何も持たないド素人がこんな風に語るのは物凄く恥ずかしいけれど・・・
大分時間が経ってしまったけれど、以前ネット徘徊中にこんな記事に遭遇したのでご紹介します。
こんな記事↓
「高性能化はある意味"自殺"?スポーツカーとは何かを考える」
記事の中では標記の命題に対して、代表的な三つの見解が冒頭で紹介されています。
1,専用設計シャシー派
「スポーツカーは走る事に対して純粋に設計されるべきで、そのためにエンジン搭載位置やホイールベースなどの自動車設計の根幹部分に妥協があってはいけない」という主張。
<代表例>
マツダ・ロードスター、ロータス、MG、(レクサス・LF-A、ランボルギーニ、フェラーリ)など・・・
2,性能主義派
「スポーツカーは高性能でなければならず、そのためには高出力過給ユニットとそれを余す所無く路面に伝える電子制御四輪駆動システムが必要」という主張。
<代表例>
日産・GT-R、三菱・ランエボ、スバル・WRX・・・など
3,「クルマを操る事こそがスポーツ」派
「ドライバーとクルマの対話がきちんと成立すれば、設計や性能は関係ない」という主張。
<代表例>
ドライバーの感覚如何では、軽トラでさえスポーツカーになりうるww
これらの主張に対して、この記事の筆者の意見は概ね3番と合致する事と、筆者なりのスポーツカー観が記事では語られています。
ご興味のある方は是非記事をご参照下さい。
さて、標題に戻ります。
「スポーツカーとは何か?」
・・・・・
「何がスポーツカーで何がスポーツカーではないかとか、そんな事はどうでも良いじゃん(爆)」
これが私の回答ですwww
これだけだと「だったらわざわざ話題にするな!!」という御叱りを受けてしまいそうなので、私なりのスポーツカー観を―カーオーナー歴たかだか5年程度の未熟者ではありますが―以下に述べてみます。
私が考えるスポーツカーとは、スポーツドライビングが出来る車の事です。
つまり私にとって「何がスポーツカーで何がそうでないか」という議論はあまり重要では無く、「スポーツドライビングとは何ぞや?」という議論こそが重要だと考えています。
そういう意味では、ご紹介したweb上の記事の筆者と同様、私も上述の三番目の派閥に一番考えが近いのかもしれません。
この条件さえ満たせば、それこそ軽トラですら私にとっては立派なスポーツカーです。
但し勿論何でも良いという訳ではありません。
例えば「本当にタイヤが接地しているのか!?」と不安になる位にフィードバックに乏しい車や、アクセル・ブレーキ・ステアリングに非線形なおかしな制御が入っていたりして全く思い通りに運転できない車などは、スポーツカーの条件を満たしているとは言えません。
では「スポーツドライビングとは何ぞや??」という私なりの回答ですが・・・
それは決して安全マージンを削った運転や、「急」のつく動作を頻繁に行う様な運転の事だとは思っていません。
例えば、公道やワインディングでのタイムアタックまがいの安全を顧みないハイスピード走行。
こんなものはスポーツドライビングなんかではなく、ただの迷惑行為・暴走行為です。
事故るなら、誰も巻き込まずに勝手に逝って欲しいです。
(もっとも一人で生きている人なんて何処にもいないので、誰も巻き込まなくても結局誰かに迷惑は掛かるのですが・・・)
例えば、踏み込む時は常にフルスロットルのアグレッシブ(笑)な運転。
何らかの合理的な意図に基づいたフルスロットルであればそれは立派なスポーツドライビングですが、ただアクセルをデジタル信号的に無造作に踏んでいるとしたら、それもスポーツドライビングだとは思いません。
ただの頭の悪い運転です。
スポーツドライビングとは、ドライバーの一つ一つの操作とその反応としての車両の挙動(ヨー、ロール、ピッチなど)に意識を研ぎ澄ませて、車と一体になる運転の事だと思っています。
例えば時速50km/h位で走っていたとして、目の前に緩やかなカーブがあったとします。
その時、どんなライン取りで走っていく?
ステアリングは何処から切り始める?
どの位のスピードで切っていく?
どれ位の角度まで切っていく?
その最大舵角に、どの地点で到達すればいい?
その時のアクセルペダルの踏込は?
一定で維持?少しだけ戻す?完全に戻す?
それともアクセルを戻すだけでは足りなくてブレーキを踏む?その時のシフトは?
