2018年04月04日
燃費を追及するということ
友達と乗換などの話をしていた時の話である。
「そんなに燃費を追求したいなら、ハイブリッドにするとか、NAの方が良いのではないか?」
そんな疑問が友達から出た。
今、乗換の最有力候補として挙げているのが、四代目BP5型レガシィツーリングワゴンである。
その中でも、2007年式(E型)以降のspecBを除くターボ車を希望している。
今乗っているパジェロミニ程ではないが、確かに燃費を追及する車ではないことは確かであろう。
では、自分にとっての燃費とは何であろうか。
そもそも、なぜ燃費を追及しているのか。
答えから述べれば、それはアイデンティティのためであり、究極的には自分のエゴである。
元々、燃費にはさして関心は無かった。
当然である。
そもそも、今乗っているパジェロミニは、燃費など端から念頭に無いクルマなのだから。
1994年に初代H51/56A型が登場したパジェロミニは、多彩なグレードを持っている。
ターボ・NA、4WD・2WD、AT・MT。
また、1998年にフルモデルチェンジした二代目H53/58A型では、ターボエンジンが20バルブDOHCツインスクロールターボと16バルブSOHCシングルターボとの二種類が存在している。
このように、多彩な組み合わせのグレード体系を持つパジェロミニであるが、すべてに共通する特徴して、総じて燃費が悪いというものがある。
町乗りをすれば10km/Lを割ることも珍しくなく、遠出して12~13km/L行けば良い方であった。
自分が乗るH58A型パジェロミニも、乗りたての頃はまさしくパジェロミニであった。
そのような事情もあり、当初は後輪駆動を基本とするパートタイム4WDであることと、軽では極めて珍しい縦置き配置の四気筒ターボエンジンであったことから、パワーと独特なハンドリングを求めて、ある種のスポーツカーとして楽しんでいた。
事態が一変したのは、大学時代の先輩からとある話を聞いたことであった。
その先輩は、二代目ジムニー(恐らくJA22型であると思われるが)に乗っていた。MTのワイルドウインドのグレードであり、良く地質を求めて全国を駆けずり回っているような人だった。
そこで聞いたのは、『MTで3000回転に抑えて高速などで巡行すれば、15km/L以上走ったりする』という情報だった。
ジムニ―もパジェロミニと同じく燃費など気にしないクルマである。
そんなジムニーなのに、カタログ値並みの燃費が出る、というのは、自分にとって大きな衝撃だった。
ならばと、自分のクルマでも早速試してみた。
こちらはATであるし、車もパジェロミニである。エンジンも同じターボとはいえ、三気筒と四気筒で異なる。
だが、車の素性としては似たものがあるため、試してみる価値はあると思ったのだ。
結論から言えば、それは大成功だった。
この時、既にマフラーやエアクリの交換などのライトチューニングを施していた自分のパジェロミニであるが、3000回転縛りを行うことで、15km/Lの燃費を記録することができた。
ちなみに、カタログ燃費は14.4km/Lである。
カタログ燃費越えの記録はこの一度だけに留まらなかった。
二度、三度とカタログ燃費を超える記録を残したのだ。
この『燃費が悪い前提のクルマでの低燃費』という常識外れの記録に、俺は虜になった。
ドノーマルのまま乗る。これが一番多いユーザーであろう。
次点で、オフロードチューニング。車高を上げたり、大径タイヤを履かせたり。
少数派で、ハイパワーチューニングをやっている人も居る。
だが、低燃費チューニングは、ほとんどだれもやっていなかったのだ。
誰もやらないことをやってこそ、自分のアイデンティティが光る。
これは、自分の昔からのモットーである。
常に両親から普通であれと抑圧されてきた。
故に、『普通であること』『周りに合わせること』に対して拒否感が強い。
実家に居た時はすべて否定されてきたが、今ならばそれができる。
周りと違って何が悪い。
普通とは何だ。
やりたいこともできず、自らの意思もない。そんな人生に何の意味がある。
コドモは、オトナの言いなりにはならない。
こちらからは一切連絡を取っていないこと、その意味を知れ。
お前が見ている俺と、俺が見ている俺は違うのだ。
話を戻そう。
カタログ燃費を超えてから、タイヤのインチアップとセダン用タイヤの投入を実施することで、さらなる低燃費を実現した。
これが、今の低燃費路線を決定的にする出来事だった。
いまや、スタッドレスを履いていてもカタログ燃費比110%を記録することも珍しくなく、年間を通じてほぼ常時カタログ燃費越えの記録を出せる状態にまで至っている。さすがに何度も連発はできないが、18km/L台の燃費は複数回達成しているし、2017年は、年間平均でも16.63km/Lである。
他に、これだけの燃費記録を出せているパジェロミニと乗り手が居るなら、ぜひとも連絡していただきたい。
もし居ないのであれば、それこそ自分というアイデンティティの柱となる。
周りと違うからこそ、自分なのだから。
