• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

Nuk-P@RailStarのブログ一覧

2014年06月26日 イイね!

驚愕のニュルブルクリンク

驚愕のニュルブルクリンクアウディの5連覇で幕を閉じたル・マン24時間レースのすぐ翌週に開催されたのが、ニュルブルクリンク24時間レース

グランプリコースと古城の周囲を巡るオールドコースとを組み合わせた全長25kmにも及ぶ超ロングコースを昼夜違わず走り続けるというこの”ニュル24H”は、世界一過酷なツーリングカー耐久レースとも呼ばれています・・・

なぁんて一端の解説を見聞きしたのは、何も今回が初めてではありません。
それくらいこのニュル24Hには歴史と伝統があり、年に一度の偉大な草レースに集結する内外のワークス勢、プライベーター勢は後を絶ちません。
また、舞台となるコースは、世界の自動車メーカーがハイパフォーマンスカーの走りの性能を鍛えるテストステージに選んでいることからも、クルマの基本性能が問われる難攻不落なステージであることが窺えます。

今年はトヨタ、ニッサン、スバル、マツダといった日本メーカーが挑戦したこのニュル24H。
それなりに予備知識はあって、大まかなレースのイメージは掴んでいたつもりの私でしたが、先週のル・マン中継に続き、スカパーで初めてニュル24Hの生中継を見てみたら・・・

完全に度肝を抜かれました(@_@;)
ハッキリいって、”過酷”というよりも”クレイジー”に近いとさえも。

とくにその印象を強くしたのが、迫力満点の空撮映像。
超ハイスピードなオールドコースをテールtoノーズで駆け抜けるGT3マシンたちの"本気"バトルでした。
広く視界が開けたGPコースとは打って変わり、2台が併走するだけで精一杯という狭い部分や、左右だけでなく上下にもブラインドとなる危険なコーナーが目白押しのオールドコースで、周回遅れのマシンを右に左にかき分けながらバンパーtoバンパーの接近戦を演じる光景に、私は思わず息を飲んでしまったのです。

もし仮に全車が完調の状態だったとしても、総合優勝を争うアウディやベンツ、BMWのGT3マシン勢と、多くのプライベータ―が参加する無改造に近いクラスのマシンとは、裕に100km/h以上のスピード差が生じているわけですし、一方がトラブルやアクシデントでスロー走行でもしていたら、その相対速度差は恐ろしい程に。
さらに、このニュル24H(もしくはVLNシリーズ)では、イエローコーション区間は60km/h以下までスピードを落とさなくてはならないので、遥か前方のスピンやアクシデントのせいで、突如TOPスピードからの急減速を強いられるシーンもしばしば。

よって、直接のバトル相手のマークはもちろん重要ですが、それ以上に、マーシャルが打ち振るフラッグや前走車の挙動などから、その先のブラインドコーナーの様子を常に察知し続けていないと、ふと気付いた時には目の前に現れたマシンに「ドンッ」、ということが起こり兼ねません。
そして、ここ近年は参加台数が減少傾向にあるとはいえ、200台近いマシンが大挙して走行するニュル24Hでは、昼夜を問わず、そこかしこにそんなリスキーなシーンが出現してくるわけです。

そんな按配で、速さで絶対的優位に立つがゆえに、大きな相対速度差のリスクが常に付きまとうのが上位のSP9-GT3クラス勢だとするならば、自らも下位のクラス勢をかき分けつつ、驚速のGT3勢に道を譲らなくてはならないSP3、SP3Tといった中位クラスの難しさも、これまた想像を絶するものがありそう。
日没前で比較的コース上が落ち着いた状況下で、マシンの速さでは勝っていながらも、周回遅れのマシンをかなり時間をかけて慎重にオーバーテイクせざるを得なかったモリゾウ選手(レクサスLFA:SP8クラス)の車載映像に、そんな中団勢の難しさの一端を垣間見たような気がしました。

