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前篇からのつづきです)
土・日に開催された特別内見会は逃してしまったものの、週明けの月曜日、期せずしてCX-3の初試乗にあり付けることになった私(^_^)。
担当セールス氏とソウルレッドのXDツーリング・6AT車に乗り込み、トータル約15分ほどの新しい試乗コースを走らせてみた結果、初めてドライブしたCX-3は、全体として「視界の良さ」や「乗り心地の良さ」に好印象を持った一方、「音の煩さ」、「アクセルレスポンスの緩慢さ」、「ステアリングの違和感」など、気になった点も幾つかあったのです。
・・・あ、もちろん、その大前提として、フルSKYACTIV車らしい素直で気持ちの良いハンドリングや、クリーンディーゼルならではの余裕溢れる走り、惚れ惚れするような魂動デザインなどを十分堪能した上での話だということは、念のため記しておきますけどね(^_^;)。
まずは・・・好印象の2つから話しましょうか。
運転席に乗り込んだ瞬間、パッと目に飛び込んでくるCX-3のインテリアデザインは、基本的にデミオと共通性の高いものなので、運転席周りの風景や、実際に手の触れるパーツの位置・形状は、我が家のデミオ13Sと殆んど変わりません。
にもかかわらず、いざ走り出すと印象は一変。
ヒップポイントが50mm程度高められた効果は歴然で、前方の見通しがグンと開けたことで、思いのほか快適なドライブができるのです。これは全く予想外の出来事でした。
たぶん、馴染みのマイカーとインテリアデザインが同じだからこそ気付いたポイントなのでしょうけど、まさに「高過ぎず、低過ぎず」の絶妙さ、実にエエ按配でございました(^_^.)。
(でもアンタ、奥さんのデミオに殆ど乗ってないんでしょう? って意地悪なツッコミはナシでお願いします・・・)
そして、望外に快適だった運転席から感じるCX-3の乗り心地もまた、存分に心地良いものでした(^_^)。
私が先日試乗したCX-5改良モデルでもこれに近い印象を持ったのですが、全体としてはガッチリと硬質な乗り味を実現していながらも、注意深く観察していくと、ひとつひとつの挙動の角が丁寧に丸められた感じがするのです。ここは215/50R18という純正大径タイヤの特性に追う部分が多いのかもしれませんが、段差や目地、舗装の切り替わりを通過する際にも、どこか厚みを感じさせてくれる洗練されたマナーには、思わずニンマリしてしまいました。
こればっかりは、我が家のマイカーでも実現できていない「悔しい味」(笑)。
こうした質感の高い優れた乗り味は、都会的で洗練されたエクステリアデザインとピタリとイメージが合致するところで、きっとCX-3の大きな魅力のひとつになるでしょうね(*^_^*)。
さて、ここからは気になった点に移ります。
まずは、そんな上質な乗り味だったからこそ、余計に目立ってしまった感が強いのが・・・「音」。
どうしたわけかこのCX-3、アクセルを踏み込んでから加速態勢に入るまでの数秒間に限っていうと、過去に私がドライブしたどのクリーンディーゼルエンジン車よりも「うるさく」感じてしまったのです。
試乗コース中に一箇所だけある急坂を登って行く時など、あまりの賑やかさに驚いてしまったほど。
今、冷静に振り返ってみれば、それは音量の大小というより、「グワァァ・・・」と激しく唸るような音色の方が大いに気になった感じですが、何よりもコレ、私がお店に乗り付けた実家のアクセラ(2.2D)を持ち出すまでもなく、同じ1.5DのデミオXDでもここまで気にならなかった気がするところが、イマイチ合点がいかないんですよね・・・。
あ、CX-3の名誉のために言うと、全体的にクルマは静かです。
遮音性能の向上に注力したところが随所に感じ取れるのに、なぜか加速時のエンジン音(と粗粒路でのロードノイズ)だけは、私には無視できないレベルに映りました。
うーん・・・一体なぜだ?
