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2026年10月06日 イイね!

スバルの今後の一つの選択肢―PHEVという可能性の考察

スバルの今後の一つの選択肢―PHEVという可能性の考察1.はじめに
 本稿では、スバルが公式には明言していない、今後の電動化戦略について一つの可能性を考察するものである。
 ここで述べる内容はスバルの計画を示すものではない。公開されている情報を組み合わせた結果、どのような選択肢が考えられるのかを推測するものである。そのため、事実として確認できること、そこから導ける推論、さらにその先の仮説を分けて考えていきたい。

2.事象一覧
① 自社EVの後ろ倒しと投資再配分
 スバルは2026年5月、自社開発EVの投入を後ろ倒しし、電動化投資をHEVを含むICE側にも再配分する方針を示した。
 当初スバルはトヨタとのアライアンスモデルと自社開発モデルで計8車種のBEVをラインナップする計画であった。このうち、アライアンスモデルは予定通り発表され、日本ではソルテラとトレイルシーカーが発売されている。なお、アライアンスモデルの残り2車種のアンチャーテッド(小型車)は日本導入が噂されるものの動向がまだ不明であり、大型のゲッタウェイは北米で売られる予定となっている。
 さて、ここで気になるのが、大泉に計画されている電池工場である。
 パナソニックエナジーとの共同事業として、車載用の「次世代円筒形リチウムイオン電池」を生産する計画があり、2030年末には年16GWhの生産能力を想定している。国の助成も認定されており、環境アセスメントも行われており、単なる構想段階の話ではない。現地で建物はまだ建っていないが、用地の整備が進んでいるのは私自身で目撃した。ただし、これは26年5月の時点で大崎社長のコメントとして検討している最中というものがある。
 当初、この電池の主な用途として想定されていたのはスバルの自社BEVだった。ところが、その自社BEVの投入時期が後ろ倒しになった。もちろん、将来的に自社BEVが投入されれば電池の用途は成立する。しかし、電池工場の立ち上がり時期と自社BEVの投入時期にずれが生じれば、中短期的には「生産される電池を何に使うのか」という問題が出てくる。もちろん、外販ルートの開拓やライン立ち上げのスケジュール調整もあるだろうから、いつどれくらい余る予定ともいえない。大崎社長のコメントとして新工場計画について「検討している最中だ」と説明したという報道もある。
スバル、リチウム電池工場新設不透明 ニュースイッチ
https://newswitch.jp/p/49219
 なお、この大泉電池工場で生産される電池は、「次世代円筒形リチウムイオン電池」である。パナソニックエナジーが同時期に4680の量産化を進めていることから、これが示している物は、4680である可能性は高いと考えられるものの、確定的な情報はまだないため、本稿では必ずしも4680であることを前提にはしない。
 重要なのは、**BEV向けとして計画された大規模な次世代円筒形電池の生産能力が工場の建設が進んでいる形で存在する一方、その当初の主要な受け皿であった自社BEVの投入時期が不透明になった**ということである。

② S:HEVの展開が一巡
 スバルはTHSをベースにした自社のストロングハイブリッドであるS:HEVをクロストレック、フォレスター、レイバックへと順次展開してきた。
 この順序を見ると、現行S:HEVはSUV系車両への適合を重視して開発された可能性がある。
 特に興味深いのがVN型レイバックである。レヴォーグと同じVN系の車体を持つレイバックにはS:HEVが投入された一方、レヴォーグ本体には設定されていない。これに関しては過去にレイバックS:HEVの分析記事で取り扱っている。これは私の過去記事を参照願いたい。
 少なくとも現行S:HEVがそのまま全車種に展開できるシステムではないことは分かる。なぜなら、VN型の主体であるはずのレヴォーグに入れずにレイバックを経由しているからだ。
 今後、レヴォーグやWRX S4などにハイブリッドを搭載するとすれば、次期型での対応になる可能性が高い。インプレッサについては現時点では不明であり、BRZはトヨタとの共同開発車であるため別に考える必要がある。
 結果として、クロストレック(GU型)、フォレスター(SL型)、レイバック(VN型)という主力SUV系への展開が一巡した。現行世代のS:HEVについては、**主要SUVへの展開が一段落した**と見ることができる。

③ トヨタの第6世代THS
 もう一つ注目したいのが、トヨタのハイブリッド技術である。
 トヨタは第6世代THSとして、新型RAV4にPHEVを、レクサスESにHEVを投入した。
 ここで大きく変更されたのは、必ずしもエンジンそのものではない。
 トランスアクスル、モーター、PCU、DC-DCコンバーターなどの電動化側を統合し、小型・軽量化を進めている。RAV4 PHEVではSiCを採用し、バッテリー容量も従来の18kWh級から約22.7kWhへ拡大、EV走行換算距離は151kmに達している。
 つまり、第6世代THSの方向性を見ると、**エンジンを大きく変えるというより、電動化側を強化することでHEV・PHEVの性能を引き上げる方向**と見ることができる。このキモとなるSiCは、スバルもアライアンスBEVで取り入れており、一定の知見は持っていて、アライアンスを通じて共用できる立場にいると言えよう。

3.考察
①技術的連続性
 トヨタのPHEVとは、ものすごく単純化して言えば、HEVであるTHSをベースに、大型バッテリー(13~22kwh級)と外部充電機能を追加したものである。これによりバッテリー残量があるときはEVとして走行することができ、バッテリーが減ってくればHEVとして走ることができる。このHEVとPHEVもどちらも遊星歯車を用いた動力分割機構を取り入れたシリーズパラレル方式である。
 もちろん実際のPHEVは、単純に「HEVへ大きな電池と充電器を追加しただけ」ではない。電池容量の増加に合わせて、モーター、PCU、冷却系、制御系、充電系などを強化する必要がある。しかし、少なくともパワートレーンの基本原理そのものを新規に開発するような存在ではなく、技術的延長線上にあるものである。