さらに、スピード的に最も遅い無改造クラスともなると、背後から次々に迫り来る上位クラスのマシンたちをうまくパスさせながら、自らもしっかりとコース上に踏み止まらなくてはならないという、また一段と違う難しさが。
とくに、後続マシンの姿カタチがハッキリ認識できる昼間ならまだしも、闇夜の中でひたすら前照灯で照らされ続ける夜間の走行では、煌々としたライトに幻惑され、後続マシンとの間合いを計るのも一苦労のはず。
そんな中、お互いのペースを崩さずに安全に走行を続けるためには、ニュル24Hならではの仕来りというか、暗黙のルールめいたものがきっと存在するに違いありません。

そう、この過酷な24時間レースを走り切るためには、ただ単にマシンが速いとか、ドライバーが巧いとか、チーム体制が盤石だとかいうだけではパズルは到底完成するものではなく、このコース特有の勘所であり攻略法であり、つまりは”ニュルの経験値”という重要なピースがきっと欠かせないのだと強く感じた次第です。
だからこそ、多くの日本のTOPドライバーをして、「ニュルは途轍もなく怖いけど、挑戦し甲斐がある」と言わしめるのでしょうね(^o^)。

マツダはロードスター誕生25周年を記念して、英国JOTAレーシングとのジョイントで無改造のV3クラスに挑戦したものの、残念ながら11時間過ぎにクラッシュしてリタイヤ。
スカパーの番組内でも、その走行シーンが映ることは殆どありませんでした^_^;。
日本のパーティーレースで活躍し、ロードスター使いとして有名な加藤彰彬選手をもってしても足元をすくわれる結果となったのは、現地に棲む魔物とうか、実際にこの過酷な24時間を体験してみないと判らない未知の領域が多かったのかもしれません。

せっかく今回、こうして貴重な経験を積んだわけですから、25周年記念という節目のスポット参戦といわず、ぜひ来年も再来年も、加藤選手とロードスターのニュルチャレンジを見せてもらいたいものですね!

(新型のNDロードスターでデビューWIN!なんてシナリオ、とっても素敵ですよねぇ・・・)
2014年06月18日 イイね!

ル・マン中継で再び感じた疑問(後編)

ル・マン中継で再び感じた疑問(後編)波乱の展開を次々に見せながら、アウディの5連覇で幕を閉じた今年のル・マン24時間レース。

家族そっちのけで・・・もとい、家族の全面協力を得て、昼も夜もスカパーの生中継放送を”集中して”視聴させてもらった私。
#2のアウディR18 e-tron quattroが栄光のチェッカーを受けた時、そこに残った”昨年と全く同じ疑問”とは・・・・

■なぜトヨタは2台体制なの?

でした。

2台の最新マシン・トヨタTS 040-HYBRIDで2014年のWECシリーズを席巻、今年のル・マンウィナーとして最も本命視されていたトヨタ。
今年も2台体制でル・マンに臨み、中嶋一貴選手が日本人初のPPを獲得して勢いに乗る#7のマシンが、24時間の折り返し地点まで堂々とレースをリードしたものの、夜中に突然の電気系トラブルでコース上で息絶え、無念のリタイア。僚友の#8のマシンもレース序盤のクラッシュで大きく後退していたために、悲願の総合優勝はまたも夢と消えました。

トヨタのマシンを応援していた大勢のファンやチーム関係者の皆さんにとっては、期待が大きかっただけにその悔しさは計り知れず、後方から猛追して3位表彰台を獲得した#8の活躍も大した慰めにならなかったかもしれません。
トヨタファンでも、ましてや関係者でもなく、いや逆に、かつてのGr.Cカテゴリーでは敵対していたマツダの大ファンである私にとっても、実はその結果・・・いや、それに至ったプロセスには、大変残念な思いが残ったのです。
(勿論「日本車唯一のル・マンウィナー」との肩書きがマツダに残ったことが嬉しくないといえば嘘になりますが・・・笑)

