「ふぅ~」男は小さくため息をつく
心地よい疲労感に包まれて、男は夕陽を背に愛車をはしらせていた…
信号のない山間部の大規模農道・・・
男はゴルフの帰りであった
夕陽のオレンジと影のつくる黒で、周りの景色はコントラストが高く目にしみる・・・
車内には小田和正が流れていた
この黄昏の中で聴く、小田和正の切なさを歌う歌詞が男の心に染み入ってくる
過去の失恋
でも思い出しているのだろか…
やがて大きな「T字」交差点にさしかかる。
男の自宅方向は右折である
男はとうぜんウィンカーを左に出し、愛車を進める
そう
賢明なみなさんはもうお気づきだろう…
男は「うどん」屋さんを目指してした
うっそぴょーん!
あっ 失礼…
しばらく片側1車線の国道を奥能登方面にクルマを走らせる
交差点から15分ほど走ったであろうか
男はウィンカーを左にだし、駐車場に愛車を停めた
ここは…
「3番ラーメン」さんである。
石川県のあちこちにある「8番」ではない 「
3番」である
名前の由来はよくわからない
男はカウンターに座り、メニューをのぞきこむ…
心の中ではすでに決めていたメニューがあるが、他のメニューもチェックする
しばらくして
「グリーンめんにチャーシューのトッピングって出来ますか?」
このお店にはワンタンがない
となると、やはりチャーシューを頼むつもりである
奥さんが「ええ できますよぉ」
「じゃ 野菜グリーンめんのチャーシューでぇ しょうゆ味の大盛りで!」
「はい わかりました」
男はメニューに見入っていた
しばらくして、「おまちどうさま」っと
奥さんがらーめんを運んでくる
なんともボリューム満点のおいしそうならーめんである
しかし、グリーンめん
聞きなれない言葉だ…
どんなものなのか?
それが これだ!
ワン・トゥー・スリー♪
これは地元の特産品である「
中島菜」を麺に練りこんでいるラーメンである
しお、みそ、しょうゆのほかに、とんこつ、たんたんがあるらしい
男は麺を多めにほおばる
かすかではあるが、しかし、しっかりとしたお菜っ葉の香りが鼻腔をぬけていく・・・
「う~ん こんなの初めてだぁ」
スープも醤油であるが、野菜のエキスもあり、かなりさっぱりしている。
ある種、野菜スープのような感じである。
チャーシューは厚みもありかなりしっかりした歯ごたえがある
しかし、これもあっさりしており、あっさり系のスープにあう
キャベツ、ニンジン、もやしなども、ちゃんと火が通っているが、シャキシャキ感が残っており
食べ応えがある
これは男でもお腹にきたようである
食べ終えたころ、ご主人から声がかかる
「どこから おいでですか?」
男がパシャパシャ携帯で写真を撮っているので、遠方からのお客さんだと思ったらしい…
「いえいえ地元ですよ(笑 ◎◎からきたんです」
「そうですかぁ ようこそおいでくださいました」
このあと、ご主人から
・この麺は10年ぐらいまえから始めた
・最初のころは「
ヤクルトラーメンだ」といわれた
・ここ2~3年でグリーンめんを注文するお客さんが増えた
などなどいろんな話を聞くことができた
男も5年くらい前に情報を仕入れていたが、こちら方面にくることがあっても「らー」の時間はとれなかったのである
15分くらい話をしていただろうか
「からん からん」とドアがあき、一人の初老の男性が入ってきた
入ってきてすぐにご主人に話かける
常連さんのようだ。
男は奥さんにお勘定を頼み、店をでる
あたりはもう真っ暗であった…
そのころ ゴンは…
あたまに「じゃがりこ」をのせていた
つづく
Posted at 2009/10/27 13:03:24 | |
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