BMWのM5(F90)を試乗しました^○^
現在のモデルは2017年から発売されているF90。その前はF10と呼ばれるモデルでした。BMWに乗ることは殆ど無いので楽しかったですね。まずはM5のスペックを確認すると
BMW M5 (F90) 3BA-JF44MM
全長×全幅×全高4965×1905×1480mm
車両重量 1950kg
エンジン型式 S63B44B
最高出力 600ps(441kW)/6000rpm
最大トルク 76.5kg・m(750N・m)/1800~5600rpm
種類 V型8気筒DOHCICツインターボ
駆動方式 フルタイム4WD
トランスミッション 8AT
トピックはフルタイム4WDになったこと。あのBMWですらFRを辞めたのかという点です。ただ、これに関してはBMWに思い入れがないアウディファンである自分にとっては特に感慨はありませんでした。思えば、718ボクスターの時もNAフラット6からターボのフラット4になったことをポルシェファンは嘆いていましたが、今から好きになろうという段階の自分にとってはそれほどでした。
さて、このM5はスペックを見る限りとんでもない車ですが見た目は
う~ん、良くも悪くも普通のBMWじゃないか!これなら悪目立ちはしませんね!ただ、当然みんからをしている人たちからすると通常の5シリーズとは至る所が違います。順番に感じたことを書いていこうと思います。
1.ディーラーから出発まで
見た目は普通の5シリーズ。ですが

ボンネットにあるパワーバルジがいかつい!反射がゆがんでいることで分かると思います。黒色ならもっとよく分かるところですね。C63AMGもパワーバルジが強調されているので、正面から見たときの通常モデルとの見極めポイントにもなります。

BMWのアイコンであるキドニーグリル。2本ラインになっているのがMの証だそうです。

荷室も十分です。

内装は写真で見る以上にGoodです!若干古い感じもしますが、これは購入者層が50代以上~を想定しているからでしょう。

一部タッチパネルが採用されています。エアコンの27.5℃と表記されている部分。温度調整をしている時は拡大されるので分かりやすい演出です。そういう細かい部分の積み重ねが重要だと思います。
2.姉の運転で出発~折り返しまで
まずエンジンをかけた瞬間の激しい振動に驚きます。これはやばいやつだぞ・・・と体が反応します。がおぉぉぉん!!!!!とうなり声を上げる猛獣です。ただ、718ボクスターや911(991)の水平対向エンジンをかけたときの方が振動は大きいような気もしますね。

上から順にエンジン・サスペンション・マフラーの可変スイッチです。最もソフトなモードにして町中を巡航します。
助手席に座っている分にはシートの硬さと包まれ感を感じるものの、不快な気分は感じません。そこかしこにあるレザーやライティングの妙で良い気分です。ただ
エンジンの主張だけははっきりと感じます。

乗り心地は最もソフトなモードとはいえ柔らかい印象は全くありません。むしろS4のダイナミックモードに近いかもしれません。S4でも言えますが、硬いからといって収束が1or1.5発で収まるのでフラット感を感じられます。ただ、重ねて言いますがエアサスのまったり感は皆無です。
3.運転交代~ディーラーまで
ここからは自分で運転しましたので写真はなしです。
まずシートセッティングからはじめます。左足を置くフットレストが小さいため足がはみだしてちょっと不安定だったことをのぞけば、アウディよりもセンターコンソール部分の出っ張りが少ないため左足はリラックスできます。ただ、1シリーズを試乗した時のようなピッタリはまった感はありませんでした。が、アウディよりポジション取りは総じて良いです。
営業マンからスピードを上げてコーナーを曲がって下さいといわれ、普段はブレーキして30km/h程度で曲がるようなコーナーを60km/h程でノーブレーキで曲がってみました。(周囲の安全確認済み。50km//h制限道路)
おっかなびっくり状態で曲がったのでハンドル操作がぎこちなくなりましたが、驚いたのは
ロールがないこと!ハイスピードで急ハンドルを切って曲がったにも関わらずアンダーステア・ロールといった遠心力・慣性力による姿勢変化がほとんど感じ取れなかったのです!いつのまにかコーナーの出口で真っ直ぐに向き直っている感覚です。FRではこういう挙動を感じ取れるといいますが、
4WDのM4でそれが感じられたと言うことにBMWの凄みを感じます。アウディS4/RS4でも同じ事をやって差を感じてみたい部分です。