昨年も散々書いてしまったのですが・・・性懲りもなくまた書きます。

もし仮に、アウディとトヨタ、覇権を争う2メーカーのワークスマシンの実力が拮抗していたとしても、不確定要素の多い未踏の24時間レースに臨むにあたり、アウディの「3台」に対してトヨタが「2台」となれば、普通に考えたら、少数勢力の方が劣勢に映るのは至極当然だといえます。
しかも、王者2台に対して挑戦側が3台ならまだしも、全く逆の構図ときているのです・・・。

実際、今年のル・マンでは、レース序盤に突然のスコールに見舞われ、あろうことか#8のトヨタと#3のアウディが直接絡んでしまう最悪のアクシデントが発生。
両チームともに勝負権のあるマシンを1台ずつ失った結果、「3対2」の構図は「2対1」へと移行。もはや、トヨタはチームプレイを仕掛けるカードを取り上げられ、悲願の総合優勝をこの手で掴むには、首尾よくTOPを快走する一枚看板の#7のマシンが、そのまま無傷で最後まで走り切ることをひたすら願うしかなくなったのです。

これを圧倒的不利と言わずして何というのか・・・

そんな『数の優劣』をハッキリ実感させられたシーンが、レース終盤のポルシェ VS アウディの攻防でした。
次々にトラブルに見舞われて後退していくトヨタやアウディ勢、そして僚友の#14を尻目に、いつの間にかスルスルと首位に躍り出た、ポルシェ919 HYBRID。
1998年以来16年ぶりというルマン復活を(失礼ながら)望外の勝利で飾ろうとひた走る#20のポルシェを、ターボトラブルから復帰した2位のアウディ(#2)が猛烈に追い上げていったあのシーンです。

5スティント連続走行という信じ難いタフネスぶりを発揮して、一周5秒以上もポルシェとのGapを削り取っていったA.ロッテラー選手の鬼神の追い上げも、僚友の#1のアウディが総合3位のポジションでしっかり追走していたからこそ実現したドラマだった、と私は思うわけです。
次々に前方に出現する周回遅れのマシンを、ロッテラー選手がバッサバッサと短時間で処理していく息を飲むような車載カメラの様子は、長年トップランナーとしてル・マンを戦ってきた自信と経験に裏打ちされた、極めて完成度の高いドライビングだったとはいえ、もし彼の#2のマシンがアウディ勢の唯一の生き残りであったなら、あそこまでリスクを冒す激走は許されなかったと思うんですよね。

(結果はご承知の通り、#20ポルシェは残り1時間半でパワートレイン系トラブルにより無念のリタイヤ)

なのに、なぜトヨタは今年もアウディより1台少ない2台で王者に立ち向かったのか・・・。

言うまでもなくそれは、単に私が知らないだけであって、様々な事情や戦略があっての決断でしょう。
きっとトヨタは、シェイクダウンの瞬間からWECの序盤2戦までで既に十分な手応えを感じ、Newマシンの戦闘力には絶対的な自信を持っていたに違いありません。
また、そのマシンはといえば、3.7L自然吸気のV8エンジンにMGUの前後搭載で4輪回生・4輪力行を可能にした超ハイテクなハイブリッドマシンゆえ、3台目の新車を仕立てて、かつ、新車3台による万全な戦闘体制を構築するには、膨大な予算や時間が必要になることは、素人でも十分想像がつきます。
そういう意味でも「2台でも十分に勝算アリ」と考える戦略はわからないでもありません。
・・・でも、王者アウディはその3台体制を敷いてきていたわけですよねぇ。

「7号車のあのトラブルだけは全くの想定外。あれさえなければ・・・」

つい、そんな恨み節が聞こえてきそうですが、それはレースではタブーの「タラレバ」。
1-2フィニッシュを決めたアウディの2台がともに修復を余儀なくされたターボトラブルだって、昨年から今年にかけて一度も発生していなかったそうですから、それがル・マンに棲む魔物の仕業、ということなのでしょうね。

