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周知の通り、Ｆ１はフェラーリのライコネン選手が最終戦で７ポイント差を引っ繰り返し、まさかの大逆転で年間チャンピオンを獲得しました。
チャンピオン争いはマクラーレンのハミルトン選手、アロンソ選手も加わる３つ巴の縺れた戦いで、ライコネン選手は自力では運命を決められない状況で最終戦に臨んだだけに、彼のファンならずとも相当シビれる展開でしたが、結果はなんと、最も不利な条件だった彼が栄冠を手にしました。
過去にも、最後の最後で予想外の展開を見せたチャンピオンシップは数々ありましたが、フォーミュラカーの頂点たるＦ１でそんな壮大なドラマが演じられるに及び、「諦めない」ことの大切さをあらためて思い知った気がします。

さて、思い起こせばここ十数年、Ｆ１チャンピオンの資質が語られる際、純粋な速さや開発能力、チーム戦略の完璧なトレース能力などのコース上のパフォーマンスにとどまらず、メディアを利用したチーム内外のライバルとの心理戦だとか、チームメンバーの人心掌握術など、コース外での才能までもが折りに触れ話題に上ってきたような気がします。そういえば、時にラフプレー寸前の強引な走りを披露して物議を醸し続けたチャンピオンもいましたっけ・・・。
それだけに、そういった「他方面」での印象が薄く、純粋なレーサーのイメージが強いライコネン選手が勝利したというのは、一種の清々しさを感じますね。

私自身のライコネン選手評は、若い頃から速さと正確さを兼ね備えたほぼ完璧な逸材ながら、やや勝負強さに欠けるというものでした。速いマシンに乗せたらきっと誰も太刀打ちできないだろうけど、逆境を跳ね返して状況を好転させるほどの力強さは感じていませんでした。
ですから私は、来シーズンに初めて追われる立場となるライコネン選手が、今シーズン終盤に見せたような破竹の勢い・勝負強さを見せて、連覇に向けて突き進むのかとても興味があります。

もし２強のラインナップが不変なら、今年のような４人を軸にした激しい争いが予想されますが、私はＢＭＷのハイドフェルド選手に大いに注目したいと思います。
なぜなら彼は、ザウバー時代のチームメイトがついに頂点を極めてしまった今、ドライバーとして一層の奮起が期待できるからです。
年々上昇機運にあるＢＭＷザウバーのマシンの出来如何の部分はありますが、才能溢れるドイツ人ドライバーにいつＦ１初勝利がもたらされるのか、楽しみです。