 スバルのS:HEVも、THSの技術をスバルの水平対向エンジンと縦置きレイアウトに適合させたものである。遊星歯車を用いた動力分割機構をスバル流に組みなおしたものといえる。さらに、四輪駆動方式は、E-Fourではなくプロペラシャフトを用いた機械式AWDとしている。
 ならば、このような図式が描ける。
 S:HEV←THS→トヨタ式PHEV
 要するに技術的連続性があるということである。
 スバルの過去を見ると、かつてPHEVを限定的ながら発売したことがある。それがカリフォルニア州で発売されたクロストレックハイブリッドである。これは、現在のS:HEVの前段階となるTH2AというTHSの原理を取り入れたトランスアクスルを用いたPHEVである。現在のS:HEVに使用されているトランスアクスルのTH2Bと比べるとまだ技術的に甘く、PCUを荷室側においていたりしたが、スバルはかつてTHS系技術を取り入れたPHEVを実際に販売していたのである。そのうえで、現在はより発展形のハイブリッド車としてS:HEVを完成させて量販している。こちらは限定販売ではなく、日本や北米などで広く売られているものになっている。

②今ある手札を組み合わせる
 ここまでの事象を並べると、一つの構図が見えてくる。
 スバルには、
 **① BEV用として計画された大規模な次世代電池生産能力**がある。
 一方で、
 **② その主要な受け皿となるはずだった自社BEVは後ろ倒しになった。**
 そして、
 **③ THS系の技術を取り入れたS:HEVは既に量産されている。**
 さらに、
 **④ BEVの後ろ倒しによって、従来想定していた電動化による燃費改善効果も遅れることになる。**

 ここから、次のような問いが生まれる。
 「用途が不透明な次世代円筒形電池(*生産済みというわけではない)」と「THSを完全に自分のものにしたS:HEV」があるとき、スバルの次なる一手として浮かび上がる合理的選択肢は何か?
 私はここに、PHEVという選択肢があるのではないかと考える。

4.CAFE対策という観点
 スバルはもともと燃費性能でトヨタなどに対して有利なメーカーではなく、BEVによって企業平均の燃費・排出量を改善することが重要だった。そのため、自社BEVの後ろ倒しは、単純に「BEVの発売が遅れる」というだけではなく、電動化によって企業平均を改善するという戦略にも影響する。
 もちろんアライアンスBEVを増やすという方法はある。比較的小型のアンチャーテッドを導入することもその一つだ。しかし、BEVだけでなくベースとなるICE側の燃費を改善するために、HEVを増やすことも必要になる。
 実際、S:HEVは主力車種であるクロストレック、フォレスター、レイバックへと展開された。
 それでも、車両重量の大きい車種ほど、HEV化だけで燃費を大きく改善するには限界がある。
 そこでPHEVを考える。
 PHEVはHEVより大きな電池を搭載し、外部から充電することで、日常走行のかなりの部分を電気で走行できる。したがって、1台あたりの燃費改善効果を大きくすることができる。
 日本の燃費基準においてもPHEVは通常のHEVとは異なる方法で燃費を算定するため、少ない販売台数でも企業平均への寄与を大きくできる可能性がある。
 ただし、実際のCAFEへの寄与は車両重量、燃費、EV走行換算距離、販売台数などによって決まるため、「PHEV一台でHEV何台分」と単純化することはできない。とはいえ、HEV以上の燃費換算効果を出すことができるとは言えよう。
 なお、電池工場の生産予定の電池として最大年16GWh分とあるが、これをすべて代行する必要はないと考える。工場のライン立ち上げスケジュールの調整や外販ルートの調整などがあるため、初めから全力で生産するわけでもないと考えられるからである。そのため、生産予定の電池の使い道の一定数をカバーできれば良いと考える。スバルが自社BEVを作れるようになればそちらに振り向けることもできるからである。

5.アウトバックPHEVという選択肢
 では、PHEVを作るとしたら、どの車種が考えやすいか。そこで浮かぶのがアウトバックである。
 レガシィセダンが廃止され、唯一残されたアウトバックは、もともと持っていたツーリングワゴンの側面とSUVの側面のうち、SUVの側面を強めたBU型が現在アメリカなどで販売されている。
 最近はテストカーが日本国内で目撃されたり、イベントでアウトバックのウィルダネス仕様が展示されるなど、国内復活の噂が流れている。現行の米国仕様ではFA24ターボとFB25自然吸気が設定されているが、これをそのまま日本へ復活させるのは、現在のスバルの燃費戦略を考えると難しい。最低でもS:HEV化は必要であろう。
 しかし、アウトバックはフォレスターより大きい。同じS:HEVを搭載したとしても、フォレスターほどの燃費性能を期待することは難しい。そこで、「大きな車体を利用して大容量電池を搭載し、PHEVとして電動化率をさらに高める」という考え方が出てくる。
 アウトバックなら、
 * 車体が大きく電池搭載スペースを確保しやすい上に、スペースに余裕があるのでスバル独自のAWDやパッケージングを試す車種として使える
 * 最上位車種として高価格帯でも成立させやすい
 * PHEVを入れるにあたってフォレスターと差別化できる
 * 成功すれば将来的にフォレスターなどへ展開できる

 という条件がある。
 すなわち、PHEV化によるスペース確保と高価格化、Cafe規制対策を同時に成立させられる土台があると言えよう。

6.大容量電池を機械式AWDにどう搭載するか
 もちろん問題もある。S:HEVはプロペラシャフトを用いた機械式AWDであるため、車体中央部にセンタートンネルが存在する。大容量バッテリーを床下に敷き詰めるBEVとは、パッケージングが異なる。
 しかし、スバルは過去の特許で、プロペラシャフトを維持しながら車体中央部や床下にバッテリーを配置する構造を検討している。
US9096117B2/JP5483293B2、US9085226B2/JP5483756B2、US20100307848A1、US10399425B2 / JP6475270B2、US12347881B2などがその例である。
 もちろん、特許が存在することは、その構造が実際のPHEVに採用されることを意味しない。しかし、「機械式AWDだから大容量PHEV電池は搭載できない」と単純に考える必要もない。クロストレックハイブリッドでは荷室部分に8.8kwhのバッテリーを積んでいたが、PCUと合わせてスペースを占有したため、荷室の使い勝手を大幅に損なっていた。これを解決する知財的なベースがあるといえる。
 仮に搭載可能なバッテリー量が少なかったとしても、SiCが効いてくる。要するにバッテリーにためた電気を仕事量に変換するインバーターを効率化し、同じ仕事量ならより少ない電力で実行できるようにできる。

