★ターボエンジンとは
前回にもお話を少しばかりしましたが、簡単に言ってしまえば排気量以上に空気を押し込んでエンジンパワーを出す装置です♪
少し昔「パワーはあるけど、乗りにくくて燃費が悪い」と言われた時代もあったターボ車が、なぜ今多くの車に採用されだしたのか。
「そもそもターボとは」を少し掘り下げてお話をします(^^♪
ターボとは排気ガスの流れ(排気の圧力)を使ってエンジンに空気を押し込む過給装置で、同じ排気量なら過給することでよりパワーが得られちゃうんですよね(^^)
言えば小さな排気量で大きな排気量並のパワーが出るというもの。
構造を簡単に説明すると、ターボには排気側、吸気側に羽車(タービン)が付いていて、排気ガスが出ることで排気側の羽車が回ると吸気側の羽車も回り過給が行われます、ベースとなるNAエンジンより大きなパワーを得られちゃうんです♪
★NAエンジンとは
自然吸気(ノーマル・アスピレーションもしくはナチュラル・アスピレーション)エンジンのことで、簡単に言ってしまえば吸気した空気をそのまま燃やし排気するので、排気量とエンジン回転数相応のパワーしか出ません(あくまでもノーマルね)
ターボとよく似た過給機としてはスーパーチャージャーがあります(^^♪
以前お話した通りスーパーチャージャーはエンジンの力を過給に変換することがターボとの違いで、ターボの弱点だったレスポンスに優れる所ががメリットです。
★なぜ一時ターボは廃れたのに、最近増えているのか?
日本車初のターボ車は70年代後半、日産の430型セドリック&グロリアの2ℓ直6に採用されました。
昭和の時代「排気量が2001㏄以上になるのを含め、3ナンバー車は自動車税が5ナンバーの倍掛かる」という特殊な事情もあったのです((+_+))
かつての5ナンバー車の条件
•全長:4,700mm以内 全幅:1,700mm以内
•全高:2,000mm以内 総排気量:2,000cc以内
のいずれか1項目でも越えた場合3ナンバーとなり税額が跳ね上がりました
そのためか小さな排気量で大きな排気量並の動力性能を得られるターボ車が
セドリック&グロリアでは2ℓターボと2.8ℓNAのエンジンスペックは非常に近く、5ナンバーで3ナンバーの大排気量車並みの力を得られる2ℓターボは大きな意義があったのかもしれせん♪

そしてそして~
時代は進み平成になると3ナンバーの自動車税の値段の高さは改正されましたが、日本の自動車業界自体が上り坂で、スポーツモデル=ハイパワー車となっていきました。
昔は燃費がそれほど重要視されていなかった時代背景もあり、90年代初めを頂点にターボ車は増え続けたのです(*´з`)

