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2017年04月30日 イイね!

・私がなぜ456GTを買ったのか・トランスミッション/シフト/クラッチ

456はトランスアクスルです。
シフトフィールは機械的なカチっとした感じ。
このカチっとした感じ、重要です。
なぜカチッとするか、
まず、シフトレバーは鍛造材で硬く、しなりがありません。
これをアルミ鋳物の台座に入れ、この台座を車体のフレームにねじ留め。
まず操作部は動かないようにがっちり固定されています。
そのうえで、ギアボックスまでは金属ロッドで伝達します。
この部分、今時はワイヤーで伝達します。(電子制御で電線の方が多くなっちゃいましたが)
ワイヤーと金属ロッドの感触の違いは”逃げ感”に出ます。
ガチャガチャ感もでます。
「機械を操作している」という感覚に直結します。
(フェラーリはこの操作感を大事にしていて348でワイヤーを採用しましたが、355でロッドに戻しています。それ以外のフェラーリはMTは全てロッド)

クイックシフト
クイックシフト要りません。
なぜ要らないか。
まず””なぜクイックにしたいか””
レースのタイムを短縮するため。
シフトチェンジの時間は駆動力が途切れる為車両を加速できないので、タイムロスになる。その為シフトチェンジの時間を短くするためシフトレバーの有効ストロークを短くして操作時間を短縮する。
456には当てはまりません。
そもそもこのロジックは以下の状態で有効です。
「有効なトルクを発生する回転数領域が狭く、シフトチェンジを頻繁に行って有効トルク発生回転域内で運転する必要がある場合」
逆に言うと「トルクが太くて、有効にトルクが発生する回転数領域が広ければ、シフトする必要はなく、シフトしないからクイックである必要は無い」
ということになります。
456は排気量が大きく、有効トルク発生回転域が広く、したがって、どの領域でも加速してくれるので、頻繁なシフトチェンジの必要は無く、従って、シフトがクイックである必要はないのです。
シフトチェンジしないのが最もギアチェンジ時間が短いのです。

ギアボックスには専用のオイルクーラーとポンプが標準で装備されています。
ポンプはギアボックスのシャフトに直結され強制的にシャフト内部にオイルを圧送し、各摺動部に直接給油されます。
チューニングでオイルクーラーとポンプをギアボックスに付けても、摺動部への直接給油はできないので(オイルラインが事前の設置されていればできます)開発時から設定されている強みです。

当然ですが、全てのギアはシンクロ(回転数同調機構)を有し、ダブルクラッチ操作をして回転数を合わせなくてもギアチェンジが可能です。
と、いいながら、ダブルクラッチしたくなっちゃいますけどね。

クラッチはシングルプレートですが、これを操作する油圧シリンダー部はダイレクトレリーズ構造になっています。
これも普通では使いません。
普通はレリーズシリンダー(クラッチを押すシリンダー)がレリーズフォークを押して、テコの原理でレリーズベアリングを押して、ベアリングがクラッチを押しますが、
456の場合はベアリングと同軸に大きなシリンダーが付いており、直接クラッチを押しています。途中に介在する部品が無いので、遊びが少なく、クラッチ操作がダイレクトに反映されます。
この構造もレーシング由来のシステムです。
ネガティブは壊れたら単体での点検交換はできず、ミッションを降ろさないと修理不可能です。
蛇足ですが、中古車屋さんで「ペダルの位置が高いからそろそろクラッチ交換」とか言われますが、これはクラッチ操作をワイヤーで行っている車両でのみ有効です。
油圧シリンダーを使ったシステムでは、クラッチが減って、ダイアフラムスプリングの位置が変わっても油圧シリンダーの位置で吸収してしまうので、クラッチペダルの位置は変わりません。

私は「MTは脳内変速時間世界一」だと思っています。
これは、セミオートマもDSGも脳が指令を出して変速が終了するまでの工程は以下の通りです。
脳が指令を出す→指先がパドルを引く→信号がECUに届く→アクチュエーターがシフトロッドを動かす(クラッチ操作をする)→シフト完了

脳内では「指先がパドルを引く」時点で変速操作は終了しています。その後に機械の変速動作が行われ変速が終了します。(各社はこの機械部分の時間を短縮しようとしている。

MTの場合:
脳が指令を出す→指先と腕がシフトチェンジの動作をする。同時にギアが変速される(筋肉で変速の為の機械を動かしているので当然同時)→変速終了/脳の指令も終了

どうでしょう。脳の指令の終了とギアチェンジの終了には一切のタイムラグはありません。変速動作を待つこともありません。
脳が指令を出して、指令が終わると同時に全くタイムラグなく機械的動作も完了しています。

なので、脳の認識としてのシフトチェンジが最も早いのはMTであると考えます。


Posted at 2017/04/30 21:45:09 | コメント(3) | トラックバック(0) | 日記
2017年04月29日 イイね!