7.電池の性質はどうか
 ここで、大泉電池工場の「次世代円筒形」という言葉が出てくる。
 この電池が4680なのか、それとも別のセルなのかは現時点では確定していない。ただし、今回の仮説ではそこは本質ではない。
 重要なのは、**BEV向けとして計画された次世代の大容量電池を、大規模に生産する能力がある工場を建てているのに、そのメインの使い道のスバル自社EVが後ろ倒しになった**ということだ。
 HEV用バッテリーは、頻繁な充放電に対応する高出力特性が重要になる。一方、PHEVやBEVでは、より大きなエネルギー容量を確保することが重要になる。
 すなわち、出力型(HEV)と容量型(BEV)で求められるバッテリー特性が違うということである。そのため、この生産予定の大泉電池工場のバッテリーは、BEV向けならば大容量・高エネルギー密度を狙った設計と考えられるため、HEV向けとしては見合わない。
 しかしPHEVなら、大容量電池の利点を活かしながら、エンジンとハイブリッドシステムを残すことができる。もちろんPHEVは中間特性が求められるために単純ではないが、BEV用のバッテリーセルの流用先を考えるのにHEVよりは適しているといえるだろう。

8.販売ポートフォリオとして
 サイズ・車格の面では、事実上の国内におけるアウトバックの後継車はBEVであるトレイルシーカーとなっている。日本の多くの世帯が集合住宅に住んでいて充電環境がないことや、雪国におけるBEVへの不信感もある中で、PHEVという選択肢は、駆動用バッテリーの残量が低下してもHEVとして走行することができるという点で一定の顧客訴求力を持つ。もちろん充電環境がないユーザーにとっては燃料費低減につながるかという点ではHEVに劣る部分もあるだろう。しかし、BEVでないという点が大きいと考える。充電という一つのソースに頼らないということ。日本にいまだ多くくすぶるBEVに対する疑念に対して、一つの回答となるのではないだろうか。集合住宅の層には訴求しにくいが、戸建て比率が高く冬の不安も大きい地方では、充電できてBEVより安心な選択肢になりうるだろう。ましてスバルは全領域性のイメージが強くあるメーカーである。燃料でも走れるし、充電すればモーターでも走れるという点は、そのメーカーの色とも合致しやすいのではないだろうか?

9.まとめ
ここまでの事象を整理すると、
1. スバルは次世代円筒形電池を大規模に生産する計画があり、大泉町に電池工場の建設が進められている。
2. 当初、その主要な用途として自社BEVが想定されていた。
3. しかし、自社BEVの投入時期は後ろ倒しになった。
4. 大泉電池工場で生産予定のバッテリーの使い道が不透明となっている。
5. 一方で、S:HEVはすでに量産され、THS系のハイブリッドシステムをスバルの水平対向エンジンと機械式AWDに適合させる技術基盤が存在する。
6. トヨタでは、同じTHS系の基本原理を使ってHEVからPHEVへ発展させている。
7. 自社BEVの後ろ倒しによって、電動化による企業平均燃費の改善という面でも新しい手が必要になる。


ここから、
**生産予定の大容量電池の受け皿**
**S:HEVの次の展開**
**BEV後退分の電動化**

という三つを同時に満たす選択肢として、PHEVが浮かび上がる。

そして、
**大容量電池を搭載できる車体**
**高価格を許容できる商品性**
**比較的少ない販売台数**
**AWDとの親和性**
**将来的な他車種への展開**

という条件を考えると、アウトバックが適するのではないかと考察できる。

もちろん、これはスバルがPHEVを開発していることを示すものではない。
電池工場の計画が変更される可能性もあるし、ライン立ち上げのスケジュール等もあるだろう。BEVの投入時期が再び前倒しされる可能性もある。次世代HEVの開発やアライアンスBEVの拡大など、電動化には別の解も存在する。
それでも、上記に上げた事象を並べたとき、PHEVという選択肢が浮かび上がるのは不自然ではないのではないだろうか?

スバルが実際にこの道を選ぶかどうかは、公式情報がないので分からない。
本稿は、現在のスバルを取り巻く状況から企業分析を行ったものである。
何なら私の妄想とも言ってもよい。
スバルの将来像はいずれ公式発表があるであろうが、現在の状況から見た私の考察を一つの読み物として楽しんでいただけたら幸いである。
Posted at 2026/10/06 21:07:01 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2026年09月27日 イイね!

アウトバックのニッチはどこへ行ったのか―レイバックS:HEVとトレイルシーカーが示す二つのアプローチ

アウトバックのニッチはどこへ行ったのか―レイバックS:HEVとトレイルシーカーが示す二つのアプローチ 最近のスバルを見ていると、レガシィシリーズが姿を消し、代わりに新しい車種がフラッグシップ的な位置を占めつつある。その中で登場したレイバックS:HEVとトレイルシーカー。よく見てみると、この二車種はアウトバックが長年築いてきたニッチを、まったく違うアプローチで電動化時代に引き継ごうとしているように思えた。よって、今回はそのあたりを整理したいと思う。


1.アウトバックとは

 *画像は、BS型アウトバックである。

 アウトバックとは、レガシィシリーズにおけるセダン・ワゴン・クロスオーバーSUVのうち、クロスオーバーSUVを担当するモデルである。世代によってその出自はやや異なるが、BP型まではツーリングワゴン派生でリフトアップしてSUVとしての走破性を持たせている。ツーリングワゴンが廃止されたBS型以降は、SUVとしての性格を強めていく。
 さてこのアウトバックは、世界的に見ても独自のニッチを築き上げてきた車である。ニッチとは、特定の需要に特化した、ちょうどいい立ち位置や専門的な市場を意味し、生物学でも同じような意味で使われる。アウトバックの築いてきたニッチとは、以下のように説明できるであろう。
「都会でも使えるけど、ちょっとした冒険もできる万能車」
 本格的なクロスカントリーSUVほど乗り心地が硬くなくゴツくない。
 ワゴン譲りの荷室でたくさん積める。
 オンロードでも快適な乗り心地がありつつ、悪路走破性もある。
 いわば、ワゴンとSUVの中間。のちの他社も参入してきているが、スバルが最初に築き、そして購入しやすい現実的な価格で販売してきているので、一つのニッチとして成立してきた歴史がある。