よって、今ここで嘆くべきは、7号車がよもやのトラブルに見舞われた「不運」ではなく、その瞬間、後方を固めるもう1台のマシンを用意できていなかった「戦略」だと思うのです。
“幻の”3台目のマシンが、せめて7号車の1LAP遅れくらいでヒタヒタと追従できていたら、手負いのアウディ勢を抑えてフィニッシュできた可能性はあったわけだし、そうなったら、このブログも存在しなかったことでしょう。

来年は、LMP1マシンの大掛かりな規定変更から2年目のシーズン。
となれば、新旧マシンをうまく併用した3台体制というのも、幾分は実現しやすくなるはず。
ぜひともトヨタには、チャレンジャーとして王者と対等な総力戦に持ち込んで、万全の態勢で総合優勝を目指してもらいたいところです。
個人的には、1991年にマツダが独自のロータリーエンジンで総合優勝を勝ち取った時と同じくらい、量産ハイブリッドのパイオニアであるトヨタがハイブリッドマシンで勝つことには大きな意義があると感じていますから(^^)。

それともうひとつ、2015年のル・マンでは、電力駆動レーシングカーでLMP1カテゴリーに挑戦するという独自の戦略を表明している日産の動向にも、大いに注目したいですね。


あれっ、そういえば・・・
SKYACTIV-DクリーンディーゼルでLMP2に打って出るというマツダの復活劇は一体どこへ?(汗)
2014年06月17日 イイね!

ル・マン中継で再び感じた疑問(前編)

ル・マン中継で再び感じた疑問(前編)今年のル・マン24時間レースが終了しました。
82回目となった今年のル・マンは、メーカーの威信をかけて総合優勝を争う3社・7台の驚速ハイブリッドワークスマシンに次々にトラブルやアクシデントが襲い掛かるという全く息の抜けない展開に。
結局、最後の最後に笑ったのは、チームの総力を挙げてトラブルに立ち向かい、タイムロスを最小限に喰い止めた王者・アウディでした。

これでアウディは2010年から5連覇。
ここ15年間で13回もの総合優勝を成し遂げているというから、これを王者と言わずして何と言うべきでしょうか。(その合間に勝ったのはプジョーとベントレーのみ)

さて、嬉しいことに今年もスカパーのCS放送で全24時間中14時間分もの生中継があり、私もフル視聴した昨年ほどではないにせよ、明け方の3時間を除いた11時間分をしっかり”走破”させていただきました(^_^;)。

1991年のマツダ以来、23年ぶりとなる日本車の勝利が遂に!?と、大いに興味を持ってTV観戦をした私でしたが、終わってみるとトヨタはまたも惜敗。
そしてそこには、いみじくも一年前と全く同じ、あるひとつの疑問が残ったのです。

ちなみに、昨年のル・マン中継で私が感じた疑問は2つありました。
ひとつは・・・

なぜミニバンのCMなのか?

昨年のLMP2にエントリーした大多数のマシンに戦闘力の高いパワーユニットを供給し、かつ、自らも”世界最速の電力駆動レーシングカー「Nissan ZEOD RC」による2014年のル・マン参戦を発表するなど、90年以上の歴史を持つこの偉大な耐久レースを、様々な方面から強力に支えていたニッサン。
そのニッサンが、昨年のル・マンの生中継番組で流した自社CMというのが、どうしたことか、よりによってモータースポーツイメージとは程遠いミニバンと軽自動車ばかり。
同じ番組スポンサーのアウディやトヨタが、スポーツカーや高性能車のイメージCMをこぞって揃えてきたのとは全く対照的だったのです。

「ル・マンだって所詮はマーケティング戦略の一環。結局、ジドウシャが売れないと意味ないのよ」

と、現実的なビジネスの側面を顕わにされ、なんだか小馬鹿にされたような気分。
これには、かつて地上波のル・マン中継にかじりついていた頃の自分を思い出し、久々にモータースポーツが醸し出す夢とロマンの世界に浸りかけていた私はすっかり幻滅。眠い目を擦りながら300km超でユノディエールを疾走するマシンにアツい視線を送り、ベテラン解説陣の含蓄ある話に耳を傾けているようなコアなレースファンに訴えるCMが、ホントにそれでイイの?????
それが、一人のモータースポーツファンとしての、私の素直な心境でした。

