
本来であれば、気分が最高潮に達した昨日のうちに書いておくべきだったのですが・・・
ここ数日のスポット的な仕事の忙しさ(しかも本業じゃなくて他人のサポート)が、それを許してくれませんでした^^;。
何の話かって、このたびの東京モーターショーで世界初公開されたコンセプトカー
「RX-VISION」と、遂に発表された
「SKYACTIV-R」のことに決まってますよ!
まさか、最近ニュースが聞こえてこない水素REと、330ccシングルローターのレンジエクステンダーの2つだけで「マツダはREの研究開発を続けている」と解釈したくはなかったし、何より、今回の衝撃的な発表の内容は、他でもないマツダ自身がそのように自覚していたことを大いに物語っています。
傍から見れば、低公害や低燃費など自動車に対する社会的要求は強まる一方で、過去にない厳しいレベルにまで到達。これまで半世紀にわたって何度も存続の危機を乗り越えてきたREも、もはや命脈が断たれたのかも・・・
無類のRE好きを自認するこの私でさえ、2012年を最後にRE車の生産が休止してしまったこの状況には悲観的にならざるを得ず、REファンとして明るい展望を決して捨てずにいながらも、一方では”心の準備”も進めていたというのが偽らざる心境でした。
そこで突如飛び込んできた嬉しいニュースが、昨日の「RX-VISION」です。
私はまさに今回と同じような、まさかの感動に包まれたあの日を思い出していました。
あれは今から16年前、1999年の東京モーターショーに「RX-EVOLV」が登場した時です。
当時のマツダは、バブル崩壊後の長引く経営不振からFord傘下に入り、企業の再生に向けて事業の再構築を行っている最中。その過程では、従来は聖域とされた事業にも容赦なくリストラのメスが入り、バスやタクシーなどビジネス効率に劣る不採算部門は次々に切り捨て。やがてはマツダ固有の象徴的技術・REにも魔の手が伸びる・・・そんな憶測さえ飛び交っていました。
学生時代にレーシングロータリーの虜になり、「いつかはRE車を所有する」と心に決めていた私がそんな不穏な状況に居ても立っても居られなくなり、REの販売になんとか貢献しようと、大のお気に入りだったランティスクーペを手放し、当時唯一の市販RE車だったRX-7(FD3S)を新車購入したのもちょうどこの頃でした。
しかし、そのまま消滅するかに思われたRX-7に1998年、ビッグマイナーチェンジが施された辺りから俄かに風向きが変わり始め、遂には新世代REを搭載するコンセプトカー「EX-EVOLV」の登場に至ったわけです。
REは挑戦と創造を忘れないマツダのブランドを象徴する固有技術のひとつであると、Fordグループ内で認められた結果でした。
内心、大好きなREの存続を諦めかけていたところに、まさかの逆転ホームラン。
私は希望の星・RX-EVOLVが放つオーラ、その雰囲気や臨場感をぜひ直接感じ取りたくなり、遥々東京まで出掛けて雛壇のコンセプトカーをカメラに収めて帰ったのでした。
あれから16年。
あの時と現在とで状況が大きく異なるのは、前述の通り自動車を取り巻く社会環境が厳しさを増していること。そしてもうひとつ、固有技術であるREの存続に対する諸々の判断を、他の誰に頼ることなしに、マツダが自分自身で決めなければならないこと、があると思うのです。
だから、今ここでREの存続を高らかに宣言するためには、新時代を切り開く革新的REに相応の技術的目途、もしくは課題解決の糸口が見えていて、かつ、REへの挑戦を続けることの意義や大義名分をしっかりとマツダ自身で定義付けできていなければならないはず・・・。
そう考えると、今回の「RX-VISION」ならびに「SKYACTIV-R」には、並々ならぬマツダの決意を感じざるを得ないし、REファンには堪らない希望に満ちた「意思表明」をしてくれたことこそが、私にとっては唯一かつ最大のGoodニュースだったのです。
だから・・・
申し訳ないですけど、皆さんが思い思いに印象を語り、一喜一憂しているRX-VISIONのデザインや、SKYACTIV-R技術の具体的な中身は、今のところは私の興味の対象ではありません(^^;)。
(ま、いずれ量産型に近いモデルが姿を現す段になれば、昨今のマツダならデザインをそう大きく外さないだろうし・・・)
残念ながら、気ままな独身生活を送っていた16年前とは違って、今回は「RX-VISION」が放つオーラを直接感じ取りに出掛ける・・・のは叶いそうにありませんが、マツダの重い決断と、待ち望んでいた最高のメッセージを、まずはゆっくりと噛みしめたいと思います。
もっとも、一旦SKYACTIVを名乗ったからには、いずれ世に出てくる次世代のロータリーエンジン、それを搭載するクルマには、常識を覆し世間をあっと言わせるインパクトが必須だし、生半可なレベルじゃ許されないとは思いますけどね(^^;)。
でも今は、ひとまずこう言っておきたいと思うのです。
「夢をありがとう!」
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Posted at
2015/10/29 23:08:38