
例年、一年を締めくくる忘年会は、相棒の“しろぶぅさん”と一緒に行っています。ここ数年は恒例の年末年始ツーリングに一緒に出かけた中で、訪問先の美味しい名物などを囲んでの“二人だけの小さな忘年会”を催してきました。
しかしこの年末については、当初の休暇予定が急遽変更になったこともあり、東京近郊で何か美味しいものを探して食べましょうという話に。ちょっと贅沢な肉料理でも、と思いながらネット上で店を探しているうちに、もうひとつのメニュー候補を思いつきました。
そのメニューというのが「うなぎ」。
うなぎというと土用の丑の日に代表されるように、なんとなく夏の食べ物というイメージもあります。養殖ものも多く出回っていることから一年を通じて食べられる鰻ですが、一説によると旬の季節というのは冬なのだそうです。なぜかというと、厳しい冬の寒さを乗り切るために脂を蓄えることから、もっとも脂の乗った美味しい時期なのだという考え方があるのです。
だから、というわけではありませんが、今年を締めくくる“小さな忘年会”では鰻をいただくことにしました。
そこで向かったのは
神奈川県の
小田原市。
西湘バイパス・国府津ICの近くにある「うな和」というお店。このお店については以前から名前を何度も聞いたことがありました。それというのもこの方面にお住まいの多くの方々から「鰻を食べるなら、うな和に行く」と聞かされており、機会があれば是非一度は訪れてみたいと思い続けていたのです。
前日の昼に電話で予約を入れて、現地に到着したのは18時30分。この時点で駐車場の空きは残り少なく、私たちの入店とほぼ同時に店にやって来た予約無しのお客さんは、1時間半待ちであると伝えられていました。
広間のようなスペースに通されてみると、そこには4人程度が座れるテーブルが6卓。やや前後の間隔が狭いのでお客さん同士の距離感が気になる面もありますが、まず店員さんの接客態度がとても上質なものであることに感心させられます。
メニューはいくつか用意されており、最初は「うな重」にしようと思っていました。しかしよくよく見ていくと定食の方に魅力を感じてしまいます。そこでオーダーしたのは定食の“月”で、お値段は4,830円。この価格ですが、最近になって稚魚不足などから鰻は高騰を続けているために、やむを得ず値上げに踏み切った旨の説明書きが店内には掲げられていました。
それでも内容の充実ぶりからすると、決して割高感を覚えるものではありません。うな重、白焼、うざく、きも煮、きも吸、骨焼、漬物、サラダ、デザートという、まさに鰻のフルコース状態です。
まずはカリッと仕上げられた「骨焼」が運ばれてきます。少々硬めではありますが、この先のメニューに期待を持たせる一品。そしていよいよ本格的に料理が供されますが、まずは「きも煮」から。肝とキノコなどがピリ辛の味付けで煮込まれたものですが、臭みなどは全くなく、食欲をそそる美味しさ。
この次にやって来たのは「白焼」、ふんわりした焼き上がりをワサビ醤油でいただきます。こちらは脂がしっかり載っている美味しさ、しかしクドすぎることもなく、ワサビの香りも旨みを引き立ててくれます。
また、「白焼」とほぼ同時に供された「うざく」は、隠れたナンバーワンとも言える美味しさ。正直なところあまり酢の物は好きではないので、「どうせ、小さい鰻とたっぷりのキュウリで、酸っぱいんだろう」と勝手に思い込んでおり、もっとも期待していない品でした。しかしながら、予想よりも大振りの器に盛られた「うざく」は鰻もとても立派なもの。もちろん一口サイズにカットされていますが、その一切れもボリューム感たっぷり。これをキュウリと和えていただきますが、酸味が鰻の旨みとちょうど良いバランスで、「白焼」と立て続けにいただいてもまったくクドさを感じさせず、旨さだけが残る感じです。
そしていよいよ主役の「うな重」。「サラダ」「漬物」「肝吸い」とともに運ばれてきましたが、こちらは全く文句の付けようがない美味しさ。見た目の照りも食欲をそそりますし、普遍的な言い回しですが“外はカリッ、中はふんわり”で、鰻のもつ美味しさを凝縮しています。
実はメインの「うな重」まででも結構なボリュームがあったのですが、やはり「うな重」の美味しさは別格だったようで、“しろぶぅさん”ともどもペロリといただいてきました。
最後に、柚子のアイスクリームでサッパリしてコースは終了。
鰻の味もさることながら、細かい気遣いをしてくれる店員さんの対応にも大満足となった「うな和」。機会があればドライブを兼ねて、また足を運びたくなるお店を見つけて嬉しい気分です。
美味しい鰻で満足度の高かった“小さな忘年会”、2012年に向けての英気を二人で養うことができました。
Posted at 2011/12/31 20:51:57 | |
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