
「それじゃ お先に!」
男はそう言い残し、事務所をでる
いつもは最後の退出者になるのに、珍しい・・・
更衣室で着替えをし、愛車のもとへ
その途中で電話をする男
相手は男の妻である
「わかった」 男は電話を切ると、愛車に乗り込む
エンジンを掛け、アイドリング中にまた電話をかける
「ただいま電話にでることができません・・・」
電話を切る男
妻とは先ほど電話をしていたはずだ、いったい誰に電話をしたのだろう
とりあえず、会社の駐車場からクルマをだす
県道を進み、国道にでる。
自宅は左折だ、しかし男はしあさっての方向・・・
そう、自宅とは反対方向に愛車を進めたのだ
小雨がパラつく国道
夕方なので、帰宅途中のクルマが多い
しかし、田舎なので、渋滞にはならない
男は愛車をその流れに乗せ、たんたんと距離を稼いでいく
とある住宅街
男は路地にクルマを停め、再度電話を掛ける
「もしもし・・・」 今度はでたようだ
にさんの会話のあと、電話を切る

10分後、男のクルマは、ま新しいトンネルを走っていた。
それからさらに45分後、男の愛車は某大型複合商業施設の駐車場に停まっていた。
男はどこに・・・
某大型複合商業施設のレストラン街
うろうろする男の姿があった。
どうやら どこに入るか迷っている様子だ
男が迷う? 珍しい ラーメンじゃないのか?
会社をでる前、男は妻に電話をしていた
その内容は
男:「晩御飯いらない 食べてくる」
妻:「わかった でも・・・
大盛りはぜったいあかんで!!」
大阪の人間でもない妻が大阪弁で・・
よほど 男にクギを刺したかったのだろう。。
その言葉が胸にひっかかり、男の行動を迷走させていたのだ
男:「やっぱメガだよなぁ~」
娘:「それ だめじゃん」
男:「え?」
娘:「ちゃんとお母さんから大盛りにしないか見張っとけって電話きたよ」
う~ん
さすが男の妻である
男の行動を読んでいる
また レストラン街をうろうろする男と娘
そう、今日(22日)、下の娘が明日からの連休で家に帰るということで、金沢まで迎えにいっていたのだ
男:「やっぱメガだよなぁ~」
娘:「だからダメだって!」
男:「じゃ これは?」
娘:「メガじゃないけどグラム数おんなじじゃん!」
男:「じゃ これ・・・」 かわいそうに自分でメニューも決められない・・・
あれこれ、やり取りをしていたが、あまりにしつこい男に
娘:「しかたないなぁ おかあさんには黙っててあげる」
できた娘である(笑
「おまたせいたしました!」
男の前に運ばれてきたものは・・・
「W大俵ハンバーグ」
いや 別に待ってはいない
すでに、カレー、スープ、サラダはお替わり済みだ
サラダにいたっては3杯目である
野菜をたくさんとる 体に気を使っているのだろうか
『ジュー!ジュー!』と油を跳ねあげながら、香ばしい匂いが漂う
「いっただきまぁ~す!」
お店に入って2回目だ
「大俵ハンバーグ」をほおばる男
その顔には至福の笑顔が
それを見て、呆れる娘
二人は満足げな顔をし、クルマに乗りこむ
「大盛りにはしなかったよな」 と自分にいいきかせながら、愛車を走らせる男であった
つづく
Posted at 2012/11/23 08:53:30 | |
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