2015年02月01日
COLNAGO President
そう。それは忘れもしない。寒い冬だった。
・・・・・・
「秋水。秋水や。見てみい。これがこるなごってやつじゃ」
「こるなご~?へんなの~」
「こるなごはのう。伊太利亜のめーかーで、えでぃめるくすやおすかるふれいれが乗ったり、ふぇらーりと共同開発したり。かーぼんを自転車に初めて使ったりしためーかーなんじゃよ。
これはしばらく前に車を売ってそのお金で買ってきたんじゃ。。ばあさんには呆れらたけどの・・・こるなごはのうそれはそれは…」
「じーじはなしなが~い。ばーばがね。「じーじははなしがながいから。もうはいはい。とかうんうん。そうですね」ってこたえるようになったっていってたー」
「ばあさん。。。そうじゃ!秋水や。秋水がこれに乗れるようになったら秋水にこれをやろうじゃないか。ええか?乗れるようになったらじゃぞ」
「じーじ。そんなへんなの~よりも。じーじがやねうら?にかくしてる。おんなのひとのはだかがのったほんのほうがいーい」
「・・・なんじゃと?・・・秋水やどうしてそれを・・・?」
「にーなちゃんとかくれんぼしたときにみつけたのー」
「なんと・・・(隠し場所を変えんといかんかの?)あれは秋水にはちと早いのう」
「じーじどうしてはやいのー?にーなちゃんはなにをしてるのかしってたよ~?おとこのひととおんなのひとがなかよくなることだって!」
「坊やだからさ・・・なに?紫豚さんのとこの新奈ちゃんと一緒に見たのかの?」
「うん!」
「(・・・・これは二人共お仕置きじゃの…)のう秋水や。こっちに来んさい。修正してやる!」
「殴ったね。おやじにも殴られたこと無いのに!ばーば、じーじがぶったー」
「あらあらまあまあ」
・・・・・・
あれから数年後。
ばあさんが若い男を捕まえて出て行ってからというもの。じいさんはすっかり気が抜けてしまって、決まってうわ言のように「あのこるなごを秋水に渡してくれ・・・あのこるなごはいいものだ・・・」と言うようになった。
それから俺は雨が降ろうと槍が降ろうと週に一回片道45km自転車で走ってアキバハラに通いつめた。
魔法少女リリカルマギカのために。それはもう通いつめた。
後で知ったことだが、どうやら母さんが俺の自転車のチェーンリングとスプロケットを超軽いギア比にしたらしい。どおりでお使いに頼まれてアキバハラで買ってきた冷蔵庫を荷台に積んでも大してキツくなかったんだな。
そして昨年。俺はようやくあのコルナゴに乗れるようになった。それはもう嬉しかった。
・・・・・・
「じいさん!俺コルナゴに乗れるようになったよ!」
「おお秋水や!それはいいものじゃ!わしと一緒にそこの峠まで勝負じゃ」
と言ってじいさんが出してきたのは年季の入った青と白のツートンのロードだった。
昔じいさんがオーダーで作ってもらって。これで何年も旅をしたんだそうだ。
それはもう時代遅れの。重そうなクロモリのロードだった。
「うん!(じいさん、ばあさんが出て行ってからほとんど寝たきりで最近自転車にも乗ってないからな。でも久しぶりにやる気になってるから、かる~く流すか)」
あ、ありのままにあの時の事を話すぜ!
