
どーです?
この惚れ惚れするようなリアエンドのグラデーション!
(あ、素人のガラケー撮影なので、クオリティはご容赦を・・・)
魂動デザインの"艶"のブックエンドたる新型ロードスター。
その豊かな造形美と、光の角度によって多彩な表情を見せるセラミックメタリックの協演。
私は両者が奏でる美しいメロディーに感動して、その精緻な発色をしっかり写真に収めておこうと、わざわざ夕暮れ時を選んでディーラーに立ち寄ったのです(^^;)。
試乗客の嵐もようやく収まった駐車場の一角。
日没前のやわらかな光線に包まれ、いい按配にたそがれていた試乗車をじっくりと鑑賞。既視感のない新鮮な発色の妙にあらためて感心し、「いやぁ、タマリまへんな~」(明石家さんま風に)と呟きながら一人悦に入っていると、有難いことに試乗のお誘いが。
「えっ、イイんですか!?」
と、二つ返事で担当セールス氏と「S」の6MT車に乗り込んだ私は、前回、新店長さんの同乗時とは打って変わって、随分とリラックスムード^m^。
エラく後方まで下がっていたシートをせっせと前に出し(苦笑)、Pushスタートボタンでエンジンをかけ、ふとオドメーターを見やると、その距離既に700km超・・・。
標準的な試乗ルートは、国道バイパス~市街地経由で戻ってくる、一周約5kmの左回りコース。
単純計算で現在の走行マイレージは試乗140回分に相当し、これまで2度の週末を消化していることから、ざっと週末1日当たり35回。1回の試乗を20分でサッと済ませても、トータルではなんと11時間余り・・・あらら、一日の営業時間内に収まりませんよ(笑)。
ま、実際は平日にも頻繁に試乗が行われているし、実をいうと正式発売の前週末からナンバーが付いていたので、現実にはさほど超過密な試乗が続いているわけではなさそうです。
でも、新車デモカーの稼働率としてはかなり高い部類に入るのではと思いますね。
県下に5台しかない貴重な6MT試乗車でお店を後にした私。
前回は直進した最初の交差点を今回はバサッと右折(^^)。そうです、つい1年くらい前まで私の定番コースだった、右回りの旧・試乗ルートへNDを持ち込んでみたのです。
こちらはバイパスとは対照的にやや路面の荒れた産業道路を通るのが最大の特徴で、今から2年半ほど前、デビュー直後に試乗したGJアテンザセダンで、リアの微妙な上下動がどうしても気になってしまった、かの”現場”でもあります(笑)。
となると・・・初試乗時、路面にしっかり追従する”身軽な動き”が印象的だったこのNDロードスター、路面の悪さに影響されてさぞかし落ち着きのない挙動を見せてしまうと思いきや、いざ走ってみると・・・全くもって気にならず(^^;)。
もちろん、路面のうねりや凹凸は逐一伝わってくるので、車体はそれなりに上下左右に小刻みに動き続けているのですが、無駄に揺すられているという不快さが一切なかったのです。
それに・・・アッパーミドルクラスのセダンとライトウェイトスポーツカーとでは、そもそもの期待値が異なるのも致し方ないところ。とくにアテンザはフラッグシップセダンというイメージが先行し過ぎたか、後席の大切なゲストにとっての乗り心地はどうか、相当意識して検証してましたからね。無論ロードスターに後席はありませんし、そもそも客人の送迎を積極的に想定しませんしね(爆)。
さてさて、通算2度目の6MT試乗ともなれば、そろそろ肝心のハンドリングの印象を少しくらい述べたいところですが、走らせたルートは基本的にメリハリに乏しい平坦な市街地(^^;)。
前回、左回りの標準ルートが、トータルでも「左折×5、右折×1」という単調な内容で、スポーツカー試乗にはあまりに退屈なものだったと形容するならば、今回の右回りの旧ルートは「右折×4のみ」と、さらに輪をかけて退屈(苦笑)。
90度の交差点右折を4回とも違和感なくこなしてくれたよ! としか言いようがありません(笑)。
そんなわけで、残念ながらハンドリングに関する新たな所感は得られず仕舞い。
しかしその分、前回と全く同様に、あらゆる瞬間に”軽さ”を感じさせてくれるクルマの仕立てに再度感心する結果にはなりました。
全体的に軟らかめの足回りは、決して肩肘張って均衡状態を保とうとはせず、クルマのピッチの量やロールの量はむしろ大きめなのに、その都度、余計なマスやイナーシャを感じさせることがなくて、スッと軽やかに一発で動きが収まる痛快さ、清々しさだけが残るのです。
過去2回の試乗ともに、400㎏以上も重いアクセラXDが引き立て役に回ってしまった感が無きにしも非ずですが、この独特な軽快感は、なんだか病みつきになりそうな予感さえします(^O^)。
