
(前回からの続きです)
実家のBMアクセラ(ディーゼル;6速MT)と我が家のDJデミオ(ガソリン;6速AT)で私が感じた、ペダル操作に対するi-DM判定の「ビミョーな違い」。
この理由が、単にクルマによる応答特性の「ビミョーな違い」だと簡単に結論付けられない気がした私は、今から10ヶ月ほど前、実家にBMアクセラがやってきた頃の記憶を辿ってみたのです。
当時の私は、旧・嫁さん専用車のSKYACTIVデミオで、初のi-DMチャレンジを開始して5ヶ月目に入った頃。
たぶん、既に3rdステージに突入していたはずですが、とにもかくにもこのデミオのi-DM、ちょっとばかり癖のあるCVTを介した加速の操作が
鬼門中の鬼門。
止まるか止まらないかの微低速域まで減速した後の再加速では、いくら慎重にソッとアクセルを踏んでも、かなりの高確率で「トンッ」と背中を押されるような段付き加速がお出迎え(-_-;)。
狭い道での安全確認や離合後の再スタートなど、類似の走行シーンが訪れるたびに全く不本意な白ゲージを喰らってしまい、無情にもその場でスパッとスコアを減点されるものだから、まさに
「なんでぇ~?!」の世界。アンコントローラブルとさえ思える厳しい仕打ちに、途轍もない絶望感を味わっていたものです。
(結局のところ、クルマを手放すまでその克服はついに叶わず・・・)
そんな私が、実家のBMアクセラでの新たなi-DMチャレンジに際して、最も心配していたこととは、MT車のクラッチ操作による細かなG変化が、極めてシビアに判定されてしまうのではないかということ。
ま、無理もありません。デミオであれほど気を遣い倒しても封じ込めなかった「トンッ」というCVTの段付きショックがスパッと白ゲージ判定されてしまうわけですから、相当クラッチミートに気を遣っていかないと、シフトチェンジのたびに白だらけになってしまう・・・極めて素直にそう案じたわけです。
ところが、いざ蓋を開けてみるとこれが
大違い。
アップシフトでもダウンシフトでも、クラッチミートで有感レベルのショックが生じても、全くもって「不問」になっているじゃあーりませんか(^_^;)。
さすがに「あ~、へタクソ!」と嘲笑されるくらいの「ガツン!」という過大なショックだと白ゲージ判定をされますが、別に細心の注意を払わずとも、ごく「フツーに」クラッチ操作をしてる限りにおいては、クラッチ断続時のG変化を、都合良く無視してくれたのです。
「なぁんだ」
ホッと安堵した記憶はあるのですが、現実にはそんなことよりも・・・
アクセルを戻した際のエンブレのGだけで青ゲージが点きっぱなしになったり、そっとアクセルを踏むだけで2ステージターボ特有の加速感で簡単に青ゲージが点くという、1st/2ndステージの”緩さ”加減に驚いてしまい、あれだけ事前に気を揉んでいたクラッチミート判定のことは一瞬にして意識外へと葬り去られたのです。
たしかその頃、お友達のタッチ_さんがご自身のブログに「MT車の判定ロジックはAT車とは変えてある」旨のマツダ関係者談を載せておられたので、自分の実体験と照らし合わせても「あーやっぱりね・・・」と納得し、自分の中では済んだことになっていたのです。
そこで、私はもう一度この件を俎上に載せて、MT車とAT車のi-DM判定(基準)の違いについて、もっと具体的に考えてみる気になったのです。
とはいっても、所詮素人のワタクシ、それほど真面目に思案に暮れたわけではありません(苦笑)。
話は極めて単純で、少々の雑なクラッチミートでも許容され不問にされるわけですから、それ即ち、ある一定のGが立ち上がるまでは「不感帯のゾーン」が設けてあるな、と想像するのはごく自然な流れでしょう。
つまり、クラッチミート時のショックによる軽いG変化でイチイチ目くじらを立てることがないよう、立ち上がりの微細なG変化は、ある程度まで強制的に排除される・・・ということです。
折角マニュアルトランスミッション車を選択したユーザーが、あまりに頻繁な白ゲージの出現によってi-DMへの挑戦意欲を殺がれてしまわないためにも、この不感帯ゾーンの設定は極めて妥当な配慮だと思われます。
ただ、そんな除外エリアがあるとはつゆ知らず、ゼロからスムーズに立ち上げた「快心の」加減速Gのグラフが、突然に下限から一定値のラインでズバッと切り取られてしまったら、どうなってしまうでしょう?