※これはM5ではありませんが似ているので掲載。
ハンドルが太くそしてちょっと野暮ったいスイッチとパドル。ここはBMWの全モデルで共通している個人的に気になる部分です。スイッチ類やアルミの使い方はアウディの方が好きですね。
その後、営業お勧めのアクセル全開ポイントへ。モードは最もハードなスポーツ+を選択!踏み込んで下さいとガンガン言われたのでおそるおそる踏み込んでみました。
がつっとアクセルを踏むと、3000~4000回転で既にビビり始めてしまいます。バイクがいたのでちょっとアクセルを緩めてから再度踏み込み6000回転近くへ!どこからでも怒濤の加速を見せるエンジンです。このエンジンで文句がある人はいないでしょう(笑)一瞬アクセルを緩めたことで二段ロケットのような衝撃を味わいましたw
特筆すべきはアクセル全開で加速中に段差を越えた挙動です。以前BMWオーナーから聞いたところ、段差を越えたところでFRはトラクションが抜けて4WDに差を付けられてしまうという話。M5は4WDだったためか、そうしたトラクションが抜ける、または隣のレーンにずれてしまうという感覚は一切ありませんでした。これは
A4クワトロの直進安定性より上だと断言できます。悲しいことですが、M5の4WDの直進安定性は凄まじいものがありました。
ただ、気をつけないといけない表現ですが
・直進安定性がM5の方が上
ではありますが、
・直進したい欲求にかられるのはA4の方が上
というところです。
M5はBMWの例に漏れず、ハンドルを動かしてヌルヌルとコーナーを攻め込んでいきたい性格をしています。どこにどうハンドルを切っていっても不安定になることも不愉快なロールを生むこともなく走り続けるBMWに対して、アウディはコーナーをヌルヌル進むのではなく豊富なトルクで常に路面を掴んでトラクションを絶対になくさないという安心感を生むスタイル。コーナー1つではドラマチックな瞬間を生み出さないスタイルは、長距離・長時間を走りおわった時にドラマを生み出します。
そうした性格・スタイルの違いからM5(F90)の4WDの性能はA4(B9)を完全に上回っていますが、直進性が良いという風に感じ取りにくいかもしれません。
AUTOCARのレビューにはこう書かれています。
「ドライブトレーンのよりアグレッシブなモードである4WDスポーツと2WDは、ドライコンディションに最適化されているように思える。アクティブデフは前者のセッティングを選択すると特に激しく作動するようで、ターンインで素晴らしく安定した挙動を生み、ニュートラルに加速できるようになる。オーバーステアが出始めても、完全にスタビリティコントロールを切る必要はない。Mダイナミック・モードなら、魅惑的でデリケートな後輪駆動らしいハンドリングのアジャスト性を楽しめるが、決して荒っぽいものにはならない。これが2WDモードでは打って変わって、派手なドリフトも思いのままだ。
ウェットコンディションでは、たとえばアウディRS6あたりがみせるような、素晴らしく揺るぎないトラクションや安定感を発揮することはできない。とはいえ、バランスとスタビリティのブレンドは、常に完全な予測が効くわけではないが、賞賛せずにはいられないものだ。」
この内容にはおおよそ共感できます。サーキットのような速度域ではありませんが、その片鱗を感じ取れる挙動を一般道でもしていたと思います。この辺の比較はS4~S8、RS4~RS6のオーナーさんに是非聞いてみたいところです。
さて、先ほどの直進したい欲求にかられるアウディという私なりの図式ですが、この考えに至った要因として他にはV8エンジンの主張にあります。M5のエンジンは先代より大人しくなったと言われていますが私にとっては超猛獣!
600馬力のエンジンの存在感を感じ取りながらまったりクルージングはちょっと考えにくかったのです。すごいエンジンなので常にそれを意識してしまうのです。黒子に徹するのではなく主役に躍り出ようとするエンジンなのだと思います。
少なくとも今まで乗ってきたS5のV6、S8のV8、RS4のV8エンジン等と比べて主張が激しい。スタートの合図を待つ100m競争の時のようなアドレナリンが充満している雰囲気を、ボンネットからドライバーに常に浴びせてきます。これが驚異の直進性を持ちながら、直進し続けるまったりクルージングをさせてくれる雰囲気を作ってくれないような気がしました。長時間乗っていないのであくまで予想ですが・・・。
その後、店内に戻って色々と営業と談笑。こちらの店舗は西日本最大のようです。
M8や7シリーズ。その他ほとんどそろっています。クールダウンしながらBMWの世界を満喫♪

クールダウンどころではなく、価格にノックダウンです(笑)
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試乗 | 日記
Posted at
2020/04/01 23:19:04