・私がなぜ456GTを買ったのか・ 吸気

456の吸気の取り入れ口はフロントグリルの両脇にあります。
この位置に吸気があるのは国産車ではあり得ません。
なぜなら冠水路試験にパスできないからです。
簡単に言うと「深い水たまりに入ったら水を吸い込んでエンジンが壊れちゃうから」
ですが、イタリアンにそんな事は関係ありません。
なぜこの位置か?「走行中の風圧が最も高く、ラム圧過給効果を期待できるから」
一応言い訳として、吸気口から入った空気は一旦上に上がって(ここにスリットが開いていて雨水は重いので、慣性でスリットから外に出る)空気だけになって、エアクリーナーボックスに入り、真っ直ぐにスロットル手前まで来て、90°折れ曲がってスロットルを通過し、コレクタータンクの中で各気筒のインマニに分配されます。
吸気口からスロットルまで出来得る限り直線的接続し、尚且つできるだけ長い吸気管長を確保して低回転トルクを稼ぐ設計をしています。
そして、コレクタータンクの中にはプラスチック製のファンネルを気筒毎に装備しています。それも、中央にあるスロットルに向けて各ファンネルを傾けて配置する凝った造り。
そこから長めのインマニを介してインジェクター手前からはほぼストレート形状。
ここをストレートにする為にバルブ挟角を狭くしポート形状を直立するように設計してあります。
これは、ドカティではテスタストレッタとして、エンジンの売り文句になっています。
ヘッドポートは純正でリューターによる研磨修正を行い段付きや鋳肌の荒れを全て除去してあります。(これもNAエンジンのチューニングではお馴染み。インテグラのタイプRでもアピールしまくってました)
つまり、純正買った状態でタイプR級であり、フルチューン状態、理想を追求した形状と設計を行ってあります。

やってない事と言えば各気筒独立スロットルくらい。
Posted at 2017/04/29 18:56:33 | コメント(3) | トラックバック(0) | 日記
2017年04月29日 イイね!

・私がなぜ456GTを買ったのか・マフラー

456の排気管
タコ足から始まって、フロント、センター、メイン
物凄いお金かかってます。
もう20年前のタコ足なのに、錆びない、割れない。
完全にコストの高い耐熱合金使っています。しかも鋳鉄じゃなくて、パイプの曲げタコ足。
そして、他の部品も錆びない。穴開かない。
全部耐食性の高いステンレス系の合金を使っていると思われます。
そして、触媒。これも、フェラーリ初の触媒標準装備が456です。
でも当時の主流はセラミック担体触媒。
脆いし、重いし、効率悪いので、とてもフェラーリには使えない。
ということで、当時の最先端メタリット社製のメタル担体触媒。
しかもレース用大容量
レース用だから寿命短いけど、排気抵抗少ないし、軽い。
だから採用。
これらの部品全部断熱材巻いて、その上から薄肉アルミ板を被せて完全断熱。
これをすると排気ガスはエネルギー(温度)を放散しなくて済むので流速が落ちないまま出口まで出てくる、。そうすると、排気のシリンダー内からの引き抜き効果が良くなって、充填効率が高まる。
NAチューニングの王道
全部断熱材巻いた時点で物凄いコスト高い。
ハッキリ言って、アフターマーケット品でここまでコスト掛かっているマフラーなんて見たことない。

そして各パイプの接合は差し込み管。
この方式は内部に段差が少なく、これも排気効率の為。
接続部の固定金具も凝っていて、鋳物のブラケットに焼結合金のガスケットを挟み、スプリング付きのボルトナットで締める。
これも、こんなゴツイブラケットなんて見たことない。

純正でここまでやられちゃうとアフターの出る幕が無いというくらいの高コスト、凝りまくりの排気システムなのです。
Posted at 2017/04/29 00:21:56 | コメント(1) | トラックバック(0) | 日記
2017年04月28日 イイね!

・私がなぜ456GTを買ったのか・エンジン

F116
よく疑問に思われるのが
「なぜ65°?」
これ、確証は全くありませんが、
「インマニの配置をしやすくする」とか「低重心化になる」とかは
ウソだと思っています。
ではなぜ65°なのか、不等間爆発になるのに。
私は「不等間爆発にしている」と思っています。
理由は”そのほうがトラクションが良くなるから”

バイクの世界は常識となっていますが、「トルクに波がある方が、タイヤのグリップを引き出せて、コントロール性が良くなる」のです。
この効果を狙って、バイクではビックバンと呼ばれる不等間爆発エンジンが活躍しています。
そして、355のV8も故意にバルブタイミングをずらしてトルクに波を作り、トラクションとコントロール性の向上を狙っています。

そうすると、V8よりもスムーズにトルクに波が無い特性のV12で同じテクノロジーを使わない訳がない。V8は振動が問題になるけど、V12ではその心配は無い。
そこでバンク角を開いて、故意に不等間爆発とし、トルクに波を作って、トラクションとコントロール性でライバルの上を行く。