これは極めて概念的な図ですが、縦軸が加速度(G)で横軸が経過時間(t)ですね。
実線で表した「A」の青い曲線が、自画自賛の快心のG曲線(笑)。
たしかにグランドレベルから見ると、時間とともにスムーズにG(加速Gまたは減速G)が立ち上がっています。
しかし今、このグラフにGの不感帯を設け、下から一定のところ(緑の破線)でスパッと分断してしまったら、グランドレベルは赤い太線に替わってしまいます。すると、黒円で囲んだ部分のG推移は、随分と急激な立ち上がりをしたことになってしまうのです。
これはまさに、「DJデミオ:青、BMアクセラ:白」とハッキリ運命が分かれた、ブレーキ操作時の「走行パターン1」判定の話とイメージが合致してきます。
では、BMアクセラの減速Gの立ち上がりの判定を「白から青」に変えるには、どう対処したらよいか?
そう、ここでは、「いくら絶妙なGコントロールをしたところで完全無視されてしまう」緑色の“不感帯ゾーン”を十分意識したペダル操作が肝要となります。
つまり、ブレーキを強く踏み込み始めるタイミングをDJデミオほど急がずに、まさに一呼吸置くつもりで、そのゾーンを通過したと思った頃からググッと減速Gを増やしていけば良いのです。
これが、図でいうところの「B」の青破線のイメージとなります。こうすれば、黒丸で囲んだ部分、即ち赤線から青破線への移行が、先程のAの場合よりも随分なだらかになることが判ります。
実は今朝この仮説を検証するために、信号のない広い港湾道路を遥か沖の方まで往復しながら、従来よりも僅かにブレーキの踏込みタイミングを遅らせてみたところ、見事なまでに「走行パターン1」の青ゲージが続出。「なかなか出せない・・・」と一人苦悩していた課題に、やっとこさ解決の糸口を見出したわけです(^^)v。
(今回のTOP画像は、その最中のマツダコネクト画面)
ちなみにこの理屈、基本的には減速Gだけでなく「加速G」の場合にも当て嵌まるのですが、私がBMアクセラの加速シーンにおいて、こうした“不感帯ゾーン”の存在を意識しなくても「極めて簡単に」青ゲージが出せているのには別の理由があります。
それは、SKYACTIV-D 2.2の2ステージターボチャージャーに元来、踏み込み始めのちょっとした“間”が存在しているお陰で、ただ大人しくアクセルを踏んだだけで、勝手にBの青破線に近いカタチの加速Gが立ち上がってしまうのです。
逆に言えば、このようにいわば半自動(全自動?)で勝手に青ゲージ相当のしなやかな加速Gが立ち上がってしまうBMアクセラ(ディーゼル)に慣れてしまったがために、そうした反則紛いのアシストとは無縁のDJデミオ(ガソリン;6速AT)と対峙した瞬間、100%自力でしなやかな加速G曲線を作り出すという慣れない操作に今更ながら苦労し、青ゲージと白ゲージの狭間で、適切なアクセルコントロールを模索させられているわけですね・・・(^_^;)。
ま、実際のi-DM判定ロジックは、先の私の簡略図ほどシンプルではなく、もっと緻密で複雑なものと思いますが、まぁ、ドライバーが運転操作をする際にリアルに意識するためには、これくらい物事を単純化しておかないとね(^_^)
というわけで、ちょっと過去を振り返ってみたのが奏功し、BMアクセラでなかなか狙っても出せなかった減速時の「走行パターン1」のブルーランプ点灯に関しては、大きな前進を果たしました。
もっとも、漸く青ゲージが出せるようになっただけで、今後はその精度(頻度)を上げていくという課題が待ち構えていますけどね(汗)。
こうなると、私が次に克服すべき悩みとは・・・ハイ、DJデミオの加速時の「走行パターン1」点灯ですね。
でも、その前にまず・・・
DJデミオに乗らなきゃ(苦笑)
(今週末はまだ1ミリも動かせてません・・・)
(おわり)