「おはようございます」
男は女性の声で目覚める
「おふぁようございます・・・」
眠い目をこすりながらこたえる男
「朝早くからごめんなさいね」
外はまだ薄暗い
「じゃぁ 採血しまぁす」
この男、採血は鬼門である
昨日の検査、点滴でそれぞれ針を3回刺されている
今朝は・・・
一発で血管を捉えてくれた
やはり注射にも『腕』があるのだろう
昨日の夕方、今回の検査の本番であった
本番の検査は小一時間で終わった
だか、そのあとが男にとって恐怖の時間なのだ
足をベッドに縛られ足の自由を奪われる
そのまま5時間、動けないのだ
両手は使えるので、今回はテレビを見たり、携帯を操作することができた
ただ、2時間を超えたあたりから腰が痛くなってくるのだ
以前なら分厚いクッションを標準で装備していたが、減量の影響なのかお尻もいたくなる
なんとかその時間を乗り切って迎える朝であった
やがて朝食の時間
今日の朝食は
このメニューである
こんなのを毎日食べていればほんとうに健康になるだろう
窓の外はいつもの光景が
いあかわらずクローラー式のダンプがいったりきたりしている
りくつなのは
砂を運搬し、ショベルの場所に戻るとき、走りながらキャビンを回転させる
これなら方向転換をする必要がない
効率も上がるというものだ
しかし・・・
運転手さんは目がまわらないのだろうか?
この光景を見て、男にはある記憶がよみがえる
あれは学生のとき、水道管敷設のバイトをしていたときだ
道路をショベルで掘り、廃土を2tダンプですてにいく
国道脇にある崖の上から30mほど下の田んぼにすてにいったときのことだ
所定の位置につけ、ダンプを始めたそのとき!
なんとダンプカーのキャビンが持ち上がっていくではないか!
後ろに積んだのは砂ではなく、粘土質の土であった
ダンプしても土が落ちず、バランスを崩したのである
国道で工事をしていたおじさんが驚いて駆けつけてくれる
男は傾いたダンプのキャビンでどうすることもできずにいた
「おい! にいちゃん!! うごくんじゃねぇぞ!!!」
おじさんはそういって、国道で工事をしていたパワーショベルを呼んでくれた
男が動いて、バランスを崩せば30m下の田んぼに転落である
男は不思議と恐怖心は湧かなかった
だが、足は「ガクガク」震え、その震えを抑えることはできなかった
「ぎりぎりまで下がって、こわくないんかね」
男はつぶやく
と いう男はそのあとも同じバイトを続けていたのだが
このあと、男は「核医学」、「心アルギオ」と検査に向かった
昼からはパソコンに向かい仕事をしていた
相変わらずテレビを見ながらのマイペースである
ほんと 病院にいながらこれだけ仕事ができるのであれば在宅勤務でもいいような・・・
気づくとパワーショベルがひとところに集まっていた
今日の作業は終わったのだろう
おじさんが「とぼとぼ」と歩いていく
今日一日の作業のお掃除
散水車が水を噴射し、道路を洗い流していく
その横でおじさんが着替えをしている
これから帰ってビールでも飲むのだろうか?
それとも雨の中での作業である
温かいお風呂にはいるのだろうか?
「さぁて 運動運動♪」 男はつぶやいて
ウォーキングにいく準備をするのであった
つづく・・・
Posted at 2014/10/22 17:52:40 | |
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