これが65°の正体だと思っています。

これが正しく効くテクノロジーである証拠にF116以降、全てのV12は65°で統一されています。

そして、マーレのピストンに等長タコ足、ドライサンプ一流の材料をつかって組み上げ、
ブロックもヘッドも軽量であることと高剛性を両立させる為の設計がなされています。
ヘッドの中を見ると、バルブ周辺の支持と水路の確保点火プラグの空間に最小限の肉付けをしただけの造形をしており、物凄く筋肉質で内臓物が浮き出て見える程です。
エンジンブロックの側面もシリンダーとクランク、水路を布一枚でくるんだような、筋肉が浮き出ているように見える最低限のリブとアルミで内臓を包み込んだ設計です。
これを見ているだけで頬が緩んできてしまうような素晴らしい造形をしています。

F116に関して、はヘッドの小ささも目立ちます。
通常のツインカムエンジンの三分の二程度の幅しかなく、バルブ鋏角が狭くまた、駆動ユニットもクランクからギアで一段減速してからベルトでカムプーリーを駆動しています。こうするとカムプーリーを小さくできてバルブ挟角を小さくするのにプーリーが邪魔するのを防げます。
ヘッドボルトも通常ヘッド内部の貫通ボルトを通しますが、F116の場合ヘッドの外側に食い込むようにナットが設置してあります。
このナットの配置は通常あり得ない配置です。なぜなら自動締め付け機が使えないので手で締める以外に方法がありません。

これらの設計は、自動車エンジンというより、バイクのエンジンに近い設計で、ドカティの空冷Vツインの設計とよく似ています。
たぶん技術者が行き来しているのだろうと思われます。
(ヨーロッパではエンジニアが企業を渡り歩くのは通常の事です)

したがって、F116はドカティのVツインを6個並べたともいえるし、
レーシングバイクの設計思想に影響を受けているとも言えます。

どちらにしても、量産ではなく、乗用車でも無いエンジンなのです。
Posted at 2017/04/28 23:25:00 | コメント(1) | トラックバック(0) | 日記
2017年04月28日 イイね!

・私がなぜ456GTを買ったのか・550/575マラネロについて

「マラネロは?」という問い合わせがなぜか複数きたので、マラネロについて。

碓井旧道スペシャル
マラネロと456は兄弟関係にあります。
が、全く違います。
簡単に言うと、
456は中程度から大き目のRの峠と高速が得意ですが、
マラネロは””小さいRの峠が大得意””
ハッキリ言って、ドアに豆腐屋の屋号を貼り付けてやりたいくらい。
そして、走らせ方はパワードリフトです。
つまり、曲げて楽しむ車です。

ホイールベースを2600→2500にショート化
ステアリングレシオを2.5→2.2
ここだけ見ても、対456比で””曲げる””セッティングであることが見て取れます。
これに、スプリングを柔らかくセット。
なぜ柔らかくするか?普通固くしますね。
これが550の肝です。
柔らかくしなければならない理由があります。
550は””ダンパーの上下の支持が両方ともピロボールなのです””
つまり一切のゴム緩衝部品は550のダンパーには装備されていないのです。
だからスプリングをよく動かさなけらばなりません。
そのうえで、456に対してダンパーをフロントを固く、リアを柔らかくセットし追従性を上げています。
空力についてもマラネロがダウンフォースをあてにしていないことが見て取れます。
456にはリアバンパー下に完全な翼断面を持つウイングが装備されていますが、550にはフラットなアンダーフロアは装備されていますが、ウィンドトンネルもウィングも装備されません。
「空力は抵抗を減らしてくれれば、あとは余計な事はするな。」
ということです。
つまり、グリップ走行する気が無い。
ダウンフォースが大きいということはタイヤが滑らない。
550はそうしたくない。
しかもダウンフォースは速度と車高に依存する。

550がやりたいことは、曲がりくねった峠道を自分の腕前でパワードリフトで流しながら踊りながら走らせる事。

だから、短いホイールベースにクイックステアリングで回頭性を上げ、ゴムの曖昧さを排して微小な動きに確実に答え、しなやかなスプリングとリア柔らか目セットのダンパーでメカニカルグリップを最大限に引き出し、コーナーを意のままにかすめ、高回転域の応答性とトルクレスポンスを上げたV12でパワードリフトに持ち込み、直線に入ったところで、ゼロステアで怒涛の加速。
小さいRの峠を自由自在に走り抜ける。
それが550の最も狙ったシチュエーション
ほとんどAE86が似合う世界の住人。
最高速なんて、本当は眼中にない。
Posted at 2017/04/28 22:44:42 | コメント(1) | トラックバック(0) | 日記

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何シテル?   12/06 10:58
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