 ツーリングワゴン廃止後のBS型以降はSUVとしての側面を強めていくが、基本骨格としてのニッチはこのように分析できる。

2.アウトバックのニッチの後継
 現在、アウトバックどころかレガシィそのものが日本では廃止され、アメリカでBU型として残るのみ。このBU型はセダンが廃止されたこともあってより車高を上げて四角いボクシーなデザインとなっている。すなわち、よりSUVとしての側面が強まっているといえる。
 日本では販売されていないBU型アウトバックに代わり、従来のアウトバックのニッチは、異なるアプローチで電動化時代に適応して引き継がれている。それがレイバックS:HEVとトレイルシーカーである。

≪レイバックS:HEV≫

*ホームページより引用
 VN型レヴォーグから派生したレイバック(登場当初のもの)。それはスバルSUVに特徴的な悪路走破モードであるX-MODEを持たず、土の香りのしないSUVとして作られたオンロードSUVであり、わかりやすく言えばハリアーの築いた都市型SUVのニッチに殴り込んだ車である。そのうえで、おそらく技術的要因からレヴォーグのスポーツツアラーに最適化するのに時間がかかる現在のS:HEVシステムを同じSUVであるレイバックに入れて電動化し、車高を落としてワゴンと呼称している、いわば偽装レヴォーグS:HEVであるのがレイバックS:HEVである。こちらは最低地上高が180mmまで落とされているが、トランスアクスルとセットになっているためか、X-MODEが付いている。
 最低地上高がスバルSUVとしては低めであるが、X-MODEをもち一定の悪路走破性を持ちつつ、オンロードでの高い乗り心地や高い燃費性能を持つ、アウトバックのニッチに対してワゴンの側面から電動化アプローチをしていると解釈できる。
「都会・日常・上質寄りに特化したハイブリッドによるアプローチ」といえるであろう。

≪トレイルシーカー≫

*ホームページより引用
 大幅改良が施されたD型ソルテラをベースに、Cピラー以降であるリアオーバーハングを155mm延長して荷室を拡大し、リアモーターを88kwから167kwに大型化したアライアンスBEVである。都会寄りのソルテラに比べてよりアウトドア方面に移し、デザインもよりラギットな方向にしている。
 アウトバックの持つ広大な荷室と悪路走破性や長距離性能をBEVとしてアプローチしている。実際、欧州では「E-Outback」の名で売られており、サイズもBS型とBT型の中間であり、精神的後継モデルである。
「アウトドア・積載性を重視したBEVによるアプローチ」といえるであろう。

 これら二車種は、サイズも違えば動力方式も異なる。しかし、その目指したものを読み解くと、アウトバックが築いてきたものに対する異なるアプローチを見ることができる。かつて一台のクルマが「都会も冒険もこなす万能さ」として一手に担っていた役割は、電動化時代においては、複数の車種に機能を分けて引き継がれていく。レイバックS:HEVが上質さと日常性を、トレイルシーカーがアウトドア性と積載力を担うように。ニッチは車種の統合によってではなく、分割によって存続していくのかもしれない。
Posted at 2026/09/27 14:52:29 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2026年09月22日 イイね!

2026/09/20 ありがとうハイドラ エコパラオフ レポート

2026/09/20 ありがとうハイドラ エコパラオフ レポート ひっさしぶりのエコからオフ会に参加してきました。
 雨でしたが、皆さん無事に帰宅できたようで何よりです。
 楽しい時間をありがとうございました。

 さて、レポートをしたいと思います。

1.体調不良
2.異世界探索
3.やきまんぢう
4.チューニングと燃費


1.体調不良
 ここのところ心も絶不調で心配おかけしています。参加者の皆様にもお声かけ頂いてしまいました。
 今回はまたちょっと別の体調不良を抱えての参戦でした。
 前日夜によくわからない腹痛と下痢に襲われ、1時間毎に起きてはトイレに行って、の繰り返し。固形物もあまり出ずに液体ばかり出るようなもので、暑かったのか冷や汗か、服が絞れるのではないかというレベルでの大汗もかいていました。
 マジで行けるかどうか怪しかったのですが、翌朝はいったん落ち着いていたので整腸剤と下痢止めを飲んでの出撃。下痢の症状は出ずに済みましたが、体の疲労は隠せませんでしたね。ベンチがあるところを探して座り込んでいました。30代が絶頂期というのは絶対にウソですね。劣化を感じる日々です。無事に全行程終えられてよかった・・・。

2.異世界探索
 今回のオフ会、相変わらず参加表明無し(けだまさんにだけは伝えてましたが)での参戦でした。しかし、まああいつは来るだろ、とのご意見。サプライズにもなっていませんでしたね。とはいえ、今は事情も事情なので、近場でないと参戦は難しいと思います。
 オフ会のメインステージは、≪伊香保 おもちゃと人形 自動車博物館≫でした。ネイティブグンマー兼信州移民の私ですが、伊香保は未知のエリア。行ったことなかったんですよね。初訪問でした。しかし、周りには何とも言えない博物館もあるようですが・・・。
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 全体の写真は撮れなかったのですが、来ていた皆さんです。
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 *乗っているくまの鼻先が目玉おやじに一瞬見えましたw

 入って割とすぐにあったのが昭和のおもちゃエリアでしたが、平成っ子の自分からすると、世にも奇妙な物語というか、異世界を探索している感覚でした。皆さんが何を言っているのかさっぱりわからなかったです。小さいレコード?家の外にあった電線? 日本語は読めますが、ほんとに異世界ですね、昭和って。
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 *よく見ると織田信長のプラモが・・・。最近あったライダーのプラモ的な??

 車エリアには、われらがスバル車のご先祖様が鎮座していました。オフ会への動態参戦も狙っていたそうですが、諸事情により断念とのこと。一度は動いてるところを見てみたいですね。
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 タイヤサイズ10インチなんてあったんですね・・・。

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 イニシャルD再現エリア

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 トヨタ 2000GT
 このエリアの車みてて思ったのですが、2000㏄なのに6気筒なんですね。この時代は今のような1気筒400~500㏄が最適ということは知られていなかったのでしょうか?

3.やきまんぢう
 相も変わらず遅めのお昼。人気すぎて駐車場が満車で後半組は別の駐車場に行ったそうですが、お昼は大沢屋第一店舗さんでいただきました。水沢うどんはなじみの味ですね。この店は行ったことないですが。
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 ざるうどんを頂きました。

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 芸術は爆発だ!!

