
新車のテストドライブ・・・という意味では本年初となった日曜日の試乗。
予め担当セールス氏から何度も律儀なお声掛けをいただいていたので、断続的に小雨が降る生憎の天気にもめげず、2月2日に正式発売されたばかりの二代目CX-5目当てに家族でディーラーに赴いたというのが、その内容なのであります。
それにしても・・・
まぁご覧くださいよ、ちょっと違和感を覚えてしまう店頭の風景を(^^;)。
いかにイチ推しの新ボディ色とはいえ、全く同じソウルレッドクリスタル色をまとった、全く同じ顔付きの新型CX-5がドーンと2台。しかも、グレードは同じXD PROACTIVE同士だから、当然ながら内装色はお揃いでブラック。
聞けば、この両車の違いはFF⇔AWDという駆動方式だけだというから・・・
なんだか損した気分(苦笑)。
だって、折角実車を見に足を運んだわけですから、せめてボディ色か内装色が違う2台を見比べ、印象の違いとかバリエーションの幅とかを実感してみたかった・・・というのが偽らざるところ。
しかも、私が返す返すも残念に思ったのは、新型CX-5のCMやカタログで主役級の露出を見せているピュアホワイト内装(Lパッケージ)がこの目で確認できなかったこと。
やはり、あの白い世界に包まれているのといないのとでは、後に述べる試乗時の印象も随分違ったはずなんですよねぇ・・・^^;
斯くも不思議で奇妙な同色・同グレードの組み合わせ。
その種明かしをすると・・・
実は、向かって右側のFF車がこの店舗が所有するデモカーで、左側のAWD車は販売会社の本社から応援に来ていたデモカーだったのです。
なるほど、この週末限定で実現したレアな並びだったと聞けば、この残念無念なコンビネーションにも合点がゆくというものです(^^;)。
ちなみに、私たちが店舗に到着した時は来客駐車場が満車で、ビアンテを停める場所探しに苦労するくらいの大盛況。で、この2台はひっきりなしにお客さんの試乗に供されていて、このスペースがガラ空きになることもしばしば・・・。なかなかデモカーが巡ってきそうにない雰囲気なので、諦めてまた来週にでも出直そうかと考え始めたところで、やっと順番が。
たしか、この週末はDMはおろかチラシもろくに配っていなかったはずなので、これは素直に新型CX-5の注目度の高さを表した結果といえそうです。
かつて絶滅状態にあった日本のディーゼル乗用車市場に一大旋風を巻き起こしたエポックなクルマの初モデルチェンジだと捉えれば、自ずと世間の注目が集まっても全く不思議ではありませんからね。
さて、そんな意外な?人気者の新型CX-5、私の目にはどう映ったのか。
それを語る前に、過去の私のCX-5試乗記を大雑把に振り返ってみましょう。
1回目が2012年2月の初代デビュー時で、2回目が2014年末に大幅改良を受けた直後でした。
まず、新発売の時はガソリンの20Sを真っ先に試し、大柄なサイズを感じさせない機敏な動きでフルSKYACTIVの凄さに感じ入り、続いて試したXDでは、クリーンディーゼルの圧倒的なトルクがもたらす異次元の走りに感動し、目から鱗が落ちる思いがしたものです。
そして、その感動から3年後、大幅改良モデルに試乗した時にもまた新たな驚きが。
ここでは、アクセルの初期応答性や乗り心地、インテリアの質感など、初期型のCX-5で散見された弱点の部分にきっちりと手が入っていて、一段と完成度が高まったと感じられたからです。
私はそんな初代CX-5の進化の過程を思い浮かべながら、一段と深みを増したソウルレッドの新型(FF車)に乗り込み、いつもの試乗コースに繰り出したのです。
ハイ、いつものコースといえば、渋滞気味の幹線道を通って右折4回で元の位置に戻ってくる退屈なルート^^;。しかも、今回は同乗した嫁さんや長女と会話をしながらという、一球入魂な真剣インプレッション!・・・には程遠い(笑)シチュエーション。
