アウディA4/A6の価格はいかにして決められたか

先日アウディA６がフルモデルチェンジ、通称C8と呼ばれるモデルが日本で発売されました。A6の力感あるデザインはA8/A7よりもネット上では高評価だという印象です。が、A4登場時もそうですが、やはり価格の面で批判を浴びている様子。世界全体で同一車種を販売するもの、ディーゼル問題の賠償金など色々と考えられる原因はありますが、とりあえず、ちゃんと価格の推移を残しておこうと思いました。

以下のデータはオートックワン、Gooネットの歴代モデルの価格表から作った物です。
たとえばA4の下位グレードはこのような推移です。

1996年のB5から2016年のB8モデルまでを並べて見ました。下位グレードの価格はGooネット等より最廉価モデルを選んだだけですので、見かけ倒しで実際売っていないものかもしれませんが、とりあえず選んでみました。

では、続いてA４の上位グレードの推移を見てみましょう。


こう見ていくと、B7（初シングルフレーム採用）からB8モデルにモデルチェンジした時に思い切って価格があがったことがわかります。この時もボディサイズがぐっと大きくなり、B7までの赤いぼんやりとしたムードたっぷりなインテリアがクールな雰囲気に一変されたように感じます。
３．２Lモデルは現在のB9モデルよりも高い価格だったこともあり、まもなく廃止され２Lモデルが主力となります。B8チェンジ時も同様に価格への不満はでたことでしょう。
ということでA4の価格の伸び率は１３２～１６８％でした。


続いて、アウディA6の価格推移も見てみましょう！
アウディA6の下位グレードから！

※2019年モデルの伸び率が消えてしまってますが１８８です。

まだまだアウディという存在がマイナーだった時代のA6（C4)から2019年モデル（C８）までを並べて見ました。こう見ると、今回の価格アップがすごすぎる！これは廉価モデルを早急に出さなければまずいでしょう。A4の１．４Lモデルが出たように、A6にも２Lモデルが準備されていると思います。実際、アウディドイツサイトでは４５TFSIとして２Lモデルが販売されています。

続いてA6の上位グレードの推移もどうぞ！

こちらも先ほどの衝撃はありませんが、かなりの伸び率を記録しています！高価格モデルもこれだけ上がっているというのはA4とは違いますね。
ということで、A6の価格の伸び率は１７７～１８８％でした。


アウディA4が１３２～１６８％
アウディA6が１７７～１８８％

当時を知る方が首をかしげてしまうのは当然でしょうね。さて、こんな仕打ちをするアウディは何を考えているのか。彼らも専門家ですから理由もなく上げはしないでしょう。私はアウディファン故に、（やや盲目的に）車のクオリティにコストがかけられているという信頼があります。ただ、今回はせっかくグラフにしたので根拠をこちらに求めてみましょう。
名目賃金の推移


丁度A４／A6の基準年と近い95年を１００としたデータです。これを見ると、日本は当時から８７％の下落をしています。ユーロ圏や米国はご覧の通り。いわゆる失われた20年～というやつですね。これを見ると価格アップが彼らの国からみれば合理的にうつるのは仕方ないことかもしれません。所得層に応じて設定していて何故悪いのか、そう開き直られるとちょっと困ります。

調べていませんが、おそらくユーロ圏のなかでもドイツは、ギリシャ等が割を食った反面、利をむさぼった状況でしたから伸び率はもっと高いでしょうから、更に気を良くしたことでしょう。

こちらは名目GDPの推移。

江戸時代の1銭、２銭という単位が現代では使われなくなったように、経済は必ず拡大成長するものですので、GDPの停滞というのは許されません。このGDPの停滞が当然のごとく名目賃金が押し下げられた最大原因ですね。



さて、ここまでデータを並べてざっと見てみました。正直、BMWやベンツのデータも集めて比較したいところですが、今夜は遅いのでこのくらいにしておきます(笑）それにしても、今回のA6は高いのは間違いなさそうです。でも、カッコイイので（私は買わないし）良いんじゃないでしょうか(笑）
今年は毎月アウディの新モデルが発売されるようなので、なんとか頑張って欲しいところです＾○＾

※為替、インフレ調整済みの各国の価格推移や相関分析を出している資料ってあるのでしょうか。ベストカーなど車雑誌が少し書いていますが、どれも為替換算のみで車両パッケージや物価を考慮した比較がありませんよね・・・。専門家による分析を待ちたい！