
計2回の新世代アクセラ(スポーツ・17インチ)の試乗で、このクルマの持つハンドリングの素性は何となく掴めてきました。
また一方で、SKYACTIVデミオには日々接しているので、そのハンドリングはよく判っているつもり・・・。
こうなると益々、ほぼ同時に登場したマツダのSKYACTIV技術搭載車として、お互いの関連性がとても気になってきました。
両車のハンドリングの相違をどう捉えるべきか悩んでいて、ふと思い出したのが、マツダの”Zoom-Zoom”は「インコース高めの直球勝負」というような話。
たしかマツダの偉い人が雑誌か動画で言ってたような・・・(笑)。
そこで、私なりに「レスポンス」、「インパクト」、「洗練度」という3つの直交軸を勝手に定義し、ホームベース上を通過するボールに例えてみました。
X軸:
初期レスポンスの早さ
アウトコース(遅い、鈍感) [-] <---> [+]
インコース(素早い、敏感)
Y軸:
動きのインパクト
低め(マイルド・曖昧) [-] <---> [+]
高め(過剰気味・明快)
Z軸:
動きの洗練度
スローボール(表層的) [-] <---> [+]
ファストボール(奥深い)
ついでにもうひとつ要素を加えるなら・・・
動きの一貫性・再現性
コントロール難(単発的) <--->
安定した制球(統一的)
ですかね。
このような評価軸を独断で置いた上で、さてマツダが提唱した"Zoom-Zoom"は、強打者をも簡単に打ち取れる『インコース高めの豪速球』にいきなり成り得たかというと・・・
○初代の”Zoom-Zoom”
狙いはまさにインコース高めに近いけど、球速は今一歩の130キロ台で、やや制球力にも欠けている(笑)。
反応が良くて確かに判りやすい反面、しばしば細切れとなって奥深さに欠け、ときにビーンボールとなったり、あまく入って痛恨の一発を喰らう。(球筋がバラつくので楕円が大きくなってます 笑)
○二代目の“Zoom-Zoom”
ボール1個分くらい真ん中に寄ったけど、逆に球速は増して140キロ台に。
角が取れてインパクトも少し薄まったが、質感は確実に向上していて、長打を喰らう確率もぐんと減ってきた。(楕円もやや小さめとなる)
○統一感を推す最新の”Zoom-Zoom”
大まかにはインコース高めのエリアを維持しながら、球速は150キロ台に迫り、制球力もキレも出てきた。
"レスポンス命"を脱し、挙動の一貫性による爽快さをより強調するようになったので、多少バットが届きやすくても、ボールの威力でバットをへし折ったり、詰まらせたり。(小さな真円に近付く)
ということで、"Zoom-Zoom"も当初の「狙い」を少しずつ軌道修正してきたとのストーリーでまとめてみました。
そこで、話題のSKYACTIVデミオとSKYACTIVアクセラの立ち位置の話です。
両車とも、初代アテンザのようなインコース高めギリギリを狙った際どい攻めとは決別し、コースや高さは幾分甘めながらも、球のスピードやキレ、そして制球力で勝負をしています。
ただ、アクセラはやや制球に不安がある分、スピードを生かした高めのつり球を積極的に活用。
対してデミオは球の威力と絶対的な制球力に自信を持って、「打ってみろ」と言わんばかりにキレのある速球を投げ込んでいます。
要は、お互いに決め球のイメージはほぼ合致しているものの、そこへのアプローチ方法は必ずしも同一ではないので、結果として現時点では投球の組立てに共通性を見い出せていないのかもしれません。
・・・とまぁ、面白おかしく、でも相当真剣に勝手なマッピングをしてみたわけですが、デミオとアクセラのちょうど中間あたりに160km/h近い超スピードボールを投げ込んでくるのが、期待のフルSKYACTIV車だと思いたいですね(^^)。
(※なにぶん熟成不足のため、変化球はどう説明するのとか、インコース高め好きなバッターはどう対処するのかとか、厳しいツッコミはなしでお願いします 笑)
Posted at 2011/10/06 01:18:41 | |
トラックバック(0) |
隠れ家のテストドライブ | 日記