、今夜の食事のお供をする冷酒は

左:柊家(ひいらぎや) 吟醸酒 伏見・月桂冠
中:金鵄正宗(きんしまさむね) 純米大吟醸 伏見・キンシ正宗
右:桃の滴(もものしずく) 純米吟醸 伏見・松本酒造
さあ、それでは献立です。

これは、うれしいですね。食べきれるだろうか。

机の上の赤いお盆に順に運ばれます。
お盆中央が「食前酒」
富翁 大吟醸米 ささにごり

「先付」
左:蟹、菊菜浸し、赤蕪麩漬け、いくら醤油漬け黄身おろし和え
右:胡麻豆腐、黒豆、胡桃、くこの実、紫蘇の花
これは、ゆっくり目で楽しみながら食べるものですね。
いちいち献立とチェックしています。

「椀」
真ん中が 牡蠣真丈(かきしんじょう)
周りは 鶯菜、平茸、金時人参、白髪菜、木の芽

「向付」
左から あおり烏賊、鯛、鮪、北寄貝(ほっきがい)
銀杏の形をした あしらいはカボチャだそうです。
鮪はとろけるようで、幸せを感じます。

「八寸」
柿の形をした器から時計回りに
子持ち昆布、蟹かに味噌玉締め、青味大根味噌漬け、車海老からすみ、火取りばちこ、鮭竜田揚げ、かます焼き目寿司

そして柿の形をした器の中は 鱈白子ぽんず
けっこう量があり、なんとも言えない食感でおいしいものでした。

「焼肴」
鰆味噌幽庵焼き、柚子、焼き舞茸、はじかみ

鰆が写らないので、柚子をどけました。
良い感じの照り具合です。

「炊合せ」 かぶら蒸し
鯛、もみじ麩、木茸、人参、蕪菜、山葵

「揚げ物」
上から 万願寺唐辛子、赤ぴーまん、海老芋揚げ出し、甘鯛

左:「留椀」 合わせ味噌仕立て(湯葉、焼き椎茸、水菜)
中:「御飯」 むかごご飯、栗、いんげん豆
右:「香の物」 赤紫蘇大根、茄子しば漬け、蕪菜
そして、いよいよ最後は

「水物」
らふらんすゼリー寄せ、らふらんすじゃむ、苺、きうい、みんと
18時に食べ始めたのに、終わったのは20時30分。
いや~っ、たくさんありましたが、ひとつひとつしっかり手が込んでいました。
ものすごく酔っ払い、ぐっすり寝ました。

朝です。
新館3階の部屋なので、窓からは本館の屋根が見え、風情があります。
朝ご飯の紹介は簡単に。

メインの膳と

焼き魚、ジュース、香の物

ふたを取ると
左:肉じゃが
右:温泉玉子
でした。

さらに、仲居さんが準備してくれる湯豆腐もいただきました。
昨夜、女将が部屋まで挨拶に来てくれましたので、11年9ヶ月前に泊まったときの写真を見せ、昔話に花が咲きました。

当時のお献立。いまも同じお器を使っていますと喜ばれました。
さすがに老舗です。

当時玄関で撮った写真です。玄関の様子は変わっていません。
いまは足を悪くされて洋装になった大女将(女将のお母様)が、まだ着物で出ていると、懐かしがっていただきました。

11年9ヶ月ぶりに同じ顔ぶれが揃い、記念写真です。
大女将は、いまでも毎日お客様のお見送りをされています。
季節が変わったら、またお目にかかりたいですと見送られましたが、
う~ん、それは財政的に無理だな~。
Posted at 2016/12/01 16:08:08 | |
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