
先月買ってきた本です。
『マツダ スカイアクティブエンジンの開発』
まぁ、タイトルからして、SKYACTIVの悪口など書いてあるはずもなく(笑)、2011年にデビューしたデミオの1.3L直噴ガソリンエンジン(P3-VPS型)を中心に採り上げ、マツダが内燃機関の限界に挑んだSKYACTIV TECHNOLOGYを構成する各エンジン要素技術について、事細かに解説してあります。
(正直、ワタシは制御技術の領域はあまりついていけてませんが・・・汗)
“新発想”とか“ブレイクスルー”といったコトバでまとめてしまうのは簡単ですが、実際のところ、量産ガソリンエンジンとしては異例の高圧縮比「14」をはじめ、革新的なエンジンを世に送り出すドライブとなったのは、特定の発明や隠し玉的な技術ではなく、ひとつひとつの技術追求の愚直なまでの積み重ねであり、開発陣がそれらをうまく融合させながら、既存車体への搭載という厳しい制約にもめげず、出力・燃費・エミッションを高次元で調和させることに腐心してきたかがよく伝わってきます。
さらに、私が慧眼だったなと思うのは、そんな珠玉の画期的エンジンを初搭載したSKYACTIVデミオを、ただ単に時流に迎合した低燃費スペシャル車で終わらせることなく、“統一感”という新しいチューニングコンセプトを導入し、マツダ車らしい「走る楽しさ」を新次元で織り込んできたことですね。
結局、次に来たSKYACTIVアクセラ、そして、真打ちのフルSKYACTIV車・CX-5と、マツダが背水の陣で送り出した新技術車が次々に好感されていったのも、元を辿れば「リッター30キロ」で世の中に強烈なインパクトと大いなる存在感を示したSKYACTIVデミオの活躍があってこそ、と言えなくもありません。
そう考えると、先鋒の役割を立派に務め切ったSKYACTIVデミオは、エンジンのみのSKYACTIV化ゆえ、ボディ・シャシー・トランスミッションまで揃ったフルSKYACTIV車には性能では敵わないでしょうけど、マツダの歴史の一頁を切り拓いた重要なクルマとして、今一度持ち上げてやりたい気分で一杯です。(あ、現に持ち上げてますね 笑)
「好きか嫌いか?」と言われたら間違いなく私は後者と答えるCVT(苦笑)だって、P3型エンジンとの徹底的な協調制御によってSKYACTIVデミオの衝撃的パフォーマンスを実現した立派な立役者であるわけで、技術的な存在意義や必然性には何の疑いも持っていません。
というわけで、2011年のデビュー時のローンチカラー・アクアティックブルーをまとい、かつ、オリジナル状態の維持を十分意識してきた我が家のSKYACTIVデミオは、エンジン史の見地からみても、マツダの歴史を語る上でも、大変意義深いクルマの1台であるとあらためて認識した次第です。
(これで少しは延命できたかな?)
では同じように、マツダのエンジン史を語る上で重要なクルマ、他に何があるでしょうか?
まぁ、80余年に及ぶマツダのエンジンの歴史を振り返ったとき、過去最も話題を呼んだ独創的エンジンといえば、間違いなくロータリーエンジン。とりわけ、世界初の2ローターREを搭載してデビューした「コスモスポーツ」は、歴代RE搭載車の代表的存在でもあり、マツダのエンジン史だけでなく、世界の自動車史を語る上でも重要な1台といえるでしょうね(^o^)。
・1967 コスモスポーツ (世界初の2ローター・ロータリーエンジン)
そんなコスモスポーツは別格扱いとして、その次にくる、マツダの個性が光るエポックメイキングなエンジン搭載車を「残り9台」思い浮かべろと言われたら・・・私のチョイスはこれかなと思います。
・1950 CT型三輪トラック (三輪業界初のOHVエンジン)
・1962 キャロル(オールアルミ合金製4気筒エンジン)
・1972 ルーチェAP (REAPS、初の低公害車優遇税制適合エンジン)
・1977 ファミリアAP (希薄燃焼型エンジン、S53規制対策)
・1990 ユーノスコスモ (量産世界初の3ローター・ロータリーエンジン)
・1991 ユーノスプレッソ (当時世界最小の1.8LのV6エンジン)
・1993 ユーノス800 (世界初の自動車搭載用ミラーサイクルエンジン)
・2011 デミオ (圧縮比14のSKYACTIVガソリンエンジン)
・2012 CX-5 (圧縮比14のSKYACTIVディーゼルエンジン)
(独断と偏見で選びました、すみません)
こうしてみると、たとえその大きな存在価値に共感したとしても、今から頑張って所有できるクルマは、やはり少ないですねぇ・・・
CX-5(XD)オーナーの皆さん、
「ぜひ、大切になすってください」(某・鑑定番組風に)
そして・・・
来たれっ、SKYACTIV-R!!
Posted at 2014/02/07 12:03:30 | |
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隠れ家のデミオ | 日記