ちなみに430型セドリック&グロリア、ターボが登場した頃は排ガス規制の強化やオイルショックといった背景もあり、パワーのあるターボ車の認可を渋る運輸省に対する日産の主張は「ターボ車は排気ガスの流れを再利用し、小さな排気量で大排気量車並みのパワーが出るので低燃費につながる」というものだったらしいです(;・∀・)
ターボ車を振り返ると現在であればかなり的を射ているのですが、過程を考えると微妙に感じるところもありますよね(笑)
その微妙なところもターボ車の弱点やデメリットで、2000年代になると大パワーを必要とするスポーツモデルの激減や、パワーよりも燃費を重視される時代になったことで必要性が薄れてしまい、軽乗用車を除くとターボ車はめっきり減ってしまいました。
★続いて具体的なターボ車のデメリットは?(過去)
①燃費の悪さ
大人しい巡航であればそれほどNA車と変わらないものの、ターボ車は排ガスの排出が大きくなるまで【ターボチャージャーが回らない=パワーが出ない】という、ターボラグと呼ばれる弱点があり、そのため特にATとの組み合わせだと相性が悪く、常用でのアクセル開度が増えがちになったり、ターボラグによるレスポンスの悪さで運転がしにくかったりと結果的に燃費が悪いケースが多かったようです
(-_-;)
※ターボラグに関してはターボのサイズを適正なものにすることや、ターボの材質を鉄から重量の軽く回りやすいセラミックやチタンなどに変更、排ガスと吸気の流れをスムーズなものにするなどして、かなり改善はされていきました(^^♪
日本であまり多様しない高回転を使い続ける高負荷時に、ハイパワーなターボ車は発熱量も多く、エンジン内部を冷やすためガソリンを多く使用する必要があることも燃費の悪さの1つ。
②コスト面の高さ
これは当然でもありますが、ターボ車はNA車に対しターボ本体の効率を上げるため吸気を冷やすインタークーラーや、それに付帯する配管など(特にターボ本体やインタークーラーは高い精度が必要な部品)自ずとコストは高く、
それにより自動車税が納得のいく段階的なものになったことで、ハイパワー化の手段であれば排気量を上げても基本的にコストは変わらないNAエンジンに移行が進んだ時期もありました( ̄ー ̄)
★続いてターボ車復活の背景
●ターボ車復活のきっかけを作った直噴エンジンを例に…
直噴エンジンが一般的なものとなった♪
空気と燃料が混ざったものを燃焼室に噴射する通常のポート噴射に対し、燃料を直接燃焼室に噴射する直噴エンジンはより細かな燃料噴射を行うのに加え、高圧縮化や直接燃料を噴射することで燃焼室の温度が下げやすいといったメリットも生まれ、ターボとの相性がよくターボの弱点を補えるようになった。
先にお話したように「ターボラグ」が、
ターボ自体の進化や
直噴化で減少したのに加え、VWで言えばツインクラッチATのDSG、他社製でも変速スピードの早いレスポンスに優れた6速以上の多段ATの登場で、ターボラグが非常に少ないNAエンジンのように運転できるターボ車が増えた事も要因のひとつ♪
で、登場したのがダウンサイジングターボ!
同じパワーを得るのにターボを使えばエンジンを小さくできるメリット(^^♪
上記①、②の様にターボ車の弱点が補えるようになれば「小さな排気量で大きなパワーを得られる」という本来のメリットが生まれ、最近よく聞くダウンサイジングターボというコンセプトに(^^)/♪
ダウンサイジングターボの分かりやすい例を挙げると2ℓ直4ターボは3ℓV6NAの代替
3ℓV6NAが2ℓ直4ターボになればエンジン重量は大幅に軽くなり、軽さという要素も燃費向上や運動性能にもつながります♪

日産ノートはスーチャーですが、1.2ℓ3気筒エンジンにスーパーチャージャーを加え1.5ℓNAの代替としているのでこちらも当てはまるのではないでしょか。
また気筒数は同じでも排気量を小さくすれば、1.5ℓ直4ターボを2ℓ直4NAの代替としているステップワゴンのように、同じ4気筒でもエンジン本体はフィットなどに搭載される1.5ℓまでをカバーするものなので、2ℓまでをカバーするものより軽量です。
また同じ直4でも1.5ℓであれば2ℓよりサイズも小さいので、大きなエンジンの搭載を考慮しなければならなかったエンジンルームも小型化でき、その分、室内を広くできるというメリットも♪
★普及と共にターボ自体のコストが下がっている
上記でもお話ししましたが、ターボ車はコスト面で割高であるがターボ車の急激な増加による量産効果もターボ化に必要なパーツのコストDOWNに♪
またノート、他車種のようにターボ化スーチャー化により気筒数が減れば、気筒数が減った分でターボ化によるコストを相殺か、またターボ化の方が安く済むというケースもあるようです。
こういったターボ車の進化とダウンサイジングターボのメリットにより、今では輸入車を中心にあの排気量至上主義のアメ車でさえダウンサイジングターボは増加傾向です。
日本では交通環境も含め更なる燃費向上としてハイブリッド化が進んでいるので、ダウンサイジングターボでは輸入車に対し少し遅れ気味な印象もあります。
長くなったのでそろそろ〆に(笑)
燃費というのはエンジン、ミッションといったパワートレーン系だけでなく、車重や空気抵抗など様々な要因が絡み合うものだけに、ダウンサイジングターボだからといって今までよりも劇的に燃費がいいものは少ないというのが現実のような気もするキムでした(-ω-)/
と、今回はこんな感じで☆
ほな、まったね~♪