面白いことに、自分のパジェロミニは、元々のクルマの性格として燃費を念頭に置いたものではないことに加え、ミッションは4速AT、エンジンは16バルブSOHCシングルターボ、そしてパートタイムとはいえ4WDなのだ。
つまり、条件としては、パジェロミニの中で最も悪いグレードなのである。
(20バルブDOHCツインスクロールターボエンジンの燃費に対する優位性は不明)
しかし、実燃費でNAやMTのパジェロミニを超え18.6km/Lを記録し、カタログ燃費達成率は最大129%に達する。
例外的に、一度や二度いい燃費を出すことは、ほかのクルマでもままある事である。
しかし、自分のパジェロミニでは、カタログ越えの燃費記録は、例外的な運用時を除き、ほぼ常時達成できる。
燃費が悪いという前提がメーカーとしてもあるであろうこのクルマでも、これだけの記録を出せる。
しかも、その記録は一度だけではない。
この点が、自分のパジェロミニが持つ強みの一つである。
更に、燃費を伸ばすことにより、航続距離を延ばせるというメリットもある。
計算式で言えば、給油量×燃費が航続距離なので当たり前と言えば当たり前かもしれないが、実際はそう単純ではない。
燃費は常に変動するものだからである。
分かりやすい指標として、給油時の満タン法による燃費測定が行われているが、あくまでそれは計算による結果的なものである。
実際には、走っている瞬間瞬間に燃費は変動しており、『ある一区間のみ燃費が良かった結果、満タン法での燃費が良くなった』では意味がない。
給油から給油まで。その全区間において、常に燃費を維持すること。
それが航続距離を延ばすことにつながる。
そのため、燃費と航続距離は≒である。
これら事実から、自分の中ではターボエンジンの燃費に対する優位性という考え方が定着している。
排気でタービンを回し、エネルギーを回収してパワーを生み出すこと。
これは、走行条件によってはNAよりエネルギー効率が良いはず。
過給圧、エンジン回転数、燃料噴射量、走行速度・・・etc
あらゆる状況が複雑に絡んでくるため、一概にどの条件が一番良いのかは未だ確定的な所は無いが、それでもターボエンジンの方が燃費は伸ばしやすいという持論は変わらない。
NAとターボではエンジンの考え方がまるで異なるし、チューニングのアプローチも全く違う。
同じパワーを出すならば、NAよりターボの方がエンジンを小さくできる。
現在の車の使用状況は、休日の遠出のみであり、主な走行ステージが郊外の国道であることからハイブリッドも適さない。高速道路に近い、比較的一定速度を保ちやすい走行ステージでは、回生ブレーキによるエネルギー回収とモーターによるアシストというメリットより、大きく重いバッテリーの重量やシステムのメンテナンスコスト、不自然なブレーキ・加速フィーリングというデメリットが大きく上回る。
ディーゼルは、エンジンの根本的宿命として振動や回転フィールがガソリンエンジンにかなわないという点がデメリットとして大きい。
低燃費を追及してはいるが、運転することそのもののフィーリングを失うようでは意味がないのだ。
自分にとって、車はただの道具ではない。
ただ移動することが目的ならば、何を選んでもいいのだろう。
だが、自分が車に対して求めていることは、燃費を追及することはもちろんであるが、『運転すること』が一番なのである。
通勤は自転車で余裕だ。
買い物も自転車で済む。
必要か不要かと言われれば、こと日常生活では、車は全くにもって不要なのだ。
車の使用用途は、休日の遠出のみに限定されているのだから。
自分のパジェロミニは、『趣味』のためだけに存在している。
これは、まさしくエゴであろう。
だが、その『趣味』の必要性は、社会に出てから嫌というほど味わった。
精神的健康の重要性は、生きていくために極めて重要だった。
そう、何かに縋れる存在が必要だったのだ。
自分を否定しない存在。
自分を肯定してくれる存在。
自分とは何かを教えてくれる存在。
燃費の悪い前提のクルマで、カタログ値を超える燃費を出す。
そんな誰もやらないような行為にアイデンティティを確立した今、必要としているのは、メーカーの努力としての低燃費ではなく、自らの努力としての低燃費である。
それには、元々燃費の良いクルマではだめなのだ。
最も、燃費が悪すぎても実用上困るが。
だから、NAやハイブリッドではだめなのである。
ターボによる低燃費。これこそを必要としている。
故に、次期主力車種として、ターボエンジン搭載型であるレガシィツーリングワゴンを選定したのだ。
等長等爆となった新世代のEJ20型水平対向エンジン。
長年築きあげられてきたワゴンとしてのユーティリティ。
日本国内ジャストに設計されたボディサイズ。
優れた空力デザインが生み出す優美さ。
選定幅のあるタイヤサイズ。
事前収集可能な情報を精査した中では、このクルマ以上に適した存在は居なかった。
これが、俺の低燃費なのだ。
その言葉以上の意味が、そこにはある。
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Posted at
2018/04/04 18:35:22
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