
ドライブ日和だった日曜、弱っていたバッテリーの回復運転も兼ね、裏庭から救出した我が家のファーストカー・RX-7を街へ連れ出した私。
その足でまず目指したのが、海沿いにある旧アンフィニ店。
ここは普段からRX-7のメンテでお世話になっているマツダディーラーですが、今回の目的はさにあらず。
お目当ては期間限定で配備中のCX-3の「6MT」試乗車。
そう、前週末にマツダ店で試乗の機会を逃してしまった貴重な6MTのデモカーが、ラッキーなことにまだ同じ周南市内に止まっていたのですね(^_^)。
そもそも、私がこのCX-3の6MT車で最も検証したかったポイントは、1.5LのクリーンディーゼルMT車の発進のし易さ。
これは、もし今後様々な事情が重なって、実家のアクセラXD(2.2D-6MT)によもやの代替話が持ち上がった場合、MT限定免許(笑)の父にとってこのCX-3が最有力候補となる可能性が高いため、クラッチミートの容易さをはじめとする「街乗りでの扱いやすさ」が、アクセラXDと遜色ないレベルかどうか、しっかり確認しておきたかったから。
それに加えて、先週月曜のCX-3 (6AT車)試乗時に感じた美点や懸念点が、他の車両でも同様に感じられるかどうか検証する意味合いもありました(^_^)。
念のため、朝イチで担当セールス氏に電話を入れて試乗の様子を探ってみると、
「大丈夫ですから是非いらしてください!」と快いレスポンスが返ってきました。
「うーん、楽しみだ!」
と、ディーラーに向けて海沿いの国道を快適にドライブしていた私。
ところが、目指す店舗に間もなく到着というその時に、突然見慣れない白いSUVとすれ違います。・・・そう、それは紛れもなくCX-3の試乗車(^_^;)。
「あ゙っ・・・」
いざ駐車場に降り立ち、2台配備されていたはずのCX-3試乗車の残りの1台を確認すると、私の嫌~な予感は的中し、見事に「6AT車」。ホントにタッチの差で、他のお客さんが一発目の6MT車試乗に出掛けてしまったのですね(^_^;)。
しかし、このちょっとした行き違いこそが、私をその後で感動の渦に巻き込む大いなる予兆だったとは・・・その時点では全く知る由もありませんでした。
仕方なく、アテンザやCX-5の改良モデルを見せてもらいながら、待つこと約20分。
やっとのことで6MT試乗車が帰還してきたと思ったら、今度は担当セールス氏の手がとれずに、急遽、初対面の女性セールス氏が助手席に同乗することに(@_@;)
挨拶もそこそこにクルマに乗り込むと、シートポジションをきっちり調整し、極めてジェントルにお店をスタートする私。・・・いつものセールス氏が相手なら、走り始めてから微調整することも多いのですが、ま、最初の印象が肝心ということで(爆)。
そして、試乗コースである海沿いのゴキゲンなワインディングに向かってCX-3を走らせた私。
走り出してすぐ、先週の6AT車試乗で感じた「見晴らしの良さ」と「乗り心地の良さ」の感動がほぼ等身大で蘇ってきていましたが、それよりも何よりも私を大いに驚かせたのが、「エンジン音の静かさ」。
そう、前回の6AT車試乗では思わず「過去のどのクリーンディーゼル車よりもウルサい」と表現してしまった加速時の唸るようなエンジン音がすっかり影を潜め、むしろ逆に「過去のどのクリーンディーゼル車よりも静か」なものへ豹変していたのです!