でも、新型CX-5を10分ほどドライブした感想を一言で言うなら、
「全く別物だコリャ」
(笑)
それくらいに新型CX-5の静粛性は高く、挙動も洗練されていて、従前の私のCX-5のイメージとは良くも悪くも大きく異なっていたのです。
とくに印象的だったのは、エンジンの透過音。
4~5年前、デビュー仕立ての頃のCX-5/アテンザのXDでは、何度もストップ&ゴーを繰り返していると、アイドル+αの回転数域でディーゼルエンジン特有のカラカラ音が耳に付いてしまい、折角の雰囲気をぶち壊すシーンが散見されたものですが、新型CX-5ではこれがほぼ完璧に遮断されていて、下手をするとディーゼルかガソリンかを聴覚だけだと判別し辛いのでは?と思えたほど。
唯一、ウォーキングスピードまで減速してわざとアクセルを大きく踏み込んだ時に、かろうじてカラカラとディーゼルの証しが聞こえはしましたが、オーディオOFFでも大して気にならないレベルでした。
そして、試乗中に一度だけ元気な加速を試した際も、どこか遠くでエンジンの唸りが聞こえる程度(◎_◎;)。
これはもう、細かな遮音や音質改善を繰り返してきた初代CX-5の
延長線上には非ず!と断言できる、一段高いレベルの静粛性パフォーマンスでした。
(あ、だからモデルチェンジなのか 笑)
ただ、個人的には、ここまで動的なパフォーマンスの変身ぶり(の一端)を見せつけられると、先代のイメージを色濃く残すエクステリアとの組み合わせが、かえってビミョーに思えてきます。
これだけマナーが洗練されたのなら、いっそのこと先代のスタイルとは完全に決別した都会派/未来派SUVっぽい外観の方が相応しいのでは・・・とさえも。
もちろん、初代は初代でSUVらしい逞しさと道具感が程良く同居する独自の雰囲気が魅力でしたけど、今回の新型の上質なパフォーマンスが想起させてくれる世界は、旧来のものとは完全に違う気がしたのです。
今回のデモカーは前述した通り、私の好みではないブラック内装のクロスシート仕様だったので、一新されたインテリアデザインの視覚的なインパクトはイマイチ薄かったのですが、最上級のLパッケージのインテリアに包まれていたなら、世界の違いをより強く感じていたことでしょう。
そんな按配で、事前の予想を遥かに超える上質な雰囲気に驚きながらディーラーへ帰還した私ですが、実はクルマを降りてからもうひとつ、極めて印象に残る出来事が待ち受けていたのです。
それは、担当セールス氏から感想を求められた嫁さんが開口一番、
「乗り心地が良かった」
という意外なコメントを発したこと。
あ、この意外さには2つの意味があります。
まずひとつは、これまでの嫁さんの発言とのギャップ。
私と嫁さんとの付き合いは彼是17年以上になりますが、その間にただの一度も、助手席の嫁さんがクルマの乗り心地について言及したことはなかったのです。
(あ、私の名誉のために付け加えると、乗り心地が「良い」とも「悪い」とも言ったことがないのですよ)
それが、些か興奮気味に、助手席での乗り心地の良さを褒め称えたのです。
そしてもうひとつは、私自身の感想とのギャップ。
実をいうと私自身、今回はさほど乗り心地に好印象はなくて、むしろ、路面のアンジュレーションや段差に追従して、細かく車体が動き続ける挙動がやや気になっていたほど。
もちろん、登録間もない新車ですから、各部の動きがまだシブい可能性もあるわけですが、少なくとも私は乗り心地に関しては特段の印象はなかったのです。
それなのに、あまりに意外な嫁さんの発言・・・。
過去17年間、私が助手席に嫁さんを乗せてドライブしてきた幾多のクルマたち。
1台1台を振り返ってみても、それらと今回の新型CX-5との決定的な違いなんて早々に思い付けそうにないし・・・
ん?
( ゚д゚)ハッ!
も、もしかして・・・
これがGVC効果かっ!?
(うんうん、そうに違いない!)
こりゃあ新年早々、収穫の多い初試乗となったかもですねぇ^m^。