ところが、今年のニッサンが用意してきたCMを見てビックリ!
そこには、昨年呆れるほど繰り返し見せつけられた四角い箱型のフォルムは全くなく、510ブルのラリーシーンから始まり、量産EVの「LEAF」などを散りばめた「ワクテク」の技術CMに、日産の持てる最新技術を余すところなく投入した高性能プレミアムカーの「SKYLINE」のCM。
そうです、現代ル・マンの大きな魅力のひとつでもある、先進テクノロジー開発の側面とイメージが重なるCMを揃えてきてくれたのです。

やはり、ル・マン中継のCMはこうでなくちゃね!(^O^)

残念ながら、話題を呼んだニッサンZEOD RCは、決勝レースではギアボックスのトラブルにより早々にリタイアを喫してしまいましたが、一周13.6kmのサルテサーキットを完全にEVモードで走り切るという世界初のパフォーマンスも披露。来たるべきLMP1参戦、そして悲願のルマン制覇というシナリオに向けて、TV中継番組内という限定的な世界ではありますが、技術的要素やマーケティング要素が次第にかみ合ってきたような印象を受けたのが、今年のニッサンでした。

というわけで、昨年感じた疑問のひとつは今年、見事に解消しました。
さぁ、残るひとつは何だったかというと・・・

■なぜトヨタは2台体制なの?

(つづく)
2014年06月07日 イイね!

コルベットデーは・・・ちょっと小休止? 【USCC Rd.5】(5/31)

コルベットデーは・・・ちょっと小休止? 【USCC Rd.5】(5/31)(一週間遅れのレポートです・・・)

USCC第5戦の舞台は”自動車の街”デトロイト。
周囲を湖に囲まれたベルアイルパーク内を駆け抜ける市街地コースは、今週末にF1カナダGPが開催されるジル・ヴィルヌーヴ・サーキットを彷彿とさせるもの。
ただ、全体的にコース幅が狭い上に、市街地コース名物の直角ターンではなくて、微妙に左右に曲がりくねった中速コーナーが多く、勝負の行方はマシンのポテンシャル云々よりもトラフィック処理の成否によって大きく左右されそう。

そんなベルアイルで開催された100分のレース ”Chevrolet Sports Car Classic”は、結果からいうと、そのタイトル通り、コルベットDP勢が主役のレースでした。なんたって、スタート直後からチェッカーの瞬間まで、3台のコルベットDP勢による激しい表彰台の”高さ争い”が繰り広げられるという一方的な展開でしたから。
セブリングとロングビーチで連勝したライリー・フォードは早々にリタイヤを喫し、アグレッシブにレースを引っ掻き回すモーガン・ニッサンや、前戦の覇者ホンダ・HPDも中団争いが精一杯で、今回ばかりは完全に脇役に甘んじてしまいました。

さて、そのPクラスにSKYACTIV-Dクリーンディーゼルエンジンで挑戦しているSpeed Sourceチーム。
前戦のラグナセカでは、2台ともにスプリント仕様の新エンジンを搭載し、#07が今年最高位となるクラス7位(総合7位)でフィニッシュ。
マツダのホームコースで獲得した総合7位のシングルポジションもさることながら、マツダLMP2の決勝中のベストタイムが、PクラスのファステストLAPから僅か2秒落ち(3%増し)のレベルまで迫ってきたことは、次戦以降のレースに向けて大きな希望を抱かせました。

しかし、ミシガンのコンクリートジャングルは、フロリダ育ちのマシンたちの肌に合わなかったのか、前戦までの上り調子はどこへやら。
Pクラスのライバル勢とのタイム差は広がり、第3戦・ロングビーチの頃の状態にまで逆戻りしてしまいました。