 昼食後にネタになったのが章タイトルにもなったやきまんぢう。紹介するたびに不評ということで皆さん興味もたれたので、近くの道の駅まえばし赤城に行って食べてみることに。ちなみにボロクソに言っている自分ですが、やきまんぢうは好きなんですよ。ただ、見た目と中身が一致せず、うーんといわれるだけで。過去紹介した会社の人には軒並み不評でした。
 そんなわけで道の駅でみんなで実食してみた結果、言っていることは理解してもらえたようです。ただ、話を聞いて食べればおいしいとのこと。
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 群馬っ子はこれをお祭りで食べて育ってます。

 食べた後は、ここで解散となりました。

4.チューニングと燃費
 経験上、除電は雨だと効果が落ちます。路面抵抗もダダ下がりで力をうまく路面に伝えられずにロスが大きくなるのもありますしね。
 今回のチューニングは、トムイグさんに作成していただいたリアクターです。あと、せっかく高速走るなら、ということで、ぼちぼち点検とオイル交換が1か月もすれば出てくることもあるので、AZ FCR-062 PREMIUM 燃料添加剤 200mlを投入してみました。
 リアクターとは、細かい原理はさておき、電子を送り込んで、プラス帯電に対して中和する形で除電するための電子発生装置、といえるでしょう。基本は各部にアースがつながっているバッテリーマイナス端子に装着しますが、プラス帯電がわかっていればピンポイントでの接続もありです。そんなわけで、今回は3か所に接続しています。
①補機バッテリー(助手席側)
②再始動用バッテリー
③センタートンネル上

①補機バッテリー(助手席側)
 これは、基本の装着位置ですね。元々、以前のオフ会でレヴォーグに乗っていたときに頂いたリアクターを装着していました。今回新たに強力なものを作成していただいたので、こちらに換装しています。基本位置に一番強力なものを置いた形ですね。
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 移設前のリアクター

②再始動用バッテリー
 e-Boxer(MHEV)では、EV走行時やアイドリングストップからの再始動用にもう一つバッテリーを置くシステムになっています。そのため、ここにリアクターを置くことで、EV走行や回生、再始動時の電気的なノイズや抵抗を削減できないかと考えてリアクターを置きました。ここにはもともとのリアクターを移設しています。玲ちゃん時代から子のリアクターには頑張ってもらっています。
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 移設後のリアクターの様子。どちらのバッテリーにも装着しています。

③センタートンネル上
 これはトムイグさんの施工のパクリになります。
 〇センタートンネル上にリアクターを装着しました
 https://minkara.carview.co.jp/userid/1160010/car/3674213/8659258/note.aspx
 このセンターコンソールの後端の基本構造は、昔から何も変わってないそうです。クロストレックの記事でしたが、GTE型XVでもUSB充電口がないだけで全く同じ構造をしていました。なので、ここに作成していただいたリアクターを接続し、プロペラシャフトの回転による静電気やトランスアクスル真後ろになるので複合的な静電気発生要因であると考え、リアクターによって除電を試みた形です。
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 効果のほどなのですが、正直雨による影響が大きすぎてよくわからないといったところです。FCR-062も入れていますしね。今回はFCR-062を高速で使うためと、ECUへの学習が目的です。ただ、同じリアクターを取り付けているムーブカスタムでの経験上、ルーフトリムの除電の効果は雨で激減しますが、バッテリーマイナス端子のリアクターの効果は雨でも多少落ちますが残る印象です。感覚的には、今までより軽いかな、と思うこともあるのですが、取り付けた当初は重く感じていたりと、エンジンをかけるたびに変化がある感じがします。まだ落ち着いてなさそうです。次回の遠出以降効果がはっきりしてくるでしょう。

 トータルの燃費は以下の通りでした。
 https://minkara.carview.co.jp/userid/2471517/car/3671167/12304314/fuel.aspx
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 総走行距離 43,700.0 km
 給油量 31.85 L
 燃費   18.09 km/L
 
 カタログ燃費達成率
 WLTC:120.6%(15.0km/L)
 JC08:94.2%(19.2km/L)
 メーター燃費:18.7km/L
 メーター上の残り航続距離:210km
 燃料計:3/12メモリ

 行程の大半が雨であったことを考えれば上等でしょう。
 ちなみに、オフ会の後は雨の中実家に向かい、泊めてもらって翌朝帰路に就いています。

 
久しぶりにお会いしてお話しできて楽しかったです。
ここしばらく身も心もすり減っていたので、だいぶ回復できました。
またどこかでお会いできるといいですね。

PS.そういえば、ハイドラの存在をすっかり忘れていました。スマホぶっ壊れて買い換えていたのもありますが。それと、エコパラって何の略でしたっけ??
Posted at 2026/09/22 09:39:57 | コメント(2) | トラックバック(0) | 日記
2026年09月17日 イイね!

インプレッサ・クロストレック マイナーチェンジ情報を読む——燃費改善とGU系販売計画縮小の意味の考察

インプレッサ・クロストレック マイナーチェンジ情報を読む——燃費改善とGU系販売計画縮小の意味の考察*本記事では、マイルドハイブリッドをe-Boxer、ストロングハイブリッドをS:HEVと記載する。

1.マイナーチェンジ内容について
本日、スバルは、インプレッサとクロストレックのマイナーチェンジを実施した。
詳細は以下のリンクより。

〇SUBARU インプレッサ改良モデルを発表
https://www.subaru.co.jp/news/2026_09_17_104236/

〇SUBARU クロストレック改良モデルを発表
https://www.subaru.co.jp/news/2026_09_17_104044/

細部はともかく、やっていることはe-Boxerの廃止とそれに伴うグレード整理である。
インプレッサは純ガソリンのみとなり、クロストレックはS:HEVのみとなった。
インプレッサのC型ST SmartEdition(AWD)と比較すると33,000円値下げ、クロストレックS:HEVでは価格据え置きのようである。
インプレッサは装備のメーカーオプション化とナビゲーション機能の標準化。
クロストレックはオプションの追加設定とルーフレールの色の変更とオーナメントデザイン変更。
これくらいならば価格も似たようなものになるのであろう。

