
マツダ初の量産ハイブリッド車としてデビューした
アクセラハイブリッド。
私はこのクルマに三週連続で試乗し、それを元に4回もの試乗記(「期待値を超えること(1)~(4)」)を書き綴りました。
さらには、アクセラを試す前にわざわざトヨタディーラーへ出掛け、ハイブリッドシステムの親機ともいえるプリウスに2回も試乗。人生初のハイブリッド車体験を予め済ませてから臨んだというから、余程アクセラハイブリッドへの関心が高かったのでしょうね(^_^;)。
さて、計5回にもわたった一連のハイブリッド車試乗で、私の心に残ったことは・・・
まずもって、プリウスというクルマが放つ先進的イメージ、クルマ全体に貫かれている未来感(隔世感?)に甚く感服。
リーマンショックの前後、原油価格の高騰に加えて税制面での厚遇も得、一躍時代の寵児となった日本のハイブリッド車。その象徴的存在として、多くのユーザーの心を捉え、月販TOPの座を欲しいままにしたベストセラーのクルマを実際に体感することで、一大ブームを巻き起こした“必然“の部分を自分なりに感じ取ることができたのは、貴重な体験であり、大きな収穫でもありました。
そしてアクセラハイブリッドです。
十分な市場実績を誇るハイブリッドシステムを共用していながらも、ある意味プリウスとは対極と表現できる「従前のクルマらしさ」を浸透させることに徹底的に注力。走る楽しさ、操る楽しさを忘れない「マツダらしさ」、「アクセラらしさ」を余すとこなく詰め込んで登場してきたことには、心底驚かされました(^O^)。
正直、飛び抜けた燃費性能と引き替えに、様々な我慢やストレスと向き合わなければならない”先進ECOカー”に違いないと勝手に想像していたので、完全に裏をかかれた感じ^_^;。
ここで私があらためて触れたいのは、とある雑誌で紹介されていた、アクセラ開発主査のコトバ。
ガソリン/ディーゼル/ハイブリッドと、国内向けに3種類のパワートレインを搭載することを強くアピールしている新型アクセラ。その中で最もおススメのパワートレインは?と尋ねられ、
「お客様の好みの問題ですよ」
とサラッと答えていたのです(^_^.)。
なんと自然体で、かつ、自信と愛情に溢れた発言なのでしょうか!
少なくとも日本においては、絶大な市民権を得ているハイブリッド車。
燃費スペシャルとも言うべき抜群のモード燃費値を武器に、依然エコカーの代名詞として君臨し続け、大手メーカーがこぞってラインナップ拡充にひた走っている「ハイブリッド車」でさえも、アクセラの中にあっては数ある選択肢のうちの1つに過ぎないというわけです。
裏を返せば、『マツダ初』ゆえに何かと注目を浴びるSKYACTIV-HYBRIDだけに頼らずとも、初登場のガソリン・SKYACTIV-G 1.5をはじめ、先代アクセラから定評のあるSKYACTIV-G 2.0、さらには刺激的な大トルクを発生するディーゼル・SKYACTIV-D 2.2と、それぞれのパワートレインが十分に役者揃いであることに加え、どのパワートレインを搭載したクルマも、「フルSKYACTIV+魂動デザイン」の第三弾として登場した新型アクセラシリーズの一員として、自信を持って薦められる仕上がりであることの証しでしょう。
もし仮に、このアクセラハイブリッドが他のアクセラとは毛色の違う特異な存在のクルマだったとしたら、開発主査の口から決してそんな発言は出てこなかったはず。他のパワートレインと遜色ない「マツダらしさ」・「走る楽しさ」をしっかり兼ね備えているからこそ、「好みでお選びください」と言い切れるのでしょう。
何を隠そう、2回目のアクセラハイブリッド試乗の際、一時的ながらそのハンドリング性能に「?」が渦巻いたあの時の私の心境を重ね合わせてみれば、その発言の重み、意図するところは十分に伝わってくるのです。
それにしても、こんなカッコいい台詞を言いたいがためにトヨタと技術提携したわけではないでしょうけど(笑)、結果として見事にハマってますよね。
(個人的には、今年最も印象に残るコトバかも・・・)
SKYACTIV-Dで日本市場にクリーンディーゼル旋風を巻き起こし、高い評価と絶大な支持を得たCX-5と新型アテンザ。それらの華々しい活躍を、ゲームの流れを一気に変える「逆転ホームラン」と形容するならば、マツダらしい味付けをとことん加えたSKYACTIV-HYBRID搭載のアクセラハイブリッドは・・・
ここ一発の逆転打ほど大きなインパクトはないものの、相手バッテリーの配球から野手のシフト、風向きから果てはゲームの流れまで、あらゆる要素を総合的に分析した上で計算づくで放たれた、三塁線を破る走者一掃の「技ありツーベース」って感じでしょうか(爆)。
とにもかくにも、私の予想を完全に裏切り、マツダらしい香りをプンプン漂わせるのがこのアクセラハイブリッド。
新型アクセラシリーズに備わるクルマとしての高い基本性能、そして躍動感あるスタイリングに加え、ニッポンが誇る先進ハイブリッド技術まで得たこのクルマが、俄然魅力的に映り始めてしまったから、ホント困ったものです^_^;。
いやいや
そうはいっても、我が家にはマツダ渾身のSKYACTIV技術の記念すべき初搭載車であり、新たな歴史の始まりを告げた栄光のトップバッター・デミオがいるではありませんか!
あ、でも・・・
あのCVTのトリッキーなフィーリングには未だに馴染めてないし、何より、私がSKYACTIV TECHNOLOGYに感銘を受け、思わずデミオを衝動買いしてしまった一昨年の夏とよく似た胸騒ぎがしているのも事実なのです(爆)。
ま、嫁さん専用車として、扱いやすさや取り回し性を考えたら、全幅1.8m級の新型アクセラ(セダン)は不適だと言わざるを得ないし、それ以前に先立つものがないので(苦笑)、現実味のない買い換え話ではあるのですが、この心のトキメキにはちょっと参ってます(^_^;)。
仕方ない・・・ここは
実家のアクセラスポーツ購入検討で気を紛らわそう!
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隠れ家のテストドライブ | 日記
Posted at
2013/12/17 22:29:54