まず、予選グリッドは以下の通り。
<予選結果>
 ●総合10位(Pクラス10位) #07・Mazda LMP2  B.L.: 1:31.344 (+6.333) 
 ●総合11位(Pクラス11位) #70・Mazda LMP2  B.L.: 1:31.929 (+6.918) 

PPを獲得した#90・コルベットDPとの7秒差もショックながら、実はPクラス9位の#31・コルベットDPとでさえ4秒以上の大差が・・・。
1位から6位までがコンマ8秒差内という僅差、9位まで含めても2秒差内に収まる激戦のPクラス集団の遥か後方で、2台のマツダLMP2が孤独なランデブー走行を続ける・・・そんなレース展開が目に浮かぶようです。

そして、決勝のリザルトがこれです。
<決勝結果>
 総合優勝(Pクラス1位)   #10・Corvette DP   57LAPS
   :                    :
 総合8位(GTDクラス1位) #63・Ferrari458 Italia(-1LAPS)
   :                    :
 総合19位(Pクラス8位)  #07・Mazda LMP2  (-2LAPS) B.L. : 1:31.599 (+5.997 → +7.01%)
 総合22位(Pクラス9位)  #70・Mazda LMP2  (-3LAPS) B.L. : 1:32.462 (+6.860 → +8.01%)

まず私が最もショックだったのは、総合順位から判る通り、10台以上のGTD勢に先を越されてしまったこと。
しかも今回のGTマシンは、前戦まで混走していたGT-LM勢よりも格下の、デイトナGTたち。
おまけに、クラス優勝のフェラーリ458にもバッチリ周回遅れにされてしまったという事実には、全てのマシンの後塵を拝していたシーズン序盤、デイトナやセブリングでの惨状までもが蘇ってしまいました。
ただ不思議だったのは、今回の予選も決勝も、ベストラップを比較すれば、常にマツダLMP2はGT-D勢にきっちり1秒以上差を付けていて、普通に周回を重ねている限りは、後方のGT集団にそう簡単に飲み込まれるはずはないのです。

となれば、PIT内やコース上のアクシデントに巻き込まれて大きくタイムロスし、十分な挽回ままならず中段位置でフィニッシュを迎えたに違いない・・・
そう思って、後日配信されたレース中継の動画で検証してみたら、マツダLMP2にとって元凶となったのは、2度のフルコースコーションでした。

ま、コーションラップの間に後続マシンとの間に築いたマージンが帳消しになってしまうのは当然ですが、最近はペースカー先導中にクラスごとの隊列を整えるために、上位クラスに挟まれた下位クラスのマシンを積極的に先行させるので、あと少しでマツダLMP2がラップできたはずのGTDマシンも、それを機にやすやすとペースカーを追い越し、ほぼ一周分のアドバンテージを得て隊列の最後尾に付くことができたわけです。
この仕組みが今回、上位のPクラスに属していながら、ラップタイムは下位のGTDクラスの方に近かったマツダLMP2勢には、ことごとく不利に働いてしまったようです。
それに加え、TV中継がカバーしなかったので理由は全く不明ですが、2回目のフルコースコーション中に2台のマツダLMP2勢はGT-Dの上位集団にまとめて周回遅れにされ、総合順位もそれまでの7位・8位から、一気に20位前後まで後退してしまったのです・・・(緊急PITストップでもしたのか?)

というわけで今回、格下のGTD勢に飲み込まれてしまったのは偶々不運が重なった結果として諦めるとしても、Pクラス上位勢のとタイム差が再び拡大してしまったのは、少々頭の痛い話です。
今回のデトロイト戦でのマツダLMP2の数少ない見せ場といったら・・・トラブルでペースが上がらなかったHPDホンダの2号車をサンドイッチして走ってみせた、レース序盤のシーンくらいでしょうね(^_^;)。
(その様子を画面キャプチャーしたのが今回の画像です・・・)

次戦・ワトキンスグレンは速さと信頼性の双方が求められる6時間レース。
Speed Sourceチームが失地回復のためにマツダLMP2にどのようなアップデートを織り込んでくるのか、そして、どのようなレースストラテジーを用意してシーズン3戦目の耐久戦に臨んでくるのか、大いに注目しましょう。
2014年05月19日 イイね!