なお、これまでのスバルのモデルサイクルでは後期型になるわけだが、VN型と同じく後期型でもフロントフェイスの変更は行わないようである。
なお、S:HEVグレードの燃費がエンジン制御の最適化などで19.5km/Lとなり、レイバックS:HEVの19.0km/Lを超えられてしまった。やはり車重や車格は効くのであろう。小さい方が燃費は伸びるようである。
エンジン制御の最適化が何をしたのかは不明である。
レイバックSUVの方では、以下のような内容が書いてあった。
≪走行性能においては、SI-DRIVEの全モードで加速レスポンスを向上。特にSモードでは、ドライバーのアクセル操作に応じて走りの特性を瞬時に変化させる新たな制御を採用しました。これにより、コーナー立ち上がり時などには、従来以上のリニアな加速感を実現する一方、穏やかな操作時にはIモード相当の特性へ切り替えるなど、状況に応じたスムーズな走りを実現しました。≫
これと似たような内容が入っているとは思われるが、燃費向上に関係する内容とはあまり思えないため、実際は何が行われたのかが興味深いところである。
なお、諸元表を見ると、オプション無しでは車両重量はS:HEVグレードで共通の1660㎏である。これを加重調和平均の指標で計算すると、Cafe規制に対する車重毎の目標燃費はこうなる。
FE= -2.47×10^(-6) × 1,660^2 - 8.52×10^(-4) × 1,660 + 30.65
 = -2.47×10^(-6) × 2,755,600 - 1.41432+ 30.65
 = -6.806332 - 1.41432 + 30.65
= 22.429348 km/L
この数字を改良後のクロストレックのカタログ燃費である19.5km/Lと比較すると、達成率は86.9%となる。改良前が18.9km/Lだったので、達成率が84.2%であったため、2.7%の改善になる。
*改良前の車重が1660㎏とする。


2.CB18ターボ追加の噂はハズレ
以前私は、e-Boxerが廃止され、CB18ターボが追加されるとの噂についての記事を書いたことがあった。
〇クロストレックの販売戦略を考えるーなぜ今ハイブリッドを捨ててターボを投入するのか?
https://minkara.carview.co.jp/userid/2471517/blog/49088887/

結果的には、これは今回のマイナーチェンジではハズレであった。
ターボの追加はなく、e-Boxerの廃止が行われたのみといえるからである。
ただ、ここの記事で指摘していたS:HEVへの誘導という視点についてはターボの追加がなかったとしても言えるであろう。
記事で指摘していたことをおさらいすると、e-BoxerとS:HEVの二つのハイブリッドがあるので、一般ユーザーは安い方に流れてしまう可能性がある。そこでe-Boxerを廃止することで、ハイブリッドが欲しければS:HEVをどうぞ、と流れるようになる。結果、中途半端な燃費改善効果しかなかったe-BoxerがなくなることでS:HEVの販売比率を上げて、インプレッサ・クロストレックのGU系全体の全販売台数における燃費の底上げを図る、というものである。なお、記事では先代SK型フォレスターの燃費を参考に、CB18ターボとe-Boxerでカタログ燃費が大して変わらないことから、燃費ならS:HEV、走りならCB18ターボというように色を分けるのであろうと指摘したが、実際はターボの追加はなかった。

3.形式の話
以前のレイバックS:HEVの分析記事を引用する。
〇レイバック ストロングハイブリッドとは何者か?パート3-なぜVN型にストロングハイブリッドを投入しなければならなかったのか?
https://minkara.carview.co.jp/userid/2471517/blog/49181052/

ここで書いているように、販売実績における車種分類は、形式ごととなっている。すなわち、インプレッサ・クロストレックはどちらもGU系としてひとくくりになっているということである。
今回、スバルはe-Boxerを廃止し、クロストレックはS:HEVのみ、インプレッサは純ガソリンのみの設定にした。これは、GU系の中でハイブリッドとガソリンを車種レベルで分けたということである。

4.販売計画台数の数字について
さて、ここで気になる数字を一つ。
販売計画台数を示す。
〇インプレッサ
C型:950台/月
D型:520台/月
〇クロストレック
C型:1850台/月
D型:500台/月

GU系全体で計算するなら、C型で2800台/月であったものが、1020台/月に減っているのである。

インプレッサは純ガソリングレードの評価が高く、一定の販売台数があったであろうことがうかがえる。
e-Boxerのグレードが廃止されたこととグレード数が激減したこともあるので、半減したのは納得である。
気になるのはクロストレックである。e-Boxerのグレードを廃止したとはいえ、販売計画台数減りすぎではないだろうか?
確かに、3,833,500~4,053,500円(税込)で安いとは言えない価格である。e-BoxerAWDで最安値だと3,234,000円(税込)からするとかなり値段が上がるのは確かである。C型までのe-BoxerグレードとS:HEVグレードで販売比率がどのようであったかは定かではないが、それにしても少ないのではないかと思える。

販売計画台数の数字が示しているものは何だろうか?
一つの読み方として、工場における生産予定数や生産配分予定とみることができるのではないかと考える。

9月17日におけるスバルの工場出荷時期のめどを見ると、どの車種も2か月を基本としており、クロストレックS:HEV、フォレスター1.8L、BRZ、トレイルシーカーが2~3か月程度となっている。フォレスターS:HEVは3か月程度。トヨタ生産のソルテラは3~4か月程度。こうしてみると、他社の人気車種が半年とか1年近い納期が散見されることもある中で、納期は早い方であろう。生産に余裕はあるのではないかと考える。もちろん日々変動はするのであろうが。

さて、GU系で生産予定数とも見れる販売計画台数を減らした意味は何だろうか?
私はこれを単純な人気の縮小と見るだけでは説明できないと考える。同一形式の国内販売計画がこれほど大きく変化しているならば、生産配分に何らかの変化がある可能性があると考察する。

特に、GU系とはスバルの国内販売の1/3を担う主力車種である。
〇乗用車ブランド通称名別順位 2025年1月~12月分
​https://www.jada.or.jp/files/libs/6986/202604031138081429.pdf
これによるとスバルの販売車種ごとの年間販売台数は、以下の台数になっている。
フォレスター:31,688台
インプレッサ:31,290台
レヴォーグ:15,327台
日本における2025年内の販売台数の合計は以下の通り。
〇2026年3月度および2025年度累計 生産・国内販売・輸出実績
​https://www.subaru.co.jp/news/2026_04_27_142322/
国内販売乗用車数(登録車):87,979台

