
11月20日(月)に純和風料理旅館を標榜する京都祇園の「き乃ゑ」に泊まりました。京都では、某老舗旅館に泊まるという贅沢がクセになりつつあったものの、今回は突然の計画で、もちろんそこはまったく空いていません。
インターネットでやっと探しあてたのが「き乃ゑ」ですが、正直言うとその評価は迷っています。
フロントなど旅館としての対応には、けっこう不満を感じています。
①部屋に案内されると「ただいま暖房を入れましたので、暖まるまで少しお待ち下さい。」と言う。チガウだろう~。到着時刻は連絡してあるのだから、事前に部屋を暖めておくくらいの気遣いをお願いしますよ。
②部屋の風呂にお湯を入れたら、ぬるい上に、お湯の出が悪くて時間がかかります。到着したら大体夕食までに一風呂浴びるのだから、事前にお湯を張っておくのが心遣いでしょう。
③「部屋の中のお茶とコーヒーは無料です。コップもご自由にお使い下さい。冷蔵庫の中は有料になりますので、お使いになったら備え付けの伝票に記入してフロントでご精算下さい。」なんて、安っぽい説明をしないでくださいよ。「御用があるときは、いつでもお呼び下さい」くらいのことを言ってくれませんか。
いや間違ってはいませんよ。合理化努力は必要ですし、ホテルなら自分で風呂にお湯を張ったり暖房を調節したり、セルフサービスが基本ですからね。でも京都の純和風旅館でしょ。気の利いたサービスでゆっくり寛ぐつもりであれば、これでは不満です。
いかん、いかん。「最近は年寄りがキレやすくなった」とニュースで言っていました。この辺にしておきましょう。
一方で、料理旅館を名乗るだけのことはあって、懐石料理はしっかり手が込んでいましたし、それを供する仲居さんも、会話は楽しいし、よく勉強していて、とても充実した食事を楽しめました。
おいしかったと見せられるだけではご迷惑でしょうが、堪能してきた「き乃ゑ」の料理を紹介させて下さい。
京都 き乃ゑ 霜月 お献立
高田哲治料理長が就任した5年前から、食事の評価が上がっているそうです。
【前菜】

千代口(魚身百合根紅葉和え)
蓮根挟み揚げ、サーモン柿見立て
子持鮎煮、万願寺土佐和え
松葉刺し(栗 銀杏)
秋鯖砧巻き
【椀盛り】
白味噌仕立て
亥の子形海老芋万頭
丹波湿地 紅葉人参
結び三ツ葉 とき辛子
【造り】
鯛 鮪 烏賊雲丹巻
あしらい一式
【進肴(すすめざかな)】
柿の葉蒸し寿し
穴子 椎茸 錦糸玉子
生姜 胡麻
揚げ稲穂
【焼物】
鯧(まながつお)柚子味噌焼
白髪葱
山くらげ 茗荷
黒諸味和え
はじかみ
【煮物】
小鯛湯葉寄せ 蕪含ませ煮
公孫樹丸十(いちょうまるじゅう)
菊菜
【留肴(とめざかな)】
蟹身 帆立
紅芯大根 椎茸
白酢和え
黄身酢掛け 防風
【香の物、御飯(かやく御飯)、汁物】
【甘味 果もの】

しっかり堪能させていただきました。

左:恒例により仲居さんとのツーショットです。
右:さらに仲居頭さんとのツーショットも。
部屋の風呂のお湯がぬるいと、フロントに文句を言ったためでしょうか、仲居頭さんまでやってきて、一生懸命フォローしてくれました。
おいしい料理をいただいて、酔っ払ったので、もう機嫌は直っています。
外人客の方が日本人客より多くなっている現状では、懐石料理もこれからどうなるか心配です。懐石料理を出すと外人さんも 「Oh,beautiful !!」 と喜こんではくれますが、なかなか箸は進まず、中にはプイと横を向いてしまう方さえいるそうです。おいしい懐石料理を食べに来たはずと言いたくても、お口には合わないならば、これからは外国人の好みに合わせた料理に、変質させていかなければ生き残れないかもしれません。
すばらしい京都が、外国人観光客のパワーで歪められてしまうとは、心配しすぎでしょうか。富士山の麓にある忍野(おしの)の惨状も目にしています。そうならないように、したたかな京都人がどう対応されるのか、興味深く、かつ期待を込めて見守りたいです。

朝食も充実していました。
Posted at 2017/11/26 00:02:05 | |
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