マツダLMP2、存在感アップ! 【USCC Rd.4・詳報】

マツダLMP2、存在感アップ! 【USCC Rd.4・詳報】5月初旬に開催された北米USCCの第4戦・モントレーでは、過去最上位となるPクラス7位(総合7位)でフィニッシュしたマツダLMP2 SKYACTIV-D Racing。

これまでの戦いぶりを振り返ると、開幕直後はシリーズ唯一の存在でもあるクリーンディーゼルのパワーユニットに課題が山積。
序盤に連続した24時間/12時間の耐久戦では、長時間を走り切る信頼性の確保を最優先にした結果、こと速さに関してはGTマシン勢の後塵をも拝し、全参加マシン中で最後尾という屈辱の予選グリッドに甘んじてしまいました。
ソウルレッドを想起させる鮮やかなカウル色にSKYACTIVデカールを散りばめ、いかにも”マツダワークス”をイメージさせる勇壮なアピアランスと、格下のGTマシン勢にさえ次々にオーバーテイクされるという不本意なコース上のパフォーマンスとの果てしないGapに、たとえ熱心なファンでなくともどこかやるせない気持ちにさせていたのが、この頃のマツダLMP2マシンの苦闘ぶりだったように思います。

しかし、第3戦ロングビーチから投入したスプリント仕様エンジンで速さに一筋の光明を見出したSpeed Sourceチームと北米マツダは、続く第4戦には2台揃って新エンジンを搭載。
すると、2台のマツダLPM2マシンは、予選~決勝を通じてLM-GT勢を後方に従え、本来のプロトタイプマシンらしい位置で、マツダのホームコース・ラグナセカを駆け抜けてくれたのです!

客観的に見れば、GRAND-AMシリーズから大挙して押し寄せたDP(デイトナプロト)勢とPクラスの覇権を争うALMS由来のLMP2(ルマンプロト)勢の一角として、やっと本来のバトルフィールドに戻ってきたというだけの話ですが、前述の通り、シーズン序盤は辛酸を舐め尽くしていただけに、シーズン途中でここまで劇的な失地回復を見せたことは、ファンにとって感動的ですらあるわけです。

そんな2台のマツダLMP2のパフォーマンスをぜひこの目で確かめたくて、先週私は動画サイトにアップされていた第4戦・モントレーの生中継の様子をじっくりと鑑賞してみたのです。

ヘッドライトを点灯させ、前方のLM-GT勢にプレッシャーを与え、抜き去っていくマツダのLMP2マシン。
プロトタイプマシンにとっては至極当然なパッシングシーンが、なんとも勇壮で凛々しく映ったことか(笑)。
まさに、シーズン序盤の苦戦が嘘のような爽快なシーン・・・ですが、ここはレースリザルトからもある程度予想できるもの。むしろ私が興味を持って観たのは、レース中盤にPクラス4位まで登り詰めた後、他車との接触というアクシデントで無念のリタイヤを喫してしまったという、#07のマツダLMP2の顛末でした。

そのアクシデントは、2時間レースの折り返し地点が近付いてきた30周目に起きていました。

予選ではベストタイムが出せず、Pクラス最後方の12位(総合21位)からのスタートを強いられた#07は、決勝のスタートとともに次々にLM-GT勢をパスしながらポジションを回復。
レースの3分の1が経過し、Pクラス上位勢が1回目のPITストップを行うタイミングを迎えても、SKYACTIV-Dエンジンの好燃費を生かしてコース上に止まり、瞬間的にはなんとクラス3位(総合3位)までポジションアップしていたことが判明!!