そしてコーナーを駆け抜ける中で、どの辺からステアリングを、どれ位のスピードで戻していく?・・・などなど(以下略w)
これはあくまで一例ですが、こんなカンジで平坦な直線、カーブやアップダウン、交差点・・・それぞれのシチュエーションで走りやライン取りをイメージします。
そして実際に走行して、イメージとのギャップをフィードバックとして感じ取りながら運転していきます。
例えば「ステアリングの切り初めが遅かったせいで、ボディの動きが大きくなっちゃったな」とか。
「イメージ以上に同乗者の首が前方につんのめっちゃったな。やっぱり俺、ブレーキ下手だなw」とか。
「操作が足りなくてタイヤ一本分位、イメージよりもコーナーでアウトに膨らんじゃったな」とか。
サーキットだとこの他に、タイヤのグリップの限界に対して現状がどれ位のレヴェルにあるのかを感じ取ったりとか・・・
要はその時々で予め具体的なイメージを持ちながら運転し、実際に車両からのフィードバックに感覚を研ぎ澄ませながら(=車と会話しながら)運転するのがスポーツドライビングなのではないでしょうか。
それが市街地の低速走行であれ、高速道路であれ、ワインディングを気持ちよく流している時であれ、サーキットを全開で走っている時であれ、基本は同じだと思っています。
つまり言い換えると、全ての動作を意識化し、全ての操作に明確で合理的な意図がある運転こそがスポーツドライビングであると考えます。
これを突き詰めたとしたら、一切のムダが存在しない究極の運転に行き着くと思います。
そしてそれこそが、私が考える「理想の運転」です。
だから私には生意気な持論があって、それは「市街地走行でもF1ドライバーごっこは可能だ!!」というものです。
F1のタイヤの摩擦円の限界ギリギリを使う様なスリルこそ無いけれど、運転を楽しむのにスピードなんていらないというのが私の持論です。
勿論、速度域が上がれば上がるだけ、例えばコーナリングでの荷重移動をより色濃く感じたりしながらドライブ出来るので、より楽しい事は事実ですがw
ただ一方でゆったりとした速度域だと、高速走行時よりは周囲の安全確認に余裕が出来る分、より車の一つ一つの挙動に意識を傾けられるし、より丁寧な操作が出来ます。
そういった意味では、ゆっくり走る事にも大いに意義があるのではないでしょうか。
ここまで述べて来た私の見解を正とした時、もう一つだけ、「スポーツカーの条件」が浮かび上がります。
それは適切なドライビングポジションを取れる車である事。
ドラポジが決まっていないとイメージ通りの操作が出来ないし、フィードバックも適正に受け取る事は出来ません。
何故なら車と一体になれないからです。
しかし一見当たり前の事ですが、私が知る限りこの条件を満たしている車って実はそう多くないと思います。
この点についてこれ以上力説すると、おそらく私が国産某メーカーの回し者にしか見えなくなるかと思われますので、この位にしておきますww
ここまで書けばお気づきの方もいらっしゃるかもしれません。
私は上述の記事の2番に該当する様なハイパフォーマンスカーには興味がありません。
何故ならその様な車に乗ってしまうと、例えばコーナリング時の姿勢変化などの車両からのフィードバックがかなり感じにくくなるからです。
無論、全く無くなる事はないのでしょうが、相当な速度域まで行かないと明確に感じ取る事は難しくなります。
それに、仮に同じ技術レベルであると仮定した場合は、足回りが強化されればそれだけ乗り心地は悪化します。
「マイペースでのんびり長距離ドライブ」が好きな私にとって、それもまた看過しがたいマイナスポイントです。
更に言うと、これらの車を公道で常識的な速度で走らせる限りは、きっとそのエンジンパワーの大半は使われないままでしょう。
この文では触れてませんが、アクセルやトランスミッションを上手く使って限られたエンジンパワーを最大限生かす・・・これもまた立派なスポーツドライビングの一要素です。
そんな歓びが奪われてしまう点からも、魅力を感じられません。
同様の理由で、購入した車両をカスタムで足回りを固める事にも興味はありません。
とは言え、「純正状態だとホイールクリアランスがちょっとな~」とも思う訳ですが・・・w
さて、如何でしたでしょうか。
「スポーツカーとは?」という問いに対してはある程度の賛同が得られる気がしていますが、私の考える「スポーツドライビングとは?」という部分に対しては異論のある方もかなり多いと思います。
どれが正解なんてものは無いと思うし、私ごとき未熟者の考えが全面的に正しいとも到底思えません。
思い思いにそれぞれが楽しくカーライフを送れたらいいのかなと思います。
また、車に求めるものだって人それぞれです。
本文では高性能車を軽くディスってしまいましたが、そういった車に乗られる方々を否定するつもりは毛頭ありません。
むしろ、それだけ趣味性の高い車を所有されている事は、大変素敵な事だと思います。
本当は「ホンダ・CR-Zは新時代を切り開いた画期的スポーツカーだ!!」とか、語りたい事は他にいくらでもあるのですが、段々支離滅裂になりそうなのでこの辺で・・・
長文にお付き合い頂き、ありがとうございましたm(_ _)m