ここに2つの仮説を挙げたいと思う。
仮説① アンチャーテッド生産説
発表こそされているものの、その詳細がまだわかっていない車種が一つ。それがトヨタとのアライアンスBEVであるアンチャーテッドである。トヨタではC-HR+として発表されている車種であり、アライアンスBEVの中では小型を担当している。これがどこで生産になるのかがいまだはっきりしていないのである。
アライアンスBEVは、トレイルシーカーがスバル生産となっていることは周知の事実である。ソルテラはトヨタの元町工場生産であり、さらに大型のゲッタウェイはトヨタ・ケンタッキー工場で製造される。
スバルは、群馬の矢島工場の生産ラインにおいて、BEVの混流生産を可能にしている。すなわち、スバルではBEVの専用ラインはなく、従来車種との混流生産が行われているということだ。
〇SUBARU 群馬製作所 矢島工場にてバッテリーEVをラインオフ
https://www.subaru.co.jp/news/2026_02_04_173046/
そこで、GU系の販売計画台数を絞ることで生産予定を減らして空いた余白にアンチャーテッドを組み込むのではないだろうか?
自社開発EVを後ろ倒しにしており、HEVの比率を上げることと、BEVによる大幅な燃費換算値底上げが必要になっており、少しでもBEV販売台数を増やしたいと考えられる中で、ソルテラよりも小型なアンチャーテッドは、販売を促進する効果があると思われる。そのための生産調整の意味があるのではないだろうか?
なお、アンチャーテッドに関しては、国内導入の噂はあるが、公式情報はまだないので憶測に過ぎない。

仮説② アウトバック日本復活説
BT型で国内販売が終了となったアウトバックだが、海外では新型のBU型が販売されている。基本はアメリカで売られているが、オーストラリア市場向けの右ハンドル仕様もあり、これは日本で生産されているとのことである。*アメリカ仕様はアメリカ生産(SIA)らしい。
さて、JMS2025では、展示車両の中にBU型アウトバックのウィルダネス仕様があった。ニュース記事などを見ていると、スバルは国内需要の見極めとして出展したらしい。もしアウトバックの日本復活があるのであれば、その分の生産調整の意味があるのかもしれない。
ただし、アメリカ仕様においては、BU型アウトバックは2.5LのNAと2.4Lターボのグレード設定であり、少しでもハイブリッドの販売台数を増やしたい意図とは逆行する。
〇SUBARU 新型「アウトバック」を世界初公開
https://www.subaru.co.jp/news/2025_04_18_101030/
もし国内に導入するとして、そのままのNAとターボのグレードで出すとは考えにくい。S:HEVのグレードを入れるのかもしれない。とはいえ、大型のアウトバックでは販売台数増は見込めないため、仮説①よりは弱いと考えている。

なお、スバルはMT車3車種の追加を発表しているが、1780台/月をカバーするほど売れるとは思えず、これはもともとの生産調整の中で収まる範囲と考える。
https://motor-fan.jp/article/1552950/


5.まとめ
インプレッサとクロストレックのマイナーチェンジが行われ、e-Boxerが廃止された。
結果、GU系は「ガソリンのインプレッサ」と「S:HEVのクロストレック」に分離することとになった。
一方で、インプレッサ+クロストレックの販売計画は、
2800台/月 → 1020台/月
と大きく縮小している。
この数字を単純な「人気低下」と見るのではなく、今後矢島工場で生産する別車種への生産配分変更を伴うものではないかと考察する。
その仮説として、アンチャーテッドの国内生産を行うのではないかと考察した。


26/09/19追記
①レイバックS:HEVが影響しているかを確認
先日追加になったレイバックS:HEVがあるので、VNの販売計画台数を確認した。

E型販売計画台数
レヴォーグ:950台/月
レイバック:850台/月
計1800台/月

F型
レヴォーグ   : 620台/月
レイバックSUV : 200台/月
レイバックS:HEV:1000台/月
*レイバック4グレード合計1200台の表記から計算
計1820台/月

レイバックS:HEVが新しく追加になったが、レイバックSUVから大きく移管してレヴォーグの需要も引き継がせていることがここからもわかる。
そのうえで、台数はほぼ変わっていないので、レイバックS:HEVの追加がGU系の販売計画台数に影響しているということはなさそうである。

②兄弟車のC-HR+は?
アンチャーテッドの兄弟車となるアライアンスBEVであるC-HR+は、欧州ではすでに発売されている。
生産工場を見ると、トヨタ高岡工場に記載がある。
〇トヨタ公式ページ 統括会社・生産拠点
​https://global.toyota/jp/company/profile/facilities/manufacturing-worldwide/japan.html

そのため、アンチャーテッドはトヨタ生産の可能性がある。
ただし、スバル側の正式発表がないので未確定ではある。
少なくとも、スバルでもアライアンスモデルの生産ができる体制を作っていることは事実である。
フォレスターなどは、日本で生産する分とアメリカのSIAで生産する分があるように、C-HR+をトヨタで生産するが、アンチャーテッドはスバルで生産するということも考えられなくはない。
この説はアンチャーテッドの公式情報待ちである。

③ターボを後から追加の可能性
*スバ学の方を参照されたい。
https://community.subaru.jp/announcements/lhnhqxrsmkxuld3r
コメントを頂いたRNさんも今回のマイナーチェンジを詳しく記載している。
〇D型インプレッサ・クロストレック
​https://community.subaru.jp/announcements/ygm2e1sbbih2u1pd
コメントも書いていただいたが、、e-Boxer者の在庫を一掃してからCB18ターボを追加するのではないか、という説を挙げられていた。
これに関して、先行事例があることに気づいた。
F型のレヴォーグ・レイバックのマイナーチェンジ発表が6月4日、レイバックS:HEVの正式発表が7月2日でズレがある。
ただし、ティザーサイト公開は、レヴォーグ・レイバックのマイナーチェンジ発表と同日の6月4日である。
個人的には、在庫を抱えていることとパワートレイン改良や生産の話は別のような気もしているが、一理あるとも思う。
これも続報が楽しみである。
Posted at 2026/09/17 17:35:27 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2026年09月03日 イイね!