しかし、純粋な速さではまだまだ2~3秒の隔たりがあるため、PITインで一時的に後退したPクラス上位勢に捕まるのは時間の問題(^_^;)。
ずっと首位争いを演じてきた#1のHPD(緑のマシン)に、そのアウトラップで早くも追いつかれたのが、ラグナセカ名物のコークスクリュー(高低差のあるシケイン)の手前でした。
ここで#07のミラー選手は大きくラインを譲り、背後に迫っていた#5・コルベットDP(白のマシン)も含めた2台をパスさせようとしたのですが・・・さらにその後方で、ミラー選手には予期できない接触アクシデントが発生してしまったのです。

レース序盤から激しい順位争いを繰り広げていた#90・コルベットDP(青のマシン)のバリアンテ選手から激しいマークを受け、コークスクリュー入口でイン側に寄せられた#42・モーガンニッサンのブランドル選手が、たまらずコース内側へ回避。
コースオフでコントロールを失った2座席オープンのマシンは、すでにコース上でターンインを開始していた#5のフィッテパルディ選手にサイドから接触。その弾みで、#5のコルベットDPはさらにその外側にいた#07の位置まで押し出され、結果的に、横っ腹に突進された#07のミラー選手だけが哀れ反対側のコース外へ・・・。
サンドトラップから自力で脱出し、なんとかPITまで戻った#07ですが、マシンダメージが酷く、クラス最後尾から見事なジャンプアップを見せた会心のレースも、これ以上の続行を断念せざるを得なかったというわけです。

ちなみに、最初に接触を起こした#42のニッサン・モーガンも、フロントカウルを壊して緊急PITイン。
その後はマシンの修復作業やペナルティストップで大幅にタイムロスをしてしまい、レース序盤に印象的な速さを見せながらも、大きく順位を落とす結果となりました。

それにしても、思いっきり割を喰ってしまったカタチの不運な#07・マツダLMP2。
もし、ミラー選手が#1・HPDに即座に道を譲らず、目の前に立ちはだかったままシケインを通過していれば、結果的に#42の接触の巻き添えを喰らうことはなかったかもしれませんが、まぁこれは、レースには禁句のタラレバの話。
れよりも、こうしたPクラスの激しい上位争いのシーンに、マツダLMP2マシンが同周回の1台として堂々と加われたことを、素直に喜ぶべきですね。
だって、シーズン序盤のマツダLMP2だったら、まず間違いなく周回遅れとして登場し、コークスクリューの遥か手前から激しくブルーフラッグを打ち振られていたでしょうからね(^_^;)。

次戦ではぜひとも、Pクラスのライバルマシンに照準を合わせ、これまでにない激しいチャージを開始してほしいものです。
頑張れ! マツダLMP2 SKYACTIV-D Racing!!

プロフィール

小学生の時代に到来したスーパーカーブームがほぼ終わりかけた頃、極めて身近な存在だった国産車、とりわけ強烈な個性が滲み出る'50s~'60sの旧車に強い興味を持っ...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/8 >>

     1 2
345678 9
101112 13141516
171819202122 23
24252627282930
31      

ブログカテゴリー

リンク・クリップ

MAZDA VIRTUAL MUSEUM 
カテゴリ:My Favorite Site
2020/02/16 08:57:15
 
Jacobins Square  
カテゴリ:My Personal Homepage
2011/09/15 18:08:17
 
WW2 
カテゴリ:Our Enthusiastic Project
2011/09/15 18:06:58
 

愛車一覧

マツダ RX-7 マツダ RX-7
独身時代の2000年にⅣ型から買い換えたⅤ型。 以降5年間で計29回のサーキット走行に供 ...
マツダ MAZDA3 ファストバックハイブリッド マツダ MAZDA3 ファストバックハイブリッド
見る者をハッとさせる造形、個性とセンスが光る色合い、世界の最先端を窺う新世代エンジン、操 ...
マツダ MX-30 EVモデル マツダ MX-30 EVモデル
5代目となる嫁さん専用車は、我が家で初の電気モーター駆動車に。SKYACTIV-G→D→ ...
マツダ ビアンテ マツダ ビアンテ
我が家の遠出&多人数移動用の三列シート車として、V6フレンディのショートリリーフの跡を受 ...
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation