激痛

日曜日
朝目覚めると腹部に軽い痛み。

なんか悪いもの食べた？
考えながらトイレに行くが
お通じなし。

あまり気にせずキッチンへ。

冷蔵庫を覗きながら
朝食メニューを考えていると
ズーンと重い痛みが来た。

まっすぐ立っていられず
背中を丸めた状態で
キッチンに寄りかかる。

無理だ、立っていられない。
ソファに緊急避難。
横たわっても痛みは治まらない。

前夜のメニューは
鶏と野菜のオイスターソース炒め。
ビールとアテに何か食べたけど
ヤバイものは無いはず。

遅効性の食あたりなんて聞いた事がないから
前夜が無実なら食あたりは容疑から外れる。

一服盛られたか

誰に？

事件は迷宮入りの予感。


痛みが少し弱まった所で
軽い朝食を摂る。

1日中鈍痛を感じながら
遠出もせずに過ごした。

翌月曜日午前3時頃
激しい痛みに目が覚める。

吐き気がするほどの痛さで、
患部を押さえても、
寝返って姿勢を変えても、
痛みは治まらない。

20年ほど前の尿管結石を思い出す。
人間ドックでも
2年前から結石の存在は指摘されていた。

悪さしてないからと放置してたんだ。

どうする救急車を呼ぶか
大病院での人間ドックだ
救急外来やってるか？

1時間ほど耐えたら痛みは和らいだ。
痛みに耐えるのって体力を使うみたい。
疲れて寝落ち。

窓からの日差しで目が覚めた。
食欲はない。
人間ドックの結果資料と、
お薬手帳を用意して1時間早く出社。

会社の近くの病院を
「腎結石　治療」で検索。
電話をかけても「時間外」の音声。

診療時間までに
急ぎの仕事を片付ける。

出社してきた仲間に
状況説明と仕事の手配。

病院に電話
「予約優先で1時間ほどお待ち頂きます。」
の返事。
「待つから鎮痛剤が欲しい」
「先生にお伝えしておきます」

他人事のような応対に不安を感じたものの、
藁にもすがる思いで病院へ行く。

受付、問診票の記入。
持参資料を委ねる。
後は座って待つだけ。

結局、1時間強の待ち時間。
最後の患者になってから診察室へ呼ばれる。

医師は人間ドックのデーターを見て、
「石が大きすぎてウチでは対応できない。
大病院の紹介状を書きます」

忙しいのは分かるけど
事前に資料を渡しているのに、
苦しんでる患者を1時間待たして、
鎮痛剤も出さずに他所へ行けってどうなん？

最近ネット漫画で
ドクターコトーを読んだ身としては
納得がいかない。

人間ドックからの紹介状を開封して、
新たに書いた紹介先は、
元の人間ドックの病院。

全くの無駄。
初めからソッチに行けば良かった。
怒る元気もなく大病院へ向かう。

大きな病院は待ち時間が長いイメージだけど
初診受付から直ぐに泌尿器受付へ。

痛みはピークで、大量の脂汗。
座っているのも辛い。

窓口で状況を伝えると
間もなく看護婦が来て、
痛み止めの坐薬と検査の案内。

痛み止めが効き始めると余裕がでてくる。

腹部レントゲンやエコー、
検尿等のスタンプラリーを経て医師の診察。

治療法は3種類

①尿管拡張の薬を飲んで
オシッコで自然に排出。
20年前はこれだったけど
今回は尿管より大きいので不可。

②尿管から内視鏡挿入による粉砕。
1番確実な治療法だけど1週間の入院が必要。
今なら楽しい夏休みが入院に置き換わる。
1週間の入院から復帰して
「今から夏休みで、もう1週間休みます」
なんて言えないよな。
夏休みを取った後なら
不可抗力で押し切れるのに、却下。

③体外衝撃波による粉砕。
処置数時間、仕事を抜けてできそうだけど、
1度で取りきれない可能性あり。
破片が排出されるまで痛みを伴う。

現実味のあるところで
③を選択。
2週間後に処置となった。



感じた事
大病院は、イケイケ美人スタッフが多い。

最初の病院では、
受付がパートのオバサン、先生は若い男の人。

大病院は担当医も女医さんだし
検査担当の人もレントゲン以外は全て女性。

淡々とした草食系レントゲン技師に対して、
妙齢の女医さんはベランメエ調だ。
接客業なら接遇減点だけど、
キップが良くて面白い。

何の検査か忘れたけど、
若くて可愛い検査員さんに
「お盆休み中に体調が悪くなったら、
ワタシ緊急外来で出勤してますから
御指名下さい」ってキラキラビーム。

いやぁ何だかなぁ
痛くもないのに
「近く通ったから寄ってみたよ。
よし、ニューボトル入れよう」
って雰囲気だ。

あっ名札見るの忘れてた。


昭和のオジサンには
楽しいヒトトキとなりましたが、
痛みとの戦いは続くんだなぁ。