男は愛車のエクストレイルを走らせていた
登坂が続くワインディング・・・
しかし、男の愛車はまったく苦にすることなく、グイグイ登っていく
「さすがだね!」 男は小さくうなづき、シフトレバーを「スポーツモード」に切り替える
そう登坂でも、軽くアクセルを踏むだけで、加速しシフトアップしてしまうのだ。
男はコーナーを攻める訳でもなく、しかし、それなりのスピードでコーナーを抜けていく
もともと、コーナリングうんぬんを言うクルマではない
しかし、スポーツモードを駆使すればそれなりの雰囲気は楽しめるのである
それと、ガソリンエンジン3.5リッターなみのトルク
このトルクにモノを言わせた加速は癖になる。
峠に差し掛かる。
県境の標識だ
男は何処に向かっているのか・・・
いや、今日は純粋にドライブを楽しんでいるのだ。
山を越え、次は海岸線のワインディングである。
ここは30キロ近く信号がない
夜の海岸線
昼は景色のいいところである。
夜は夜で、対岸の夜景がうっすらと見える。
コレはコレでいい景色である
「あれ?」
男はある看板に気づいた
「え? 復帰したの?」
そう 男が見たもの・・・
それは

氷見のラーメン「我楽」(がらく)さんである
ここのご主人、もらい事故にあってかなりの大怪我をしたのだ
事故の写真を見たが、私でも車種がわからないくらいひどい事故だった
「がらがら」ドアを開けて店内に入る
「いらっしゃいませ!」
ご主人の威勢のいい声が。
男は「ごめんなさい トイレ貸して」
おいおい いきなりトイレかよ!
そう 男は山越えのあいだ、ずっとトイレをがまんしていたのだ。
「ふぅー」 カウンターで一息つく男
久しぶりである
メニューも変わっていない
男は「にんにくラーメン」に心を引かれたが、家に帰って匂いそうでばれそうなのでぐっとこらえる
「味噌チャーシュー大盛り! バターのせて!」
「はい 味噌バターチャーシューの大盛りですね(笑)」
カウンターには男の他に60後半と思われる男性が二人
男は携帯をのぞきこんでいた
しばらくして
「おまちどうさま」
男の目の前に

「味噌バターチャーシュー大盛り」が鎮座した
男は心の中で『おおぉ』っと唸った
チャーシューは肉厚であるがやわらかい
麺は中太の丸である
チュルちゅると啜れる。
スープはちょっとピリッときて・・・
うまい
事故のあと、1年3ヶ月も休んでいたそうだ
今年の6月から営業を再開したらしい
「無事にお店を開けられて良かったですね(笑)」
「ほんと苦しかったですけど、復帰できて良かったです」
「ごちそうさん 又よせてもらいます(笑)」
男は笑顔で店をでる
「またお越しください」
主人の声を背中に受け、愛車に乗り込む
「さぁ いくか」

男は海岸沿いのワインディングに向けて、愛車を走らせるのであった
つづく
おまけ

ワインディングは楽しいです(笑)
Posted at 2012/10/22 20:58:56 | |
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