ま、今回の試乗車はまさに登録し立ての車両で、走行距離はまだ100km程度・・・コンピューターもまだ学習途上でしょうから、この点はもう暫く経過観察することにしましょう。
2つ目の「アクセルレスポンスの緩慢さ」とは、全閉状態からグッと踏み込む「発進時」や「再加速時」の話。
そう、マツダのクリーンディーゼル車なら大なり小なりどのクルマにも潜む、いわゆる「一瞬の間(ま)」のことで、巷でもよく指摘されているので決して新しい話ではないし、そればかりか、私自身は過去、とりたてて問題視してこなかった話でもあるのです。
ただ、ここでもまた、「たしか、デミオXDではここまで気にならなかったよなぁ・・・」と、相対的な印象の違いが残ってしまったのです。
もしかすると、可変ジオメトリーターボをもってしても完璧にはカバーし切れない超低回転域でのちょっとした”もたつき”の部分が、デミオXD比「プラス130kg」という車重が災いし、やや強調されてしまった結果なのですかね・・・。
ここはぜひ、もう一度デミオXDを再試乗して確認してみたいと思います。
さて、3つ目は「ステアリングの違和感」。
これは実をいうと、私にとっては別段驚きでも何でもないものでした^_^;。
まずはいきなり、店の出口から左折で幹線道に合流した直後、左ウィンカーがいつまでも戻らない(苦笑)。
実は・・・ステアリングコラム内のウィンカーキャンセラーの動きがシブいというのは、我が家のデミオ・13Sでも頻発している現象なんです。ウィンカーレバーを上げ(下げ)ている状態でステアリングを操作すると、実際にコラムの奥から「キュウ、キュウ・・・」と擦れるような音が発生するし、手応えにも明らかな違和感が。
このため、我が家のデミオは近々、6ヶ月点検時に分解チェックしてもらう予定にしているのです。
おそらく、CX-3でも共通のコラムユニットを使っているのでしょうね。
それともうひとつ、私が感じた違和感は、ステアリングの戻りがやや不自然なこと。
今回の試乗コースで唯一の急カーブ・・・110度くらい回り込む右カーブの立ち上がりで、私がほんの少しだけハンドルを戻し過ぎてしまった際に、その「事件」は起こりました。
なんと、CX-3はその微妙な舵角を維持したまま、カーブとは逆方向の歩道の路肩目がけてスーッと流れていってしまい、私は慌ててステアリングを右に切り返すハメに(汗)。
つまり、ドライバーがしっかり意識してステアリングの中立状態を維持するようにしないと、真っ直ぐに進んでくれない気がしてしまう・・・この不安な感覚こそまさに、私が昨年、デミオ・13Sで山陽自動車道を初めて高速巡航した際に感じた、ステアリングの据わりの悪さを想起させるものではありませんか。
一口に直進安定性といっても、そこにはサス(ジオメトリー)、タイヤグリップ、パワーステアリングの味付けなど様々な要素が絡むので一概には言えませんが、聞くところによるとCX-3はDJデミオよりもフロントサスのキャスター角を起こしているようなので、直進安定性の面で不利な要素が増えているのは事実でしょうし、デミオもCX-3も原因の根っこは同じではないかと私は睨んでいます。
もっとも、直進安定性と回頭性とは相反する関係にあって、キビキビしたハンドリングを重視するか、どっしりと安定した直進性を重視するかは、人それぞれ(^_^;)。
ただ、私個人の好みとしては、DJデミオに対しても言った通り、もう少し回頭性を犠牲にしてでも直進安定性を増した方が、満足度はより高いですね(^_^;)。
さて、ここまで長々と(苦笑)、初のCX-3試乗で私がプラスに感じた「2点」とマイナスに感じた「3点」について、自分なりに説明してきました。
見掛け上はプラスよりもマイナスの方が数は多いのですが、トータルとしてのCX-3の印象は「プラス」。そう、単純な差し引き計算ではなかったということですね。
ただ、私がそう結論付けるまでには・・・随分と複雑な心境や思いが交錯してしまったのも事実。
そんな思考の過程を上手に表現できるかどうか全く自信がないのですが、次回はぜひその部分に触れてみたいと思います。
ま、一言でいえばタイトル通りなんですけどね・・・^_^;
(つづく)