この180度もの印象の大転換には心底タマゲてしまいました。
何せ・・・女性セールス氏との会話のネタにと、6MT車には未設定の「ナチュラル・サウンド・スムーザー」が打ち消してくれる「カラカラカラ・・・」というディーゼル特有の音を出してみようと、何度アクセルをグッと踏み込んでも、遠く微かに「一瞬」聞こえるだけで、すぐにロードノイズでかき消されてしまったのですから(苦笑)。
ホント、先週試乗した6AT車とは全く別のクルマに感じたし、この6MT車が見せた抜群の静粛性こそが、CX-3本来の正しいパフォーマンスに違いないと確信しました。
では一体何が両車の大きな心象の差をもたらしたのか、謎が深まるところ。
私の考え尽く範囲でいえば、前回も触れたように「コンピューターが学習途上」にあることもありそうですが、それは何れの試乗車も同じ条件のはず。それよりも遥かに支配的なのは「ウォーミングアップの有無」ではないかと気付いた次第。
そもそも先週月曜の6AT車試乗は、お客さんも疎らなウィークデーの夕方に突然敢行したものだったのに対し、今回の6MT試乗は、往きにRX-7ですれ違ったお客さんが朝イチの試乗を行った直後。
巷のCX-3試乗記を読んでいても、前回の私のように「ウルサイ」と感じた人が殆んどいないことを考慮すると、どうやらこのセンが濃厚な気がしてきました。
この点はぜひ、次回の6AT試乗で明らかにしたいと思います。
これで、6AT車試乗で感じた1つ目のネガは消えました。
次なるネガは低回転域での「もたつき」ですが、これに関しても明確な答えが出ることになりました。
何といっても前回は 私自身のクリーンディーゼル体験に照らすと、実質的には「アクセラ(2.2D-6MT) vs CX-3(1.5D-6AT)」という異種格闘技戦のような捩れた比較となってしまったのに対し、今回は同じ6MT車同士。つまり、トランスミッションによるパフォーマンス差を除外した、極めてシンプルな「2.2D vs 1.5D」の同門対決が実現したわけです。
ここで、発進時や再加速時、アクセルを全閉状態からグッと踏込んだ際の加速レスポンスを両車で比べてみたら、その差は・・・
やはり、ありました(笑)
・・・そりゃ、当然ですよ。
2ステージターボと可変ジオメトリターボ(シングル)を比べているのだから、両者のパフォーマンスが完全に同等だったとしたら、相対的に複雑な機構を有する前者の立つ瀬がないというものです(^_^;)。
しかしながら、その感覚的な差は、実は「微々たるもの」。
排気量の違いからくる絶対的な加速感の差は別として、加速が始まるまでの「間」(タイミング遅れ)に関していえば、2.2D(2ステージターボ)の方がいくらか“予告編”めいた立ち上がりを経て“本編”がやって来るのに対し、1.5D(シングルターボ)はいきなり本編が始まる、というだけの違い。
逆に言えば、アクセルの踏込みから実効的なトルクが得られるまでの「間」に大した時間差はなく、要はジワジワっと来るか、いきなり来るかの違いだけ。
言うまでもなく、それは「慣れたら気にならなくなる」レベルの話であり、私からすれば、あの圧倒的な走りと抜群の燃費をイメージすれば、それらのささやかな代償として十分許容できるもの。
もし、このちょっとしたタイムラグさえ許容できないのであれば、そもそもマツダのクリーンディーゼルには縁がなかった、といわざるを得ないでしょう。
ということで、前回の6AT車で感じた「もたつき」は、今回の6MT車では不問・・・つまり、実家のアクセラXDと同等で許容レベルだという結論に。
さてこれで、月曜の6AT試乗で私が感じた、数少ないCX-3のネガの2つが消えました。
最後に1つ残った「ステアリングの違和感」については・・・残念ながらこれは解消せず。
終始、どことなく座りが悪い感じがして、どこまでも矢のように真っ直ぐ突き進んでくれそうに「ない」不安感は、我が家のデミオ13Sで時折り顔を覗かせるものと共通性が高いものでした。
ただしその反面、ゴキゲンな海沿いのワインディングコースではまさに水を得た魚。
小型SUVとしてやや過ぎた感じさえする正確な回頭性は、試乗中、私に一切ストレスを感じさせない爽快なものだったことは、念のため付け加えておきます。
(何度も言っていますが、これは単に味付けの好みの問題かもしれません・・・)
そんなわけで、ふと気が付けば、前週のCX-3初試乗で「一体何故だ?」と疑念が残ったエンジン騒音などのネガの多くは、今回の6MT試乗でキレイさっぱり吹っ飛んでしまいました。
もとより、優れた乗り心地や良好な視界に甚く感心していた上に、精悍な表情や個性的なボディ面構成など、魅力的なエクステリアデザインにすっかりやられてしまった私ですから、2度のCX-3試乗を終えた今、この新しい都会派SUVにどんな印象を持つに至ったかは・・・
まぁ、皆まで言いますまい(爆)
あ、そうそう、当初の注目ポイントの検証結果を忘れるところでした。
父の運転を想定した発進時の扱い易さについては、平地の発進と坂道発進を何度か繰り返してみた結果、一応の「及第点」は与えられました。
無論、排気量のハンデがあるので、アクセラXD(2.2D)ほど「余裕綽々でエンスト知らず」とは映りませんでしたが、車重が200kg程度軽いことも奏功したか、それほど特別な気遣いは必要なし、と感じた次第です。
あぁ、それにしても。
昨夏、様々な家庭的事情により、嫁さんデミオの代替で心の健康の維持に走ってしまった私ですが、その時にこの魅力的な新型SUVの姿があったなら、散々車種選択を迷ったことでしょうね(^_^;)。
まぁ、こればっかりは悔やんでも仕方ありません。
CX-3の新オーナーさん方のウキウキブログを拝見して、少しずつ気を紛らわせていきたいと思います(^^)。
あっ、6AT車のリベンジ再試乗も忘れないようにしないと・・・。