レイバックストロングハイブリッドとは何者か? パート4-多角的に見た成り立ちの奇妙さ

レイバックストロングハイブリッドとは何者か? パート4-多角的に見た成り立ちの奇妙さこれまでのパートでその正体と開発経緯について深堀してきた。
〇レイバック ストロングハイブリッドとは何者か?―VN型の全体像から見る次期型への布石
https://minkara.carview.co.jp/userid/2471517/blog/49126105/

〇レイバック ストロングハイブリッドとは何者か?パート2―公式発表情報から読み解くその正体
https://minkara.carview.co.jp/userid/2471517/blog/49173933/

〇レイバック ストロングハイブリッドとは何者か?パート3-なぜVN型にストロングハイブリッドを投入しなければならなかったのか?
https://minkara.carview.co.jp/userid/2471517/blog/49181052/

〇レイバック ストロングハイブリッドとは何者か? パート3.1 ― CAFE規制の本質を読み解く
https://minkara.carview.co.jp/userid/2471517/blog/49222665/

 さて、これまでの考察をまとめてみたい。
 当初気づいた疑問は以下の通りだった。
 1.レイバックと名前がついているのに、従来仕様をSUV、S:HEV仕様をWAGONとしてグレード違いではなく商品ページも分けて別車種のように紹介している。
 2.S:HEV仕様の方では、車高を落としているのに従来仕様になかったX-MODEがついている。
 3.そもそも投入時期が従来のサイクルで言えばモデル末期である。

 これに対する背景事情を含めた仮説が以下の通りである。
 自社EVの延期により、CAFE規制達成をBEVで牽引する計画が崩れた。その結果、ICE/HEV側の燃費底上げが急務となり、国内販売の主要3系統のうち唯一手つかずだったVN型系列(達成率60.1%)に、緊急にハイブリッドを投入する必要が生じた。しかし現行S:HEVはSUVに最適化されていると考察されるシステムでありレヴォーグに流用するためには最適化が必要で時間がかかる。そのため、SUVとして派生していたため、キャラクター的に流用しやすいレイバックを経由させ、かつレヴォーグ需要を取り込むために車高を落として「ワゴン」と呼称し、偽装レヴォーグS:HEVとして機能させた。おそらくだが、今のS:HEVがSUVに最適化されているため、X-MODEもセットで組まれていると考察され、これをそのまま持ってきたからワゴンなのにX-MODEがつくことになっていると思われる。
 わかりやすく言えば、VN系のボディにGU系(クロストレック)のフロントセクションを持ってきてS:HEVを投入したものである。これは、JMSで公開されたPerformance-Bと逆コースの開発である。
 本来的にはレヴォーグにハイブリッドを投入すべきであるが、最適化に時間がかかることと自社モデルEVの投入後ろ倒しでCAFE規制対策が待ったなしになったために作られたのがレイバックS:HEVなのであろう。

 これが正体の考察だったわけだが、これを別方向の視点から見ると面白いことが分かる。
 ≪血統・存在意義の視点≫
 パート2でも記載しているが、V系(WRX/レヴォーグ)とは、インプレッサ(G系)とレガシィ(B系)のセダンとワゴンにあったスポーツグレードを抽出して、量販的な穏やかさやNAを意図的に切り離して、純粋なスポーツグレードに特化した系統として作られた系統である。ゆえに、これまでVA/VM以降のWRXとレヴォーグにはAWD&ターボのグレードしか存在してこなかった。*例外的に欧州仕様にはNAのVM系が存在した。整理すると、V系=インプレッサとレガシィに分散して存在していたスポーツ性を、セダンとワゴンという二つの形に整理して成立したSUBARUのスポーツ系商品群となる。
 ここでPerformance-Bを見てみると、先祖返りが起きていることが分かる。

Performance-B STI concept スバルニュースリリースより引用・明るさを修正。

 Performance-Bの仕様は、クロストレックのボディにレイバックのフロントセクションを合体させ、FA24ターボと6MT(おそらくDCCD付のTY85)を投入したコンセプトカーである(私は直接見ていないので、公式情報やメディア記事による)。やってることがまさにレイバックS:HEVと逆なわけだが、こちらはあまり違和感はない。なぜなら、ハッチバック+ターボはGRBという前例があるからである。V系として独立する前に前例があったわけである。だから先祖帰りと認識され、違和感が少ない。G系にスポーツグレードが含まれていた時期があったからである。
 レイバックS:HEVを見ると、これが逆になる。スポーツ特化だったはずのV系にSUV由来のシステムを組み込んでいる。レヴォーグに最適化されたスポーツS:HEVとして開発して投入されたのなら違和感はなかっただろう。レイバックS:HEVとは、レイバックのボディにクロストレックのフロントセクションを持ってきた車である。ボディだけVNで、中身がG系やS系(フォレスター)と同じ。これは今までになかった組み合わせになる。V系が自らを定義するために捨て去ったはずのものが戻ってきている。すなわち、V系としてのスポーツ性を持った電動化ではないということだ。単にハイブリッド化したわけではないということが重要になる。

 ≪外観・視覚的な視点≫
 これもPerformance-Bとの比較になる。Performance-Bは、もともとスポーツ要素を持っていたG系にV系の顔と中身を持ってきた。ボディがクロストレックで顔がレイバックなのに違和感が少ないのは、先祖帰りでしかなく、前例としてハッチバックスポーツのGRBという前例があった。
 レイバックS:HEVの場合は、ボディがVN系なのに、顔はGU型をベースにレイバックに似せたものになっている。ヘッドライトはクロストレックと同じだし、フォグランプはSL型フォレスターと同じだ。すなわち、パッと見たときにクロストレック(インプレッサ)なのか、レイバック(レヴォーグ)なのかわからない。

レイバックS:HEV。スバル商品ページより引用。

 同じニコイチ開発なのに、非対称な感想が生まれるわけである。
 Performance-Bは、G系にV系の要素が戻ってきたといえる。
 レイバックS:HEVは、V系というG系やB系からスポーツ要素を抽出した形式に、G系の要素が入ってきている。元が派生だったから、戻るというよりもさらなるニコイチになる。単なるV系のハイブリッド化とは少し違うということである。
 これを新鮮とみるか、違和感や腑に落ちなさととらえるかは人によるであろうが、視点を変えるといろいろなものが見えてくるものである。
Posted at 2026/09/03 12:21:38 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記

プロフィール

「私は地元スバルディーラーでは謎に有名人らしく、試乗コースの燃費チャレンジ大会やるとの話に、ぜひ彼を呼んでくれとお客さんの方から話があったらしく、担当さんから連絡が来て草
燃費なら私とのことで、多くの人に知られているらしい。いったいどこで見られているのやら…。」
何シテル?   10/16 20:25
長寿と繁栄を。 sinano470です。 名前の通り信州人ですが、厳密には移民勢です。 IDICを信奉するヴァルカン的な人間です。要するに変わり者...
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