ただ、その新鮮な乗り味に感動すればするほど、シリーズ最軽量の990kgを誇るこのベースクレード「S」と、そこからリアスタビやトンネルブレースバー(およびLSD)で武装して20kg増しとなる「S Special Package」との乗り味の違いが、俄然気になってきます。
たぶん私は20kgの重量差をきっちり感じ取れるほど敏感ではないので、車体剛性やロール剛性が増した分だけシャキッとした好印象がプラスされることを期待しているのですが、その際に、痛快なほどに軽やかな「S」の挙動がそのまま等身大で残っているのかどうか・・・
実は、60kgも重量増となる6AT車(Special Package)の試乗では、さすがに同じレベルの軽やかさとは言い難い印象が残っているので、この美点が維持されているかどうかは私にとって最大の注目ポイント。
巷の試乗記には「フラットライド」とか「安定感が高い」との表現が散見されるので、ちょっと心配だったりもしますが、ここ当面は、近隣のディーラーでSpecial Packageの6MT車の試乗機会は巡ってきそうにないので、実際にいつ検証できるかは全く不透明です。
あっ、そうだ・・・
他に気付いたことも少しくらい書いておかないとね(^^;)
6MTのトランスミッションは2速~4速が程良くクロスしていて、しかも、1.5LのSKYACTIV-Gエンジンが意外と低回転域でも粘ってくれるので、40km/hの街中巡航が4速で楽々こなせてしまいました。
このギアレシオ、私のFD3Sよりも街中では遥かにフレキシブルですし(苦笑)、ことワインディングになればギアを選ぶ自由度も高くて楽しいでしょうね。
もちろん、そう思えるのもSKYACTIV-MTのシフトフィールの良さがあってこそ。
節度感があって操作が気持ち良く、ついつい無駄にシフトノブを動かしてしまうのは、お店に乗り付けたアクセラXDの6MTも同じ。でも、アクセラがシフトノブに適度な重みを持たせて落ち着きのあるフィールを創出しているのに対し、逆にロードスターは軽さを武器にして、無駄のない軽やかなフィールを重視した感じでしたね。
とまぁ、まだ十分に試せてない領域もあって、一部に妄想じみた感想も混じってしまいましたが、6AT車も含めて計3回のNDロードスター試乗を通じ、ハッキリと私の印象に残ったのは、とても月並みながら、
「オープンエアモータリングの気持ち良さ」でした(^O^)。
“人馬一体”の言葉通り、意のままにクルマを操るピュアな楽しさを感じさせてくれる正真正銘のライトウェイトスポーツカーでありながら、さらに、こんなに開放感に溢れる非日常の世界までがもれなくセットで付いてくるのですから、ロードスターはどれだけ贅沢なクルマなのかと思いますよ。・・・いやホントに(^^)。
今回だって、あいにく試乗の舞台は渋滞気味の商業地域。
そこには生い茂る樹木の緑だとか、スカっと晴れ渡る空の青だとか、気の利いた色取りなど一切なくて、むしろ、コンクリート壁やアスファルト路面、おまけに日没前の灰色の空と、ふと気が付けば地味な無彩色ばかりのオンパレード(苦笑)。
「その気にさせる」という意味ではあまりに演出不足なシチュエーションと言わざるを得ませんが、ひとたびソフトトップを開け放って走り出してしまえば、全く関係なし。開放感溢れるパノラマな視界と、心地良く上半身を撫でるやさしい風のお陰で、程良いテンションをキープしながらも、同時にすっかり癒されたような気分。
その新鮮な感覚を喩えていうなら・・・旅先の温泉旅館での風呂上がり、浴衣姿で周囲を散策している時のような、最高にリラックスできた至福のひと時・・・とでもいいましょうか(笑)。
やはり、ロードスターには他のクルマでは到底味わえない、独自の”Fun”の世界があることをあらためて実感するに至った次第です。
それだけでも十分に選ぶ価値はあると断言できるのに、最新のロードスターは今回もマツダが目指す”人馬一体”の頂点、いわば走りのフラッグシップとしての役割まで担って登場してきているわけですから、その先に待っている胸のすくようなスポーツドライビングの世界への期待感は止まることを知りません。
残念ながら、その真価をこの手でしっかり確かめる機会は少し先になりそうなので、ひとまずのネクストステップとしては、前回少しだけシフトスケジュールに違和感が残った6AT車を再試乗し、その懸念点も含めて、SKYACTIV-DRIVEに匹敵する優れたパフォーマンスの持ち主であるかどうか、今一度しっかり確認してみたいと思います。