あの時俺は80過ぎのじいさんなんて軽く勝てると思っていたんだが、気がついたら
「貴様のごとき若造に俺のコルナゴ!やらせはせん!やらせはせんぞぉ!」
と言うなりあっという間に俺を追い越したと思ったら、ジャージがビリビリに破けてその下から筋骨隆々のムッキムキの身体が現れたんだ。
そして火花を散らしながらあっという間に見えなくなった。
な、何を言っているんだかわかんねーだろうが、俺も意味がわからなかった・・・
頭がどうにかなりそうだった・・・
あのくそじじい!ここ数年寝たきりだっただろ!だとかあれ何十年前のクロモリだよ!だとか そんなチャチなもんじゃ 断じてねえが・・・
もっと恐ろしいものの 片鱗を味わったんだぜ・・・
帰った時にはじいさんとは3時間以上の差が付いていた。
じいさんは縁側に座っていて、上半身裸。レーパンもパッドだけになっていた。
乗っていたロードもタイヤもチューブも無くなっていてリムもガリガリだった。
そして・・・あの筋骨隆々の筋肉は無くなり。いつものじいさんだった。
「遅かったの。秋水。さっき通りかかった公園のベンチに座ってた男に「ウホッ!いいじいさん!やらないか?」と言われての。。気が抜けてしもーたわ。
そのコルナゴ。約束通りお前にやる。わしはこれでばあさんを探してくるからの」
と言ってじいさんはばあさんを探して旅に出たんだ。
そして俺は今年、上総高校に入った。この高校には自転車競技部がある。
・・・・・・
俺は今日、このコルナゴで。
メガネ主将とちょびひげのおっさんと大野田君とヘタレと。
自転車部のマネージャーになって、自転車の整備をしている新奈と。
このインターハイで優勝してじいさんに見せてやるんや!
そして、ホワイトハウスまで登りつめて!プレジデントになるんや!
…それはもう鼻血が出るくらい走った。
ちょびひげのおっさんが新奈を隠し撮りしていたり、俺は合宿で新奈の入浴を覗いたりしたり。
それはもう本当に鼻血が出るくらい頑張った。
「俺のこの手が真っ赤に燃える! 勝利を掴めと轟き叫ぶ! ばあああああああああくぬぇつぅ・・ゴッド・・フィ・・」
「哀しいけど、これインハイなのよね」
「そ・・・その声は!」
次回予告
「この十字砲火の中で、秋水を殺す気ですか!」「ふざけるな!私は敵だぞ!」「オムツ持参でおともします」「インハイよ私は帰ってきた!」「トランスフォーム!」「3分タイマーじゃよ」「いーじゃない。親しみも大事だよ」
「わ、私…秋ちゃんのことが…」
君は続きを見る。。。かもしれない…
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要点をまとめます。
え?前置きが長い上に中途半端?
何のことですか?ボクは知りましぇん!
えっと。コルナゴのプレジデントです。ようやく組みました。
多分06モデルだと思います。フォークはスターカーボンです。
このモデルは当時コルナゴのモノコック系列でのフラッグシップで系列的にはCF系統とC-35系統のどちらかになるみたいです。フェラーリレッドに塗装されたものもあったみたいです。情報が殆どねー
このモデルは世界100台限定でLeonardo da Vinciの塗装されたものがあり。これは愛知万博のイタリアブースの正面に飾られたとか。飾られていないとか。
このプレジデントが無くなって、モノコック系列はE-1やM10に代わります。
とりあえず。うん。コルナゴですね。
やたらと直進安定性が良くて重厚で。速度が早ければ早いほど敏感になる。完全なレーサーです。
自分がラグフレームよりもモノコックフレームのほうが好きなんだな-ってよく分かる。パリっとした中にしっとりとした。いやー。うん。これをラグジュアリーって言うんですかね。
最近ポケットロケットばかりだったので、700Cの自転車も久しぶりなんですけど。この自転車は凄く楽しい自転車です。いやー。いいわー
塗装も綺麗だし。カーボンの積層も綺麗。何を言ってもホリゾンタルだしね。
ヘッドがちょっと長いのと、ポジション合わせたらシートポストがあんまり出なかったので。ちょっと残念。
思っていたよりもワンサイズフレームサイズが大きかったのかもしれない。跨げるんだけどね。
部屋に置いて眺めてるだけでもいいけれど。
たまには乗ってみるのもいいよ。って自転車です。これはまさしく芸術品でもあり、ロードレーサーでもありますね。
ああ。そうそう。
良い子は自転車競技でほかの選手の頭に握りつぶしたり、燃やしたりしたらダメですよっ☆
価格評価 ★★★☆☆ (中古なので。定価だと☆5つ。高すぎでしょ。今ならもっと安くていいフレームもある。。はず。でもスタイリングでこれに勝てるモノは少ないでしょうねー)
評 価 ★★★★★★ (そりゃ。あの時代のコルナゴですからねっ!見てよし走ってよし。問題は価格だけ!)
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大統領 | 日記
Posted at
2015/02/02 19:42:08
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